『金欠』も『燃え尽き』も避けたい老後

 若い頃でも長いこと働いていると、ときどき。あるいは人によってはブラック企業とかで毎日「働きたくない、お金さえあれば辞めてのんびりしたい」と思う時があるでしょう。
 
 でも退職金3,000万円、貯蓄4,000万円。ファイナンシャルプランニングや年金相談などでは理想ともされる大手企業の元役員や部長さんとかでも、幸せな老後ではないという衝撃です。
60歳ですっぱり定年で悠々自適の方。
 60では役職も退くか上がり目は少なともなくなりますので、遅くとも65歳では規定で延長もおしまいで円満退社。
 いずれも場合もそれだけお金があれば幸せじゃないかと思われても意外とそうではありません。
 その理想的ともいえるキャッシュフローの家計でもいざ辞めるとあれほど楽しみにしていた「毎日が日曜日」
 旅行も孫の世話もし放題のはずが、結局『ぽっかり穴があいた』『やることがない…』と自宅に引きこもり『あぁ、あの頃に戻りたい』『これからどうしよう』と言う人は案外多いものです。

 定年退職した後の生活、定年前からイメージし、具体化できてないからなのでしょうか。仕事一筋で頑張ってきた人のなかには、時間があったとしても、何をしたらいいのか分からない……というケースも珍しくないようです。
 エリートだった人がかえって「定年退職」を機に激変、鬱、引きこもりはよくあるのです。
子供には、「老後は、何も心配ない。だから自分のためにしっかりと働きなさい」と言われてたとか。
 定年退職金は4,000万円ほど、貯蓄も3,000万円程度、さらに株式や投資信託などもあり、定年までに老後に向けた資産形成は完璧だとか。「頑張って働き続けたおかげ」ご褒美とばかりに退職後に夫婦で1ヵ月ほど海外旅行をし、よほど楽しかったのか、帰国後、写真や動画をイヤというほど見せられ、自慢話を子供や周辺に語っています。
 しかしその方はその後……燃え尽き症候群で鬱、ひきこもりになられたそうです。
 このようなケースは、決して珍しい話ではありません。
 お金の心配だけでなく、メンタルというか老後やることへの計画は必要です。

 暗い話ではありますが、お金が全てではないこともこれは証明しています。もちろん収入や貯金が少なければ良いわけではないですし、それはそれでもっと苦しい時代です。
 確かに貯金も退職金も少なく、年金の10万か20万チョイでは夫婦二人、現役時代なみには暮らせずに老骨に鞭打ち、無理して働くのです。それがイヤならますます苦しい時はあります。
 酒やギャンブル、買い物などに回すお金はこのご時世限られています。病気や事故、大きな出費があれば経済的な歯車はイッキに狂います。
 
 内職やボランティアでも少しは働いていると新しい刺激を受けます。
 そのことは人生の目的、居場所の証明になるのかもしれません。
 お金を少し持っている人でも、先々不安で出歩くのを抑え気味だとストレスが溜まります。
 そこは良く計算をして、近場を狙うなどうまく使って出歩かないと引きこもってしまいます。限られた予算で賢く遊ぶのはこれからすごく良いミッションだと思います。
 

寡婦って何? 年金の男女差別は早くなくせ

 今の年金制度は、最新の大きな改革が昭和60年に決まった昭和61年4月1日施行です。この時の社会の経済情勢、雇用形態、家族の役割、働き方など家計をとりまく状況を基本にして、まさに昭和の時代に決められたままです。専業主婦の国民年金3号制度や働き手が亡くなった時の遺族年金の現在の形もできなした。
 その後、平成を跨ぐ40年の間、大きく世の中は変わり、男女平等が謳われた現在、労働が同一条件とされながら、実は年金の給付に関しては旧態以前に夫が働き、妻を扶養しているため、女性が状況に寄り、給付面では優遇されて、男性は差別されていると言えます。
 もちろん今年金を貰いだす昭和の世代は男性が働き家庭を支えるのが主だった時代から入っていますから、そこでは問題が無いように見えますが、夫婦で女性が先に亡くなる場合多くのケースで、男性が先に死ぬよりは給付が少ないのです。
 これは男女平等と、人権団体や野党からもっと騒がれ改革を迫られてもいいはずなのに、女性が優遇されているだけになかなか変わりません。
 ずるずると年金財政がひっ迫しているはずなのに、何ら改革の手をいれないまま、社会がだいぶ変わった令和でも続いています。
 その一つが中高齢寡婦加算「ちゅうこうれい かふ かさん」と読みます。「寡婦」とは、夫と死別した女性のことです。何だか、難読な上に差別的な印象すら感じますね。
厚生年金の被保険者が亡くなった際に、その妻が40歳以上65歳未満の間、遺族厚生年金に加算される形で支給されます。だいたい基礎年金の4分の3、60万円ぐらいが年額もらえます。同じぐらいの所得で夫婦とも働いていて、妻が死んだ場合は「寡婦」ではないため当然もらえません。なぜ上乗せで貰えないかというと、女性で40歳過ぎて、新しく就職して働くことはほぼない時代だったからです。男女がほぼ年齢に関わらず再就職できる時代で、給付されると働かない人も出てしまいそうですし、何より「どうせ女は働かないから給付してあげる」というのは差別であり。今すぐ辞めて失業給付や生活保護一本でいいのではとさえ思えます、女性人権団体がこういう経緯でできた制度こそ早く廃止を訴えるべきです。
 根っこの遺族厚生年金がまたとんでもない差別で、男性はあまり受け取っていません。
男性は妻の死亡時に55歳以上でなければ受け取れず、支給は原則60歳からとなるからです。 女性は夫の死亡時に30歳以上であれば、子どもの有無にかかわらず受給できます。したがって遺族年金の受給は98%が女性です。

 夫が会社員、妻は専業主婦またはパート収入のみのような場合は、上記の制度でよかったのです。死語ですが「後家」「出戻り」という感じで、女性が中高年になり、自立して働くなど考えられない時代からの制度が残っているのです。
 しかし、最近では妻が夫と収入が同じぐらいで共働きでやっと生計を立てているとか、または妻の収入が高いような場合には上記制度では男性は不公平感を感じようになりました。
 ようやく、その是正が2025年の年金制度改定で検討されている一つです。

 昨年行われた厚生労働省の「第6回社会保障審議会年金部会」資料によると、遺族年金の指摘事項として挙げられていたのは以下の項目です。

1.制度上の男女差の解消

2.養育する子がいない家庭における有期化または廃止

3.その際には、現に配偶者の年金で生計を立てている者への配慮が必要

4.離婚後に子を引き取った一方が亡くなり、その後生存している一方が子を引き取ったときにおける遺族基礎年金の支給停止といった各論の検討がおこなわれているようです。実際には、政府や関係機関各所から廃止される旨の公式な発表はありません。


 遺族年金は廃止ともうわさされますが、受給中の方のハシゴ外しを避ける激減緩和措置はされそうですが、徐々にでもなくす方向で進むこと、その他男性、女性それぞれのためにも制度は平等を願うものです。国会で決まるまでは右往左往、与野党世論を気にしたかけひきでとんでもない骨抜きやとんちんかんなものが出てくるのだけは止めて欲しいです。

さすがに不満も出る!税と社会保障に半分消える収入 

 給湯器が半導体の不足とかで今のうちに買い替えておくと、いざ壊れてからだと時間もかかり値上げもされるだろうということで、気候の良いうちに済ませました。50万の出費です。
しかし、生活系の家電や装置も高くなり、工事や出張にさらに人件費が高騰しているのが過去とは比べられないほど家計を圧迫します。

 実質賃金下降、介護保険料上がりの報道で、物価の上昇に賃金や年金がまったく追い付かない。
 定額減税と言いながら、介護保険料が過去最高に上がり、復興特別税も防衛財源として14年延長据え置きと報道がありました。
 円安での輸入の食材などの品目も多く、その他の公共料金も上がります。もちろん減税があったとは言え、税と社会保険料はこの先どこまで上がるのかとなると複雑で即答できる人は少ないでしょう。
 減税などで印象操作してばらまいても、また税や保険料を上げるのでは何をしているのか分かりません。
 6月からの減税反映だけでも、企業の給与担当者は結構大変な作業だそうです。税率を下げるわけではなく、あくまで一時定額を返すのです。
 復興特別税などは、期間が終わっても、防衛費に切り替わるようで、これはいかにも詐欺っぽいごまかしや目くらましの感じです。どうせ今まで引かれていたから、そのままでもいいだろう気付かないだろうです。
 健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険などは予定を明かしながら上げています。
 それをよく知る人は、健康保険などは上がるだろうけど、そのうち復興特別税は終わるからその分回せるだろうと思っていたかもしれません。
 それらをみんな足せば、求人条件で給料27万となっていたのに、振り込みを見たら20万しかない上、その後まだ払うNHKの受信料、固定資産税か家賃、自動車税などがあります、個人的に教育ローンや住宅ローン、自分や家族が病気でもしていたら毎月は赤字などということになるのです。支払いの中には8~10%の消費税が入っているから、いったい元締めの国はどれだけの取り分なのでしょう。政治資金で無税という国会議員に風当りが強いのも当たり前です。
 ボーナスがあればちょっと息をつけるけどですが、非正規や業績不振で少ないと地獄です。そもそも毎月赤字に近い上、個人のローンなどは別にして、強制的な税金や公共料金があまりにも比率が高いのです。
 税として一本にして、政府が行政ごとに振り分けれな徴収コストが下がり負担割合が明確になり良いのですがすぐに財源論などになります。元々税や保険料を目的別にして省庁の縦割りで固定するから国側からも全体が俯瞰して見えず負担が限度以上に膨らんだのです。上に立つ者が、状況を悟り、英断して割り振らないと止まりません。自分が部門の長なら誰だって、予算や人員を削られるのは反対します。それをまとめて憎まれても決断するのがトップです。
 トップが英断して大リストラでV字回復した企業は沢山あります。日本の官僚や役人が無能ではないのです。上に立つ人がここを振り分ければ良いだけです。それをやらずにもう少し取りやすいところから取る、ごまかしで分かりにくくしても払う負担は増え、みんな気付くわけです。「あれ、いくら何でもお金が少ないな」が今の世論です。
 子育てにも要る、復興にも要る、道路や橋、水道管も直す、防衛費も要る、一つずつは間違いないのです。でも全部を国民の所得を半分以上切り崩すのは禁じ手です。人が疲弊し国が衰えますから無理なのです。
 そこを首相や総理官邸がAIでも何でも使っていいですから、頭使って根本から変えること、できる範囲での最高の分配を考える、それだけなのです。
 パーティ券のキックバックや、政治献金、政党助成金なんぞ、どうでもいいので真面目にやればできるのです。

書評:水生大海「社労士のヒナコ」シリーズ

 資格を取ったから高給で楽な仕事というのは無いのではと思います。
 〇〇士というのも典型で、「弁護士」「公認会計士」「税理士」なども試験が難関な割にはなってからも勉強、努力は欠かせないのです。楽な部分がAIやネットでできるため、人間がやるのはややこしいとか危険、泥臭い案件の割合が増えます。
 そんな難易度の高い資格の一つ「社労士」のお話。
 【お仕事+日常ミステリ】という感じで、社会保険労務士の女性が主人公の短編シリーズで3作上梓されてます。謎解きはそれほどメインではないですが、いくつか【犯人は誰か】【本当の動機は何か】【悪意があったかなかった】など、ミステリ作家らしいパズル要素はあります。
 労働や雇用、年金などの仕事をする「社労士」という職業についてわかりやすく書かれたシリーズです。著者がどこまで、社労士の現場に詳しいのか実際にはわかりませんが、1作目は説明向けの事件も多かったです。また3作目はコロナ時期に入り、あの時代の休業、解雇、給付申請や、テレワークの問題もでます。非正規雇用やら育児休業、パートの社会保険の壁など、今問題になっている内容が盛りだくさんです。
 様々なエピソードを通じて、雇用主からの依頼に応じているだけでなく、時には従業員を守る立場にもなり、悩みながら成長する主人公の社労士を描いています。
 まあ、居酒屋チエーンとか、書店など、中小の取引相手が多いので、大企業人とか経営者で安穏な人に身近とはいかないのが難しいところです。
 3作目ではもう社会人7年目ぐらいになっています。
 コロナの時代をリアルタイムで描くと漫然と年齢を重ねず同じ時代を繰り返す「サザエさん」や「名探偵コナン」の方式は使えません。主人公が確実に年齢を重ねるので、シリーズキャラの探偵設定と時代をリアルに描くのは意外と難しいものです。
 個人的には「年金事務」や労働局にもいましたので、分かる内容が多く面白いですが、一般の方は楽しめるのかどうでしょうか。社会保険の仕組みなど、知らないことになるほどとなるか、「わかりにく、興味がないのでつまらない」になるのかは微妙です、軽いタッチなので読みやすいとは思います。
 コロナの時代をミステリとしては描くかどうか確かに微妙なところです。年を取らない探偵なら描かない時代かもしれません。

雇用保険にみる日本の課題

 雇用保険、いわゆる失業保険というのはどうも役所的なところがあります。職業安定署からハローワークに随分前に名前を変えたのですが、堅物なところはそのままです。それでいて、結局は「要領よくもらえ」とか、「ホンネとタテマエ」「ウラ技」的な話がSNSでもささやかれます。
 労働局は、労働条件、労災などの保険とともに、クビになった時の「失業保険」と言われる雇用保険の分野に分かれます、
 その雇用保険ですが、確かに失業して給料がなくなり仕事を探している人にはありがたいのですが、どうも支給する条件ややり方がしっかり来ない感じがします。
 原則は掛け捨ての保険で、給付を貰えないケースも多く、払い損にで終わる人も多い、国の保険です。年金や民間の掛け捨て保険でさえ、還付がある場合もあります。雇用保険はずっと同じ会社に勤めて、一度も失業をしないで定年まで勤め、あとは働かずに年金と貯金で暮らすよと言った場合、今までの掛金は全く帰ってきません。
 離職しても皆さんが必ず受給できるというものではありません。すぐにでも就職ができる状況にあり、現在仕事を探しているということが受給の前提条件ですので、たとえ何十年掛けてあっても、自営で仕事を始めたり、次の就職が決まっていれば受給はできません。

 また、このあたりは役所も高飛車で、認定日という失業の届け出をする日に、正当な理由なく来られない場合も受給はできません。実際の受給にはこの他さまざまな条件があります。
 不正受給を厳しく戒めていますが、失業して実際、生活に苦しんでいる人に対しては、疑うようでこれが何か失礼な態度ですし、仕事を失い苦しんでる人のメンタルを傷める時もあるのではと思います。別に恵んでもらっている訳ではなく、自分たちが払った保険料が元です。民間の保険なら考えられない上から目線の不遜とも言える態度、良く表現しても慇懃無礼という程度です。
 それでいて、求職の情報に関しては、民間の大手転職会社のサイトに比べて、まともな紹介は少ない貧弱な情報量で、ハローワークで職は探さず、ただ受給の手続きにダラダラと数回来るパターンの人が多いのです。基本手当は、原則として、4週間に1回の認定日に、それまでの求職活動で就職できなかったことを認定してもらう(失業の認定)ことでその4週間分を受給することになり、その繰り返しで、給付日数分まで受給することができます。職業相談や、職業訓練などもいかにも役所がやっている予算内の陳腐なものです。
 保険なんだから90日とか150日とか期間をチマチマ決めず、この1年はキャリアアップのため、この訓練をしますとか勉強をしますとしても3か月とかしかもらえないのでは、計算もたちません。失業手当を貰いながら働いて未申告だと罰せられます。
 求職しながら、難易度の高い資格を取るなど至難の技で、しかもその後はアルバイトでも見杖けないといけないのでますます勉強は難しくなります。求職や資格取得の研修に、難しい「ジョブカード」というプランの提出を求めるのですが、これがもう何ともタテマエだけの厄介な書類です、個人のプロフィールや能力や就きたい仕事、必要なスキルを細かく書くのですが、何だかあまりにもタテマエで書いて、現実と離れていく書類です。退職後すぐに創業する場合は受給することができませんが、「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」は対象になります。
一方、以下の状況では失業保険を受給できません。
・求職活動をせずに創業の準備・検討をしている
・創業の準備・検討期間が終了したとみなされる場合
ここらも難しいところで、求職をしている態をして、結果見つからず、事業を始めましたとなれば全額貰えるわけです。
 最初から仕事に就く気はありませんと言わず、求職をいくつかして不採用となって、そのまま年金暮らしにしても全額支給されます。成り行きで、虚偽ではないのでこれは追及しきれません。
 ファイナンシャルプランナー的には、貰えるものは少し我慢して待っても貰ってというだけの話です。
 しかし、就職を探すのは今や民間の転職の専門会社の方が、アプローチからサービス全てに優れています。探すのはハロワしか来ないところもありますので、両方の登録が必要ですが、主体は転職サイトのがいいかもしれません。

 個人的にはハローワークの求職も何度かお世話になりましたし、窓口の方、労働局の方も良くして知っています。しかし、先に書いた通りこの組織とくに求職を提唱する機能は民間と競合します。郵便や水道でさえ民営なのに、国がリストラして民間委託しないのがおかしいぐらいです。将来的には間違いなく切り離してしかるべきです。
 そして給付の在り方も、働き方の変化や、リスキリングの意思に合わせ、柔軟にかつ分厚く変えるべきです。社会に出るまでの教育体系とも連動して変えていくべきです。現状毎月サラリーマンが天引きされている原資はもっと有効活用できるはずです。
 多くの若者が4年制の大学まで、あまり社会人としてのスキルを身に着けずに就職し、失業してもスキルを身に着ける時間もお金もないこういう制度はおかしいのです。

 もう少し、このやり方変わらないと、ダメだこりゃという国です。

 

65歳の節目 高齢者に! 手続きいろいろ

 私たちの世代の子供の頃、1970年代は55歳というと本当に高齢者というのにふさわしい老人でした。マンガ『サザエさん』に出てくる波平さんが54歳ぐらいの設定で驚きますが、当時はその年代で名実ともお爺ちゃんで、高齢者そのものだったのです。
 この50年余りで、平均寿命もですが、成人してからの世代そのものが10年から15年ぐらい長くなり、若くなったような感じです。
 60代はまだまだ現役で、人生100年時代第二の人生の始まりに過ぎません。

 とは言え65歳は60代の半ばでの一つの節目で、いろいろ手続きがあります。
 大きく一つ目は65歳は公的年金の支給が始まる年齢で、厚生年金の特別支給を貰っている人は簡単な手続きですが、国民年金だけの人は初めての公的年金の手続きをします。
 60歳からも雇用延長で働いていた方も退職される年度です。
 特老厚生年金よりも受給金額は増え、公的年金でまかなう生活がスタートする大きな節目の年になる方もおられます。
 65歳から年金を貰うか、受給の繰り下げの選択をするかもこの時期に決断しないといけません。写真は私のところに来たハガキ、一度特別支給の老齢年金の手続きをしていると、記入は簡単で添付書類もなく楽です。しかし、4択は迷う人もいます。
 役員や自営で沢山儲けていて年金を貰わなくても十分暮らせる人は、どちらでも良いですが、よく『どうしたらいいい?どっちが得なの?』と相談される方がいます。私はあまり迷わずの選択で65歳から貰います。考えるとしても、扶養の配偶者がいますので加給年金を放棄することになる厚生年金の繰り下げのではなく、国民年金を繰り下げる2でしょう。加給年金も含め、貰えるものは貰い、あとは運用で増やします。
 貯金、所得、運用での収入と生活費をバランスよく考える必要はあります。年金機構やマスコミの繰り下げの煽りはあまり信用しないことです。年金も増えすぎると税金がかかる場合もあります。その時にお金があって投資に回せれば、繰り下げで増える分よりも儲かる可能性もあります。繰り下げで増える分ー運用利益や金利であって、そこまで計算すると繰り下げて元を取るまで長生きできるかの計算はさらに複雑ですが、繰り下げ損になる確率は増えます。

 介護保険の保険料は、65歳未満の場合、給与所得者であれば健康保険料と一緒に天引きされ、自営業であれば、国民健康保険料と一緒に納付していましたが、65歳以降は納付方法が変わります。65歳以降は第1号被保険者となり介護保険証が市町村から来ます。介護保険料の納付方法は、年金からの天引きが基本になります(特別徴収)。
 介護保険証を貰えるとなると高齢者感もありますが、かつて前期高齢者と言われた感覚はなく、むしろ社会は70歳からを高齢者と呼ぼうという風潮です。

 なお国が定める障害等級に該当しているなど、一定の障害が地域の広域連合によって認定されれば、65歳~74歳の方でも後期高齢者医療制度に加入することになります。

 年金の振込額、つまり手取りは保険料の天引きで少し下がります。介護保険料は地域や前年所得にもよりますが労使折半でなくなり軽くない金額です。
 また扶養している配偶者が60歳未満の場合は、国民年金3号被保険者ではなくなり1号保険者となり、60歳までは納付していく必要が生じます。扶養は健康保険では継続しますが、年金を貰っている人は自分の厚生年金は引き続き70歳までは増えますが、配偶者の扶養する資格は無くなります。この仕組みはよくわからず放置される場合がありますので注意が必要です。所得がある人は、支払った国民年金の保険料は年末調整で控除できます。

「失業手当」は65歳以降「高年齢求職者給付金」になります。雇用保険に加入していた被保険者が、定年や倒産などで失業した場合に生活に困ることなく仕事が探せるよう、支給されるのが失業手当でしたが。65歳以降雇用保険料は変わりませんが雇用保険に加入していた被保険者が失業したときは、失業手当の代わりに「高年齢求職者給付金」という一時金が支給されます。年金受給していると受け取ることができない失業手当と異なり、高年齢求職者給付金は年金を受給していても受け取れます。一時金というのはめんどくさくなくて良いですが、絶対額は少し減ります。
 ちなみに私は64歳でハローワークを利用しただけで、給付は受けていないものの受給期間満了まで特別支給の老齢厚生年金を停止されています。継続雇用だと貰い続けることができるのに、ちょっと理解に苦しむ制度でした。

 働き頭とか、これから子育てやローン返済でもない世代なので、高額の生命保険などは見直しも必要です。
 定年で無職になり、時間を持て余す方もいろいろやることや役割やかかる費用を考えておかないといろいろ不都合、誤算も発生します。
 退職金そのものは一時代前よりは随分減っています。年金以上に一回り上の人よりもこの年代でサラリーマンを辞めると苦労するところです。
 生き甲斐と、お金が潤沢にあれば超したことはないですが、ある程度『足るを知る』切り捨てることも大切です。

公務員共済はなぜ別物なのか

 私も 社会保険の仕事をする前は良く分からなかったことが多いのですが、一般の方も誤解されている方がたまにいるのが国民健康保険、国民年金と公務員共済のことです。
 国民年金と厚生年金、国民健康保険か協会健保・組合健保と書かれていると、「国民とつくから国がやっているのだろうから、私の夫は国民〇〇の方だろう」や「会社で入るのは厚生年金だから私の父は国民年金かな」という誤解です。
 まずはざっくり、国民年金や国民健康保険は、自営業、農家、フリーターなどサラリーマンや公務員ではない人が入る国が運営する制度です。会社に勤めているサラリーマンは年金制度は厚生年金で、健康保険は大企業は組合健保、その他の企業は協会けんぽです。公務員が入っているのは、公務員共済という制度です。言葉としては共済イコール保険ですが、この公務員共済には「年金(長期共済)」「健康保険(短期共済)」「雇用保険(退職等年金)」が含まれています。
 社会保険の知識やら質問の選択肢が足りないのと共済組合という言葉がやや難しいからの誤解も多いです。
 さらに、年金は最終的には一元化されたと言われ厚生年金と同じよう受給期間を計算されるので、国民年金と対比して言えば大まかには厚生年金のグループですからややこしいです。1階の基礎年金の上にある2階建ての部分です。また年金と雇用保険の共済は、パートでは入れない制約もあり公務員でも契約社員は「雇用保険あり、厚生年金」という場合があります。健康保険は共済の場合と協会けんぽの場合があるようです。
 公務員共済に加入できるのは原則、完全フルタイム勤務の公務員
厚生年金に比べ、公務員共済の加入要件は独特のものになっています。
厚生年金では、
①1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。
②1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること。
という2つの要件に該当する場合、事業主は従業員を厚生年金に加入させる義務があります。
もっと具体的に言うと、週40時間労働の会社であれば、概ね週30時間以上、週35時間労働の会社であれば、26時間15分以上であれば、厚生年金の加入を考えないといけません。
これは労働契約であって、パートタイマーやアルバイトなど、どんな雇用形態でも、その契約内容の如何にかかわらず、労働時間が上記の基準を超える場合は加入しなければなりません。
しかし、公務員にはこの基準は適用されません。
 先ほど述べた通り、市役所勤務でも厚生年金に加入されている知り合いがいたり、市役所退職後に市役所再就職で「厚生年金扱い」で働いている近所の方がいたりと、公務員共済については私も基準がよくわからない状態でした。
 この12月から私もひょんな経緯で事務補助員待遇から事務官となったため、厚生年金から国家公務員共済となり、年金は共済、雇用保険は外れて退職等年金掛金と呼び名も変わります。

 しかし、この立場でやはり思ったのが、公務員共済と、年金機構のつながりの悪さ、マイナンバーカード制度でデジタル化とも言われているのに連携や記録反映の遅さ、不明さです。
年金機構の人でも、共済に詳しい人は限られるのです。ほとんどの期間が公務員の方は未だに共済組合から請求の手続きをされますし、一時的に共済期間があった方は見かけ上「消えた年金記録」!になりやすいのですが、1年に1度誕生日の前々月には両者の記録の情報を一元化して整合をするのです。しかし、これも60歳まででねんきん定期便に反映させるためで、受給見込みをわかりやすくするためです。
 逆に言うと、公務員に就職した直近はなかなかデータが反映しないのです。公務員はそれだけ秘匿性の高いものなのか、新卒でさえ半年かかるのです。健康保険の方のマイナンバーカード連携も、他の健保や国保に比べ遅いです。国がやっている事業なのですが、このあたりはブラックボックスです。
 感じるのは国家公務員の上から目線です。
 

年金制度ムズカシ過ぎ、停止者には敬意を – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

頭の良い人は人生何周目か?天命か

 大手化粧品メーカーを定年まで勤め、その後は年金事務所を中心に社会保障、厚生労働の公務を4年、その後現在は裁判所で司法系と方向の違う仕事をしています。こうやっていろいろSNSでノマドもやっていると「器用ですね」「私は今の仕事以外、他のことはできない」と言われる人もいます。
 今、ドラマなどで流行りのタイムリープものだと、「人生何周目?」みたいに言われますが、自分では不器用というかとてもそんな偉いものではありません。
 医者や学者になったとか、大会社の社長になったとか、司法試験やら難関資格を突破した人を見ると、その記憶の良さとか理解力こそ「前世の記憶」「天命」でもあるのかと思います。あるいは企業勤めから、自営に転じて家業を拡張とか、議員やアーティストに転じている人もおり異能に関心するばかりです。
 私の場合、集中力が長続きせず、記憶容量も小さく、意識が散乱・発散するのでケアレスミスは多いでし、飽きっぽいので2級ぐらいまでの資格が精いっぱいでした。今身近におられる裁判官の方など、日本でも最難関の司法試験に受かり、その中でも難易度の高い裁判官に就かれていることにはただ感心するのみです。もちろん見かけも含めてある意味では普通の人なんですが、やはり「天命」を背負ってなのでしょう。

 私に関しては60歳過ぎての働き方に関しては、特に志が強かったものではありません。ただ、興味があった新しいことに機会があればチャレンジしたかっただけです。その世界に何十年もいる人にとっは新参者でわきまえも常識もないアウトサイダーです。
 それでも新卒からの勤めと違い、ある意味「絶対辞められない」というプレッシャーのようなものは減って、慣れない仕事そのものは大変ですけれども、肩の力は少し抜けた感じの気楽さにはなってきています。
「社畜」とか「仕事中毒」というのは、本当に立場変われば抜け出せないのも良く分かります。私も若い頃、長いこと、クソみたいにブラックな会社で、さらにそんな中でも汚い上司にこきつかわれました。
 時間が限られているのだから、若いうちにもっとうまくやれたこと、主張したり、要領よく立ち回れたのではと思うことはあります。
 お酒の付き合い、ゴルフやギャンブなどの遊びの付き合いも本当に下手で不器用でした。50歳過ぎてから、ようやく美味しい店を見つけることは上手くなりました。
 60歳を過ぎ、転職して全く知らない人の中で、知らない仕事をするのに関しては「面白い」とだけ無邪気に妙にポジティブに進みました。最初は特に失敗ばかりでしたが、それもまた新入社員、雑巾がけを味わう、マゾではないけど、真新しい自分の能力を発見できる楽しみのようなものがあります。
 学生とか、まあ社会人になってもですが、英語とか簿記とかパソコンとか勉強したものを職場で役立てる機会とかシチュエーションは限られます。あっても競争が激しく他の人がやっているとそれ以下のスキルだとか、その組織では永遠にその勉強は無駄になりかねません。簡単に異動なんて無理な場合もあります。
 2周目の人生とか器用と言われるのは私の場合、何となく好きで勉強したり、いつかは役立つと信じ資格をとったり一見「無駄」をしてました。経験して引き出しを多くしていたものが、ここへ来て回収されるように役立っているような気がします。
 取れなった資格の中に「図書館司書」というのがあります。本が好きなので図書館への転職も考えてチャレンジしました。ところが、この資格は簿記や宅建などに比べ合格率は高いのですが、学生時代には取っておかないと、再入学して講義を受けないと取れずお金と時間が必要です。私は本は好きですが、図書館の中の仕事をずっとするのは合ってなかったとは思います。
 これはまあ、運命というのかやはり私にとって図書館は、趣味と勉強、癒しの空間で仕事場ではないという「天命」なのではと思います。

 勉強とか経験、失敗っていいよなあと今になって思えるのです。2周目なのか1周目かそれとも3周目以降かは知りませんが、一度の人生でガチャガチャいろいろできることを辛さも含めて楽しんでいます。
 
 

年金制度ムズカシ過ぎ、停止者には敬意を

 2024年度4月から、少しだけ支給金額や、厚生年金の加入要件が変わり、在職老齢年金の停止額も変わりますが、マイナーチェンジであり来年の答申で2026年度からは大きく変更が予定されているようです。
 ネットを見ていても、年金に関しては「わからない」「難しい」のさまざな問合せや説明があります。それにしても、私も3年ほど年金機構の直轄年金事務所にいましたが、制度の煩雑さで問合せが多く説明の難しいことが多い職場でした。
 国家公務員であった組織を公務員みなしに替え、年金問題を解消して制度への信頼を取り戻すための組織変更でできた機構ですが、官民どっちつかずの宙ぶらりんな組織になっています。
 年金機構から送られてくる、資格や給付に関する案内、正直言って情けなくなるほど、「悪文で、言葉も難しく、難解」なのです。機械的に文言を当てはめた難解な文章で、未だに昭和61年に厚生年金に統合された「船員年金」などの文言がくっついている割に、常人には理解しがたいものです。
 過日、私のSNSでも少し厳しい言葉を投げましたが、在職老齢年金を支給停止する際に、あまりにもリスペクトがない、失礼で機械的な文言と対応なのにもあきれました。一定以上稼いで働いたから反則、犯罪でも犯したような印象です。
 「わからなかったら、事務所に来るか年金ダイヤルに電話して来い」これではまるで国民をバカにした横柄な姿勢です。
 お客様に合わせて、窓口の接客や電話の対応など、当然分からないから問い合わせも増えます。「わかりやすい文言で」と組織内の対応マニュアルには書いていますが、そもそも社会保険の言葉が難しいい上に、制度も良く変わるので適用も計算も煩雑です。
 
 その上で、巷にも「繰り上げ繰り下げ」「年金支給停止、税金や保険料負担の【〇〇万円の壁】対策」いろんな玉石混淆の情報が流れます。
 そもそも何歳から貰った得だ損だというものはありません。法律に触れないからと言って、それほどお得な裏技も存在しません。
 そんな情報が錯綜するだけ、年金制度自体も迷走しているのと、何だか年金を貰う人が肩身が狭くなって申し訳なくなるようなスタンスはどうしたものかと思います。
 
 厚生年金を長く収めた人が、今の時代高齢でも働いています。働くことを片方では勧奨しておきながら、一定以上に稼げば支給を止める。働かずに貯金で食いつなぎ、繰り下げをした方は年金が増えるなら、高齢者の就労意欲など、奇特な人以外無くなります。財政が厳しいから適当に働いて食い繋げという感じです。
 いくら年金財政が厳しくても、目先の給付を惜しみ、働く人が減れば結局保険料は入ってこないのです。
 ある方も言っておられましたが、在職老齢年金の支給停止は直ちにやめるか、せめて停止した人には財政協力の意味で感謝状のようなものでも贈ればと思います。そういうスタンスがないことで、古い権威主義にふんぞり返っているので、年金制度の理解も協力も得られにくいのです。

明日から新年度となります

 近所の公園や川沿い、学校などのソメイヨシノがまだ咲いていない珍しく遅い桜の開花時期というこの春です。それでも明日から否応なしに4月、新年度です。
 年度が変わっても、あまり影響の無い人もいらっしゃいますが、季節と同じで社会も確実に変化を迎えます。
 学年の同窓たちは、また一つ誕生日毎に年齢を重ねていきます。
 明日の新聞では教員や公務員などの人事異動だけでかなりの掲載があります。民間の企業の入社、異動を含めるとかなりの数の人が新天地、新たな学校、学年、組織に変わるのです。
 私の所属している裁判所で仕事をされている人びとも、裁判官、事務官など全国で入れ替わります。


 社会全般で、公示されている法律の改正、制度や基準も年度で変わるものがあり、ほぼ全ての人に大小影響があります。
 話題になっているところでは労働法で、残業労働時間の業種、職種での暫定猶予が終わり、運転手や建築作業の業界が、人手不足や配達・納期、工期の遅れが懸念される2024年4月問題があります。お医者さんも対象です。すでに対象なのに現実は上限超えでブラックのままという業種、職場もさらに厳しく処分されそうです。
 働く側からはサービス残業、サービス休日出勤が当たり前で、有給も産休も育休も取れなった昭和から見ると隔世の感ですが、それはそれで経営や管理側からは難しい面が多そうです。
 
 年金世代の私などの興味は社会保険ですが、年金も、給付金額が変わるのと、10月に向け厚生年金の小規模事業所でも短期労働者に社会保険加入が義務付けられます。
 これも経営者は負担でしょうし、最終的にはパートの人の年金は負担が減り貰える金額が増えるのでしょうが、大きく増えるものではなさそうです。
 年金を貰いながら働く人のいわゆる在職厚生年金も、支給停止額基準(標準報酬額+年金支給月額)が48万円から50万円に上がります。
 それでも、なかなか就労意欲の境目とは言い難く、高齢者に働いてもらうなら早急に撤廃すべきと思う案件です。

 遅い桜を今年はゆっくり愛でながらも、世知辛い慌ただしい4月になりそうです。