
寒いと言われた日ですが、太平洋側の和歌山県は風が強いものの、日が射すと暖かい一日でした。
さんざん、鉄道廃線跡を歩き回りました。交通政策の話などで鉄道の専門家のお話でも和歌山県は人口減少も激しく、鉄道も相当厳しいということでした。今日は有田鉄道と野上鉄道の廃線跡を行きました。以前、御坊の紀州鉄道末端区間の廃線跡は歩いているので和歌山の盲腸線、廃線跡はほぼ完走しました。
1993年上梓の川島令三「全国鉄道事情大研究 大阪南部和歌山編」には有田鉄道も野上鉄道も廃線を危ぶまれながらも打開策を書かれていました。今や、紀勢本線でさえ、進むほどに厳しい状況です。
特急は白浜まで観光客向けの特急もあり、健在かと思われますが、何せ紀伊半島は海も迫り、景色は良かったのですが時間とお金はかかります。昔のスペックの線路、線形、カーブの多さで電化されてはいても速度にも限界があり、後からできた高速道路にスピード面で勝てないのですし、クルマはドアツードアの上、4人のっても料金は一緒です。これでは鉄道の利用が少ないのも分かります。
とはいえ、新幹線の恩恵のない地域の過疎、衰退ははっきりしています。物産や施設やら企画などいろいろ努力もされて、気候の良い時、人も少なくのんびりと見れば田舎もいいような気がしますが、かつて栄えた工場や鉱山、一次産業も衰えが目立つので、働くところがなければ、暮らしていけないですし、商業も難しくなり、インフラにかけるお金も無くなる悪循環です。こういう地方は、日本のいたるところにあり、県庁に出るのさえ時間もかかり、その県庁、中心都市でさえ、首都圏などに及ばない地方都市です。
明治期には、和歌山にしろ日本海側の新潟、金沢も今より格上の大都市でした。日本列島の改造、地方創生を今一度ぶち上げる石破首相ですが、言葉だけでなく、地に足をつけ、何とかしないといけないですね。
交通政策、インフラ整備、流通に関しても、自治体、NEXCO、JRや民鉄、各企業と関連省庁、学者に任していてもバラバラです。それが今の地方のいびつな惨状です。
かつて東海地震、今南海トラフが発生するかもなどといった無責任な地震学者や学会などもいい例です。それが正しくともインフラと防災、交通政策、街づくり、産業があって全てをバランス良くして街の維持、発展があるのです。
朽ち果てた地方の廃線と、爛熟して混雑する都会の喧騒を見ると、この国の直すべき問題の解は見えるはずです。