
小劇場で見る演劇が好きと言っても、学生時代のように見る機会は早々作れませんし、役者を見るといっても圧倒的にテレビが多いのです。
舞台を中心に活躍していた人も、テレビや映画に活動の場を移す例はたくさんあります。今をときめく、大泉洋さん、堺雅人さんなども小劇場出身なのは比較的よく知られています。
〇〇座、劇団〇〇といった超メジャーから、伝統ある大学系の劇団、天才、鬼才が作った新興の劇団と、映画やテレビで活躍する俳優を輩出する舞台も沢山あり、それぞれが栄枯盛衰です。もちろん、モデルや歌手、ミュージカルや歌舞伎からも俳優は出てきています。
比較的舞台が中心で、下積みが長く、テレびではチョイ役だったのが、実力を見出されイッキの露出が多くなる場合も沢山あります。岡部たかしさんなんかもそういう感じです。
私が見たベテランでは舞台で今でもスゴイなあと思うのは山崎務さんです。亡くなられた西田敏行さんもテレビのイメージは強いですが、青年座という劇団の座長が長く、良い舞台を作っていました。
そして、私の推しに。スケジュールを舞台優先にしてテレビの露出の少ない稀有な俳優で加藤健一さんという方がおられます。
一時期はNHKのドラマなどに出て、親が喜んでいて、露出が少なくなると寂しがったので、「テレビが一般の方に強い影響があるなあ」というエピソートを何かで読みました。つかこうへい事務所にいた時期もあり、思い出す人もおられるでしょう。
審判という重いテーマの一人芝居をもう1980年から45年も続けておられます。75歳になった現在に至るまで年間3、4本のペースで東京都世田谷区の本多劇場を中心に公演を行い、主役を演じ続けておられます。テレビが全てではないことが。彼の芝居では良く分かります。
表現する媒体、形がどうあれ、演技が好きな役者バカはどこにでもいるのです。テレビが衰退すると、また舞台が注目される時期もあるでしょうか。