
福岡県北九州市小倉南区の日豊本線城野駅と大分県久大本線夜明駅を結ぶ日田彦山線。旧国鉄なは珍しく、二つの地名を合わせた線名の路線です。そこには数奇な悲喜こもごもの盛衰があります。
北海道や九州には高度経済成長期までに炭鉱からの石炭などの輸送にできた多くの鉄道が、廃止されるか、地域住民の細細とした利用でつないでいます。
先日たまたま見ていた昭和の鉄道風景という本に、日田線と彦山線が1957年待望の全通を果たし、現在の日田彦山線ができ、街中が歓喜してお祭り騒ぎになった写真が載っていました。
2017年の九州北部豪雨で甚大な被害を受けて南側の添田と夜明間は長らく不通となり、バス輸送システムBRTが代替していました。
炭鉱は閉山し、地域輸送のローカル路線で、その以前から既に貨物列車も、急行、快速などの優等列車もなく、莫大な費用をかけての復旧の目処は立ちませんでした。
鉄道としての再開は無理と決定して、本年2026年3月31日をもって鉄道としては廃止となります。
古い写真に見られたあれほど待望され、喜びで溢れて全通した鉄道だったのに、歳月は無常です。
鉄道での復旧には地元が線路や鉄道施設を負担する上下分離方式でとJR九州が要求しました。費用負担はできないと地元自治体は財政難で難色を示して廃止という悲しい結末を迎えます。
BRTの方が細かく鉄道駅より増えたバス停も増え、物珍しさで観光客も増えたそうです。BRTの開通時もそれなりに賑わいましたが、今後は地域に定着するかは課題です。
地方の鉄道のいくつかが元々赤字体質なのに、災害に見舞われて被災から復旧することができずに廃線という憂き目に遭っています。
廃線跡を歩くのを趣味としている私ですが、鉄道の跡地は意外と転用が難しい土地です。BRTのバスレーンもですが、自動運転の車や、ライドシェアの車、電動キックボードやアシスト自転車などの新しい交通機関の専用道に使うアイデアも良いかと思います。法律的な規制を緩和して実現して欲しいものです。
鉄道の駅は必ずしも、学校や病院、仕事場、観光地に近いとは限りません。駅から2次交通が必要な場合があり、安全基準をクリアし廃線跡から小回りの利く乗り物を使えればとても便利です。
廃止の鉄道路線の後は、運転手不足でバス転用すら難しい場合もあります。地方交通のあり方、交通弱者救済は待ったなしです。
過疎の進む地方で高齢者の運転免許返納をという全国一律の押し付けをする前に、実態に合った交通機関や移動手段を確保し、交通弱者を救い雇用を産んで経済を回すことを国は考え実現すべきです。
