親方日の丸の改善はできるのか

 100兆円を超える来年度の国家予算が報道されました。人口が増えて税収が増えている時期ならいざ知らず、コロナ禍の対策や社会保障費が増えているとはいえ何だか大丈夫なのかとは思えます。
 国債依存度34%、いわば借金ですし、その利子ともいえる経費に3000億だとか使います。
 こんな大きな数字の中では何億とか何千万でも小さく見えますが。小さな数字の積み重ねでもあります。
 役所とかそれに絡む関連企業のいわゆる親方日の丸は、予算使い切りが原則のような体質です。
 コロナ関連での、アベノマスクとかクーポン発行、給付金、トラベル事業等もいろいろ無駄が見つかっています。役人個々の頭の中に予算取りさえすればその中で何をしてもいいという考えが染みついています。
 私が勤めた民間企業大手など一度倒産状態になり、とことん切り詰めた合理性の元に改革されました。
 公務員の方も頭がよく優秀な方が多いのですが、採用時からこの体質ですので官僚も地方もなかなかこの体質は改善できないようです。
 そしてたとえば日本郵便にとってのお客さんとか、土木建築のお客さんは、今やあまりねぎらない公共事業がとてもおいしい存在上顧客です。それはすべて税金なのですから。
 半官半民的なJALの改革に京セラの稲盛会長が乗り込んで、民間企業とのギャップに驚かれたそうですが、完全な公務員の役所や独立行政機構はもっとひどいはずです。
 ここを改善していかない日本の未来は相当厳しいというしかありません。
 政治家は与野党関係なくこの官僚体質をしっかり監視、改革していくべきです。そこへシフトした大臣、副大臣人事が必要です。

クーポン郵送はお金と手間がかかる

 郵便料金、封書だと83円です。封筒を用意して印刷して、中身のクーポン券も印刷し、宛名を確認して封入して封緘し、投函するとなるとかなりの手間とお金がかかることはわかるでしょう。
 公共料金やらの請求明細、クレジットカード。店舗やメーカーの販促等かつては1日に何通も来ていた封筒のDMも今や絶滅寸前で大部分WEBに取って代わっています。
 毎月末の請求書を手作業している事務員が爆発してしまうシステム化ソフトのCMが流れています。そんな時代なのに、今回の給付金クーポンは各自治体にとんでもない事務作業をち強いるようです。
一律現金給付なら簡単だと言われるのもたしかですが、それでも口座登録や申請を受け付けるのは大変な作業です。口座とマイナンバーが紐付いていればいいだけなのです。一気にマイナアンバーカードと口座紐付け者だけの給付にすればいいのに。何とももどかしいです。

困窮者?子育て支援?  生活保護受給者や年金生活者に給付はいらない

 選挙前から与野党がバラまき合戦の公約だったので、良い方向に収拾がつくとは思えなかったが今回の18歳以下一人10万円の給付、世帯主960円万以下の所得制限の条件付きです。
 確かに中途半端で、ツッコミどころが多いです。岸田首相が世帯主を世帯と言い間違いましたが、そこ間違ったらアカン大事なとこです。世帯主のみの審査で夫婦共働きで1000万円超えててももらえます。
 日本人の多くはキャッシュレスが嫌いで感覚的にわからないため、現金の給付や値引きが好まれます。税率を下げたり、ポイント還元ではわかりにくいのです。
 しかし現金給付は手間がかかり煩雑な上、基準も難しい。
 これはどこを基準にしても不平不満は出ます。国民全員一律もシンプルですが、超高額所得者に10万円入るのかとか言われます。ただ私は自分自身が1000万円前後の年収でシングルインカムだった時代があります。1000万程度の年収ではとても金持ちではなく、10万円あれば子育てに使えます。
 当時住宅ローンや子供の学費も払っていました。会社の役職も上だと付き合いも多いし、背広やらにもお金がかかります。今私は支出をダウンサイジングしましたが、年収200万でも1000万でも大してお金の価値は変わりません。これが3000万以上から億となるとさすがに変わるのではないかと言われているのを聞いたことはあります。
 逆に人数は大いので選挙の票稼ぎになるのでしょうが、コロナ困窮者なのか、良くわからないのですが、生活保護を受給中の方など、元々国が税金で生活するお金を支給し、医療費などもタダで贅沢を禁じている事情なのに何で10万円配るのか全く意味が分かりません。
 働きたくても。いい賃金の仕事がなく困窮している人ならまだ理解できますが、生活保護受給者や年金生活者、公務員などになんで10万円必要なのかと思います。
 子供を育てながら、自動車を買い、家を買い、教育を受け、旅行にも行く人が経済を「支えているのですから。この人らにプラスすることが景気対策、経済対策であり、子育て支援につながるのではないでしょうか。
 年金生活者は今まで日本を支えてくれた偉い方ですが、すでにダウンサイジングされた生活を送っておられます。国にお金が余っているならいいですが、今は財政的に厳しい時期です。今さら子育てもないこの世代に給付するなら、大学生や若い子育て世代の支援に回したほうが未来の日本のためです。
 生活保護受給者、年金生活者を対象から外すというのは暴論に聞こえて嫌われそうですが正論です。

かつて命懸けだったSLの運転

 SL今でこそ、動態保存されたり企画列車として運転されその雄姿は人気です。しかし現役で各地を走っている時代、その運転は命懸けでした。
 先日北陸トンネルの廃線となった旧線が公道となったトンネルを散策しました。そこで写真を撮ってる人と話し、モニュメントや資料を見ているといかに昔の蒸気機関車の運転が厳しかったが改めて偲ばれました。
 長大の編成で貨物や客車を運ぶので今の電車やディーゼルに比べて坂や峠を上るのには馬力がたりないのです。
 重連や3重連の写真なども貴重と言われますが、それだけ力が足りなかったのです。
 しかもトンネルだとただでさえ息苦しい煙が倍になります。
 石炭も水も満タンに積んで準備万端でも、適宜補充しないと足りなくなることもあるそうです。そして、トンネルでは窒息の恐怖があったのです。
 新幹線や新しい在来線電車はもうかなり自動に近いような楽な運転で坂も超え、トンネルも煤煙に悩まされず駆け抜けます。退屈すぎてスマホでわき見などというレベルの低い方も現れるくらいです。
 先人の苦労により開発された鉄道も、今や新幹線と大都市通勤、主要幹線以外はモータリゼーションの波に押されています。
 SL列車は、前時代を思い起こす遺産です。何もかまだ発展途上で、長距離移動に時間のかかった時代が記憶されています。
 

 強い力で少子高齢化を止めないと

 先日、少子高齢化の政策を打ち出すため等には現状維持の高齢者よりも若者の投票の一票に重きをおいた選挙制度の改革を提案して、若者の政治参加を促すことを書きました。高齢者の一票を軽んじることは「姥捨て」との批判をはじめ、制度改革の難しさなどいろんなご意見もいただきました。
 私自身も還暦を過ぎた高齢に分類されかける立場であり、うまく整理して自分の思いや感じていることを説明しないと非常に難しい誤解を呼ぶものだと改めて認識しています。たとえば自分が年金で生活している立場、あるいは高齢で再就職しようという時に、若い人だけでマンションの管理費を上げて、年金だけで生活している人が苦しくなるとか、いざ働こうとしてもきつい汚い肉体労働しか回してくれないとかいう実態は身近にあり、他人ごとではありません。
 構成比の高い高齢者の現状、実態は尊重されて暮らしやすく働きやすい環境にしないといけませんし、その声は届くようにしないとならないと思います。
 子育て、教育などで高齢者が貢献でき、収入と生き甲斐を得れば一挙両得です。
 また経験と知識を積んだ老人が、社会全体のオンブズマンやオブザーバー、時にご意見番となったり、現場監督として居続けることも否定はしません。
 ただ自分たちの世代以前では、大幅な支援のなかった子育て、学校に巨額の予算を回して少子化を止めるような法律を作るには今の年齢構成比では否決されるのではないかと思うわけです。予算に紐つくのが「しがらみ」「癒着」とはいいませんが、長年の支援者に貢献するごく人間的に当たり前の構造だからです。
 確かに若ければいいというわけではなく、民主主義の抱える問題としてポピュリズムや愚民政策、人気取りだけの政治に陥るリスクなどのご意見も現状あり得る部分です。
 先見の明と公平性をもっった知恵のある神や仏に近いような政治家が経験で生まれるのに期待するという考えもあります。
 それでも私は政治はバイタリティも必要ですから、ある程度社会経験と勉強を積みかさねた30代~40代くらいが管理力と発想力の脂ののりきった時期だと思います。同じ保守政党でもいいですし、高齢の経験者にはそれなりのポジションを与えつつ、世代交代をもっと進めるのです。これは活力ある民間会社なら当然進んでいることです。
 行政を見ると明確にわかるのですが、官僚も地方行政も財政や組織の改革効率化等の本来喫緊の課題を見事なぐらい先送りしています。自分の部署だけは過去の前例を踏めに執着されます。政治は本来その行政の長に回ったり。監視をする立場のはずが、これも選挙期間を意識したり、しがらみや成り行きなのか、なかなか変わりません。
 私の住んでいる京都市でも全国一財政状況が悪化しています。厚労省の仕事に関わっていますがお役所というのは、省庁再編時にわざと大臣の監視が難しくなるように統合してしまい、職員は減らないでそれぞれの予算は粛々と執行されていく体質です。
 これらを本当に改善して、民間や国際基準に合わせ、あきらかな無駄をなくすのにももう凄いエネルギーが必要です。
 本来、大臣や首長は先頭にたって財政の健全化と持続可能性を最大目標に任期中邁進すべきでしょう。
 選挙の制度にしろ、社会保障の制度にしろ、子育て支援にしろ、何かを変えようとしたり、新たな提案をしたりすると、元々今の制度も複雑な変遷があったりして、既得権者に限らずどんな提案にもいろんな課題、矛盾、不整合はでます。
 そんな調整こそ富岳などのスパコンやすぐれたAI、識者がやればいい話であり、トップに立つ者がやることを実現可能かを確認して決断して嫌われても実行する。最終的に方法論が決まれば、既得権者と交渉するだけです。
 少子化に対しては10万円の給付などでは、砂漠にコップ一杯の水程度です。私が思うには2桁くらい違う予算をつけないと変わりません。
 それを進めるにはやはり今の年齢構成、既得権者主体の代議員構成では法案を通すのが難しいという意味あいです。
 10万円の18歳未満給付にすらやっかみ自分のほうが貧しいから所得制限をつけろという高齢者がいます。高額納税者もさらにキャピタルゲイン課税をしてというと反対意見もあるでしょう。
 しかし結局、若い人にそっぽをむかれ外国に逃げてしまわれたり、政治に無関心のまま停滞した国家を放置されてはこの国の未来はありません。
 いろんな国家プロジェクトの推進、大きな改革には、当然賛否が生まれます。受益者もいれば損や犠牲を蒙る人も出ます。どんなことでも推進するには犠牲的な協力は必要なものです。それが一般論だと理解は得られても、いざ自分や家族に降りかかると知ると、神や仏の領域からすぐに餓鬼や修羅のごとく反対に転じる場合があります。私も自分に直接金銭的負担が来るとなると、主張が変わる場合もありました。
 政策を進めるには十分な説明と、補償などがセットにならないと理解は得られないでしょう。
 道路や橋、トンネル、鉄道を新たに作る、新しい制度、組織や産業を作る。新たな薬、ワクチンや医療機器を承認して現場で使う。すべて犠牲はつきもので既得権者の反対をくぐりぬけないとできないのです。しかし国に未来を再優先に考えると嫌われても誰かが推進しないといけないのです。

組合こそ所得倍増を要求すれば

 総理大臣が所得倍増と仰っているのに。最大組合の代表、連合のベア要求というのが2%というのがどうもわからない。
 ガソリンも電気やガス、食料品もタバコもどんどん上がっているのです。どんと20%ぐらい上げないといつまでも苦しいだけで所得は倍にはならない。
 全部の企業は無理でも、コロナ禍で儲かっているところは内部留保しないで、社員に還元すればいいだけです。連合の要求はあくまで要求なのですから。
 値上げも賃上げもいいことです。なぜならインフレを目標にしているのだから、それ以上に所得が上がり景気が良くなるようにすることです。
 10万円の給付や消費税の引き下げではなく、所得の増加、雇用問題や景気を抜本的に変えていく積極的な発言を政治にも組合にも期待したいのです。
 

リーダーに求められる未来に残せる情熱

『一時の成敗は長い人生、価値の多い生涯に於ける 泡沫のごときものである』

幕末から明治維新、日本の近代化の立役者の一人、渋沢栄一が注目された年です。農民から官から民に戻り、多くの会社の設立にも関わりました。
当時の日本の現状を憂い、諸外国に学び、長く日本に残せる基盤を築いた功績を私も今年になって、ドラマや鉄道関連の特集で知りました。
翻って現在の日本、政治家や官僚、経営者にどれだけ未來に残せるものを考えてる人がいるでしょうか、
特に政治家、目の前の選挙の当選、自分の立場や権力が続くことが目的となって、さもその論理が当たり前のように罷り通っています。
政治の課題は本当にわかりやすく山のように積みあがっているのです。それを解決していく、きわめてシンプルな動きができにくくなっているような気がします。
一度の落選や挫折等、まさに泡沫だと思える人にリーダーになって欲しいものです。

去り行く夏休み

子供の夏休みはまだまだ続きますが、大人のお盆休みは今日ぐらいまででしょうか。
京都だと、お盆で帰ってきていたご先祖さまを見送る大文字の送り火が今日です。
またまだ暑い中、日常的な仕事の日々が始まる人、もはや悠々自適な人、まだ夏休みを満喫する方もおられます。
個人的には特に日本人の大人の夏休みは短いとは思います。しがし4~5日程度の方が、職場のリカバーもしやすく、体調も適度にリフレッシュするのではないでしょうか。
仕事そのものが苦行でただ苦痛であれば、いくら休みがあっても仕事はイヤ感しか残りません。仕事でも休日でも何とか工夫をして毎日を楽しく、充実したものにして、貴重な時間、日々を大切にしていきたいと思います。
今年は特にお盆に雨が多く、まともに晴れた暑い日は一日だけでした。
梅雨明けの猛暑から、お盆を過ぎると残暑とはいえどこか朝夕は秋の気配も感じます。
初盆で親族と会った以外、コロナと大雨であまり移動も知人に会うことも無かったですが、コーヒーでも飲みながら季節の移ろいを感じました。

どっちを選んでも後悔はする

結婚とか、仕事を選ぶとか人生の大事な選択をするとき、後悔しないように悩みます。
安定した仕事なのか、なりたい夢や理想の仕事を追うのか。結婚相手にしろ、外見や好きという今の感情を大事にするか、家柄や経済面、性格、人柄をよく見るのか。
人が生き抜いていくのには時折、究極ともいえる選択を迫られます。そして先延ばしにするという選択もあるのですが。それもまたどちらも選ばない後悔を産む選択になります。どの道を選んだところで、別の人生を選んだ自分を見ることはできません。
安定を選んで入った大手企業が倒産して、こんなことなら学生時代に好きだった芸術の道、スポーツやお笑いで身を立てようとしてれば等ということはあっても、実際に選べばやはり逆の道が良く見えても本当にそちらを選んだ運命は判りません。
こればっかりは親や先生も友人も相談したところで、参考意見程度にしかならないでしょう。親なんかやはり世代も違うし、我が子ですから客観的には語れません。
どの道にも「後悔」はつきものです。しかし自分で決めて、自分で懸命に進めば良いことが多いでしょう。

コロナ、ワクチン接種大丈夫

タイトルの意味はどちらにも何とでもとれるようにしました。
ワクチン接種が、医療従事者や高齢者から一般の方にも始まりました。
友人や職場の同僚、親類等も接種したという話で、中には詳しく予約の経緯、接種の状況、その後の体調を伝えてくれてくれる人もいます。
ワクチンによる重篤な副作用になる確率は低いので、今のところ知っている人からも「大したことはなかった」「2回目で熱が出た」「職場で早くモデルナを受けられて良かった」程度が一般的です。中には「早く受けなさい」的強要ニュアンスの方もいます。
ところが、予約は目詰まりで止まってしまいました。
まあそう焦ることはないでしょう。感染対策をしていれば、突然コロナで重症となる確率は低いでしょう。ワクチン接種をして1日以内に死んだ人は500人以上いるそうで、因果関係は不明確ですが、1日を過ぎてから死んだ方はもっといるはずです。これは高齢者が多いので仕方のない統計です。
しかし若い医療関係者でレアですが亡くなった方、重篤な副反応で未だ苦しんでいる方もおられるそうです。
近く、友達や、知り合いにそういう例を実際に見た場合バイアスがかかります。
そういう点ではワクチンや、コロナの感染に関してあまり友人のSNSは気にしないことにします。せっかく上げてくれる人には悪いですが、ワクチンで副反応がでるかどうかは、それぞれ違うわけですから、その方が大丈夫だと思っても、アレルギーのある方等は十分検討していかないといけません。迷っている方を友人知人が安易にリードしてしまいがちなのがSNSです。
自分の体調、病歴、気質、置かれている状況はそれぞれ違うのです。友人知人のアップではなく。大事なのはファクトであり統計や確率です。