映画レビュー 雪風YUKIKAZE 残念なラスト?

 当たり前なんですが、役者もスタッフもどんどん若返り、戦争を知らないというか、戦争の語り部から直接話を聴いたせだもいなくなっています。

 玉木宏さんら俳優の頑張りは一応評価されてるものの、概ね映画は酷評です。戦後80年の戦争の記憶の風化が痛いほど感じられる映画です。

 CGなどの技術が、かつての戦争映画よりも進んでるはずの時代ですが、とにかく戦争の恐ろしさの伝わらないのは残念です。

 とりあえず若い人に戦争があったということは伝わるのでしょうが、これでは怖くもないし、反戦派でも保守派から見ても、これではダメでしょう。

 司令官役の、中井貴一さんは1981年の映画連合艦隊では特攻隊員でした。谷村新司さんの群青のテーマ曲でしたが、丹波哲郎、鶴田浩二、小林桂樹、森繁久彌、財津一郎、高橋幸治さんらみんな鬼籍に入られた重厚な役者さんが揃っていました。もっと以前にも雪風をテーマにした長門勇さんの映画がありました。特撮は稚拙でも役者の伝える雰囲気は違います。

 太平洋戦争を描いた戦争映画は大作として、以前はもっと高頻度で作られていました。戦争を全く知らない世代が増えると、描き方は難しいですね。

 雪風は実際にあった駆逐艦で何度も生還した幸運な船です。エンタメと割り切れば、出来が悪くても我慢できるのでしょうが、中途半端に戦争を軽く描かれるのは残念な印象しかありません。

 部分的には好演もあり、現代の日常の日本の有難さに繋げるところも嫌いではないのですが、全体にそれを台無しにする軽さというのか甘さが何とも不満に繋がります。

 テレビでも毎週見かけるキラキラした俳優たちの画面がキレイ過ぎると、雪風の帰還が当たり前に映って感動にはほど遠くなってしまいます。

 戦艦の中、司令部、残された日本の家族、時系列で未来にあたる70年万博や、現代に近い未来、場面や時代で視点が変わるのも、数字の取れるキャスティングをしたいだけのように感じます。

 比較的マイナーな雪風の掘り起こしがテーマなら、もっとそれぞれの人間個人と戦争を深く抉って描けそうなのに残念です。

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