琵琶湖疎水、国宝が増えるのはいいけれど

 昨日の報道で、近代日本の洋風建築、産業遺産として琵琶湖疏水施設が国宝指定となるそうです。レンガ造りのアーチの水路橋「南禅寺水路閣」、レンガでつくられた水路のトンネル「第一隧道」「第二隧道」「第三隧道」のほか、船を台車に乗せ、ケーブルカーのように移動させる施設「インクラインの5つです。
 鉄道廃線跡や、古い街散策好きの私にも興味があり、インクラインが鉄道廃線化は微妙ですが、産業遺産としては、桜の名所でもあり、その意味を伝えるのには価値はあります。

 京都市にとっては、嬉しいニュースですが。観光客が増える弊害も悩ましいところです。南禅寺やインクラインは元々、観光客の多いところですが、山科あたりの疎水べりの道は知られざる景勝の静かな散策路でした。

 もう一つ、京都市で悩ましいのは、少し前にあった市の中心部五条通での水道管破裂の事件です。水道というライフラインのインフラ設備が40年超えの老朽化で、財政の厳しさを物語っています。

 住民にとっては、ライフラインは当たり前の最優先重要課題で、観光や文化施設、産業遺産などはあればいい程度のものです。ライフラインが整い、子育てなどの住環境が大前提であり、税金も保険料や水道代も高い、バスは観光客で混んでいるでは、たとえ京都で働こうが、大学に入ろうが、府下の他市町村、他県に住んで通った方がマシです。

 観光客が増え、それをもてなすのは、古都京都市民が1000年やってきた慣行です。それで、京都のインフラは支えられる構造にしないといけないでしょう。外国人観光客などからはもう少し、そっちに回せる税金を取るべきです。北陸新幹線の延伸を「千年の愚行」と騒いでる、観光社寺の京都仏教会あたりも、自分とこで儲けるだけでなく、京都市民の財政に回せるような施しをお願いしたいものです。

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