
原作を急いで再読して、ポスター見ると西野七瀬が印象違うヴィジュアルなので、期待して映画館に行ったけれど、泣ける?というのは感動というより残念過ぎて泣けてくるような映画でした。
原作から設定の大幅な変更含め、改変するのはアリとは思うんですが、さすがにこれでは改悪、ぶち壊しとの抗議がでそうです。高橋文哉くんと七瀬マルのファンで出てるのを見たいだけならいいですけど、ネタバレにもなるので書けませんがさすがにため息です。
東日本大震災で飼い主を失い、仲良く遊んでいた子供が、母の実家にある熊本に転居したため、残された犬がひたすら西へ南へ向かいます。原作は短編エピソードを重ねる連作形式、さまざまな人と出会い、助け、助けられながら終着の地で感動の再会なるかという話なのです。
【ネタバレ】熊本というキーワードでピンと来る人もいるでしょうが、その通りです。それにしても映画はエピソードを一部使いながらも、語り手と主人公を西野演じる美和の視点にまとめてしまいます。それも悪くはないし、西野は悪女っぽい美人が多かった最近別人かと思う、薄化粧の地味な女性で登場し、全体的には好演といえますが、その伏線が回収されるとやはり不自然な印象です。
若い二人は犬につながる以外は、共感できないようなダメ人間ですが、更生をして新生活を夢見るバディ旅ものにするかと思うとファンタジーで「あれっ」て感じです。もっと犬の鋭い能力、その感情に移入できるような視点にしないと何もかも中途半端です。
ロケもお金かけて、斎藤工、江口のり子、柄本明など脇を固める豪華な助演者もそこそこ頑張ってる。それだけに脚本の雑で残念な点が目立つのです。