
京阪電車はシックな統一感のある阪急電車に比べ、関西の京阪間輸送ではアイデアにあふれた車両が魅力でした。二階建て車両もあり、その昔はテレビカーというものも走っていました。
沿線の門真に松下電器(現パナソニック)が合った関係で1954年私の生まれる前から白黒のテレビを置いた車両が導入されていました。そしてまさに、先の大阪万博の1970年の翌年には早くもカラーテレビが見られる車両が走りだしました。しかも関西の競合事情もあり、その豪華設備の特急が別料金なしの運賃のみ無料で乗れたのです。今は特別車両で関西も各社に有料座席が設定される時代ですが、当時は破格の無料サービスでした。電波状況で画像や音声は乱れる時もありましたが、人気のサービスで、大相撲や高校野球などが移動時でも見られる画期的なことでした。
阪急沿線の私ですが、テレビ好きなので、このテレビカーは乗りたかったものでした。スマホであらゆる動画が見れ、ニュースやスポーツの情報もリアルタイムで入る今とは違う時代でした。
大阪万博で、月の石だとか、360度スクリーンやらさまざまな近未来が提案された中、日本の未来への期待が溢れた高度経済成長期でした。
1970年大阪万博の紹介の子供向けの雑誌か何かで読んだ話があります。アラブかアフリカのある国の政府関係者が、準備で訪れた日本の電車の優秀さと勤勉に規律正しく乗車して、新聞や雑誌を読む日本人に感心し、必ず母国もこうなりたいと思ったということです。
アジアアフリカの中には、アジアで初めて大々的に開かれた国際博覧会に初参加して、大いに刺激を受け持ち帰って自国の発展につなげた国が多かったそうです。
さて京阪電車も、今万博ラッピングもして、プレミアムカーも走っていますが、賛否ある今度の万博、車両にはもはや新聞を読む人はいなくて、スマホでSNSやゲーム、動画に夢中な人ばかりです。
万博を招待ですでに見てきた人のお話では、「確かに面白い、すごい展示もある」けれど「未来や、新しい技術に関してはネタ枯れ感がある」「想像していた通りでモーレツに新しいものはない」とのことでした。
体験できるゲームとかでもバーチャルでスゴイものがありそうですが、子供の頃のテレビカーや未来館に期待したワクワクはさすがにもうないのかなとも思います。