「柔よく剛を制す」日本人がスポーツに求めたもの

 日本には「柔よく剛を制す」「判官びいき」と言う言葉があり、強い敵に対して、劣る戦略、不利な状況から作戦を駆使したり、気合で勝つのが好まれます。

 少人数で大敵を翻弄した楠木正成公などは、太平洋戦争の際、戦中の日本が物量に勝るアメリカに立ち向かう時必ず好例に挙げられました。

 まさに判官びいきの語源源義経も、体格で勝る弁慶を翻弄した牛若丸の姿、その後兄頼朝に冷遇された悲運への同情もあり、日本人の感性に訴え、人気があります。

 桶狭間の戦いで、小人数で大群の今川義元を討った織田信長や、大坂の陣で圧倒的に有利な徳川家康を最後まで苦しめた真田幸村なども、やはり根強い人気があります。

 明治の開国以来、文明の格差や体格の違いは日本人にはコンプレックスではあったので、欧米列強に追いつけ追い越せと必死に頑張りました。

 いくつかのニッチな分野では、日本の技術は世界的にも優れたものに育ち、戦後高度経済成長により、有数の経済大国となりました。

 食生活は改善され、体格は随分良くなりましたが、戦後の長い間は、それでも欧米人との体力差はまだありました。

 陸上競技など、基礎体力ではまだまだ欧米人にかなわず、ニッチな球技、持久力の勝負になるマラソンで善戦する程度でした。こちらもアフリカ勢には勝てませんでした。

 ボクシングや重量級上げで、世界タイトルを狙えるのは軽量級でしたし、お家芸の柔道でさえ重量級では外国人に苦戦しはじめました。

 戦後の復興時期に、日本人のコンプレックスを払拭し、勇気を与えたのが、プロレスの力道山です。

 彼こそ、牛若丸宜しく、大柄な外国人レスラーから八面六臂の活躍で、当時放送され始めたテレビ中継で国民的人気となりました。

 小さな力道山が、巨漢のアメリカ人に反則までされて苦戦するが、最後は伝家の宝刀空手チョップで、スカッと逆転で勝つという試合に日本国民が酔いしれました。

 今、プロレスの裏側もある程度明らかになっており、アングルとも業界用語でいわれるヤラセ、筋書きがあったのは誰もが知っているでしょう。

 そんなに日本人が世界タイトルを取り、世界の、強豪を集めたリーグ戦で優勝するなど、他のスポーツではそうそうはあり得ないことでした。

 それでも、真剣勝負らしく真面目くさってやっていて、国民みんなが騙されていたのです。

 当時の国民のリテラシーが低かったのか?過去の結果を知る現代だからそう思えるので、現代もまた未来から見ては大衆は扇動されやすく、たやすく洗脳でき、迎合したがるものです。「推し」という言葉で、収入の多くを娯楽につぎ込む人も増えて、スポーツビジネスといわれる興行も昔以上にスケールが大きくなりました。

 プロレスだって、毎日のように巡業していたら、手抜きの日もあれば、ガチで喧嘩になるケースもありました。

 大相撲は、プロレス以上に興行色が強く、以前は毎場所毎週のように無気力相撲や八百長が週刊誌に取り上げられていました。それでも日本人の小兵力士が大きな外国人力士に善戦するのは未だに盛り上がります。

 プロ野球も永久追放など厳しい処分は謳われていますが、逆に言えばそれだけ忖度も多い競技です。公式戦で引退試合も行われます。チーム数が少ないので、優勝争いやタイトル争いの終盤は、直接関係のないチームの意思一つで結果が決まりますから、優勝やタイトルの決定はファンが思うほど、ギリギリに決まってる訳ではありません。人気球団や人気選手は、大きなアクシデントがない限り興行的に優遇されています。

 プロの格闘技やスポーツは、ピュアに真剣勝負かと言うと、程度の差こそあれ興行なのです。少なくとも、潰し合いや殺し合いではもちろんありませんし、忖度は当然あります。

 大きなマネーが動く興行ですから、完全なシナリオ通りには行かなくとも、こういう場合は相手をリスペクトするという暗黙の了解はあります。

 力道山の時代から、変わってきたのは、その体格が良くなったので、外国人との明確な体力差ではなくなってきました。

 グローバル社会で海外の情報も早くリアルタイムで正確に、入るようななったことでしょう。

 お金の力で動くのが興行です。かつては野球では大リーグ、サッカーだとヨーロッパのプロリーグで日本人選手など歯牙にもかからず出場しただけで大ニュースでした。オオタニさんのニュースや中継が毎日というのは隔世の感です。

 その大谷翔平が、技術もですが、体格もパワーも外国人に勝ってるのが、また驚きです。

 日本人の感覚も、体格的コンプレックスが薄まってきたのは感じられます。ナショナリズム や判官びいき的感性も変化してきているのでしょうか。

 今は、ビジネス的にも日本が大きな市場になってだけでなく、日本人の出場はビジネス、興行的にも保証されているのです。

 WBCの決勝ラウンドはもちろんですが、昔は出場が危ぶまれたサッカーのワールドカップ本大会も、あれだけ放映権料を払っている日本代表が出られないというケースはありえません。

 WBCでベネズエラにパワー負けした時、もっとパワーをつけてホームランを打てるようにすべきという人と、やはり日本人はバントや守備を固めたスモールベースボールだという人とに別れました。

 大谷翔平のような体格とパワーで勝る選手がどんどん出ないとと思える人が増えてきて、だんだん日本人の中に「判官びいき」派は減っているように思えます。

 

日本の野球はもっと面白く、パワフルに変われるのに

 球春と言うのでしょうか、桜もチラホラ咲き出した昨日、メジャーリーグと日本のプロ野球がNPBが開幕しました。センバツ高校野球は先に開幕して、決勝までもう少しです。

 今年からセンバツ高校野球でDH制が導入され、先に延長タイブレークも実施されているのでなかなかゲームとして面白いです。

 日本のプロ野球はまだセ・リーグのDH制は来年導入が決まっただけ、クライマックスシリーズのアドバンテージをちょこっと調整しただけです。

 WBCで日本がベスト8で敗退すると、ピッチクロックやピッチコム制の導入を慌てて検討するとか、外国に負けないパワーの野球をとかあたふたとはしています。

 しかし、朝MLBを見て、その後、NPBを見ると大谷らスターがいるとか、推しのある無しは別にしても、パワー以前にスピーディさで敵いません。

 高校野球はスピーディなのに何で日本のプロ野球はこんなに試合が長いのか?これでは現地観戦でも視聴コンテンツとしもゲンナリです。

 昨日も早い試合でも2時間半、3時間超えが当たり前で4時間近く、開幕戦から延長10回の広島対中日は4時間超えて、終わったのは深夜10時半頃です。開幕カードを楽しみに来た人で、子供連れや交通機関の事情で帰らなければならず勝敗の結末を知らずに帰る人も多かったでしょう。

 ナイターは、ゆっくりビール飲みながら球場でああだこうだ言いながら観戦する人が多いからいいと反論する人がいますが、そういう問題ではないでしょう。

 野球は日本で長年伝統があって、OBや支える団体も多いですし、利権もからみますからなかなか改革できません。テレビ中継にCMをたくさん挟む、球場のビールや食べ物、グッズをたくさん売るなど、冠スポンサーなど興行全体を含めさまざまな利害関係者がいて、観る者はないがしろにされます。

 ピッチャーの交代も長くやたら多いCMタイムです。ピッチクロック、ピッチコム含めて投球間隔もですし、イニング間ももっとイベントや宣伝を減らしてテキパキできるはずです。

 Jリーグで今年は引き分けなしのPK戦をやっています。世界的にも珍しい試みです。これは面白いです。帰りのファンは必ず勝つか負けるかになる訳で、一戦必勝のトーナメントと同じで、緊張感と迫力があります。

 日本のプロ野球はダラダラと延長をして、結局12回で決着がつかないと引き分けになります。

 勝率で順位を決めるのに、引き分けがあると、不公平にかり、そこも大きな問題ですが、やたら長い4時間超えての試合で決着がつかないというのは見て消化不良もいいところです。

 負けより、引き分けがマシ、引き分けに持ち込みのも戦術にはなっていると言われ反論もあるでしょうが、世界的にはタイブレークが主流です。

 NPBは継続した記録を重視もしますが、延長12回で先行が点を取れず、後攻の負けがなくなり、勝ちか引き分けしかないというのは、モチベーションが大きく異なって記録の価値は違います。観る側もしらけます。

 タイブレークは戦術的にも面白いですし、10回にはたいてい決着はつきます。

 もっと面白いのはドバイのプロ野球リーグで導入されているホームラン競争で決着というのは、サッカーのPK戦のパクリのようですが、これは楽しそうです。

 高校野球でも、延長なしでホームラン競争で決着なら、高校球児はバントや盗塁ばかりをチマチマやるより、ホームランを狙うパワーをつける練習をするでしょう。

 すると、高校のうちから、外国人に負けないパワーを養うことになり、楽しさと一挙両得なアイデアだと思います。

 日本がベネズエラに負け「実力が上」だったとか「パワーの差

で負けた」ガッカリしている人が多くいました。

「パワーをつけないといけない」「いややはり日本はスモールベースボール」だと意見が出ますが、スモールベースボールでは今さら勝てないし、一部のオールドファンしか受けないのです。ではパワーをつけるのにどうするのかというと、やはりホームランを狙う真剣な機会を増やすことです。

 日本の野球は監督の「待て」とか「バント」とか「流し打ちで転がせ」とか細かいサインが出て、ホームランだけを狙って集中する機会が少なすぎる気がします。これではいくらウェイトトレーニングしても、ホームランは打てない気がします。

 大谷選手のようなパワーヒッターをどんどん産むには、高校野球からバントではなく、ホームラン競争をやればいいだけです。

 まあ、カンタンなことですが、野球ファンというのは日本では保守志向で改革嫌がるから難しそうです。

 

 

WBC敗退、日本野球ファンの奇怪?

 オールドマスコミや野球ファンを中心に大騒ぎで、日本の優勝も予想されたWBC.ワールドベースボールクラシックでしたが、日本は準々決勝で敗退し、ベネズエラの優勝で終わりました。

 トーナメントの国際大会の優勝まして連覇となると難しいものです。

 昔の高校野球と違いエースの連投もきかないので、組み合わせの当たりハズレもあるでしょう。

 世界一を決める大会と言い切るのは日本人だけで、他の国とは元々温度差もありました。日本人と広告代理店や主催者のため、放映権料は爆上がりして、今回は150億で落札したNetflixでしか見れないというのも騒がれました。

 大谷、山本由伸、鈴木誠也、吉田正尚、菊池、菅野ら錚々たるメジャーリーガーをかつてないほど今回は揃えました。優勝間違いなしと日本のファンの多くがNetflixにも入ったものの、優勝したベネズエラにはホームランを打たれまくり逆転負けで、準決勝にも進めずマイアミラウンドは1試合しただけで終わりでした。

 一番の感想は、トンデモないお金が動いて、もったいないというか、あれ?もうおしまい?という感じです。

 一部は監督や打たれた選手をバッシングしていますが、よく頑張ったという声が多く、相手がメジャーリーガーを揃えて、本気を出してきたら力の差があったという声も多かったようです。

 1番から7番まで長打のある日本の4番クラスを揃えながら、打ち負けた上、投手も抑えきれずでした。

 しかし、1試合だけではわからないものです。それだと、前回大会まで、世界一と言いながらも、韓国や台湾以外他国はメジャーリーガーを集めて真剣に取り組まなかったから勝てたというだけで寂しすぎます。

 今回、実力差があったと分析し、嘆く人は前回までの優勝、世界一というのも薄々は内心怪しいものと気付いていたのです。ベネズエラは政治的には大変だったのにアメリカに勝ち優勝しただけはあります。メジャーから多くのメンバーを集め、研究もして、取り組み姿勢も確かに良かったようです。

 ベネズエラでほとんどの試合勝ちパターンのセットアッパーを任されたのは日本のオリックスで抑えのマチャドという投手です。しかも、日本よりもキツい3人の救援陣で全試合を回した感じで層が厚いとは言えませんでした。日本の救援陣は故障や辞退もありましたが、このあたりは不運であって実力差ではないと思います。

 予選リーグでは巨人の抑え大勢が連投の場面がありましたが、決勝ラウンド勝ち進んだとして、3連投はしたかのか、メジャーやNPBで開幕前に肩の消耗を考えここまで酷使できるかというと難しい面があります。沢山の一流の投手、野手を選びながらも、出番のない選手も多く、このあたりは酷使されても困るし、かと言って所属チームの仕上げのオープン戦にも出られないで主力が調整できないのも、監督の力量だけの問題ではなく、深い問題です。

「Netflixでしか見られないから、日本人の熱い応援が伝わらなかった」とかいうトンデモな意見もありました。

 どんなにテレビ局がぼったくられようと、タダの地上波で野球がみたいというファンが、「国民的スポーツだから」「天覧試合まであったのに」とかこつけますがサブスク文化が浸透しないのが、日本のオールド野球ファンなのでしょうか。

 さすがに専門家にはいないですが、「あのパワーに対抗するのは、日本のスモールベースボールだ」と言う人も未だにいます。送りバントや盗塁、堅実な守備とかでは、ドカンとホームランでヤラれたら追いつけないし、総得点でかなわないのが、なかなか昔のファンはわからないのです。

 パワーをつけて強い球も打ち返しホームランにしていく力をつけないと、今回の負けはバントの練習では克服できないのです。

 私は高校野球からもっとバントではなく、パワーをつけてホームランを狙う野球をしていかないといけないと思います。

 ピッチクロックという投球間隔の制限もなかなか日本人は感覚的に苦手なようです。

 投手や捕手が相手の出方を観察して、熟考して球種を選びサインを決めるという、将棋のような間が日本人は好きなのでしょう。

 日本のプロ野球の時間はこのせいで長過ぎるのです。娯楽やコンテンツで普通に3時間、4時間では一部のコアなファンしかついていけません。

 あらかじめ分析した相手に組み立てた球種で投げていく、牽制もあまりしないのが、メジャー流なのでしょう。

 高校野球のセンバツが始まり、初めて指名打者制が実施されています。

 時代は徐々に変わりつつあります。

 大谷選手という超新星も全盛はあと数年、日本の底辺の野球人口は少子化もありますが人数もシェアも減っています。

 メジャーの年俸は魅力としても、その経営はアメリカ、日本や各国の野球ファンの視聴契約料が主です。

 野球はルールや戦術が複雑で、マニアックな玄人受けする要素が多いのですが、ファンはオオタニさんのようにカッコいい選手が見れてホームランが出てひいきが勝てばいいのです。

 高校野球をはじめ7回制や5回制すら検討されていて、とんでもないと憤慨する解説者もいますが、それもありでしょう。

 出場機会が減る減ると騒ぐよりも、時間やチームの維持が大事です。プロサッカーのJリーグは時間も試合数も少ないですが、地域に根ざしプロのチーム数は野球より多いのです、野球関係者はここを真剣に考えないと未来は暗いです。

 国や都道府県を代表するナショナリズム的人気を維持し、パワーとスピードの分かりやすいスポーツに変わっていくのがこれからの野球であり、スポーツでしょう。

 

 

オリンピック、WBC、W杯で思い出す昭和プロレス

 今年はスポーツイベント目白押しで、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが終わったと思えば、日本では人気の野球のワールドクラシックベースボールがあり、6月にはサッカーの北中米カリブ海ワールドカップが開かれ、9月には愛知県でアジア大会も開かれます。

 なんと言ってもサッカーのワールドカップは世界中で行われて注目される世界最大のスポーツイベントです。サッカーはほぼ世界中の国で盛んなスポーツで、野球やウインタースポーツは限られた国、地域で世界中とは言えません。

 日本では元々野球が人気で、一時下火で競技人口はサッカーに抜かれたようですが、大谷選手の活躍でメジャーリーグの人気に火がつきました。代表チームの国際大会WBCも、シーズン前のエキジビション的大会ですが、メジャーリーガーも出場して、日本のファンは世界一のかかった大会だと信じて熱狂します。

 野球は北中米、東アジアぐらいしか広がっていないスポーツですから、世界一とか世界大会といっても無理やりルーツをたどって欧州の国の代表にしたりして参加国を作っています。権威のある世界大会とは言い難い面があります。

 国際大会の国の基準は大会によって異なり、サッカーワールドカップは国籍要件で一度国の代表で戦うと国籍を変えても別の国では出られません。オリンピックは国籍要件はありますが、国籍変更は3年ほどの待機期間があり、2大会連続で2か国の代表での出場はできないのです。

 ラグビーは国籍ではなく、協会の所属で代表になれますが、通算10年の居住が求められます。

  これに比べると野球のWBCは、国籍、永住権、出生地、両親のルーツと広く認められ、まあユルユルです。大会そのものも、公式のシーズン前の宣伝、エキジビションでどこまで選手が参加し、全力で戦うかは微妙です。

 この感覚で、思い出すのは、昭和のプロレス、ブックと言われる筋書きや国籍ギミックなどです。

 プロレスもあのような形式ではアメリカと日本ぐらいしか行われていないので、とても世界のスポーツではありません。それでも、世界タイトルの選手権、世界の代表を集めたワールドリーグ戦、チャンピオンカーニバルだとかインターナショナルレスリンググランプリとかを信じて熱狂していた時代がありました。

 各国代表と言いながらもプロレスの国籍、特に悪役は、ショーのようなアメリカンプロレスでは嫌われるロシア人やナチスドイツのような衣装をつけ、プロフィールを偽って戦います。また、権威づけのために世界各国の代表を名乗っていても、実際にはプロレスの行われているアメリカ人でした。

 日本でも戦後すぐの時期、プロレスは敗戦で自信を失った日本人に、ウソでも勇気を与えました。

 力道山が大きな外国人を空手チョップでバッタバッタと倒すのに快哉を叫び、日本人は希望と活力を取り戻したのですから、ウソも方便かもしれません。

 当時はプロレスが、筋書きのあるものとはみんな思わず、力道山が苦しめられても最後には勝つのかハラハラして応援していました。

 少し後の世代はアニメのタイガーマスクでプロレスを知り、馬場や猪木がしのぎを削る時代でやはり内心嘘くさい面もあると子供心に思いながらも業界や団体ぐるみの虚構の世界とは思わず、タイトルマッチとかにはそれなりの権威があると興奮していました。

 ワールドリーグという大会に出場する相手レスラーも、オリンピックのように各国の予選を勝ち抜いた代表か、チャンピオンだと信じていたものです。

 プロレスの場合は、大会のレギュレーションもチャンピオンベルトだとかタイトルも、今となって知ると、全てが作り物、商売で、全く嘘くさいものです。

 それでもウソも方便のとおり、スポーツを見て喜ぶ心理はプロレスもその後の総合格闘技も、オリンピック、野球やサッカーを見るのと何ら変わらないと思います。

 母国や地元、ひいきの選手やチームが、勝てば良い。少し目が肥えると、内容も良く勝てば良い。それでも負けるよりは勝つ方が良い。

 昔の力道山など、ルールもいい加減で、とにかく人気者が勝てば拍手喝采でした。それは今、大谷選手がホームランを打つ、日本人が金メダルを取るのと何ら大差はなきのです。

 もう少しファンの目が越えると、最強のメンバーが集い、試合としても、接戦で競り合い、逆転などスリリングな展開で最後は推しが勝てればいいと思うレベルになります。本来のスポーツのルールを知り、技術の深さや面白さも知って見ている人はどれくらいいるのでしょう。

 やはり自国人や地元の推しが負けるよりは、理由は相手のケガなどのコンディション不良などであれどうであれ、勝てた方が良いと思うのが心理なのでしょう。

 スポーツを全く見ない人から見れば、見るのにかける時間もましてやサブスクやチケットにかけるお金ももったいないと思う程度の娯楽です。

 

 

 

冬季五輪楽しめる国は幸せ?

 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが終了しました。

 リアタイではほぼ見ていないのですが、ニュース番組などで映像はおよそ見ました。

 種目も増えたのですが、日本の活躍する競技も増え、魅せ方?ストーリーやビジュアルコンテンツとしても優れたものになっています。

 オリンピックになれば思い出したように注目されるカーリングなどのマイナースポーツや新しい競技が特に冬季は多いのではと思います。1972年の札幌は黎明期の昭和ですし、ジャンプの日の丸飛行隊だけがメダルでした。

 その後の1998年の長野に比べても、ウインタースポーツがさまざまな面で進化し、関係者の努力もですし、演出や推しの手法も見せ方も上手くなったのだと思います。

 夏季でもそうですが、昔は競技も少ないうえ、全くテレビにも映らない競技がけっこうありました。

 会社にいた北海道の支店幹部に札幌オリンピックのボブスレー代表だった人がいましたが、自慢はされていましたが、現代と比べると自虐ネタでした。

 放映権料の高騰とかも、コンテンツの魅力と関係がありますが、タイムや距離、点数を極限まで競うアスリートの姿にはやはり素直に感心し、感動します。

 15歳からオリンピックに選ばれ通算10個ものメダルを胸にかけた高木美帆さんの挑戦し、力を出し切って、姉に労われる涙も素晴らしかったです。

 フィギュアやスノーボード、カーリング、ジャンプなど、女子も台頭し、見ても楽しくメダルの期待にワクワクする競技が増えました。

 しかし、元々冬季オリンピックは特にヨーロッパ、北半球の国が中心で、暑い国、イスラムの国の女性を見ることはありません。その意味では世界中が集い競い合うスポーツの祭典かと言うと疑問は残ります。

 日本では女性の社会進出が叫ばれ、欧米とともに男女機会均等が当たり前になりつつありますが、世界でも人口の多いイスラムの国はまだまだ女性のスポーツ参加、ましてや海外に試合で出ることは稀です。

 戦禍の国もある中、これだけ女性も活躍し、スポーツを楽しめる国はやはり平和なのだとは思い、ありがたいことだと思います。

 

没個性、大衆迎合、日本人はなぜ群れたがる

 昨年ミスタージャイアンツと言われた長嶋茂雄さんが亡くなりました。

 私が少年だった昭和40年から50年代という時代は、子供が憧れるスポーツと言えば野球。野球と言えば巨人の時代でした。

 関西にも阪神や南海などたくさん球団があったのですが、テレビのゴールデンタイムは巨人が独占していました。多くの野球少年がYGのジャイアンツの帽子を被っていました。昔はレプリカユニフォームなど無かったのですが、帽子だけはリーズナブルなのかよく被っていました。

 かつてマイナーだったスポーツがオリンピックなどでも注目され、野球というスポーツの相対的な地位は下がりました。その野球の中でも、地域に根ざしたチームが人気を博して、平成にもなると巨人の帽子を被っている子供を見かけることも少なくなりました。

 ところが、令和の時代、ファッションとしても、メジャーリーグの人気チームの帽子を被っている人が増えました。

 昔の巨人のシェアほどではないにせよ、繁華街で子供も大人もドジャースやヤンキースの帽子を被って街を歩くのを見かけます。

 オオタニさん効果なのでしょうが、このオフィシャルの帽子かなりのお値段のものです。

 ウエアはユニクロでも帽子はメジャーという人も見かけます。日本のプロ野球、Jリーグというのは、コアなファンはいるものの。ここまでストリートのファッションにはなりません。

 人権、個性化と言われながら、日本人は、流行、大衆に流されやすいのです。みんながやっていることが、正しくカッコいいと思い、巧みなスポーツビジネスに知らず知らずに搾取されているのがわからないのです。

 世界のどこか別の国に、TOKYOとかロゴのはいったユニフォームや帽子がバカ売れし、埼玉西武ライオンズとか、福岡ソフトバンクホークス、浦和レッズ、名古屋グランパスといった帽子やユニフォームを着て街を歩く若者たちがいるでしょうか。

 前にも書きましたが、グッズだけではなく、もっと大きな放映権料も莫大になり、日本人だけがたくさん支払っております。

 こちらはNHKの受信料に反映するものですし、タダで見れると思われる地上波民放にせよ、スポンサーが自社の商品やサービスに転嫁して、実質は庶民が負担しているのです。

 飲料だけ見ても莫大な金額をCMモデルのタレントやアスリートを使っています。そんなに宣伝費使わずに同じクオリティで価格を抑えた商品があれば買うべきだと思います。

 その価格の原価以上の部分が、日本の社会に上手く分配されずに、多くはフェアトレードでなく、海外の大企業、ブローカーのような広告会社に流れてしまうのが残念です。

日本はアメリカの30分の1のままでいいのか

 今年も、日本のプロ野球から三冠王経験の村上選手や、巨人の主砲岡本選手、パ・リーグを代表する好投手今井選手らがメジャーリーグに行きます。

 毎度驚き不思議なのがその年俸の高さです。大谷選手の数十億も別格ですが、日本のトップクラスで1億や2億の年俸だった選手が20億や30億の契約です。

 日本のプロ野球ってWBCでアメリカに勝って世界一、今度も勝つと騒いでいるのでは?もちろんメジャーに行った選手も含めての代表でしょうが、この待遇格差は何で?これじゃ、誰も日本のプロ野球にずっといたいと思うスポーツ選手はよほどの飛行機嫌いしかいなくなりそうじゃないですか。

 なぜこんなにアメリカと日本の野球選手の年俸に格差があるのか。日本プロ野球界は格差を埋める努力をしているのか。

 格差の原因は調べるといろいろ書いてあり、訳知り顔で解説されてるのですが、どうもしっくりきません。

 アメリカは国土が広く人口も多く、経済もデカい?

 でも、人口ってせいぜい3倍、メジャーのチーム数30チーム、日本の2倍強。面積が広いといっても移動に飛行機使うだけで球団のコストがかかるだけです。

 アメリカは本場だから凄く野球人気があるかと言っても人気はアメフト、バスケ、アイスホッケーに分散されてるし、時折見かけるスタンドってドジャースホーム以外はガラガラもよく見かけます。

 調べてみると、一昨年の世界のプロスポーツ最多動員はドジャースですが、2位に阪神タイガースが入り、5位が読売ジャイアンツです。最近はパリーグ含み消化試合も動員が多くどこも盛況です。

 確かに外資系の業績反映の給与体系の企業は日本企業より従業員の所得は多くヘッドハンティングもされ、優秀な学生やキャリアも集まります。しかし、業界としてそれほど個別企業の業績に差がないのにこの年俸の差には呆れ、手をこまねいて放置する方にも情けなくなります。

 何でこんな差が生まれるか、最終的にもこれだけというのはないのですが、大きな一因として、テレビの放映権やグッズの売上のロイヤリティなどをメジャーが一括管理して分配しているからだと書かれてます。

 ケーブルテレビでサブスクの下地があったアメリカだからと言われますが、それが主因ならもうちょっと頑張ったら日本もだいぶ落ち着くんじゃないかと思うのですが、情けないけれどやる気がないようです。

 地元テレビ局との関係にこだわる球団が一括に反対しているのもあるようですが、そういう人たちはこのままの日米格差で良いのでしゃうか。

 参加選手や代表資格で何かと物議を醸すWBCですが、これも120億だとか放映権料をぼったくられます。全てメジャーリーグの収入でメジャーリーグの宣伝をして、日本プロ野球には分配はありません。日本企業は協賛してチケットを広告の景品にする程度、どちらにせよバカ高いチケットと放映権料は最終的に日本人の負担でなりたちます。

 通常シーズンのメジャーリーグの放映権もオオタニさまさまで、どんどん跳ね上がってます。150億とも200億とも言われます。NHKの受信料収入が5900億ですから、割引してもらっても、かなりの比率です。

 日本ではサブスクの意識が高齢者を中心に低く、NHKの受信料を納税義務のように支払い、ただで放送を見るのが当たり前と思っています。

 WBCもメジャーリーグや、サッカーワールドカップも配信会社が独占と言うと大騒ぎで反対し、NHKが放送してくれるとホっとする人がいますが、野球やサッカーが好きでない人もいます。スクランブルをかけ有料契約にしても良いはずです。

 野球の実質の世界選手権とはとても言い難い参加選手の編成で、世界一のタイトルさえ取ればいいと騒ぐエキジビション大会に大金などかけることは要らないです。

 ナショナリズムをかき立てられますが、アメリカが本気になったら勝てないのも内心わかっている心理がまた不思議です。メンバーが揃わないとか連係プレーの練習もままならないぐらいの選抜チームだから勝てるという考えは、本当のフェアな意味での強さとか世界一なのか、良く分かりません。

 メンバーさえ本気で揃えれば、勝てるなんて囁かれる大会が面白いのかと言うと疑問です。

 メジャーリーグは商売上手で、放送権料や看板広告も日本からぼったくって儲けてる訳で、それが国益も国力も削いでいるのです。

 別に毎日メジャーリーグ見たい人は個別に契約してもらってけっこうです。ニュースや災害情報だけは無料、ドラマだけ、歌合戦だけならそれぞれ契約でいいと思うのです。

 少なくとも、この30倍という年俸の差を日本人は屈辱だと思い、思考停止から脱却して、差を縮める努力はしないと、軍事でも経済でもアメリカになめられっぱなしです。

 

 

 

下剋上ありの優勝戦だから面白い

  年末というと昭和の昔はレコード大賞、歌謡大賞とかの1年の歌謡曲のトップを決める番組が人気でした。

 音楽の多様化が原因なのか、そもそも楽曲に優劣をつけるのがおかしいのか、ヤラセなのが飽きられたのか、人気は無くなりました。年末の歌番組としては総括した歌謡祭的なものや、紅白歌合戦が何とか残っています。

 お笑い、漫才の頂点を決めるというM-1グランプリも波はありましたが、今年の年末も盛り上がっていて、なかなか面白かったです。若手人気漫才師たちが賞金1000万円と名誉を目指し、本気で勝負しているのが伝わります。

 たかがお笑い、漫才であり、それこそある程度の忖度や筋書きはあるとは思われます。しかし、スポーツでもなく、競技でもない芸能の1ジャンルが、なぜか人を引きつけます。ガチンコの真剣勝負が展開され、実際になかなか計算され練習したお笑いとしての面白さとともに、勝負としての面白さもあります。

 一度決勝までに破れた漫才師が敗者復活で勝ち残った下剋上の年もありますし、今回もファーストステージで断トツで最終3組に残ったのに、最終決戦では一票も取れずに優勝を逃す予測できない面白い展開でした。

 このレギュレーションが絶妙なのかもしれません。今人気者のサンドイッチマンも敗者復活で勝ち上がったパターンで吉本でもないどちらかというと弱小事務所所属ですから、出来レースではないガチンコな勝負でした。

 レコード大賞は衰退しましたが、プロスポーツ、他の芸術の映画だとか、文学、音楽、絵画などでも優勝や年度の賞が決められます。

 それぞれに評価のしかたや、決勝、優勝や1位の決め方、審査や発表も違います。スポーツ番組のようなイベントになるものとそうでないものがあります。やはり、ヤラセや忖度で決まったドラマ的なものよりも、実力者が真剣にぶつかりあい雌雄を決する真剣味に人気が集まり、その賞やチャンピオンシップに権威が保たれいると思います。

 プロレスや総合格闘技も大相撲も栄枯盛衰があり、一時は国民的人気があったり、大晦日に特番もやる人気コンテンツでしたが、やはり筋書きやレギュレーションにヤラセが見えてしまい人気が落ちました。

 そういう面では、野球なんかも今のオオタニ人気にあぐらをかいてるとダメです、クライマックスシリーズなんかの解かりにくいレギュレーションでは衰退の恐れがあります。

 クライマックスシリーズも日本シリーズも下剋上ありのその時点での最強がガチンコでやるところを見せないと、やがてスターがいなくなりレコード大賞のように凋落すると思われます。

 昭和の歌謡曲もプロレスも好きだったのですがね。

 

 

マラソン大迫がハンパない

 マラソンの大迫傑(34)選手が、この12月7日バレンシアマラソン日本記録を2時間4分55秒でまた更新したニュースには驚かされました。34歳でキャリアハイたけでも脱帽ですが、2時間5分をしれっと切るタイムには恐れ入ります。

 1964年の東京五輪や次のメキシコ五輪など、国民的注目のスポーツだったマラソンで、円谷幸吉や君原健二は誰もが応援していました。

 その後も瀬古利彦や宗兄弟が期待された時期もありますが、多様なスポーツが発展する中、マラソンは少しマイナーな地位に甘んじていました。私が勤めていた会社も駅伝やマラソンの活躍する選手がいる陸上部がありましたが、日本記録を出しても地味な扱いでした。

 令和になろうかという時、日本の男子マラソン復活に1億の賞金を協会が用意して、その条件の日本記録を更新し、2度もゲットしたハンターのような選手が大迫傑です。

 その大迫も東京五輪ではメダルを取れず2021年に引退し、解説者になっていました。

 ところが、翌年には現役復帰を表明し、所属などの環境を変えて、なんと3度目の記録を更新したのです。

 2時間10分を切れば好記録だった時代からは、ウエアやシューズももちろん、育ち方、鍛え方やトレーニング方法も変わってきているのでしょう。

 しかし、トップアスリートが引退する30代半ばで、復帰してのこの記録、人間はまだまだ早く走れるものかと感心しました。

アスリートを応援するファンなども、トップアスリートが少し衰え、期待に応えられなくなると、応援をやめてしまいがちです。チームスポーツなどでは、特に年俸の高いベテランが足を引っ張ると戦犯でリストラ候補です。

 期待と推しの反動で挑戦をあきらめる「もうトシ」という空気ができてしまいがちです。

 推しでもないので、大迫傑選手の詳しいことは知らないのですが、人間の筋肉や脳は強化され、経験を積むと進化し続けることを証明してくれたとは思います。

 

 

Jリーグも観客動員最高更新して終了

 1993年華々しくスタートしたJリーグ、バブルが弾け低迷期、コロナからも回復してJ1過去最高の800万人の観客動員で2025年シーズンが終わりました。

 NPB.日本のプロ野球も一足先に、ポストシーズンの日本シリーズも含めて終了し、こちらもセパとも過去最高の観客動員だったようです。

 チケット代金や飲食も値上がりしている中、グッズもよく売れてビジネスとしても成功しています。Jリーグの理念、地域の活性としても成功しています。パ・リーグなども昭和の時代はガラガラでやっていました。セ・リーグでさえ、巨人以外の球団は巨人戦と優勝でもかからないと、満員になることもなく、余裕で当日チケットを買えました。

 パ・リーグの最下位のチームや優勝の可能性の無くなったサッカーの、いわゆる消化試合のチケットが取りにくく、何万人ものファンが集まりユニフォームに身を包んで応援するなど、昭和、バブル期でも考えられないことでした。

 景気が悪い、物価が高いと言いながら、スポーツ観戦、推しの趣味にはお金を使う心理なのです。

 一つにはマーケティング手法、消費者心理まで研究した経営戦略が身を結んでいるのでしょう。

 景気が悪く、ストレスが多く、自分の身の回りがままならないほど、スポーツや娯楽で発散する行動なのでしょう。

 ロサンゼルスまで行っての大谷さんの応援ツアーが売れるのも、何ともうらやましいようなビジネスです。

 なけなしの大金はたいて生活の困窮してたら、合法的ですが、お金の減り方は悪質な詐欺商法と変わらないくらいです。

 オリンピック含めて、スポーツに熱くなりすぎない人は、その分は少なくともお金と時間が貯まる気がします。