
年末が近づいて各社今年のミステリランキングが発表されました。
このところ、知らない作家も上位を占める時も多かったのですが、今年は各社ダントツで私の推し「櫻田智也」氏の「失われた貌」が4冠でした。
寡作な作家さんで短編集を3つ出されてる程度で、その3冊とも評価が高く、長編第1作で見事にミステリの頂点に輝きました。
昆虫好きの優しい青年が探偵役で日常の謎を解く今までの短編ではなく、警察小説っぽい感じですが、リアルさと優しさは変わらず評価されているようです。
前作「六色の蛹」収録の「赤の追憶」は良かったです。切なく、かつハートウォーミングな読後感で、謎の回収も見事でした。これぞ日常ミステリの傑作中の傑作と言えます。
ポインセチアが花屋の店先に並ぶ、この季節に登場人物二人を思い出しそうになります。
季節外れにもポインセチアが並ぶことがある?そんな謎の結末を知りたい方は、是非読んでいただきたい。

あと、元気印の「成瀬は天下」の最新作、完結編が出てました。この作家は売れずぎて、別シリーズキャラが難しい悩みがあるかと思います。
あれこれ評論するのは簡単ですが、作家は難しく、厳しい世界です。ランキングに何年も続けて入る作家はいません。
一度人気が出ると名前だけでずっと売れ続ける安定した業界ではなく、非常にシビアだと感じるのが、この毎年のランキングです。
