出生数72万人、死亡者は162万人って!

 昨年の出生者の数が72万人とまたも過去最低を更新したというニュースでした。
毎年の死亡者は確か百数十万人?と思い、調べるとやはり162万人ほどが亡くなっています。90万人くらいの人口が日本国内から減っているということで、都市だと中核都市の上位、堺市や浜松市、北九州市ぐらい、県だと和歌山県、香川県ぐらいの人が丸ごとイッキに消えたことになります。
 もちろん人口の減少は各地域、それぞれの年代で減っていくわけで、町や学校の人が減り、都市部の駅や繁華街は見た目あまり変わらないのでしょう。
 団塊の世代の人口ボリュームゾーンが次々と70代の平均寿命を超え出しているので、生産的な人口減少はさほどでもないとはいえ、子供が少ないのは心配です。
 やはりこの現象は日本がスカスカになっていく、顕著な統計であることには間違いありません。

 税金や社会保険料の問題、教育の無償化など国会で些末な議論に長時間かかっていますが、大きな政策ともいえず、そんなことでこの流れが止まるものでもないのは誰もが感じているはずです。もっと根源にある肝になる部分で、変えていかないとこの国の少子化、人口減少は変わりません。

 まず、国を支える労働、雇用の面では外国人の前に、高齢者で働ける人がしっかり働ける環境を作るべきです。老害的な経営者の役職定年を延ばせというのではなく、現場を知る労働者は定年を撤廃し、一定の年金を貰いながらも働きやすいようにするだけのことです。多くの企業や役所、政治家でも、トップクラスは役員や天下りなどで高年俸を支払い居座り続けさせ、若い人なみにインフラを支え動ける人や、優れた提案力や思考、技術を持った人を定年で退職させてしまっています。無駄の多い、今後ますます予想される人手不足の中では矛盾した仕組みを続けています。
 人件費も限られ、新卒など若い人を採用するのはどんどん難しくなるので定年撤廃は当然の流れです。それが当たり前になると、体力気力が衰えたら、自分の意思でそれまで溜まった年金、退職金で過ごせるか考えて選択してリタイアすれば良い制度になるのです。

 それでも少子化を止め、人口減少を止めるのは、まだまだ難しい問題です。高校無償化などはほんの小手先です。妊娠から出産、子育て、保育園から大学まで一貫してかかる負担、子供を育てる世代に「これなら私たちにも十分二人三人と作ってやっていけそうだ」とならないと、流れは変わりません。女性にとって、妊娠から出産は大きな苦痛ですし、今は職場でいろいろ気は使われ休暇や休業の制度もありますが、それすら煩わしい上に、それさえ快く認められない場合さえあります。

 昭和の終わりごろまでと違い、「家」があり「家長制度」「姑」「専業主婦」「寿退社」というものもほぼなくなりました。しかし、産休や育休で、短くてもそれなりの期間は組織に負担がかかるし、復帰しても子育てや保育園に預けバタバタしながれというのも夫婦の理解、連携があってもなかなか本人も大変なものです。
 そして、給料と職場復帰が約束された休暇とは言え、キャリアや役員までの昇進を目指すにはその間のブレイクはやはり同期やライバルと差がつくのです。残念ながらどんなに仕事のできる女性でも、例えば3回出産で5年近く職場を離れると、同程度かむしろ能力の劣る同期男性の昇進に比べて大きく差がつくのは、制度が整い労働環境の良い最近でも仕方ないほど良く見受けられます。
 3年間ぐらいは、出産ブレイクしても、職場復帰でき能力に応じた仕事を与えられないと、安心して職場を離れられないし、離れたら遅れるのでは気が気でないのです。育児休暇はあるけど、その間もその後もお互いに何かスッキリしない。社会全体で、少子化を止め、子供の誕生を心から祝っているとは言い難い世の中です。

 自営も含め、家族構成、職場にもいろいろあるでしょうが、概ね共働きしないと子育て以前に生活も難しいような賃金、物価の状況も大きな問題です。
 女性の生き方、人権に大きくかかわりますが、それを大きく制限するわけではないですが、昔の「専業主婦」「寿退社」の良かった面ももう少しスポットが当たっても良いのかとも思います。今の欧米主導の人権社会で、人口が減り続け、共産主義やイスラム社会で人口が増え続けているならば、そこに人口を増やせる鍵もあるはずです。人権が守られないことが良いことでもないですが、多くの世論の流れで、人口を増やす子供を作っていく風潮、習慣を構築していかないと、人権主義で国が消えてしまいます。

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