猛暑と豪雨、水問題を考える

梅雨明けが早く、猛暑が続いたため、水不足が心配されましたが、ここへ来てお盆なのに集中豪雨、各地で大雨の被害も出ています。
もう少し、時期や地域をなだらかに、優しい慈雨にしてもらいたいものですが、何ともうまくいかないようです。
水の問題を、少し以前から考えたり調べたりしていました。以前にも書きました鉄道で我田引鉄という言葉、いうまでもなく我田引水のもじりです。
政治的な問題まで書くつもりはないですが、豪雨の報道を見ると、地域の人の無事を祈るのみです。
日本は平地の少ない国で、河川が形成した狭い土地にも住宅や農地があり、たびたび水害に見舞われて、正直危険な地域にもたくさんの人が住んでおられます。
自治体の長の重要な仕事に、防災、治水の問題があります。これは奈良時代や平安時代に都ができ、中央集権が確立した頃から変わりません、居住地の安全、飲料水、灌漑、疫病予防にもつながる、河川の管理は政(まつりごと)の基本です。
京都の都も権力を握った白河天皇でさえ、天下三不如意として、賽の目、叡山の僧兵、鴨川の水はままならぬものとして嘆き、怖れていました。
それでも、京都では鴨川に堤を作り、場所を少しずらしたという説もあり、徐々に水をコントロールしはじめました。江戸時代には西北の亀岡、保津峡からの大堰川を開削して、西高瀬川という材木を運ぶ運河を築いています。
そして明治に入り、京都の近代化のシンボルともいえる琵琶湖疎水も作られ、飲料水や産業用、発電など京都の発展の原動力になりました。
長年、洪水に苦しめられた市内には、地下に大規模な雨水幹線ができ、ついに京都では少々の大雨では洪水の起こらない強固な地盤ができたのです。これは、府下の地方都市や他の地域に勝る素晴らしい防災機能です。
現在に至るこの間、市内には全国的にも早い段階での地下線が阪急でできたのを皮切りに、地下鉄2線と、京阪線が地下に走っています。そして多くのマンションやホテルがいつの間にか林立しています。

一般的に、水の問題の最優先は「洪水の危険が少ないこと」と「飲料水が安定して、衛生的に確保されている」ことです。

和菓子や酒造などに、井戸水を使う素晴らしい伝統的産業としてありますが、井戸水が枯渇するかどうかという問題は、上記の最優先レベルとは少し違います。しかも、ここまで書いてきた、さまざまな要因で、井戸が出なくなった時もあれば、今も出ているところもあります。
地下鉄も昔は道路を閉鎖して、開削して建造していたので、影響は間違いなく大きかったです。大深度をシールド工法で進むと技術者側は、影響は明らかに少ないと言いますが、補償面もあり絶対ないとも言い切れないようです。
それを言い出すと、治水や運搬のための運河や、河川の移動、築堤ももちろん影響はあり、数多く建設されたマンションやホテルの基礎工事も、少なからず地下水に影響を与え、井戸が枯渇した原因は特定しにくいものです。
北陸新幹線やリニアの都市部で、地下水の枯渇や陥没の影響を不安がるなら、多くの地下街や地下道路、マンション開発にも都度反対しないと、整合性はないし、政治的な議論のみになります。
水の問題を奥が深く、多面構造ですし、人間が生きていく以上、便益をとるなら、自然のままというのがある程度犠牲にしないといけないでしょう。我田引水は誰もの心理です。

北陸新幹線でいうと、京都以南の大阪府交野市は井戸水が飲料水の7割をしめ、リニアだと、静岡の大井川下流域の島田市などは飲料水や農業水に地下水からの井戸を使っています。これらの地域で、反対をして補償を求めるのはライフラインの死守であり、上記の最優先2項の一つに当たります。
逆に言えば、元々飲料水も、産業用水も琵琶湖疎水で潤沢な上、雨水を貯めて流す地下幹線も堀り、地下鉄もたくさん掘っている京都で、一部の伝統産業の井戸水のために騒ぐのは、少し拘りが過ぎるように思います。

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