「年収の壁」1 分断を増長する話

 「103万などの年収の壁」問題、国民民主党がこの壁をとっぱらうという提案をし、選挙で苦戦して少数与党になった自民党、与野党が、官僚、経済界、マスコミ含めて何かと騒がれています。

 年金部会からの情報や、その後の報道や提案含めて、年金の話を書こうとしていたのですが、どうも長くてまとまりにくいのでゆっくりと、何回かに分けて書きます。今日は細かい数字の話はなしで、次の機会にします。

 これは、そもそも壁があって分断する制度そのものがいいのかということと、その壁のラインを引く地点が正しいのか、どう動かすべきかにもかかってきます。

 わかりやすいのが「生活保護」です。この最低限度の文化的生活に、今は地域にもよりますが約15万円の生活扶助、支給があります。地域間格差も少しあります。働けないし、年金収入なども少ないなど要件はそれなり厳しいですが、多くの場合、住宅や医療費、教育の扶助があり、住民税まで非課税になりますので、実質は最低賃金でフルタイム働くよりは、はるかに裕福になります。パートやアルバイトで働いて減額されても、生活保護は美味しい面もあり、不正受給も後を絶たないのです。

 生活保護不正受給はおいておいて、私の思いとしては、今の基礎年金が財源の構造などもありしかたがないとはいえ、低すぎるのです。満額で7万程度ですから、最低限の文化的生活が無理です。生活保護に至らない人は、高齢に鞭打ってパートなどで働くか、貯金を切り崩し不安な生活の落ちるかです。これでは、国民年金を真面目に払っても何だかおかしいです。

 それと、物価も上がって、介護保険や健康保険料なども上がり、モデルケース的な厚生年金年金受給者でも

生活が苦しいという、対象者がより多い問題があります。

 年収の壁以前に大きな話題になった、「老後2000万円」問題です。60歳で定年退職して、65歳で年金受給するとして、退職金と年金では2000万以上貯金がないと暮らしていけないという大まかな試算です。投資や資産運用、高齢者の雇用も促進する狙いもあったのでしょうが。これが話題になった数年前よりさらに物価は上がり、年金生活は苦しくなっています。

 今回、年金部会で取り上げられている在職老齢年金の「月収50万円の壁」を緩和するという話は、ここにつながります。お金持ち優遇とかの批判もありますが、年金だけでは暮らせないから、働いたらと勧奨しておいて、働き過ぎたらと少し多く働いたらとか、年金を減額するというのは全くおかしな話で、上と下に妙なラインや壁が存在して振り回される感じです。

 どうしても政治家が選挙に勝ちたいので、妙に多数に迎合して意見を聞き、そこに財務官僚の思惑が複雑にからむので、難解な妥協点のようなところにたどり着く「悪手」の政治になるのです。

 本来、壁などはなく、分断はせず、金持ちは稼ぐだけ稼ぎ、一定割合の税や保険料を負担する、どうしても生活できない人には一定の審査で受給をするというシンプルな制度でいいはずです。賃金、物価や生活費、保険料が改定されるのに、常に壁を意識して、所得を調整したり、ごまかすなどを考えること自体おかしなものなのです。

 制度を無くそうとか、変えようとすれば、得する人、損する人にどうしても分断され、不毛の議論がおきます。

 

往復割引「601キロの壁」廃止 連続乗車券も

 ちまたでは国会でも議論されだした「年収103万円の壁」問題が話題ですが、ここに鉄道ファンには「601キロの壁」というのがあり、どうやらその壁がなくなりそうです。
 青春18切符のルールが改訂され、すでにこの冬分が発売され、マニアの間には嘆き節も良く聞こえます。そんな中で、またJRグループが廃止を決めた制度があります。601キロの距離を往復すると、いずれか片道が実質2割引き、往復を1割引きで購入できる。「往復割引制度」が来年度末目処の廃止となります。

 同じく、連続した行程の2つの切符を一つにまとめる連続乗車券も来年度同時期に廃止になるようです。
 昨年新幹線と特急の乗り継ぎ割引が廃止されました。
 いずれも単なる値上げではなく、みどりの窓口削減で、ネット予約などオンライン推進や車掌の業務軽減化も大きな目的です。
 のぞみや在来線特急で自由席を削減しているのも個の流れです。

 デジタル化が複雑なJRの運賃体系に合わない部分が、削減されています。
 JR各社は、オンラインでの購入促進のため、デジタルだと同等かそれ以上の割引、お得な切符企画商品を販売しています。
 連続乗車券は条件がやや複雑で、値引きそのものはなく、切符の枚数が1枚になり有効日数を通算できるのと、払い戻し手数料が1枚になる程度のメリットなので、利用者も少なくとくに大きな影響もないでしょう。

 往復割引は、影響は大きいです。元々往復すれば、全く別に買う場合や長く滞在する場合以外はそれが定価と思っていた人もいるでしょう。
 実際には有効日数の確認など、計算上も煩雑になり、片道切符を持っていると、帰りの券を追加購入するのに応じる窓口対応など、いかにもアナログです。

 実際私は、大阪~福岡の会社手配の往復の割引なし切符を現地で気づき往復割引切符にして、仲間と利ザヤを貰いました。会社の粋な計らいではなく、気づかずに往路復路で会社担当と旅行代理店がそのまま発行し、社内にも細かい規定がなかったか、見落としたのでしょう。最近はそんな見落としもなく、EX-ICとかで社用のものは、最安値で出てくるのでしょう。
 それでも、601キロ未満の正規運賃と、わずかに超えたそれ以上の距離の運賃が逆転する問題は煩雑です。優秀なAIなら、安い方を自動発券しているかもしれませんが、本来のルールの「目的地までの切符」という趣旨から外れるのはおかしいことでした。しかも、ほぼこれが定価になるような設定ですので、デジタルの割引とはシステム上重複して適用されてしまう場合が多いようで、それを再度除外するのも難しいのが廃止の原因のようです。

 この変な壁という、煩雑さ、「年収の壁」と少しだけ似ています。あちらは、壁の金額を物価や賃金とスライドしてあげるようですが、スッキリするのは廃止です。それだと困るといわれそうですが、扶養とかでの税制優遇が全く別の支給などで考えないと、壁はどこまでいってもその前後の不公平の矛盾をはらみます。
 往復割引の恩恵は、ヘビーユーザーならポイント還元など、お試しユーザーにはバーゲン期間や企画商品の設定をするなどでいいのです。

 マニア的にはつまらない感じもわかります。

いじめ、パワハラの根源を絶てないのか

 最近やネットいじめとか、マスコミによる集団リンチもあります。人権、労働者や女性、身障者の権利が守られる時代になって、コンプライアンスやガバナンスが守られる次回になった、、はずなのに、いまだに学校や職場でのイジメの話は絶えないものです。

 実際に私は見聞きしたり、味わったものから直近のものを、その構造から考えてみたいと思います。

 まず、ノルマの達成、サービス残業などは、裁量権があるとされる管理職には結局ひどいプレッシャーとなり、若手社員の権利には手厚い会社でも中間管理職以上には厳しい会社も多いのです。
 上司や先輩など個人によるところもありますが、それを生みやすい環境、やはり組織に問題があります。
 死語かもしれませんが、「お局」的なその部署に長くいるような組織はやはり難しいのです。
 全国区で転勤が多い組織は淀みがなさそうですが、上級職や幹部は転勤で替わりますが、地元採用の有期職員、契約社員に現場の実務は長い間新陳代謝少なく同じ人員で支えられていることが多いのです。その人数の割合などは、組織によってさまざまですが、最近は公的機関や医療介護の現場で顕著な感じです。まだまだ民間企業でも、お題目で唱えられるだけでの、グレイかブラックなところもあります。

 ひと昔まえ、バブル期などに比べると、イケイケの体育会系、まさにパワーで押すパワハラへ減りつつありますが、企業の業績、国や自治体などの歳入も悪化していますから、数字的な売上や経費削減などのノルマはきつくなっています。
 昭和からの平成中頃までの振り返りはさすがにしないですが、気楽に休みが取れないをはじめ、管理職のサービス残業などは相変わらずのようです。

 困るのは、新しいマネジメントやコーチングも知っていながら、なかなか結局は、古い自分勝手な経験則からのやり方がやはり間違いないと信じ切っている輩です。

 商談が決まらない、書類にミスをする、取引先を怒らせるなどのミスは、本人の未熟に起因して意識を変えることで、できるはずだとの大きな誤解をしている場合です。

 そして、小さなタコツボ型の組織で、イヤな上司やお局が何年経って変わらないというのが最悪なのです。

 私の元いた会社、見聞きした全国規模の公的機関や、小さな市町村や区の役所などでも、事務系の人一般職は転勤がない。つまりは、いつまでも、そこにいて、現場の仕事も、もちろん濃い自分流にしてしまいます。地元の人間関係や事務所や倉庫、休憩室の掃除まで、仕切って改革を許さない人間がいるのです。総合職は転勤しますし、支店や拠点のトップは改革を進め、時にはお局の更迭に尽力した人もいました。それでも、けっこうな抵抗にあっていました。まして事なかれ、現場任せのトップが多いので、お局は増長して、イジメは無くなりません。

 まして、長年同じ体制が続く、地方自治体や中小企業などは、合わないと無理して合わすか辞めるしかないのです。

 小さなお局も、天皇と言われるほどの拠点トップも、陰湿なやり方や周りの忖度の空気などは基本学校のイジメと変わらないです。
 兵庫県知事選でも、未だにくすぶっていますが、県庁職員、県議会議員など、タコツボの好例です。ここは報道されませんが20年以上同じ知事、天下りの同じトップがワンマンで君臨していたのです。改革を進めたらトップといえども、あらゆるイジメにあうのです。
 そんな上の人は別にして、それぞれの人が、個性を重視して、家族などの時間を大切にできるよう想像力を働かせるのが上司の勤めです。
 何かあったら、ミスを責め、犯人探しではなく、流れをよくしてミスがないようにするのが本当は良い組織なのです。
 ミスをした人や、チクった人を探しても組織は萎縮して、どんどんモラールも生産性も下がります。残念ですが、拠点の業績を上げたい人が、単純にここを間違って犯人捜しに、血眼になって、泥沼のように落ちていくのをよく見ました。自分のプライドなのか、いじめて快感なのか知りませんが、残念な人は多いです。

12月 師走に思うこと

 猛暑が長く、季節感が薄れ、急に秋から冬です。今年も残すところ1カ月を切りました。仕事納めを考えると、もう働く日が20日足らずで、その中で月度のルーティンと年間の納めをするのです。

 国会も始まり、今日から新しい健康保険証は使われなくなったりで、12月はとにかく、何かと気忙しいですし、お正月にかけて、1年で一番何らかの形で家庭などでも準備するものが多いような気がします。

 これはもう何回も書いてきていることですが、化粧品のメーカーにいた頃は本当にこの12月の占める割合が高く、新商品やクリスマスの企画品、限定品が多く店頭を賑やかせます。もちろん、それまでの紹介、予約活動などの準備があってこそで、夏や早いところで春先から年末商戦の準備が始まっての、本番でもありました。
 最近はブラックフライデー商戦もありますが、やはり12月に入り、各地のターミナル、大型商業施設で巨大なクリスマスツリーが飾られると、高揚したワクワク感があります。

 化粧品の仕事を離れると、ひたすら地味な仕事のはずが、やはり地味な市井の女性、また男性の視点から見た化粧品というアイテムや売り場などが、それはそれで気になるものです。職業によっては、日焼けを気にするとか、ヘアスタイルは譲れないとかあると思います。

 それぞれ、みなさんも拘りの中で、今年のラストスパートです。気負わず、後悔なく過ごしましょう。

 

書評:関幸彦「刀伊の入寇」王朝からの防衛問題

 今日、この書評を上げるのも、分かる人には分かるタイミングではありますが、源氏物語の描かれた貴族の摂関政治平安時代にも対外防衛、戦争、軍事、外交という話があったのです。

 対外戦争というと、専門の軍隊があり、軍人や兵士がいて、政府が相手国に宣戦布告して国際法にのっとって、戦争が始まるというやり方は、ごく近代の話です。

 今も局地戦は、民族間の略奪のような小さな争いごとから始まっている場合もあります。
平安時代は、大和朝廷もまだ蝦夷を完全に駆逐したわけでもなく、沖縄は別の独立国、北海道も未開地でした。朝鮮半島は新羅と戦闘状態になったこともありました。
 優雅そうに見える平安貴族ですが、近代的な軍隊は有していなくても、国内をまとめるのにも弓や剣の武力は持ち、兵(つわもの)、武者を要し鍛えてはいました。

 私も含め、初見の人もいるかと思います。学校で出る歴史教科書にはあまりでていません。学校で習う日本史ですら記憶が曖昧な者には背景さえおぼろです。
 その国家を蹂躙する略奪者が来たのが道長の時代、寛仁3年(1019年)3月末から4月にかけて、女真の一派とみられる集団を主体とした海賊が壱岐・対馬を襲い、さらに九州に侵攻した事件です。刀伊(とい)とは、高麗語で高麗以東の夷狄(いてき)である東夷(とうい)を指すtoiに、日本の文字を当てたとされています。(wiki参照)
 国家間の戦争というよりも、朝鮮のさらに北方のいわば蛮族が集団で舟で略奪に来たわけですが、そのスケールと残忍さには驚きます。
 元寇は有名ですが、それ以前の日本では最大級の対外危機でした。
 食糧や衣類を強奪、牛馬を食べ、働ける男子は拉致して奴隷にして、女子供、老人は惨殺したようです。死者364人、被虜者1289人、牛馬被害380頭と書にはあります。
 情報伝達の遅い時代で記録にももちろん詳細は遺りずらいものですが、朝廷がその情報を聞き、大宰府が対処して行ったのが、迅速だったのか後手だったのかも想像しかできません。

 某国の拉致被害がそれだけでも、大きな問題になりますが、国家安寧という面では、この規模の危機は絶対に手をこまねいていてはいけない事態です。

 戦後教育の中で、平和憲法遵守、非武装、戦争放棄、武力の不保持ということを金科玉条のように信じ込まされている人がいます。
 戦後の一時期、非武装を唱えるトレンドが学者や文化人、作家などでもよくいました。
しかし、国家の存亡、尊厳の喪失、国民の被害に対して備えは無ければ、国体を維持できないのは、この歴史的事件でもよくわかります。
 結果、この時代も日本が良く戦い、気象の運、高麗の協力もありましたが、刀伊を駆逐しています。
 武力をもって、ならず者を倒すのが正しいのか、武器を持たないでやられるままかは議論の余地のないところです。

ちょっと危惧する化粧品メーカー

 カネボウと資生堂がしのぎを削っていたころに入社して、元いた化粧品メーカーを今さら身びいきするつもりはないです。もう良い商品や安くて機能がかわらないものは元ライバル社でも平気で買うようにはなりました。

 ですので、やっかむも何もないのですが、少し心配な会社があります。昔からあるメーカーですが、資生堂と花王グループに割って入り、最近は人気モデルの契約やCMでは業界どころか、全企業の中でも注目されるほどの露出の量を誇る会社です。

 大谷翔平さんまで契約し、フィギュアスケートの会場の看板広告もして、男女の有名俳優や、アスリートまで多くのタレントを抑えているコーセー化粧品です。

 元々小林コーセーという非上場の同族企業だった時代が続き、バブル期までは資生堂、カネボウ、花王ソフィーナ、コーセーなどの後塵を拝していました。

 化粧品メーカーは、資生堂がリーダーで無名のモデルを圧倒的なスポット量で、スターを作り出すような時代があって、カネボウがそれをミートして古手川祐子、夏目雅子、松原千秋、沢口靖子など新人起用でスターへの登竜門だったのです。
 ところが、松田聖子、木村拓哉などすでに大物になったスターの著名度に頼る時代になり、リーダーの資生堂は多くのタレントと契約して、花王カネボウに対抗しました。コーセー化粧品もこの戦略を真似て、頭角を現したのです。

 しかし、この背景には大手広告代理店、芸能事務所の暗躍もあり、バブル後は、資生堂も大手タレントの契約料が結構な足かせとなり、利益に苦しむ時期を迎えました。海外に強い資生堂は何とか、外国人頼りでしのぎ、インバウンドの恩恵もありましたが、国内での地位は相対的に下落しました。

 カネボウはもっと酷く粉飾決算や白斑問題で凋落しましたが、もうそれほど、CMやタレント契約に大金を投じても、商品や消費者に還元できないことに気づき始めました。花王グループも元々日用品には莫大な出稿をする会社でしたが、資生堂に比べ利益率は高く、とくにソフィーナを含めてもそれほどCMに力を入れていません。

 そんな時代を経て、コーセーの回帰のようなバブルぶりは、懐かしくも、危なくも見えます。消費者がCMだけで買わないで、同じ機能のPBや無名メーカーでもチョイスする時代に広告代理店に踊らされて、売上は上がってもCM契約料に見合うペイはあるのか、他人事ながら心配です。

 現場や営業の社員はジレンマがあり、複雑です。ジャンジャン宣伝し、有名モデルと契約してもらうのは社員の誇りで営業も販売もしやすいのですが、自分の待遇に還元できなければ、モチベーションは下がります。それだったら、宣伝しない商品を、苦労して売るのが営業、それを評価して自分の待遇を上げて欲しいと考える人もきっといます。

 まあ、風の便りにしか、知らない会社もことですが、株は間違っても買いません。

鉄道地図好きで良かった

鉄道路線名はどのように名付けられているのかを分類しながら、紹介している本です。
長くなるので、目次の全路線は書かずにカットしようかと思ったのですが、どこも面白いのでだらっと書き流します。

 
◎目的地、それとも起点 ―起終点名をとった線名
 ○根室本線―延伸して釧路本線から改称
 ○函館本線―何度も峠を越えるが今や廃止の危機
 ○留萌本線―消えゆく「最短」の本線
 ○阪急宝塚線―私鉄の経営モデルの老舗
 ○福知山線―舞鶴鎮守府を目指す阪鶴線がルーツ
 ○鹿児島本線―かつては球磨川を遡っていた
 ○長崎本線―佐世保近くを迂回していた旧線
 ○つくばエクスプレス―「本名」は常磐新線
 ○奈良線―奈良県を走らない理由は

◎この町を通ります ―主な経由地をとった線名
 ○山田線―一部三陸鉄道移管で山田へは行かず
 ○赤穂線―山陽本線のバイパスを目指した
 ○飯田線―四社が手を繋いだ長い「国電」
 ○木次線―危機に瀕するスイッチバックの聖地
 ○香椎線―石炭運搬線の博多湾鉄道からJRの近郊線へ

◎この地方のために ―広域地名をとった線名
 ○東北本線―奥州を長駆する北の主役
 ○山手線―「田舎」に敷いた線路も今や都心線
 ○内房線・外房線―何度も線名を変えた路線
 ○富山地方鉄道―戦時体制が生んだ「地鉄」
 ○関西本線―私鉄の社名をそのままで国有化
 ○近鉄南大阪線―河陽→河南→大阪鉄道→関西急行→近鉄
 ○湖西線―江若鉄道の廃線跡をたどる高速線

◎信濃と越後で信越本線 ―国名またはその合成による線名
 ○石勝線夕張支線―平成最後に廃止された路線
 ○磐越西線―磐城国から越後国へ
 ○羽越本線―酒田線と信越線がルーツ
 ○両毛線―上野+下野でなぜ「両毛」なのか
 ○南武線―「多摩川砂利鉄道」は今、タワマンの街を走る
 ○紀勢本線―日本で最後に全通した「本線」
 ○予讃線―讃予線をひっくり返して
 ○伊予鉄道―最古の七六二ミリ狭軌を走った坊っちゃん列車
 ○日豊本線―ルートと線名が何度も変わった

◎東京と横浜で東横線 ―地名を合成した線名
 ○五能線―「途中駅」を合成した?
 ○八高線―起点と終点の頭文字をつなぐ
 ○京浜東北線―首都圏を南北に縦断する「系統名」
 ○東武東上線―たどり着けなかった上州
 ○北陸鉄道金名線―あまりに遠かった目的地
 ○阪和線―戦前に日本一速い「超特急」を運行
 ○福塩線の「塩」ってどこ?―福山から「無名の終点」を目指す
 ○高徳線―幻の「電気軌道」がルーツのJR

◎主要な街道に沿って ―五畿七道と街道に由来
 ○東海道本線―五十三次は今も国の主軸
 ○北陸本線―北陸道に沿う日本海縦貫線
 ○山陰本線―出自の異なる複数路線を併せて
 ○山陽本線―瀬戸内海の船便に対抗して
 ○南海電気鉄道―五畿七道から命名
 ○参宮線―「お宮参り」が線名になったJR

◎川、城、住宅地 ―その他いろいろな線名
 ○中央本線―本州のまん中を通る
 ○東武アーバンパークライン(野田線)―“都市公園”線?
 ○東急田園都市線―渋沢栄一が夢見た田園都市の系譜
 ○大井川鐵道―電源開発とともに生きる
 ○名古屋市営地下鉄名城線―初めて「右・左回り」を採用した環状鉄道
 ○西武鉄道の各線―戦後にことごとく改名
 ○東京の地下鉄路線―多くが都心地名を名乗る

 本線と支線も今や形骸化してますが、途中の駅を線名にしているかと思えば、起終点の合成などや、地域全体の名前など統一感がないのが面白いです。福塩線のように小駅でも起終点に拘ったケースもあるのに、仙山線などは山形でなくともOKなのも一貫性のない路線名です。

 東海道本線がかつては今の御殿場線経由だったように、北陸本線、山陰本線、鹿児島本線なども旧線や支線になった区間がありまます。さらに平行して新幹線ができ3セク化されている線もあり、栄枯盛衰が激しいものです。
 御殿場線も富士山が見事に見えますし、他でも3セクになった路線でも、普通から見える景色は良いです。
 子供の頃から鉄道地図を見るのが好きでした。実際の縮尺ではない、デフォルメした分かりやすい絵図で、地名をよく覚えました。高校野球などで、各県の地名が出ると。どこにあるのか鉄道地図を探したものです。その地図から、その地方をイメージし、その駅や路線を想像したのです。

 地図が読めないのは女性に多いとは言いますが、地図自体に慣れないのか、嫌いなのかその感覚はわかりません。方向音痴というのと、地図嫌いなのもどう結びつくのかよくわかりませんが、知り合いにはいろいろ迷う人がいます。最近は女子の鉄道ファンも増えて、平気に地図や時刻表片手に旅されています。
 幸いか、鉄道地図が大好きだった子供は、それを応用して地理や歴史、文化を学び、全国どこでもあまり迷わないで、どんどん旅する大人になりました。

国民年金の父と厚生年金の義父、それぞれの生きざま

 私は商店街の店舗兼住宅の「商売屋」に生まれ育ったので、父は少し勤めにでていた期間を除き当然ほぼ「国民年金」です。還暦を過ぎて、母とともに年金を貰いだしたはずですが、商売で稼いでいたので、年金など雀の涙でとても暮らせるものではないと言っていました。商売の時の在庫を処分して、父は80過ぎまで結局店を続け、貯えを母に残して、死ぬ直前まで店を開け締めし、商店街に貢献していました。
 定年ということを知らず、老後に悠々と旅行に行くとか、趣味に興ずることも少なかったです。植木や園芸は好きで、店先や屋根裏に花を育てていましたが、商店街や業界の会合にこそ行くものの、他に遠くまで遊びに行くことはなかったはずです。昭和一桁生まれの、兄たちは戦争に行った世代です。ギャンブルもしませんし、お酒も付き合い程度で、京都ですが祇園などの花街に出かけることもない下町の自宅での飲食がほとんどだったと思います。商売を大きくしたわけではないですし、堅実に働き、二人の息子の大学も行かせてくれて、それなりに不自由はさせないで育ててくれました。

 義父、妻の父は少し年は下になります。こちらは典型的なサラリーマン、銀行というか信用金庫で、支店長まで勤められたので、定年退職後は厚生年金で、企業年金や個人での年金もあり、60歳以後は少し嘱託をやって後は働かず悠々自適です。健康のため、山歩きをされ、退職後の方が随分スリムにはなられました。お酒はよく飲まれる方で、胃がんの手術はされました。
 さすがに、80を過ぎ足腰も弱り、軽い認知も入ってきているようですが、完全な健康体とは言えませんが、まだまだ健在でおられます。山歩きと、お酒は飲みながらも節制が良かったのでしょうか。何より、商売がらしっかり財テクの知識があったので、

 私の父らの世代は、年金とくに国民年金の周知はそれほどではなく、3号制度も昭和61年からなので、満額の国民年金の人も少ないようです。農家など自営業の方は、高齢でも働くのが当たり前、子供らも家庭で老後の親を支えるのも当たり前の社会だと思われていました。老後への漠然とした不安はあっても、高齢者施設や介護保険制度などは、親の世代は若い頃自分たちが世話になるとは思わないばかりか、存在も無かったのです。

 しかし、長寿化、高齢化の社会、平均寿命の伸びはこれからではなく、今の高齢者、戦前生まれの方も含んでのことです。定年が55歳の時代からの人も、80歳まで25年以上生きている場合が多いのです。
 高度経済成長を支えた、父や母の世代、生きざまを参考にしながら、今の60代以下の人間はこれからさらに長寿になるかもしれない社会を想像し、長い人生を考えないといけないのです。人生100年時代と、言葉だけでは聴いていても、実際に60歳で燃え尽きるように生きたとしたら、残り40年に対して準備するところが無ければとんでもなく寂しい人生になります。もの心ついてから半分くらいの時間が、昔の概念では老後として過ごす算段がいるのです。

 お金のこと、健康のこと、仕事や趣味など生き甲斐のこと、それぞれリンクもしますが十分に考えないといけないことです。
 そういう面では、自営業とか、手に仕事を持って生き甲斐にしているとか、老後も半隠居でも居場所があるような家業のある人はいいかもしれませんが、なかなかそれだけうまくある人ばかりではないでしょう。

 まだまだ働き手は必要です。社会参加や地域の秩序を維持をするため、無償で町の見回りをするとか、統計や要望の吸い上げ、提案や意見、アンケートなどをするカンタンなジョブをこなすのが仕事として成り立てばとも思います。ベーシックインカム的な収入が得られる仕組み作りができるか、これからの国の喫緊の重要な課題です。

社員を大切にする企業は価値がある

 いまだに、業界や業種、職種、企業によってブラックやグレーの待遇のところがあるようです。雇用のありかた、労働管理面でグレーゾーンの多い、営業や流通業は働らきかたとして厳しい業界ですし、感じようではブラックでしょう。
 店舗を構えるということは、土日祝日休みの週休二日とはそうそういきません。それだけをとってもなかなか辛い人がいるでしょうし、ライフイベントの多い子育てなども大変です。
 私もメーカーに勤めた転勤族で、営業畑も長く、GMSなどのスーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどを取引相手にしていましたし、名だたる企業の幹部、バイヤーもお相手しました。

 それぞれの企業に特徴があり、ダイエーやマイカル、そごう、ヤオハンなどが消えたのも分かる気がします。逆に、ローカルだった平和堂、イズミが生き残って地域の雄となり、全国区に負けていません。これら残った企業も、決してホワイトではないところも見てきていますし、ジャスコなども公私とも知っている人が多いですが、本当に生き残るのが大変な企業だと思い見ていましたし、イオンリテールとか、イオンスタイルとこじゃれた名前にしても、グレーさは変わりません。それでも生き残る企業はどこか人をうまく働かせる魅力があるのでしょう。

 ギリギリの線ですが、イオンは従業員や、取引先に対しても違法ではないですが、冷たく厳しいと感じます。ビジネスだから当たり前なのです。しかしライバルのイトーヨーカドー、私はよきアイワイといっていたセブン&Iグループは人の部分に負荷をかけず、優しい面があります。
 よく比較されるBIG2で、今はコンビニ中心の収益のアイワイ(セブンアンドアイ)と、大型モールのデベロッパーのイオンで実は比べにくいのですが、収益力や企業価値としてはアイワイが倍ぐらい優れているのです。
 この差も何となくわかります。アイワイはコンビニ以外に、人や手間と場所を使った商売をもうしないのです。本質的にブラックでないのです。
 つまらないことですが、イトーヨーカドーの社食の美味しいことは定評がありました。それに比べて、ひどかったのはダイエーでした。中内氏を評価する声も一部は残りますが、まず人を人を思わない扱いで時代遅れでした。
 そのダイエー、マイカルを吸収したイオンはまだやはり、規模と売上に拘り、人には優しくないのです。それは商品やサービスの細かいところに現れています。
 それでも一方の雄として生き残る、その雑さや人間味が全く嫌いでもありません。何より多くの地域にモールを作り、地域の経済や雇用を支えている。そんな中で魅力的な人やサービスが生まれることもあるから不思議なものです。

イオンのこと 働く女性と結婚 – 天使の星座

書評:宮島未奈「成瀬は信じた道を行く」

本屋大賞の「成瀬は天下を取りに行く」の続編、スカッとした性格の主人公の奇行めいた面白さは継続、キャラにハマればリーダビリティに優れあっという間に読めます。
 地域の見守りパトロール、スーパーでのバイトでクレーマー対応、父親目線があったり、観光大使、次々とシチュエーションを変えても、成瀬ファンを増やしていきます。最後は相棒の島崎が締めくくりそれまでの登場人物も総出で連作短編らしい王道でした。
 試し読みと、立ち読みで半分読めそうでナントモ、それはそれでスカッとします。西武やフレンドマートなど地元の実名をどこまで明かすのかという、疑問もあるけど、まあ世の中が淀み不満の多い時代だからこそ、こういうスカッとして心和む話が良いのでしょう。

書評:「成瀬は天下を取りにいく」宮島未奈 – 天使の星座