
リニア中央新幹線はじめ、北陸新幹線や西九州新幹線などの整備新幹線の延伸がなかなか進みません。
先日、ある方がサンダーバードで富山まで関西から一本で行けたときは、ゆっくり駅弁を食べるのが楽しみだったと嘆かれていました。
普通電車を乗りとおす、青春18切符が未だに売れているくらいですから。旅好きの人でも必ずしも速さや新線、新型車両だけが楽しみではなく、車窓や駅弁を楽しむなど移動時間をゆったりすることを楽しむ人もいるのだなと改めて感じました。
鉄道ファンやアナリストはどうしても、スペックから注目して、速度の向上、所要時間の短縮を至上命題に考えてしまいます。ところが車窓や本当の乗り心地や、乗り換えなどは実際に運行が始まりお客さんが動かないと分からない部分もあります。
リニアも速いですが、モグラのようにトンネルが続きます。残土処分や水環境などの問題はおいても、トンネルばかりの車窓が続くのか、旅でほっこりという以上にストレスが溜まりそうです。
そういう面では、もう開業から60年以上経った東海道新幹線は、リニアができる頃にはさらに老朽化して、相当なメンテ工事が必要とは言われていますが、カーブは多くてもトンネルが少なく、富士山や浜名湖など車窓も素晴らしいのです。移動時間が短くなるリニアは都市そのものを融合させる劇的効果はありますが、やはり車窓を楽しむ旅という点では現在の新幹線や在来線に全く勝てないでしょう。
品川~名古屋、40分というのはもうベッドタウンから都心のオフィスへの通勤レベルですから。ゆっくりしてはいけないのです。