JR北海道の厳しい経営状況もあり、3月31日をもって留萌本線の最後の残存区画、石狩沼田〜深川が廃止となり、全国初の「本線」が喪失するという事態となりました。
最後に残された区間はたった14.4kmで留萌にも行かず支線ももちろんない詐欺のような名前で、それでもいわゆる「葬式鉄」など廃止を寂しがるファンで月末は大混雑だったようです。
この熱気が以前からあればと思われるほど、最終日は3両に増結した車両が超満員で、引退コンサートさながらのように惜しまれて鉄路は閉じられました。
多くの貨物私鉄も従え、石炭輸送で活況のあった時代から、札沼線、羽幌線と支線が次々と廃止されたのが転落の始まりでした。
本線の末端区間、珍名で知られた増毛から留萌が2016年に廃止されて、2023年には線名の留萌から石狩沼田の心臓部ともいえる部分が廃止となり、わずかに残った石狩沼田〜深川が今般廃止となりました。くしの歯が欠けるように寂しく、段階的に廃止が進みました。
防雪、防寒対策で車両や線路保守にコストがかかる路線ばかりのJR北海道の厳しい状態は続きます。
北海道は大赤字路線の廃止が続いてきました。ひとまずは予定は終わりですが、赤字路線は多く次の検討もなされているでしょうし、ひとたび災害となると復旧はされず放置→廃止となるパターンです。
北海道新幹線の延伸とともに、並行在来線となる函館本線の通称「山線」の小樽以西は、地元は三セク化を引き受けずに廃止となります。
昔、青函連絡船で函館に着くと、室蘭本線の「海線」経由の特急と函館本線をそのまま山線経由の特急が並んでいて、猛ダッシュしてきた人がチョイスできたのが懐かしく思われます。
整備新幹線延伸問題はルートや並行在来線でどこでも問題になって工事が遅れたりしています。
しかし、この函館本線の有無言わずに廃止は残念というか、東京〜札幌を優先して、いかにも過疎地を切り捨てるようで個人的には一番モヤモヤしたものが残ります。
西九州新幹線、北陸新幹線、リニア中央新幹線もそれぞれ問題はありますし、要る要らないやルート、地元負担や三セク化で揉めるも分かりますが函館本線山線のバッサリ廃止は文句を言う声すら少ない寂しさがあるのです。
昭和50年、お金のない学生だった私たちの世代は、飛行機という選択は無く夜行列車と青函連絡船で、周遊券で北海道へ行く一択でした。航空会社はスカイメイトなど格安の割引サービスをはじめ、この頃国鉄が毎年運賃値上げをして、北海道へのシェアは一気に飛行機はシフトしていきました。
寝台特急も全廃され、今、関西からはもちろん首都圏からでもよほど酔狂なマニア以外は鉄道や船で札幌へ行く人はいなくなり、99%のシェアを飛行機が握っています。格安航空会社もでき、空港アクセスも便利となったからです。
そんな中で、今さら札幌と新幹線が繋がるのに、在来線を犠牲にして、どれほどの新たな需要が見込めるかということです。
かつての新幹線延伸は広島、博多、仙台などから航空機のシェアを奪い返し、新潟、長野や山形、富山、金沢などを東京と最速で結び沿線も含んだ観光やビジネスに劇的な利便性を生みました。
私はリニアは別にして、地方創生という意味で西九州新幹線、北陸新幹線は早く延伸完結すべきと思いますが、これだけ鉄道が廃止されシュリンクした北海道に、さらに在来線を減らしてこういう形での延伸はやはり疑問です。
札幌延伸ありきの苦渋のルート決定かもしれませんがルート決定は強引でした。
沿線に都市や観光地、旭川延伸を考えると空港アクセスもある室蘭本線沿いの海線に近いルートが選ばれませんでした。過疎地の山あいを抜ける山線廃止前提でルートが決定しました。
本来の新幹線の地方活性の原則からは外れて、ただトンネルトンネルで札幌だけを目指すします。東京から乗ったとして、車窓の楽しみも何もない退屈な時間にしかなりません。これでは航空機の方が時間も早ければ、ずっと楽しいのではと、乗り鉄の私でさえ思います。
学生時代に北海道各地にあった鉄路を懐かしむ身としてやりきれない思いで、廃線鉄として札幌への北海道延伸を待ちます。
長くなりましたが、最後にもう一つ今年3月の話題で、3月14日のダイヤ改正で閑散駅のJR東日本根室本線東根室駅が廃止されました。
これによって日本最東端の駅が、根室駅に変わりました。路線は廃止ではないですが、根室本線の終点近くが一度東の端に行ってから北へ曲がりそこから市街地に回るため西方向に行って根室駅があるのです。
途中にあった東根室駅が日本最東端だったのです。どちらも訪れたことはあります。個人的な日本の東西南北の端の駅制覇は変わりませんが、これもJR北海道の厳しい状況を示す話題です。
https://seizafpkotodama.com/2025/11/04/14316/