スキャンダルは愚民のガス抜き

 年度末まで頑張ってきた疲れか、花粉症で弱っているところに風邪をひいたようで、先週末は早退し、土日は珍しくほとんど自宅にこもり休んでいました。金曜日の夜と土曜の昼までは咳やら熱で苦しみましたが、日曜日もゆっくりしてだいぶ回復しました。

 例の商品券問題で政局も混迷して、石破首相も私なんぞよりはるかに気分はすぐれないでしょう。「ポケットマネーからで、法的には問題ない」と弁明しても、あれだけ報道され取り上げられれば、厳しい進退問題とも言われています。

 一昨日も書きましたが、仮にも日本の首相が10万とか合計しても100万ちょっと、しかもすぐに返戻されている件で辞職となるのも、何とも微妙な話です。相手には結局1円もわたっていませんし、贈与したとしても10万円で、何かの政治的な約束などではないのも明白です。

 もちろん、お米やキャベツも小麦粉も値上がりしていて主婦はじめ国民みんなイライラする中で、恰好の憂さ晴らしのスケープゴートです。マスコミはここぞとばかりに、得意の悪い印象操作をします。

結局裏読みするメディアリテラシーが足りないと、報道を見て「石破もケシカラン、我々が物価高に苦しんでるのに」と叩くことき、責任追及する野党や評論家などに拍手喝采して、小さな満足を得てしまい、本来国のやるべきこと、議論し、立法されないといけないことが成されなくとも、気づかずにスルーしてしまうのです。

 記事に書き込まれるコメントも辛辣で、「法的に問題はない」と抗弁するが、政治資金規正法に詳しい専門家が「法律に抵触する可能性がある」と書いていると、もはや一国の総理の弁よりも、マスコミが引っ張ってきた御用評論家の恣意的な見解を信じてしまうのです。
 政治資金規正法、公職選挙法などは難しい法律です。まして、一国の総理大臣に対して処罰を科すのは検察でも相当な覚悟と構えが必要です。結局新人議員に金銭もわたっていないというなら、そこに何の政治的影響も結果もないのです。立件される可能性も小さく、処罰される可能性はほぼゼロです。
 誰かが被害を蒙ったとか、薬物を使ったとかの、大物芸能人のスキャンダルの比べても動いているお金、罪状は小さすぎます。

 ただ、国民の人気、選挙に対する集票を考えると、この影響は絶大に大きくなってしまっています。石破おろしの、このスキャンダルに黒幕がいるなら、ほぼ成功したと言えるでしょう。しかし、同じ自民党内の、反石破勢力が黒幕なら結局自民党自体の弱体を産む悪手でしかありません。

 それにしても、芸能人でさえ、役者にしろ演芸、音楽など、極めた人は遊びも豪快なもので、スキャンダルは当たり前でした。政治家も大物は桁違いの金額を動かしているはずです。マスコミがチマチマと細かいスキャンダルのネタを仕込み、売り買いして、政敵に売っているとしても、あまりにもスケールが小さいです。「こんな小ネタで総理大臣を引きずりおろせるわけないだろう」と恫喝するぐらいでないと、困りものです。
 誰でもこのぐらいは持ってそうな小ネタをマスコミが大仰に騒ぎすぎなのです。私は天下国家を考え、政策さえしっかり推進すれば少しぐらいのお金や女性のスキャンダルは問題なしでいいのではと思います。後援会の帳簿のチエックを総理大臣や与党幹事長がいちいちチエックすることまで求めるスタンスって、よく考えると無理があります。そこで問題があれば正義の御旗で、国民とともに大スキャンダルの仕立て上げる。結局、田中角栄の待望論など、今頃でますが、実際ああいう豪快な政治家はもう現れようとしても消されますし、無理な要望なのです。

 国民も時に鋭く、賢い時もあり、声を上げる時もありますが、それまでのマスコミがかけるバイアスから逃れないといけないのです。

 昨日、日曜の朝、橋下徹、玉木雄一郎、細野豪志が政治討論番組で、この商品券問題を語っていましたが、このお三人とも女性スキャンダルは過去に取り上げられ、それを揶揄する向きもありました。そっちはどうでもいいのかというのもそうですが、それと同じくらい商品券問題も悪質とは言えません。女性問題も不同意とか犯罪まがいなら問題ですし、金銭にしろ外国人献金など違法が悪質なものは問題ですが、自分の党内の若手の激励のお土産を犯罪ととるのは、少し無理があります。

 もうちょっと、大事な問題がいくつもあるはずです。
 
 

10万で首相の馘とばしてたら本当に誰もいなくなる – 天使の星座

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