整備新幹線延伸、平行在来線問題はまさに曲がり角

 今年7月で休刊する鉄道ジャーナルですが、ここへ来てジャーナルらしい集大成ともいえる特集でした。整備新幹線の歴史、現状、課題をきめ細かく調べ、鋭く提言しています。

 北陸新幹線延伸、西九州新幹線の佐賀、北海道新幹線の札幌延伸と、整備新幹線のスキームは完全に見直しの時期に来ているのは明白です。土台になるルールがグラグラしたところで、地元の政治家が我田引水でいろいろ言い合っても拉致があかないのは明白なことです。
 最初から、決定事項として迅速に進め、例外を認める場合も明確にしておかないと、どんどん議論が泥沼の深みへと沈みます。

 鎌倉淳「鉄道未来年表」鉄道研究所の代表を務める著者の本の中にも、整備新幹線がスキーム含めて見直しの時期に来ていることは、各新幹線の見通しとともに書かれています。

 5年後は、ほぼ現在進行の中で見えますが、20年後となると精度も難しいところです。延伸や新線計画では北海道新幹線とリニアの名古屋までができているかどうか。

 交通系ICカードと、クレカ決済、コード決済と三つ巴か三すくみのような運賃収受も既に戦いは始まっています。さらに試験的には顔認証のゲートも作られています、それでも、現金から紙の切符あるいは、現金収受も無くなってはいないのでこの見通しも複雑です。

 そして、これらはあくまで都市部で多くの乗客を効率よく、確実に漏れなく捌くためであっって、地方鉄道との格差は進むばかりです。

 非常に地域や路線、設備などあらゆるジャンルの近未来を分析された本でこちらも面白く読みました。

 京都に住む私としては、都市と地方の格差も問題ですが、関西の人口が減り相対的に首都圏との格差は開き、新路線の計画も少ないことは残念でもあり、危機感もあります。万博やその後のIR、リニア新大阪延伸まで関西が盛り上がり続けられるのかは、政治家、経済人も頑張らないといけないところです。

 駅や路線で、土地を奪われたり、環境が悪くなるとか、産業に利用していた水が心配だとか、そのあたりは当然利害関係があるわけで、「害」を蒙る方や、可能性のある方は補償し、安心を与えないといけません。政治が当たり前にすべき説明です。
 作るための地元負担が大きいのに対し、どれだけ地元に恩恵があるかのデザインスキームを見せられ、夢を与えられるか、鉄道を含め地域の関わる政治家、事業化の使命でしょう。

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