資格確認証?! 煩雑でムダ金、それ以前に危険

 来月になると、キャッシュレス決済の進む中、残った現金払い派と、ATMや自販機の修繕業者のため、新しいお札が発行されます。
 お札は変わっても変わらなくても、そう騒がれてもいないです。忘れてたなあという人が多いですし、実際普段現金を使わない派がここ数年でも増え、新しい札を目にするのも遅くなりそうです。
 そして、賛否騒がれやすいのがマイナンバーカードの拡大政策の目玉とも言われる健康保険証の廃止が12月です。現行の保険証が廃止され、マイナ保険証に切り替わるのです。健保や医療機関などで、もうあと半年とあちこちで告知されています。厚労省はマイナ保険証の利用者を増やした病院や薬局を対象に最大20万円の支援金をバラまき、果ては窓口で切り替えを呼びかけるトーク例やQ&Aまで用意する徹底ぶりです。X上で注意喚起とばかり『ご注意ください!』と書いた、工事現場か阪神タイガースのような黒と黄色のストライプをあしらった内容(写真)も繰り返し投稿していました。

 こんなにお金を使いながら、どうしても嫌なら紙ベースの資格確認証というものが発行されるそうです。 
 ちょっと待って、性急すぎるマイナ保険証への切り替えを、セキュリティなどで抵抗する反対派や認知症患者などに配慮したそうですが、そんなの発行するのってどれだけの手間がかかるのか。
 保険証廃止のリミットに拘り過ぎどれだけムダ金を投入する気なのでしょうか。それなら保険証併存で対応を考えた層がまだマシです。
 お金をかけ、紙の証明書みたいなものを発行しても、懸案のセキュリティ、なりすまし不正受給などはもっと大変なことになります。反対派もそんなもの望んでないはずです。医療現場のマイナ保険証反発は多いですが、それも紙の保険証ではそれ以上の問題がおきます。

 医療機関のレセプト情報の早期反映、転職などで保険証が切り替わる時などの迅速な対応など、本当に宣伝するメリットを享受できるにはもっともっと課題をクリアし、考えるべきことが予算を使う場面はあるのですが、何かどうにも頭の悪い体制派と反対派の溝が深り不毛の論争を繰り返しています。定額減税の煩雑さでもそうですが、シンプルに現行の保険証を残して平行でも良かったと思いますが意地みたいなものでまた無駄なカネが使われます。これに対してもっと怒る世論が起きない者かと思います。
 少なくとも12月からの1年間はマイナカードを保険証として使う人、従来の保険証を使い続ける人、健保資格確認証を使う人の3パターンを医療や介護関係は対応しないといけません。紙レベルだと偽造、なりすましというマイナ反対派が怖れるセキュリティの問題は倍増します。紙レベルの確認証を特定の人に発行し、届けるのにどれだけ手間とお金がかかり、暫定的であり危険なものです。
 体制派の横暴と反体制の横やりで、極端な左右の対立と、とんでもない妥協でマトモな人の声が通らないで損失と危険ばかりです。
 一応、私は保険証持ち歩かずこのところマイナで受診しています。

書評:保坂正康「帝国軍人の弁明」今も昔も大局観のある人が少ない

 同志社大学卒の近代史や昭和史の専門家、保坂正康氏による10人の軍人の自伝・回想録を読んでの人物評価の著述で、これ自体がブックガイドのようなものです。それを書評するのも変なのですが、知的な刺激にあふれた一冊でした。
 太平洋戦争を生き残った軍人は、多くの著作を残しているが、美化や誇張もあり、自己顕示自己肯定のために歪曲されたものも多く、ここに紹介されたものはそんな中で客観的で良質とはいえるもののようです。敗戦までの発言、著作との整合性や事実認定や確認もされたこともあります。それでも一部は本人の錯覚や誤解も割り引かないといけませんが、歴史に残して読み継ぐべき内容のものが多いと思います。
 戦争は遠い昔、あるいは現代でも海を隔てた遠い異国でのものという認識しかない現代ですが、戦いという局面で指導者が過ち、統帥するものが間違えば、国は滅びも向かいます。
 私は右翼でも左翼でもないと傾倒はしていないと思いますが、日本国が好きで愛国者ですし歴史は好きです。私の祖母は小学生の頃、今の世界地図を見て小さな赤い日本の領土を嘆き、昔は台湾や樺太、朝鮮半島も赤く、満州はピンクに塗られていたのにと嘆くようの呟きました。国威が広がることだけが良いことではないのですが、素朴に惜しかったとは思いました。大人になり、戦争の経緯や今の東アジアを状況を見るにもったいないような気持ちもあります。
 堀栄三氏の項にみる情報力の軽視など、戦術的に疎いという面と、多くの史料に現れる戦争の開戦から終局までの大局をイメージする国家戦略にも欠けていたようなのが残念です。
 戦ってみないとわからないのが、戦争にはあり。成り行きの状況判断も大事ですが。結局は多くの国民の自由と権利、命を奪いながらも、それを後押ししたのも流された世論、国民のインテリジェンスの欠如です。
 全面戦争を上手く回避し、日本が中国とも良好な関係で世界に存在感を示し続ける現在を想像することはもはや難しいでしょう。
 自虐でも国粋でもなく、昭和史、日中戦争を冷静にひも解くことは、現在と未来の課題にもつながります。
 多くの軍人の弁明には「しくじりの言い訳」とともに、今も求められる思考もあります。


 戦後も局地戦はあり、戦争を放棄した憲法を持ちながら、その戦争の支援部隊を送る選択もあれば、内政でも経済や交通事故の増加に伴うインフラ整備、疫病の蔓延、自然災害,公害、など常に戦争といわれるような危機は訪れ、主権者と統治者の悩みは尽きません。
 未来を望むのにはやはり歴史を一度じっくり顧みることも必要でしょう。

 

寡婦って何? 年金の男女差別は早くなくせ

 今の年金制度は、最新の大きな改革が昭和60年に決まった昭和61年4月1日施行です。この時の社会の経済情勢、雇用形態、家族の役割、働き方など家計をとりまく状況を基本にして、まさに昭和の時代に決められたままです。専業主婦の国民年金3号制度や働き手が亡くなった時の遺族年金の現在の形もできなした。
 その後、平成を跨ぐ40年の間、大きく世の中は変わり、男女平等が謳われた現在、労働が同一条件とされながら、実は年金の給付に関しては旧態以前に夫が働き、妻を扶養しているため、女性が状況に寄り、給付面では優遇されて、男性は差別されていると言えます。
 もちろん今年金を貰いだす昭和の世代は男性が働き家庭を支えるのが主だった時代から入っていますから、そこでは問題が無いように見えますが、夫婦で女性が先に亡くなる場合多くのケースで、男性が先に死ぬよりは給付が少ないのです。
 これは男女平等と、人権団体や野党からもっと騒がれ改革を迫られてもいいはずなのに、女性が優遇されているだけになかなか変わりません。
 ずるずると年金財政がひっ迫しているはずなのに、何ら改革の手をいれないまま、社会がだいぶ変わった令和でも続いています。
 その一つが中高齢寡婦加算「ちゅうこうれい かふ かさん」と読みます。「寡婦」とは、夫と死別した女性のことです。何だか、難読な上に差別的な印象すら感じますね。
厚生年金の被保険者が亡くなった際に、その妻が40歳以上65歳未満の間、遺族厚生年金に加算される形で支給されます。だいたい基礎年金の4分の3、60万円ぐらいが年額もらえます。同じぐらいの所得で夫婦とも働いていて、妻が死んだ場合は「寡婦」ではないため当然もらえません。なぜ上乗せで貰えないかというと、女性で40歳過ぎて、新しく就職して働くことはほぼない時代だったからです。男女がほぼ年齢に関わらず再就職できる時代で、給付されると働かない人も出てしまいそうですし、何より「どうせ女は働かないから給付してあげる」というのは差別であり。今すぐ辞めて失業給付や生活保護一本でいいのではとさえ思えます、女性人権団体がこういう経緯でできた制度こそ早く廃止を訴えるべきです。
 根っこの遺族厚生年金がまたとんでもない差別で、男性はあまり受け取っていません。
男性は妻の死亡時に55歳以上でなければ受け取れず、支給は原則60歳からとなるからです。 女性は夫の死亡時に30歳以上であれば、子どもの有無にかかわらず受給できます。したがって遺族年金の受給は98%が女性です。

 夫が会社員、妻は専業主婦またはパート収入のみのような場合は、上記の制度でよかったのです。死語ですが「後家」「出戻り」という感じで、女性が中高年になり、自立して働くなど考えられない時代からの制度が残っているのです。
 しかし、最近では妻が夫と収入が同じぐらいで共働きでやっと生計を立てているとか、または妻の収入が高いような場合には上記制度では男性は不公平感を感じようになりました。
 ようやく、その是正が2025年の年金制度改定で検討されている一つです。

 昨年行われた厚生労働省の「第6回社会保障審議会年金部会」資料によると、遺族年金の指摘事項として挙げられていたのは以下の項目です。

1.制度上の男女差の解消

2.養育する子がいない家庭における有期化または廃止

3.その際には、現に配偶者の年金で生計を立てている者への配慮が必要

4.離婚後に子を引き取った一方が亡くなり、その後生存している一方が子を引き取ったときにおける遺族基礎年金の支給停止といった各論の検討がおこなわれているようです。実際には、政府や関係機関各所から廃止される旨の公式な発表はありません。


 遺族年金は廃止ともうわさされますが、受給中の方のハシゴ外しを避ける激減緩和措置はされそうですが、徐々にでもなくす方向で進むこと、その他男性、女性それぞれのためにも制度は平等を願うものです。国会で決まるまでは右往左往、与野党世論を気にしたかけひきでとんでもない骨抜きやとんちんかんなものが出てくるのだけは止めて欲しいです。

愛と勇気のために生きる

 昔の漫才ブームを席捲した一組「今いくよ・くるよ」のくるよさんも先ごろ亡くなられました。お二人とも京都市生まれで、いくよさんは胃がんで9年前に亡くなり、くるよさんは76歳膵臓がんということでした。
 奇抜な衣装とアンパンのように丸い顔、太い体形で身体をはったお笑いでした。今の女芸人のようにこじゃれたセンスも生き方もないです。昭和の芸人ということで、女芸人は結婚したら終わりと師匠や先輩筋に言われたことを守ってか生涯独身を貫かれ、晩年は闘病でそのふくよかだった身体もすっかりやせ細り小さくなって車いすで舞台に立たれていました。
 生涯を芸に捧げたのでしょう。ねじ伏せられるような力で自分の使命、生きる意味を感じ取られます。
「何のために生まれ、何をして生きるのか わからないまま終わるそんなのはイヤだ」
アンパンマンの歌詞にこういう節があります。
 まさに芸に身をささげた漫才師は己の生き方に自信を持ち、他にないと燃え尽きたのでしょう。
 訃報に接するとついつい自分の年齢や親の享年と重ねて比べたりしますが、全く意味はありません。生きた時間に重要な意味はないでしょう。衛生状態がよく、医学や薬も良くなり、平均寿命がのびたのですから、全体に世代で伸びていて個人の自慢にはなりません。
 戦中から戦後すぐは「生き延びることと、子孫を増やすこと」が生きる目的にもなったサバイバルの時代でそれでも良かったのです。しかし、戦後恵まれた時代に、ただサバイブだけが生きる意味では何かもったいなく空しいでしょう。戦争や大災害、ガンから生き残った意味は必ずあると、わかる時が来ます。
「何のために生まれ、何をして生きるのか わからないまま」生き続けるのは、それでいいとも人もいますし、ヒーローや天才でなくともその意味はあるのですから、そこへの道筋ぐらいは生涯の間に気づきたいものです。
 アンパンマンの作者やなせさんは、それゆけアンパンマンはじめOP、ED、多くの挿入歌の作詞をされ、軽快で躍動感のある曲にのって大人にも人生を問いかけるような深い意味の歌詞が多いです。
 東日本大震災で多くのテレビラジオが被災状況や安否、訃報など暗いニュースでCMさえ流れなくなった時、NHKラジオが震災後初めて「それゆけアンパンマン」を景気づけに流し、被災地などの多くの大人も子供も感動し、涙を流しながらも勇気づけられてた逸話もあります。
「愛と勇気だけが友達さ」という有名な少し意味深部分があって、よくツッコまれています。「アンパンマン友達いないんか?実は暗いやつかな」というもので、テレビ局も問題視して採用するか悩んだそうです。アンパンマンにはカレーパンマンや食パンマンなども戦友のはず、ジャムおじさんバタコさんはじめカバオくんら多くの仲間もいます。
 作家の意図は、悪を倒す戦いの際にはそういう仲間をまきこまないで、愛と勇気という使命だけで孤独に戦いに臨むのがヒーローなのだということだそうです。これは最近知ったのですが、確かにちょっと難解ですね。
 来年春の朝ドラはそのやなせたかしさんとその奥さんをモデルにして今田美桜さん主演で放映されるそうです。やなせさんの人柄にも興味は生まれました。
 多くの人生は「愛と勇気」だけが支えで戦うのかもしれません。孤独でやりきることで、何のために生まれ、何のために生きるのか分かる時が来るのかもしれません。
 

書評:「同窓会に行けない症候群」(鈴木信行)とは、はて?

 たまたま私も同窓会の企画や同級生の訃報やらでタイトルが気になった本をソッコウ読み。(約35分)
 「宝くじで1億円当たった人の末路」という本で当てた著者だそうですが、日経BPによくある少し論点をずらした面白ネタで興味をひくものの、正直大した内容ではありません。
年代も少しフィットしずらい部分もあるのですが、同窓会に行きたくなくなるとか、開催しにくくなるという時代背景を説いています。
 私は景気、経済情勢とかだけではなく、いつの時代、どの世代にもある程度共通していて、バブル崩壊後にこの「症候群」が広がり出したということはないと思うのです。
 同窓会に行けない理由として①会社で出世しなかったから②起業して失敗したから③「好き」を仕事にできなかったから④「仕事以外の何か」が見つからなかった の4つが論じている内容です。
 自殺者の鉄道事故の賠償、フランク三浦のはじまり、テキヤのミドリガメの例は確かに面白いですが、本論からは脱線しています。つらつら現代の日本社会と関連付けて分析しているのは少し強引な印象です。

 「同窓会をやりたい、多くの懐かしい友人にあって生きてるうちに語り合いたい」同年代の有名人の訃報やら、兄弟、友人そして自分も老いていつどうなるかわからない年齢にさしかかると、私たとの世代にもそういう思いが募る人も少なくありません。
「自分が一番のびのびと輝いていたのが、やはり学校だし、あの頃の友人が気を遣わずウマが合うはず」
 ところがそんな良いことばかりでもありません。
 結局は、自分の「立ち位置」を確認するのが最終的な目的であり、最初から明白に分かってる人はあまり参加したがらないです。
 ネットで調べると、本以上に汚い言葉で同窓会を非難する声も聞けます。主催する側に悪意などないし、手間をかけて苦労しても裏で恨まれ、妬まれるから気をつけないととも思います。

 この本とは関係ないですが、恋愛小説やミステリ、ホラーでも同窓会は恰好の題材です。
 昔憧れていたとか、やけぼっくりに火がつくような、復縁や不倫も間々ネタになります。カーストの下層だったいじめられっ子は復讐の機会をうかがうとか、ミステリにはありますが現実は参加しないでしょう。
 むしろ学校時代に上にいた人が、ちょっと下か真ん中ぐらいの人に抜かれた妬みの方が動機にはなりそうです。
 実際一番「同窓会」で困るのはメンタルだと言われています。最初から参加しない人はそれで良しですが、暇で何とかお金を工面して背伸びして参加し、なまじ自分の「立ち位置」が分かった時が危険だとされます。懐かしいイベントが終わったあとに来る言い知れぬ虚無、平凡な日常と敗北感のようは寂寥に耐えきれないのです。
 この本の内容の中には、同窓会に参加できるような人生をと指南している部分もあります。
 勝ち負けがついた人生の比較で勝つ方に回れというのは、もはや無理なので必ず負ける方もいるのです。
 同窓の集まりなので懐かしむ思いはさまざまでしょうが、友人と集うのであればすでに経過した過去ではなく、今の時間を楽しむこと、これからの時間に希望を持てるような気づきができるものだと良いと思うのです。

さすがに不満も出る!税と社会保障に半分消える収入 

 給湯器が半導体の不足とかで今のうちに買い替えておくと、いざ壊れてからだと時間もかかり値上げもされるだろうということで、気候の良いうちに済ませました。50万の出費です。
しかし、生活系の家電や装置も高くなり、工事や出張にさらに人件費が高騰しているのが過去とは比べられないほど家計を圧迫します。

 実質賃金下降、介護保険料上がりの報道で、物価の上昇に賃金や年金がまったく追い付かない。
 定額減税と言いながら、介護保険料が過去最高に上がり、復興特別税も防衛財源として14年延長据え置きと報道がありました。
 円安での輸入の食材などの品目も多く、その他の公共料金も上がります。もちろん減税があったとは言え、税と社会保険料はこの先どこまで上がるのかとなると複雑で即答できる人は少ないでしょう。
 減税などで印象操作してばらまいても、また税や保険料を上げるのでは何をしているのか分かりません。
 6月からの減税反映だけでも、企業の給与担当者は結構大変な作業だそうです。税率を下げるわけではなく、あくまで一時定額を返すのです。
 復興特別税などは、期間が終わっても、防衛費に切り替わるようで、これはいかにも詐欺っぽいごまかしや目くらましの感じです。どうせ今まで引かれていたから、そのままでもいいだろう気付かないだろうです。
 健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険などは予定を明かしながら上げています。
 それをよく知る人は、健康保険などは上がるだろうけど、そのうち復興特別税は終わるからその分回せるだろうと思っていたかもしれません。
 それらをみんな足せば、求人条件で給料27万となっていたのに、振り込みを見たら20万しかない上、その後まだ払うNHKの受信料、固定資産税か家賃、自動車税などがあります、個人的に教育ローンや住宅ローン、自分や家族が病気でもしていたら毎月は赤字などということになるのです。支払いの中には8~10%の消費税が入っているから、いったい元締めの国はどれだけの取り分なのでしょう。政治資金で無税という国会議員に風当りが強いのも当たり前です。
 ボーナスがあればちょっと息をつけるけどですが、非正規や業績不振で少ないと地獄です。そもそも毎月赤字に近い上、個人のローンなどは別にして、強制的な税金や公共料金があまりにも比率が高いのです。
 税として一本にして、政府が行政ごとに振り分けれな徴収コストが下がり負担割合が明確になり良いのですがすぐに財源論などになります。元々税や保険料を目的別にして省庁の縦割りで固定するから国側からも全体が俯瞰して見えず負担が限度以上に膨らんだのです。上に立つ者が、状況を悟り、英断して割り振らないと止まりません。自分が部門の長なら誰だって、予算や人員を削られるのは反対します。それをまとめて憎まれても決断するのがトップです。
 トップが英断して大リストラでV字回復した企業は沢山あります。日本の官僚や役人が無能ではないのです。上に立つ人がここを振り分ければ良いだけです。それをやらずにもう少し取りやすいところから取る、ごまかしで分かりにくくしても払う負担は増え、みんな気付くわけです。「あれ、いくら何でもお金が少ないな」が今の世論です。
 子育てにも要る、復興にも要る、道路や橋、水道管も直す、防衛費も要る、一つずつは間違いないのです。でも全部を国民の所得を半分以上切り崩すのは禁じ手です。人が疲弊し国が衰えますから無理なのです。
 そこを首相や総理官邸がAIでも何でも使っていいですから、頭使って根本から変えること、できる範囲での最高の分配を考える、それだけなのです。
 パーティ券のキックバックや、政治献金、政党助成金なんぞ、どうでもいいので真面目にやればできるのです。

書評:水生大海「社労士のヒナコ」シリーズ

 資格を取ったから高給で楽な仕事というのは無いのではと思います。
 〇〇士というのも典型で、「弁護士」「公認会計士」「税理士」なども試験が難関な割にはなってからも勉強、努力は欠かせないのです。楽な部分がAIやネットでできるため、人間がやるのはややこしいとか危険、泥臭い案件の割合が増えます。
 そんな難易度の高い資格の一つ「社労士」のお話。
 【お仕事+日常ミステリ】という感じで、社会保険労務士の女性が主人公の短編シリーズで3作上梓されてます。謎解きはそれほどメインではないですが、いくつか【犯人は誰か】【本当の動機は何か】【悪意があったかなかった】など、ミステリ作家らしいパズル要素はあります。
 労働や雇用、年金などの仕事をする「社労士」という職業についてわかりやすく書かれたシリーズです。著者がどこまで、社労士の現場に詳しいのか実際にはわかりませんが、1作目は説明向けの事件も多かったです。また3作目はコロナ時期に入り、あの時代の休業、解雇、給付申請や、テレワークの問題もでます。非正規雇用やら育児休業、パートの社会保険の壁など、今問題になっている内容が盛りだくさんです。
 様々なエピソードを通じて、雇用主からの依頼に応じているだけでなく、時には従業員を守る立場にもなり、悩みながら成長する主人公の社労士を描いています。
 まあ、居酒屋チエーンとか、書店など、中小の取引相手が多いので、大企業人とか経営者で安穏な人に身近とはいかないのが難しいところです。
 3作目ではもう社会人7年目ぐらいになっています。
 コロナの時代をリアルタイムで描くと漫然と年齢を重ねず同じ時代を繰り返す「サザエさん」や「名探偵コナン」の方式は使えません。主人公が確実に年齢を重ねるので、シリーズキャラの探偵設定と時代をリアルに描くのは意外と難しいものです。
 個人的には「年金事務」や労働局にもいましたので、分かる内容が多く面白いですが、一般の方は楽しめるのかどうでしょうか。社会保険の仕組みなど、知らないことになるほどとなるか、「わかりにく、興味がないのでつまらない」になるのかは微妙です、軽いタッチなので読みやすいとは思います。
 コロナの時代をミステリとしては描くかどうか確かに微妙なところです。年を取らない探偵なら描かない時代かもしれません。

勝ち組負け組とは

『【勝ち組・負け組】という言葉がある。私はこの言葉が大嫌いだ。だが私が銀行からここに赴任したときによく耳にした。銀行は「勝ち組」、俺たち子会社の社員は、プロパーの社員は「負け組」だってな。それを聞いてもちろん反発する者もいたが、大半は「自分はそうだ」と認めてた。
 だが今はどうだ。君たちは大銀行が総力を挙げても成しえなかったことを成し遂げた。「負け組」だと思っていた君たちがだ。大企業にいるからいい仕事ができるわけじゃない。
 どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の「勝ち組」というんじゃないかと俺は思う」

 2020年に第二弾も好評だったドラマ半沢直樹で堺雅人さんが『倍返し』とともにスカッとするような名言で悪を諭してねじ伏せ、同僚や部下には生き方や働き甲斐を説きました。日曜のドラマなので明日から少し頑張ろうとドラマで元気を得た人も多かったのではないと思います。
 この【勝ち組・負け組】の話は、証券会社に出向させらた半沢が、見事親会社にもやり返し親会社復帰となり、別れの時に訓話する内容です。
 実際の世の中では、格差は広がり硬直したままで、なかなか【倍返し】も【お言葉を返すようですが】もドラマのようには行きません。子会社や非正規雇用はそのまま【負け組】のままでしょうか。
 私も企業に就職し、さんざん格差を味わい、早くに出世、上昇していった同期や後輩から見れば【負け組】にみられていたかもしれません。同級生や同僚、友達があげる近況のインスタやSNSの画像にも、とんでもないセレブの旅行や、ファッション、グルメなど【勝ち組】を誇って見せつけられるといいなあと思う時もあります。
 一般には他人が羨ましく、現状の理不尽にいら立つことが多い。だからこそ、冒頭の半沢直樹の言葉が響き、花咲舞も含め池井戸潤氏の原作ドラマがウケるのでしょう。

 実際に、仕事達成感ややりがい、快感というのは、現在の立場とか、報酬、お金とかだけでもないとは思います。
 今、私の職場周りにも司法試験合格者、法曹界の方はゴロゴロいますし、医者や教授になった人も同窓に何人かいます。企業の役員、社長も多くいます。頭の良さ、努力、その後の境遇を取れば【勝ち組】といえますが、それで全て幸せ、本当に勝った人生と思えるかというと、疑問な人も沢山いうようには思います。
 ここは本当にさまざまな考え、感じ方もあるでしょう。勝ってるとされる人も言い分はあるでしょう。
 ただスポーツやゲームなどでいうと一般的には攻撃しているときの方が楽しく遣り甲斐があるともされます。
【勝ち組】と言う人は、親からの資産などを多く引く継ぐとか、よく勉強もでき良い学校、学を出て良い勤めを得て早くの出世しているとかでしょう、ただそのため【守り】に入ってしまう時期が長いとも言えます。
【負け組】と言われても物怖じせず日々【倍返し】を狙って奮闘すればよいのです。その姿こそ【勝ち組】です。

雇用保険にみる日本の課題

 雇用保険、いわゆる失業保険というのはどうも役所的なところがあります。職業安定署からハローワークに随分前に名前を変えたのですが、堅物なところはそのままです。それでいて、結局は「要領よくもらえ」とか、「ホンネとタテマエ」「ウラ技」的な話がSNSでもささやかれます。
 労働局は、労働条件、労災などの保険とともに、クビになった時の「失業保険」と言われる雇用保険の分野に分かれます、
 その雇用保険ですが、確かに失業して給料がなくなり仕事を探している人にはありがたいのですが、どうも支給する条件ややり方がしっかり来ない感じがします。
 原則は掛け捨ての保険で、給付を貰えないケースも多く、払い損にで終わる人も多い、国の保険です。年金や民間の掛け捨て保険でさえ、還付がある場合もあります。雇用保険はずっと同じ会社に勤めて、一度も失業をしないで定年まで勤め、あとは働かずに年金と貯金で暮らすよと言った場合、今までの掛金は全く帰ってきません。
 離職しても皆さんが必ず受給できるというものではありません。すぐにでも就職ができる状況にあり、現在仕事を探しているということが受給の前提条件ですので、たとえ何十年掛けてあっても、自営で仕事を始めたり、次の就職が決まっていれば受給はできません。

 また、このあたりは役所も高飛車で、認定日という失業の届け出をする日に、正当な理由なく来られない場合も受給はできません。実際の受給にはこの他さまざまな条件があります。
 不正受給を厳しく戒めていますが、失業して実際、生活に苦しんでいる人に対しては、疑うようでこれが何か失礼な態度ですし、仕事を失い苦しんでる人のメンタルを傷める時もあるのではと思います。別に恵んでもらっている訳ではなく、自分たちが払った保険料が元です。民間の保険なら考えられない上から目線の不遜とも言える態度、良く表現しても慇懃無礼という程度です。
 それでいて、求職の情報に関しては、民間の大手転職会社のサイトに比べて、まともな紹介は少ない貧弱な情報量で、ハローワークで職は探さず、ただ受給の手続きにダラダラと数回来るパターンの人が多いのです。基本手当は、原則として、4週間に1回の認定日に、それまでの求職活動で就職できなかったことを認定してもらう(失業の認定)ことでその4週間分を受給することになり、その繰り返しで、給付日数分まで受給することができます。職業相談や、職業訓練などもいかにも役所がやっている予算内の陳腐なものです。
 保険なんだから90日とか150日とか期間をチマチマ決めず、この1年はキャリアアップのため、この訓練をしますとか勉強をしますとしても3か月とかしかもらえないのでは、計算もたちません。失業手当を貰いながら働いて未申告だと罰せられます。
 求職しながら、難易度の高い資格を取るなど至難の技で、しかもその後はアルバイトでも見杖けないといけないのでますます勉強は難しくなります。求職や資格取得の研修に、難しい「ジョブカード」というプランの提出を求めるのですが、これがもう何ともタテマエだけの厄介な書類です、個人のプロフィールや能力や就きたい仕事、必要なスキルを細かく書くのですが、何だかあまりにもタテマエで書いて、現実と離れていく書類です。退職後すぐに創業する場合は受給することができませんが、「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」は対象になります。
一方、以下の状況では失業保険を受給できません。
・求職活動をせずに創業の準備・検討をしている
・創業の準備・検討期間が終了したとみなされる場合
ここらも難しいところで、求職をしている態をして、結果見つからず、事業を始めましたとなれば全額貰えるわけです。
 最初から仕事に就く気はありませんと言わず、求職をいくつかして不採用となって、そのまま年金暮らしにしても全額支給されます。成り行きで、虚偽ではないのでこれは追及しきれません。
 ファイナンシャルプランナー的には、貰えるものは少し我慢して待っても貰ってというだけの話です。
 しかし、就職を探すのは今や民間の転職の専門会社の方が、アプローチからサービス全てに優れています。探すのはハロワしか来ないところもありますので、両方の登録が必要ですが、主体は転職サイトのがいいかもしれません。

 個人的にはハローワークの求職も何度かお世話になりましたし、窓口の方、労働局の方も良くして知っています。しかし、先に書いた通りこの組織とくに求職を提唱する機能は民間と競合します。郵便や水道でさえ民営なのに、国がリストラして民間委託しないのがおかしいぐらいです。将来的には間違いなく切り離してしかるべきです。
 そして給付の在り方も、働き方の変化や、リスキリングの意思に合わせ、柔軟にかつ分厚く変えるべきです。社会に出るまでの教育体系とも連動して変えていくべきです。現状毎月サラリーマンが天引きされている原資はもっと有効活用できるはずです。
 多くの若者が4年制の大学まで、あまり社会人としてのスキルを身に着けずに就職し、失業してもスキルを身に着ける時間もお金もないこういう制度はおかしいのです。

 もう少し、このやり方変わらないと、ダメだこりゃという国です。

 

復興特別所得税しれっと防衛費のために無期限化!

 復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源に充てるため、2013年1月1日~2037年12月31日まで、通常の所得税に上乗せして徴収される特別税で、税率は2.1%でした。 
 東日本大震災からの再生を目指し、首相の諮問機関・復興構想会議が7原則の中で示した「国民全体の連帯と分かち合い」というフレーズ。そこから導かれた復興増税などを財源とした予算が、被災地とは関係の薄い使途にも充てられ、うち7割が戻らないことが確実になり震災から10年間で執行額が総額36・3兆円に上ることになっているとも言われました。
 今回、その適用は変わり、政府は東日本大震災の復興特別所得税の課税期間を最大13年延長し、一部を防衛費に事実上転用する方針が盛り込まれました。「負担は13年も延びる。防衛増税をやめれば、予定期間で復興税を終えることができる」とも国会で指摘されています。
 財務省的には合計2.1%で変わらないから13年延びても、国民の体感は変わらないだろう程度に思っており、もう時限措置ではなくさらに13年経ってもそのままの税率でも文句は出ないだろうとでも思っていそうです。
 元々健康保険も上昇傾向で、子育て対策では社会保険料からさらにまた数千円徴収しようとしており、可処分所得はどんどん減るのです。これでは物価スライドで賃金や年金が上がったとしても、天引き割合が増えて目減りもいいところです。
 4万円の一過性の減税をしておいて目くらましされ、恒久的に所得税や社会保険料が上がるのも困りものですし、防衛費を復興特別所得税と目的と名前を変えてごまかすのも、詐欺のようで防衛に関わる人にも失礼な話です。本当に防衛予算が外交戦略上必要なら、はっきりそう言って国民の理解を得れば良いのです。
 冒頭の復興予算もですし、復興五輪と言いながら、誘致から運営まで汚職にまみれ、いったい東日本大震災に関してがどれだけの予算が回り,どう進捗しているのかさっぱりわからなくなりました。能登半島地震の復興も、万博との関連もですが、もう信じられないし、任せきれないという不信が募っているのが今の国民のホンネでしょう。
 防衛費が要らない要るという右と左の議論ではなく、要はこんなペテンのような予算で日本の国が守れるのかということです。
 復興特別税の「総額は同じ」とこの報道フリップに書かれていますが、負担総額は同じではありません。復興に使われる総額の枠は変わらない、そういっても東日本大震災の復興っていったいどこで終わるのかも分かりません。名前と使途が違う税金が何年も徴収され続けるのでしょう。
 どうせ、防衛費にしても予算をつけても、中抜きされて、実際に自衛官の待遇や本当に必要な装備、弾薬ではなく、しがらみで買い付ける型落ちの兵器に回るのです。
 政治家も官僚も緊張感のない、予算の抑えだけでは、いくらお金があっても足りません。
『お灸をすえる』的な時期は過ぎ、今は政治も大きく変わらないといけないのでしょう。

減税はありがたいような – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)