人事院勧告は6倍 額も率もショボく遅い年金の増額

 現在奉職を戴く公務員で年金機構にも勤めた私が年金の件に関して、批判的なのもアレですが、ホンネで何度か書いています。探すと1年前も同じような発表画像サムネでやっていました。

 年金額上がります 保険料なども上がります – 天使の星座

 年金の内容を上げると賛否いくつかいただきました。勘違いされては困るのですが、年金制度があること、生活保護も含めた日本のセーフティーネットの立て付けそのものはそう悪くありません。
 繰り上げ繰り下げの件でも、納付してからその間の運用なども民間の保険や個人が投資してなかなかこのレベルにはできない面もありますし、多くの人はやらずにほっておいて老後や障害を迎えるかもしれません。
 ただ、昨今の厚労省の在り方、特にマクロ経済スライドが実際発動し、介護保険料や他の税金なども物価とともに大きく上がると、年金生活は実際には極めて厳しいものになっているということです。

  昨年末、人事院勧告で令和6年4月に遡り、俸給(公務員の給与)は上がりました。

 私も俸給が上がった9カ月分が昨年の最終日に入金され、12月は年末調整後の給与と賞与(約2.5カ月)とこの調整分が入り、年金の入る偶数月でもあるのでホクホクでした。
 ただ、平たくいうと同じ22万程度だとすると、年金は1.9%増で4000円強だけ増えるのに、俸給は12~14%増え毎月2万4千円弱も上昇です。
 人事院勧告は民間企業の賃金、年金は消費者物価指数を基準にするのでこの差はあるのでしょうが、物価も方こそもっと上がっていないかと思うのです。マクロ経済スライドで1%は減額するのは分かりますが、年金も1割以上上がって、しかも昨年の分から遡って上げてもしかるべしではないのかと思います。
 そう時期ですが俸給は遡って年度初めにあたる昨年の四月分からまとめて払ってくれて1月から上がっているのに、年金は今年6月まで待たないと行けません。
 公務員も民間に負けない優秀な人材も獲らないといけないですが。物価が上がって苦しいには年金生活者です。やればできるのに、目先の給付とかではなく、税金を減らすなり、年金をもう少し消費の実態に合わせて早いタイミングで増額するかです。

 ましてや、同じ厚労省管轄で、後期高齢者医療保険料もしくは健康保険料と介護保険料は毎年上がっています、介護保険だけでも、老齢基礎年金の上昇だけで、1400円は帳消しにされていますのではという試算もあります。
 年金だけが収入になった高齢者にとって、消費の割合をしめるのは物価指数だけではなく、社会保険料が高額を占めています。そこが上がれば6月に上がった年金が、前の年の所得が確定した8月以降天引きが増えて、実質はさらに下がるのです。せめて、公務員の俸給なみに月3万上がれば数千円の上昇は納得いきますが、このような複雑は計算で結局微々たる上昇で、それも公共料金負担で目減りするのでは不満も出るのは当たり前です。
 財務省の税金もですが、せめて厚労省の中で、年金と健康保険介護保険を考えて配慮した支給額にしないと、このような複雑なマクロ経済スライドを計算している職員も浮かばれないです。
 プレジデントの前週号の年金特集に日本の年金水準が諸外国に比べ構造的低いのが図表ででていましたが、いろいろ日本にも良い制度、良い点もあるのでしょうが、こと給付水準のレベルに関してはマクロ経済スライドが進みやはり低すぎるのが実感です。国民年金はこれでもマクロ経済スライドの財源が足りないのも大きな問題です。
 少し、抜本的発想を変えた税と社会保障の一体改革が必要です。

不満が多いのは税割合が高すぎる、五公五民 – 天使の星座

満額の老齢基礎年金でも生活保護!? – 天使の星座

【年金】繰り上げか繰り下げか、損得、元が取れるという発想が違う – 天使の星座

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください