
女子プロ野球って、ご存知でしょうか?
昭和時代の故水島新司さんの漫画「野球狂の詩」の後半には女性初のプロ野球選手が登場します。野球協約など、さまざまな障害を乗り越えて水原勇気という少女が、ドリームボールという魔球も体得して、当時の日本のプロ野球で活躍する話です。
大変美形の女性に描かれ、映画化もされ、これまたアイドル的人気のあった美人女優木之内みどりさんが水原勇気役を演じています。
スポーツが多様化し、著名な女性アスリートも平成から令和にかけて随分増えました。なでしこジャパンがブレイクしたサッカーもそれなりに国内プロリーグも維持しています。
野球は国民的スポーツではあり、昭和時代はマンガの中だった女性プロ野球選手もさぞ多く活躍と思われそうですが、そうではありません。
何と日本の女子プロ野球は、2009年に誕生しましたが、選手の離脱やチームの再編を繰り返し、2021年に選手がゼロになり、事実上活動停止になっています。
野球を少女時代から好きで続けてる人は、大学やアマチュアのクラブ、企業に移っています。
問題は、なぜそんな大量離脱が起こったのか。
こんな時代に情けないことに、リーグは一つの会社で運営されていてそのワンマン経営も問題でした。競技とは違うチアダンスなどのサービスを強要され、ルックスの良い選手が重用されるなど、セクハラや不適切な女性に対する扱いが重なるなどして、健気で優秀な選手たちは全て脱退し、機能停止したのです。
21世紀、コンプライアンスが守られるべき時代に、こんな低レベルのモラルの低いプロスポーツ界があるとは、情けなくなります。
コンプライアンスだとか、女性の人権と言われながらも、いまだにこんなものです。例の芸能界の大物とテレビ局の女子アナにしろ、男性の嗜好が優先された世界です。
スポーツも芸能界も報道も、政界も、いろんな業界にまだまだ、ルッキズムやセクハラは存在します。
盗撮はダメと言いながらも、女子は媚を売る露出の多いスタイルでのプレーが当たり前のスポーツも多いです。
フィギュアや体操など芸術的な採点が絡むスポーツはもちろん、ビーチバレーはそれが売りですし、陸上なども近年露出が多いユニフォームが目立ちます。
結局は、スポンサーや主催者の金儲けと、女性の人権がグレーの天秤にかけられるスポーツ団体は多いのです。
化粧っ気がなさすぎるのも確かに可愛くないと思える時はありますが、そんな考えすらコンプライアンス違反なのかと思います。
一つには、元々体力が必要な競技を極めていくと、朴訥で面白くもなんともなくなる面があること、
楽しくやるのであれば、とくに野球はポジションによって、工夫はできます。野球狂の詩ではないが、女性も一緒でいいのではないか、
そんな子供たちが公園で戯れるようなスポーツがあってもいいのにと思います。
