壊さないといけない古い組織が多すぎる

 古い習慣や、組織を根本から壊してやり変えるとは、言葉はキレイですが本当に大変なことだとは思います。
 古い寺社や伝統産業や伝統芸術が集約された京都ですが、他の関西同様に明治以降は革新的なことを沢山やり、日本初のというものも多かった街です。

 京都のような町で、保守的な立場の友人も多いのですが、今の日本には憤り、ジレンマを抱く人は多いのではないでしょうか。

 愛国的で保守的な思想を持つ方でも、今の日本の政府与党の政治や官僚の行政、経済の状況には心から支持できないという話をよく聴きます。立憲民主党や、ましてれいわ新撰組や共産党はまっぴらでも、自民党にも投票したくないというものです。志高い一部の保守政治家には残ってもらって、自民党はじめ既存の政党は全部ぶっ壊れて、お金のかからない選挙や国会の運営ができないものかとは、多くの人が望んでいるのではと思います。

 日本はここへきて、大きく国際的地位も競争力も失っています。あらゆる分野で閉塞して、元気がない国になっています。

 保守政治や国会議員だけが悪いわけではないのですが、政治と長い間しがらみで結びついたものが淀み、腐食さえ進み壊死寸前で組織が硬直してどうにもならないのではと思います。

 最近になって、「年収の壁」問題で財務省だとか総務省や厚生労働省が悪いとかいう話もチラチラとはでていますが、まさに氷山の一角というか、ほんの一面です。政治改革で企業献金を止めようといっても、なかなか与党からは全面禁止の声は出ません。
 ひとことで、企業団や団体の寄付、政治献金といいますが、我々庶民のふるさと納税とは意味も額も違いすぎます。否、我々でもどうしても献金すれば、返礼品を求めます。企業がただ見返りなく、政治家や政党にお金を出すわけがありません。

 お金だけではなく、業界団体は長く、集票をまとめて議員も送り込んでいますし、族と言われる議員も当選させています。

 戦後、GHQの指導下で、財閥解体が進み自由化が進んだ日本の産業ですが、1950年ぐらいに多くの業種、業界が自分たちの会社や個人経営者を守るため、業界団体を作り、制約や法律を作りました。あらゆる業界、マスコミや、政治、農業や工業も、宗教、医療やインフラ、日本の戦後の社会の枠組みのほぼ全ての「仕組み」がこの時期に形成されました。

 当時のその「仕組み」が悪い訳でも、中心になったリーダーの人選に問題があったわけではないのです。日本の問題は多少急ごしらえでも立派は仕組みができて、その上に立った権力者、上位組織がそれから70年アップデートされないままだったことです。権力者は世襲とまではいかなくとも、新しい考えの人材を登用するよりは過去の考えを踏襲する人間を後継し、いつしか組織の上位者は、社会全体はおろか業界全体も見ることなく、組織の維持、強権で排除の理論を持ち、権力の維持だけに邁進することになります。

 結局、戦後スタートした組織はどこでも、フィクサー、闇将軍だとか、牢名主、ヌシ、老害とか、伏魔殿だらけになってしまています。去年90歳過ぎて亡くなられた讀賣新聞の渡邊恒雄さんも、若い頃は革新的な経営もされたのでしょうが、権力を持って年齢を重ねすぎ、プロ野球の新規参入も拒む「壁」になっていました。経営者が自分の企業や業界を守るのは当たり前の論理ですが、結局日本はそれが政治、選挙と結びつき、マスコミも巧みに誘導するために、あらゆる面で組織が改革されずに、新しいものが生まれなくなり、生まれても育つことなく古いものだけがしがらみに守られ生きている国になりました。
 たとえば大地震やコロナ禍で、あれだけの被害が出ていても、政府、自治体だとか、官僚、医師会、マスコミ報道などが、それぞれどうしようもない課題を抱えて停止していまっていたのは記憶に新しいところでしょう。
 今回が自民党の選挙敗北で、支持者や団体の中にもだいぶ疑問が出たのも事実ですが、一つ一つの組織、「農協」だとか「記者クラブ」「医師会」「宗教団体」「労働組合」などが全部キレイにアップデートしていくことはあるのでしょうか。

 老害的な経営者や政治家に「ハラキリ」を揶揄した老害の早期引退を唱えた成田悠輔氏もだいぶ意に添わぬバッシングをされていました。こういった斬新な意見を、巧みに当事者を交えて潰していくのは本当に悪質です。
 別に彼も全高齢者世代に対してリスペクトがなかったわけではないと思います。
 大阪府の知事市長を務めた橋下徹も、改革を唱えた時、だいぶやられていて、いまだに保守層でも、改革や財政緊縮のターゲットにされて怨んでいるし、毛嫌いしている人よく聞きます。大きな改革をするときは確かに、その組織の黒幕だけでなく、そこに遣え従う人も巻き添えになりがちではあります。でも、組織も時代に応じて変わらないのです。そこにいる人が不安や危険を感じて抵抗します。
 だから日本が70年前のまま、進歩しない国になってしまったのです。
 簡単に書いてしまいましたが、大変実行は難しい問題ですし、線引きも難しいものです。年収の壁一つであれだけ、抵抗され進まないのですから、もう今の与党は総替えでもいいぐらいです。
 この構図が分かっても、文句を言ってるだけで私は議員でも官僚でもないです、力もない不フォロワーも少ない一ブロガーの無力さを感じます。
 それでも小さな力を集めるしかないです。自分もかつては、古い組織に抗えず、しがらみにがんじがらめの時もありました。エラそうな経験もありません。
 少しずつでも拡散もですが、若い方が新しい日本を作る意欲を持つこと、それを回りの人が「若いから、前例がないから」と既存の考えで邪魔をしないで支えることでしょう。

 

 

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