密かに絶滅した種がいる

 また、昆虫のお話から。

このイラスト、すぐ何なのか分かる人はそれなりの年齢です。

 私たち昭和30年代から40年代生まれの世代では、秋になると木からぶら下がるこんな虫の姿が都会でもよく見られたのです。

 みの虫、ミノガの幼虫が蛹を作って越冬する姿です。

 都会では見られなくなった?いえ、もう田舎や山奥、日本の多くの地方でオオミノガはほぼ絶滅に近い状態です。

 四国や宮崎県などごく一部で絶滅危惧種としてかろうじて確認されるレベルです。

 1996年以降、中国からの外来種のオオミノガヤドリバエの寄生が猛威を振るったせいです。

 ですので、今年30歳なる私の子供たちの世代は、秋冬にみの虫のリアルな姿を見たことはないのです。イラストや比喩的な表現では知っていても、どんなものかはわからないのです。

 昆虫は、個体が小さく、ゼネコンの工事による土砂の移動や、輸入木材や食品などにも紛れて、したたかにやってきて根づきます。

 日本中に安穏と暮らしていたオオミノガにとっては、とんでもない侵略者による悲劇の壊滅を迎えたわけです。

 これを、人間に例えると、日本にとっての外国人の侵略?SFなら宇宙からの異星人侵略、あるいは未知のウイルスや感染症によるカタストロフィ?

 人類も、いつか日本のオオミノガのように、あっさり絶滅危惧を迎える時は、案外近いのかもしれません。

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