
3月6日に、東北新幹線、「はやぶさ」+「こまち」の連結が走行中に外れて緊急停止するという案件が昨年9月に続き発生して、現在重大インシデントとして調査中で連結運転が休止しています。
山形新幹線、秋田新幹線という在来線直通のミニ新幹線がJR東日本で1990年代終わり頃にでき、この連結運転はそれまで一度もこんなことはありませんでした。私も1998年から2000年にかけ、秋田に赴任し、初代の白のボディにブラックマスクのE3系「こまち」には良く乗りました。その後も仙台にいましたので、併結された、「やまびこ」「はやて」には帰省や出張などで良く乗りました。今は最速達列車が写真の緑のE5系「はやぶさ」になり赤いE6系「こまち」に代替わりしていました。
東北新幹線は今、北海道まで行きましたが、昔から停車駅の少ない速達列車は、盛岡で「こまち」を切り離します。停車駅の少し多い準速達列車は、つばさを併結して福島駅で切り離します。上りは逆にそれぞれの駅で連結するわけで、初めて見る人にはちょっとしたイベント的光景ですが、良く乗る人には毎回の慣れたものです。
この30年近くで最近の2回だけでのアクシデントで、乗客にケガもなく、車両にも故障はないようですが、何か騒がれると不気味ではあります。
日本の鉄道の自動連結器をとりまく技術やスタッフは世界一優秀だと聞きます。在来線でも特急や新快速などが乗客の波動に合わせ、駅で何両目からとか連接、分轄しています。また貨物列車も機関車と貨車、貨車同士を切り離したり繋いだりしており、素早く連結してロックされ、走行中には離れないようになっています。

今回の新幹線の事故原因については現在国の運輸安全委員会が調査に入っていますので滅多なことは申し上げられませんが、調査結果が出るまでには相当な時間がかかります。
これから先は鉄道ファンレベルの情報での考察です。
つなぐ連結器の列車や貨車が、近づいてきて連結した瞬間に「カチャン!」とピンが落ちてロックがかかりますから基本的に不完全連結での走行はありません。
まして、不完全連結であれば列車が連結されていない状態ですから、列車が駅を発車して動き出した瞬間に非動力の貨車なら分離してしまい置いてけぼりになります。新幹線は電動車であり、切られた相手も先頭車で当たり前に同程度の速度で自力走行していましたから、今回上野あたりで分離したのは、不完全な連結のまま走行していたのかとも思えます。
新幹線では運転中でも、手動で切り離しが行えるとは思いますので、そういった機能の誤作動、E6系の方に何か原因があるとも言われています。
現在、北陸新幹線、西九州新幹線の延伸問題も話題になりますが、ミニ新幹線でなくても今後、整備新幹線と従来の新幹線の併合直通運転は検討されているはずで、この問題は早急に原因究明して解決をはからないといけないでしょう。
直通運転を取りやめた「こまち」や「やまびこ」は今、混雑と乗り換えの不便を強いられています。延伸が予定される北陸や西九州の路線も課題の一つに乗り入れや乗り換えがあります。山陰新幹線、四国、羽越や東九州まで検討が進んでいますが、北陸でも要望されるのも新大阪などへの直通です。いくら早くても今の敦賀乗り換えが嫌われているのは、面倒臭いのです。
新大阪について、そこからリニアに乗り換えるなどを考えても、合計で何度も乗り換えたくはないのが乗客の心理です。
しかし、とくに線路容量の逼迫した従来の路線に簡単にはダイヤを組み入れられないのと、これらの整備新幹線は4両やせいぜい8両程度で良い乗客予想なので、フル規格新幹線で線路は繋がっても併結される可能性が今後は出てきます。
いずれにせよ、今回の事故原因が明確になり、尾を引くような案件でないことを願います。