繰り返される「分かっていても負ける日本」

 今年は敗戦から80年ということで、選挙も終わった8月は戦争の特集などが溢れるでしょう。
 しかし、今の日本はあの時と同じように、国が滅びつつあることが分かっていながら、良いような話だけで誤魔化されているのです。太平洋戦争開戦前夜の1941年(昭和16年)の夏、総力戦研究所で若きエリートたちによって、アメリカと開戦した場合のシミュレーションが行われ、「日本必敗」という結論が導き出されていたにもかかわらず戦争へ突入していった史実を描かれた話と、現代日本がダブって見えるのです。。
 この組織は昨年の朝ドラ「虎に翼」など、最近の戦中ドラマでもポツポツと描かれだしています。有名になったのがこの猪瀬さんの本です。

 今の時点で、選挙期間中なのであまり政治家を褒めるのもあれですが、改選議員でもなく、主に作家や以前の活動のお話をさせてもらいます。
 猪瀬 直樹(いのせ なおき、1946年〈昭和21年〉11月20日-生まれ)で、作家、政治家。元東京都副知事から知事、徳洲会献金のスキャンダルで公民権停止期間あり、現在は日本維新の会所属の参議院議員(1期)。日本維新の会国会議員団参議院幹事長です。
 都知事としては、石原さんの後、小池さんの前で、スキャンダルもありやや地味でした。その以前の、小泉内閣時代に参与として道路公団の民営化を推進した実績が知られます。改革派の実力者ですが、ハメられたところはあるのでしょう。彼がいなければ、未だに高速道路のSAやPAは古臭い自販機とまずい飯だけの不便なままだったとも言われます。
 JRや郵政よりも、成功したといええそうなのが、ネクスコと言えます。もちろん、道路族の利権を完全に断ち切ったとはいえないでしょが、適度に民間の活力を加えて、活性させた役割を大きいのです。
 頭の良い方で、日本の社会保障の課題を、目先の給付や減税ではなく、社会保障、保険料特に医療費や医師会や薬種業などの厚労族利権にメスを入れないと、日本はまた、壊滅的な敗戦を迎えるという主張をされています。減税や給付金の話で良く財源はという話になりますが、どこから取るかでは、結局国民の負担は個人差はあれ変わらないのです。
 社会保険料の、医療費のここの負担を、構造改革で1兆とかいくらまで減らすよいうのが、具体的です。もちろん、個々の組織は痛みも伴い、今回のコメ問題でのJAや農水族のように抵抗はあるでしょうが、国全体を俯瞰した場合に、どこにメスを入れて改革するかなのです。

 多くの省庁、業界と繋がった族議員や、労組や宗教と縁を切れない党では、しがらみがあるすぎて、この終戦に向かう流れを止められないのです。
 
 以下は現首相の、この本の感想で、猪瀬さんへの国会での応答です。
【石破首相】
 情報の開示とはなんであるか、すべてわかっていたのに何で戦争を始めたのかという疑念が沸き、楽観的な、そして刹那的な見通しは決して持ってはならない、そして、個別最適の総和は、全体最適ではない、という教訓にたどり着いた、と3月の国会で石破総理は述べていました。
 防衛庁長官をしていたとき、ある人から、この本を必ず読むよう勧められた。敗戦は昭和20年ではなく、16年に決まっていたという内容だ。昭和16年、今のキャピタル東急のあたりにあった「総力戦研究所」に、ありとあらゆる官庁、日銀、同盟通信(現・共同通信)など、30代の俊才達を集めて、あらゆるデータを集めて、日米の国力の比較を行った。GDPが八倍違うなどあらゆるデータを開示して、日米開戦後のシミュレーションを行った。その結論は、何をやっても勝てないので、いかなる理由があっても、この戦争は行ってはならない、というものだった。しかしながら、このことは省みられることなく、開戦になり、日本はあのような悲惨な焦土と化した。

 今の日本の問題は、空襲は来ないし、徴兵もなく、原爆投下もない一見恵まれた国のようですが、どんどん人口が減り。多くに人の手取り所得は増えない、貧しい人が増え、働く人が来っていて、国が支えを失ってスカスカになっていくのが見ていることなのです。

 また目をそらしてはいけないのです。

 関係ないですが、猪瀬さん、戦後生まれなのですね。今の奥様の蜷川有紀さんと、私は学生時代にある映画のロケで一緒になり、河原にねそべり2~3時間一緒にいました。

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