
大阪市内、大正時代にできた古民家の二階にある「ホンのジカン」というブックカフェ。
基本、オーダーも小声で行い、ひとりで無言で過ごす空間です。二人以上の入店でおしゃべりは不可で、本当に静かにまったりした時間が流れる空間でした。
噂には聞いたことがありましたが、何か必然の運命に吸い寄せられるようにある日、そこを訪れることになりました。
普段、テレビや動画配信、SNS,雑誌やムックにはやはり毒やマイナスの電波のようなものが沢山潜んでいるのがよくわかります。
砂時計で出来上がりを待ったフレンチプレスの珈琲を飲みながら、最近の書店はもちろん、図書館でもそう見なくなった本を眺め、水槽に泳ぐグッピーを眺め、贅沢な時を過ごさせていただきました。
遠くへ行くわけでも、絶景や美食を楽しむわけでなくとも、非日常な空間はすぐ近くにあるのです。
テレビは一見すると、面白いとか真面目に社会正義のふりをしてとんでもない情報を流します。ネットが正しいかというと、これもまたさら規制もルールも緩い、エロい、悪質な商売、誹謗中傷にあふれています。ちゃんとしたチョイスをして音楽やドラマならいいとか思っていても、知らず知らずにAIが巧に商売で悪い情報も流してきます。一人で歩いて、デトックスをする場所が必要なのです。
独りになるのがちょっと怖い、誰かとワイワイしないと寂しい、誰かに返信して欲しいと焦てしまう。現代人はついつい、何か追われ、何かを追うようになってしまって、ゆったりした時を楽しめないのではと思います。
完成された、アニメや映画やドラマはそれはそれで作品としてはいいのですが、完璧、完全に近づくに連れて、観る側にゆとりや遊びがなくなります。
伏線や製作者の意図を見落としてはいけないとか、極めないといけないという強迫観念のようなもので逆に楽しく鑑賞することが難しくなるような気がします。
そんなに難しいことではありません。
ほっこりするためには、テキトーに過ごし、読み捨て、いつか読み返すそんな読書が一番いいのです。