映画レビュー「室町無頼」カッコいいウエスタン風ニューシネマ?

 実は1年半前の9月まだ暑い日に、ボランティアで当時まだ大泉洋主演入江悠監督というだけで、名前も知らない映画のエキストラに太秦の撮影所と映画村に参加しておりました。早朝から着替え、移動で滋賀の日と、映画村内の江戸の街を京の都に見立て、松明(たいまつ)を持って深夜まで何度も疾走しました。

「室町無頼」という題名を知り、あそこにいたのはなにわ男子の長尾君だったんだと持ったり、驚きも多かったです。寛正の土一揆(かんしょうのつちいっき)という室町中期、応仁の乱の少し前の時代ですが、現代に通じるような政治の腐敗と、年貢高で庶民の貧困による不満の爆発が描かれます。蓮田兵衛という大泉洋演じる牢人は名前のみ首謀者として実在しますが、原作の小説家垣根涼介が見事に肉付けしたのです。
 汚れたシーンや悲惨で残虐な場面もありますが、音楽がいいです。厳しい時代ゆえ大泉さんお優しく頼もしいキャラが好きになります。かつてのマカロニウエスタンとニューシネマを彷彿させて、時代劇というよりクロサワの七人の侍+西部劇っぽいような感じです。修行して成長する長尾君演じる若者もアクション含めて良いです。大泉さんと堤さんはさすがの役作りですし、北村一輝がやはり憎たらしい悪役で「ガイガン起動!」を思い起こします。

 自分が松明を持って、映画村の中を走ったシーンはどうつながるのかと待ちながら見ていましたが、京都の町を関所の口を突破して、相国寺の七重の塔を目印に、守護の兵をかわし碁盤目の通りをうまく回って二条の屋敷にある借金の証文を焼きに行くのに納得しました。深夜までカットOKがかかるまで何度も走ったのが懐かしいですが、残念ながら顔が識別できるほどには映っていませんでした。

 大泉さんは昨日今日番宣出まくりですが、こんな時代劇にどれほど興行価値があるのかは難しい面はありますが、素直に面白いです。大河ドラマだと表現も制約があり難しいところもありますから、やはり映画はいいです。

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