
クーポンや特売日というと昔はその日に大変な集客があったものです。
ドラッグが隆盛してきて、メーカーとしてマツモトキヨシの店舗を担当していた頃は毎月1日カウンセリング化粧品のポイント5倍デーでその日のお客様が多く対応に迫られました。
ところがポイントデーの日数や倍率、あるいは一般品の割引クーポンの日もどんどん増えていきました。競合店も多いので止めるに止められない感じのようです。
大手ドラッグは主力のポイントカードプラス自社のポイントカード、SC、地下街などのテナントに入っていればそこのポイントも付くというサービスぶりです。
客としては、ありがたいようで、企業とか業界として大丈夫かなという気はします。
メーカーは希望小売価格に基づき卸価格を決めています。しかし、近年のM&Aで、取引先グループはどんどん大きく集約されています。
売上規模がローカルで小さかった店も、全国規模の大手に吸収されれば、そこのセントラルバイイングと交渉しないといけません。
さらに大手同士が資本提携を重ねる状態では超大手ができ流通側のシェアも立場も大きくなりすぎます。
個人店の仕入れとは、どんどん条件格差が開き、かつては商店街で証紙や福引券、オマケだけで定価で売れていたものが、3割とか5割の差ではついていけません。後継者とかの問題ではなく、今や端から個人での商売が難しい時代です。
テナントに入る条件もテナント家賃もですが、モール全体のポイントシステムも大きな負担です。
これは、ホテルだとか旅行業界でも、さらにレベル違いになり、定価も何もありません。
昔は、学割、株主の割引以外は鉄道や船や飛行機も定価、ホテルも季節や曜日で差はつけて定価は決まっていました。
逆に売れ残ったホテルや、電車の指定席などは、その日の分は空、ゼロになり、二度と売れません。明日になって賞味期限切れで自家消費で処分するとか、スーパーの夕方になって総菜にシールを貼って叩き売りするようなとこもできませんでした。
ところが業界と言わず社会全体の情報化とデジタル化が進みWEBページの機能、ポイントやネットサイトが進化しました。ホテルは最低限の清掃などがペイできれば、閑散期などで売れ残りそうなら安くして売るようになりました。
格差比較のサイトができ、定価販売は大崩れして、最初に買った人とバーゲンで買った人は半額以上の差が突き、グレードの低い部屋の方が高い料金を支払うケースさえあります。
JRも航空会社も会員囲い込みなどで、とんでもないお得な企画切符も出たしました。
これは他の携帯電話やクレジットでもそうですが、自社の利用だけでなく、系列カードのポイント、マイルを貯めると、それだけで大きなサービスを受けられます。
会員特典で購入できる企画商品もあれば、通常価格の5割引きはおろか、貯まったマイル、ポイントでタダで購入できるので、お得感は満載です。
私もポイント利用はしますし、公共料金でポイントが貯まるのはありがたいサービスとは思います。
反面、携帯電話会社やJR、ドラッグストアにしろ、そうやって囲い込み、儲けているのですから、消費者側は賢く見ないといけません。
私は定価販売には意味があると思い、マイルでの旅行やポイントでの買い物が目的になってしまってはいけないと思います。
そもそも消費しなくてもいいものを刺激されて消費してしまう面も否定はできないと思います。
ポイント購入などでポイントがつかないのに怒る人もいますが、法律や仕組みは別にして、ポイントはあくまで「オマケをタダで貰う」ものです。
マイル旅行も長年愛用した旅行会社のお礼、昔なら商店街の福引で当たった招待旅行のような、それが決められた日の団体旅行ではないだけ融通が利き、ありがたいご褒美ととらえた方が上品です。
株主優待もリスクを怖れずその会社へ投資したことに見合うお礼であり、転売したり、それを節約と自慢するのも、少し違うというか、品がなく思えます。(個人的感想です)
ガソリンやお米が原価や供給量のせいで、上がるのも直近の難しい課題です。しかし、ここでいう値上げも価格維持も決められた価格あっての話です。
その価格の感覚を値引きやポイント、マイルで麻痺してしまうと、もう物価問題を語れないのです。スーパーでお米を買ったことのない議員が政治を理解しにくい感覚と同じようになってきます。
あんなにドラッグストアが乱立していて、少しもつぶれないのは何故か、インバウンドだけでもなく、定価で買う非会員のおかげでもないでしょう。ポイントや割引につられて訪れ買い物する人たちが支えて儲かっているからです。
ポイントやマイル、カード経済圏、その構造を頭に入れないと、庶民は知らないうちにぼったくられています。










