書評:ホラーランク1位 上條一輝「深淵のテレパス」

 ホラーのランキングもミステリと同じく毎年出て、新しい作家も、読み応えある作品も次々と出ています。

 ホラーはミステリには近いものから、オカルトやサイコ、伝承、妖怪もの、さらに幅広くさまざまなジャンルに枝分かれしています。

 私は残虐な描写のスプラッシュスティックはやや苦手で、ロジックなミステリに近いものが好きです。

 そんなホラー度まあまあでミステリ度の高い作家を発掘しました。

 ホラーの年間最高の人気作品ということで初読みの作家さんでしたが、掛け値無しに面白く、サクサク読めました。

 怪異の弊害の依頼を受けた事務所が、あれこれ探索せずまず物理的に止めるアイデアも面白い。ゴーストバスターズ的チームのテンポの良い活躍ぶりと、本格ミステリ顔負けにロジックで、妖かしの仕業の部分と、人間の悪行を見事に解いて行きます。

 続編の「ポルターガイストの囚人」も思わず入手してしまいました。こちらもシリーズ的に楽しめます。

 秋の夜長を楽しめる、ホラーの中でも、スカッとする作品群です。

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