待たさない予約システム

 「並ばない万博」が売りで、今回の大阪関西・万博は入場日時や見学パビリオンなど複雑な予約が必要ということで巷間、いろいろ話題になっています。
 開幕日や土日には混雑が起り、雨や寒さ、暑さで待たされいる人も報道され、アンチ万博派は運営をなじり、実際にはそうでもないのに針小棒大にしたアンチなニュースだと反論もあるようです。それでも期待して万博に行く70年万博を経験した高齢者などで夢よもう一度と喜々と行く人がいるかと思えば、そんな難しいアプリとか分からないから行かないと言う高齢者に分かれるようです。

 コロナ以降加速するように、施設や、飲食、イベントはじめさまざまに予約優先のシステムが広がりはしました。それでも、全てがデジタル化したわけではないので、いわゆるITに取り残されたデジタル難民でも、「俺はアナグロだ」と言えば何とかなりました。
 キャッシュレス専用のレジや自販機、IC専用の改札は舌打ちして無視しても、それなりにアナログ人間でも対応してフォローしてくれる窓口もあり、人もいるし、現金オンリーの店すらまだありますから生きてはいけます。
 美術館や博物館や名所施設などはコロナ期ほどではないですが、あの時の経験をふまえ、インバウンドの増加の混雑にアプリ入場予約をしているところも多いです。
 最近では、医療機関も具合が悪くなって初診で電話した時でさえ予約優先で「アプリをダウンロードしてください」というところもありました。
 例のマイナンバーカードの5年経過での電子証明更新も、私の住む自治体は予約優先で、予約しないで区役所に行くとかなり待たされるとアナウンスされました。予約した日時に所用が入ったのでたまたま区役所に行った時、相談するとわりと待たされずにできました。拍子抜けはしましたが、役所側にすれば混雑の緩和策としては十分機能してると言えるでしょう。

 私はこういう予約システムは、それなりによく考えられていると思います。来訪者も予約状況を知り、混雑を避けますから、今まで一定の時間に集中してしまったものを分散できる効果は顕著です。
 ただ、診察とか、鑑賞、公的手続きというのは1~2時間とある程度所要時間は短いもので、万博のように1日滞在して、いろいろ見学したり遊んだりする場合はシステムの問題は複雑で少し変わってきます。
 入場から、移動システム、イベント、個々の見学パビリオンとシステムで予約するのも煩雑入場は夜間割引などの一部を除き、朝早く入り、多くの当日予約なども取れた方がいい人が多く、やはり早朝など一定の時間に集中します。

 混雑を見ればアンチ万博派はそら見たことかと「並ばない万博なんて嘘だ、混雑して混乱しているじゃないか」と批判的にいうでしょう。しかし、システムも何もなしでやるよりは、仮説を立て何段階かに分けた予約システムを構築しているやり方は間違いではないです。優秀だとは思います。ただ、集客予測にせよ完璧に読めるわけでもないので、全く並ばない待たないでいいかというと、そこは過剰なうたい文句ではあります。

 役所や図書館などでも、デジタル化が便利だと言うと、「自分は無理」と端から堂々と拒絶する人を見かけます。あまり強要するとクレーマーになりかねない横柄で残念な人も多いです。
 便利でその分利益も得ることができるのに残念です。その人のためにアナログのやり方を残し、人員を残しておくのも税金や経費も余計に要ります。マイナポータルの利用を奨め、マイナ保険証に抵抗する輩はじめ、アナログ駆逐を奨めれば行政事務は随分人員を削れます、その分、介護や福祉、インフラのメンテなど今後増える部門に回せます。
 もっと義務的にアナログ人間を本人のためにも啓蒙、指導すべきかもしれません。ETCカードも当初は物議ありましたが、今はほぼ標準になり、装着していないと割高料金で損ですし、使えないインターさえ増えだしました。
 あのようなイメージでアメと鞭を使い分けジワジワでも、「ああもう俺も使いこなさないとしょうがない」と思わせないと真のデジタル社会は来ません。きっとその抵抗するアナログ親父も1970年の万博の頃は、テレビ電話や空飛ぶクルマの夢にワクワクしていたはずです。あの頃夢見た未来は今もう来ています。

 

 

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