
先日、満開のお花見の帰りに大学生の入学式帰りの集団に遭いました。
毎年の開花時期や天候などを考えると、記念すべき日に桜が満開というのは幸運です。満開の桜に期するものをしっかり刻めるかもしれません。まあ、最近の学生は気にもしていないかもしれません。

桜が咲き誇る時期は短いです。
日本人は桜が好きで、あちこちに桜が植樹され、多くのアーティストも桜をテーマにした名曲をリリースしており、毎年このシーズンに繰り返し聴かれています。
歌詞をいちいち列挙して解説するとキリがないほどで、やはり季節として、卒業や入学、そこでの恋愛、刹那の別れを綴ったものが多いです。
J-POPと呼ばれる時代よりも昔の歌を語ると、いかにも高齢者のように思われ笑われそうでイヤなのですが、ご容赦ください。
42年前の1982年に柳葉敏郎が所属した一世風靡セピアという踊りながら歌うグループがありました。「前略、道の上より」という曲はテンポも良く、歌詞には桜に込められた日本人の思いがよく描かれています。
「咲き誇る花は散るからこそに美しい」という冒頭の歌詞です。
まさに、かつては軍歌の「同期の桜」で謳われた早く散ってこその日本人の美学、哲学です。

戦地から復員した遠く南方やロシアや中国まで進んだ兵士たちが、再び日本の地で桜を見たときの思いもいくばくのものだったでしょうか。
戦後、経済成長を遂げ、医学も進歩して、戦争で死ぬことも無くなった日本人の寿命は飛躍的に延びました。
かつて、20代で散る覚悟をして、眺めらた桜を、今の高齢者は毎春80回、90回と愛でることができるようになりました。
時代とは言え、それもまた幸せなことなのか、長生きできるのは早死よりもありがたいのに、どこかで日本人としての美学を失ってしまったのかとも思います。
