高齢者に厳しい社会昆虫

 働きバチ、働きアリといった集団で役割を決めて組織に従う社会性昆虫がいます。

 そんな虫たちの生態、意外と知られているようで誤解されている方も多いと思います。

 働きバチ、働きアリと言われるので、オスだと思われがちですが、みんなメスです。

 アリとキリギリスの話でも過労気味と言えるくらい、計画的に働いてしっかりしてる印象ですが、働きアリの2割ぐらいはフラフラと群から外れてサボっています。それも群を守るのには必要な習性なのです。

 そして、外に出て暑さや外敵にさらされるのは、高齢のおばあさんアリやおばあさんハチです。若い虫は巣の中の安全で楽な仕事をしています。

 これも種を守っていくには、先の寿命の長い若い世代を大切にする生物としての必然の習性です。

 まるで、高齢者が炎天下で交通誘導とか、配達、介護に汗水垂らす人間社会を思わせます。

 若い者には未来があるから大切にしないといけない。社会性昆虫もそういう仕組みになっているのです。

 うーん、そうなると年金だけでは食べていけない社会を作るのは必然なのでしょうか。

 確かに老い先短い人間が、原発作業など危険な仕事をした方が理にかなっているのも真理です。

 高齢や障碍で働けなくなったら、どうなるのでしょうか。

 人間と重ね合わせて見ると、ちょっと、寂しくなるような虫の世界です。

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蝶と蛾 昆虫のルッキズム

 元々、虫が嫌い、あるいは蝶が嫌いな人もおられますが、一般には美しく可憐な蝶を好まれる人は多くいます。

 虫の多くの種類は名も知られず小さく地味なものが圧倒的に多いです。そんな中で比較的大きな翅を持ち、ひらひらと翔ぶ蝶や蛾は目立つ存在です。

 そんな中でも、美しい翅を持つ蝶は子供にも人気があり、逆に地味な色の蛾は忌み嫌われることがあります。

 毛虫や芋虫からの出自などは蛾と蝶でそんなに変わりません。毒の毛虫もいますが非常にレアです。

 蛾と蝶が人間に好き嫌いに分かれるのは、単に人間の好みルッキズムだけです。

 もちろん、蛾も毛虫も醜いからと駆除されることはないのですが、日本のミノムシのように天敵で絶滅危惧に追い込まれることもあります。偏食とも言えるほど、幼虫が食べる草は種によって決まっていて、ある植物が開発などでそこからなくなると全滅の憂き目をみます。

 河川や森林、田園などが人間により開発され、土砂が移動されます。高速道路などのインフラ整備も、地域の開発とはいえ、人間の都合で昆虫たちには大きな影響があります。

 人間は、これまたルッキズムで花、特に桜などの美しい花が咲き並ぶのを好みます。

 あるいは木材に利用しやすい木が重点的に植えられたリもしました。

 これらも自然破壊です。

 単に虫や動物の種類が減るというのではなく、虫媒花の植物も絶滅します。

 

 人間の、好みだけ、しかも深い意図も知識もなく、目先のことだけで、大自然を凌辱することの横柄、厚顔無恥な傲慢さと言わざるを得ません。

 別に自然を頑なに守るという環境団体のような主張ではなく、開発には生物や自然の知識が必要で、そこに無知やエゴ、ルッキズムが入ってはいけないということです。

 どこからともなく、ひらひらと翔んでくる蝶も、人類の自然破壊によっては消えてしまうのです。

 

 

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密かに絶滅した種がいる

 また、昆虫のお話から。

このイラスト、すぐ何なのか分かる人はそれなりの年齢です。

 私たち昭和30年代から40年代生まれの世代では、秋になると木からぶら下がるこんな虫の姿が都会でもよく見られたのです。

 みの虫、ミノガの幼虫が蛹を作って越冬する姿です。

 都会では見られなくなった?いえ、もう田舎や山奥、日本の多くの地方でオオミノガはほぼ絶滅に近い状態です。

 四国や宮崎県などごく一部で絶滅危惧種としてかろうじて確認されるレベルです。

 1996年以降、中国からの外来種のオオミノガヤドリバエの寄生が猛威を振るったせいです。

 ですので、今年30歳なる私の子供たちの世代は、秋冬にみの虫のリアルな姿を見たことはないのです。イラストや比喩的な表現では知っていても、どんなものかはわからないのです。

 昆虫は、個体が小さく、ゼネコンの工事による土砂の移動や、輸入木材や食品などにも紛れて、したたかにやってきて根づきます。

 日本中に安穏と暮らしていたオオミノガにとっては、とんでもない侵略者による悲劇の壊滅を迎えたわけです。

 これを、人間に例えると、日本にとっての外国人の侵略?SFなら宇宙からの異星人侵略、あるいは未知のウイルスや感染症によるカタストロフィ?

 人類も、いつか日本のオオミノガのように、あっさり絶滅危惧を迎える時は、案外近いのかもしれません。

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変態に憧れる!?

 鉄道好きではありますが、子供の頃は電車以上に虫を追いかけ、昆虫採集も好きでした。

 50代になり、蝶の自然観察のボランティアがあることを知り、個体調査の合宿に参加してひたすら蝶を追いかけたこともあります。

 メカニカルな鉄道と、ネーチャーな昆虫、相反するような嗜好ですが、男の子には多いのではと思います。

 蝶はイモムシが蛹になり、一度身体が溶けて全く違う成虫の蝶に変身する完全変態の昆虫です。 

 イモムシ仕様から蝶やカブトムシのように、幼虫と成虫が全く違う形になるのが完全変態と言います。

 まさひメタモルフォーゼ!

 これに対し、蛹の状態を経ず、バッタやコオロギ、ゴキブリのように親に似た幼生が脱皮をして大きくなっていくのが不完全変態の昆虫です。進化としては、完全変態が後のようですが、不完全変態の昆虫もしぶとい種族が多いです。

 完全変態の昆虫は何だか似ても似つかない大人になるのが、不思議に思いました。子供の頃、地を這うイモムシや毛虫が、翅を広げて空を翔ぶのが信じられませんでした。

 動き方や、食べるものも全く違うのですから凄いです。人間も大人になると大きく変わる人はいますが、幼少の面影なく、ここまで変わる人はいないでしょう。

 そんな、昆虫好きの少年だった私は、大学を卒業すると、就職することになり、大手企業なら将来も安心だと考えて、就職して化粧品会社のサラリーマンになりました。

 当時は今よりも、転職など難しく、新卒で就職すれば家業などの腰掛けでない限り、ほぼ一生その会社を長く勤め上げるのが当たり前でした。

 多少は面白い面もありますが、大概は面白くもない仕事も多く、いつか蝶のように変態したいと考えていました。

 そう思いながら、会社も吸収合併され、親会社ができ体制の混乱はあり、パソコンが普及してデジタル化など仕事のやり方は多少変わったものの大筋は同じ、不完全変態でした。

 定年までは意地でも勤めて、それなりの退職金と年金は約束されました。

 しかし、一つの勤め先の価値観、経験で一生を終わるのはもったいなく感じて、まるで経験のない仕事をしたくて、遮二無二求職活動をしました。

 公務員としての、地方自治体、年金事務所、裁判所、労働局とそれぞれ全く違う仕事に取り組み、今また、ITベンチャー企業で初経験の仕事をしています。

 ついこないだまで役所の窓口で審査や相談をしたり、事務をしていて、切り替えてベンチャー企業で外国人の上司の下で働いています。

 子供の頃の昆虫並の変態の夢が一部かなえられたような喜びもあります。

 経験のない仕事を一兵卒として、若い人やよくわからない外国人に使われるのは大変だと思われるかもしれませんが、映画や演劇で新しい役、幅広い役を与えられれるような、変身、変態の快感というのはありま

 新しい知識や技能が教えてもらえ、生きるモチベーションが上がる気がします。

 還暦過ぎても、虫かごと網を持って蝶を追いかけるような子供心を持つのも悪くないです。