
「島耕作」シリーズや「黄昏流星群」などで知られる漫画家の弘兼憲史さんは、シニアの生き方に関するエッセイ、啓発本も多く出かけておられます。
年齢的には私より12歳上で、島耕作の舞台、モデルになったとされる松下電器産業(現パナソニック)に入社して数年でドロップアウトして漫画家デビューされています。
同世代サラリーマンたちの定年後や、島耕作ばりに役員になった友人もいるのでしょうか。
リアルに響く助言もあれば、まあそれだけ印税も入る立場で書かれているからと、少しやっかみで共感できないところもあります。
知識や考え方、割り切り方は参考にして、実際に羨ましがるのは抑えながら読むのがこの手の本です。
成功した人は、奥付や解説読むと、気後れしますが、まあ偶然もあり運もあったのでしょう。そのタイミング、その時の流れ、人の流れでないと大成功はしないので、多くの人が憧れてもしかたはないです。
島耕作で描かれる家電大手企業もドロドロとした人間模様でしたが、実際のパナソニックもなかなかに今苦しい業績です。創業者松下幸之助も神様扱いされますが、後継を間違い派閥争いが常態化して、得意分野のない企業となり苦戦しています。
業界全体が苦しく、どこも本来のテレビや冷蔵庫といった家電がメインではなくなってきている中で松下幸之助が生きていればどう考えるでしょう。
話がそれましたが、神様の威光も、経年劣化しているぐらいですから、凡人のシニアが、少し考え方を変え工夫しないと気楽な老後はないということです。
ただ、あの大松下とふんぞり返る肩書の人間でも会社を辞めれば、普通のシニアです。
現役の肩書では楽しくは生きていけないのです。
シニアはダウンサイズした生活を、楽しみながらとも提案されています。
もちろん、まだ生涯いつまでも何らかの肩書のある現役の役員さんという人もおられます。シニア対象の啓発書は、対象の環境がまちまちなので、自分に上手く当てはめて考えるのが読み方です。あまり力を入れず、残りの時間を逆算してやり残しのないようにはしたいものです。
戦前派の五木寛之さんとか、森村誠一さんの本よりはさすがに共感部分は多いです。
しかし、まあ難しいのはやはり人間、他人の成功を素直に喜ぶより、やっかむ心理は生まれやすい点。自分の度量の無さもよくわかりました。
サクッと何冊か、漫画の感覚で読めます。
