オリンピック、WBC、W杯で思い出す昭和プロレス

 今年はスポーツイベント目白押しで、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが終わったと思えば、日本では人気の野球のワールドクラシックベースボールがあり、6月にはサッカーの北中米カリブ海ワールドカップが開かれ、9月には愛知県でアジア大会も開かれます。

 なんと言ってもサッカーのワールドカップは世界中で行われて注目される世界最大のスポーツイベントです。サッカーはほぼ世界中の国で盛んなスポーツで、野球やウインタースポーツは限られた国、地域で世界中とは言えません。

 日本では元々野球が人気で、一時下火で競技人口はサッカーに抜かれたようですが、大谷選手の活躍でメジャーリーグの人気に火がつきました。代表チームの国際大会WBCも、シーズン前のエキジビション的大会ですが、メジャーリーガーも出場して、日本のファンは世界一のかかった大会だと信じて熱狂します。

 野球は北中米、東アジアぐらいしか広がっていないスポーツですから、世界一とか世界大会といっても無理やりルーツをたどって欧州の国の代表にしたりして参加国を作っています。権威のある世界大会とは言い難い面があります。

 国際大会の国の基準は大会によって異なり、サッカーワールドカップは国籍要件で一度国の代表で戦うと国籍を変えても別の国では出られません。オリンピックは国籍要件はありますが、国籍変更は3年ほどの待機期間があり、2大会連続で2か国の代表での出場はできないのです。

 ラグビーは国籍ではなく、協会の所属で代表になれますが、通算10年の居住が求められます。

  これに比べると野球のWBCは、国籍、永住権、出生地、両親のルーツと広く認められ、まあユルユルです。大会そのものも、公式のシーズン前の宣伝、エキジビションでどこまで選手が参加し、全力で戦うかは微妙です。

 この感覚で、思い出すのは、昭和のプロレス、ブックと言われる筋書きや国籍ギミックなどです。

 プロレスもあのような形式ではアメリカと日本ぐらいしか行われていないので、とても世界のスポーツではありません。それでも、世界タイトルの選手権、世界の代表を集めたワールドリーグ戦、チャンピオンカーニバルだとかインターナショナルレスリンググランプリとかを信じて熱狂していた時代がありました。

 各国代表と言いながらもプロレスの国籍、特に悪役は、ショーのようなアメリカンプロレスでは嫌われるロシア人やナチスドイツのような衣装をつけ、プロフィールを偽って戦います。また、権威づけのために世界各国の代表を名乗っていても、実際にはプロレスの行われているアメリカ人でした。

 日本でも戦後すぐの時期、プロレスは敗戦で自信を失った日本人に、ウソでも勇気を与えました。

 力道山が大きな外国人を空手チョップでバッタバッタと倒すのに快哉を叫び、日本人は希望と活力を取り戻したのですから、ウソも方便かもしれません。

 当時はプロレスが、筋書きのあるものとはみんな思わず、力道山が苦しめられても最後には勝つのかハラハラして応援していました。

 少し後の世代はアニメのタイガーマスクでプロレスを知り、馬場や猪木がしのぎを削る時代でやはり内心嘘くさい面もあると子供心に思いながらも業界や団体ぐるみの虚構の世界とは思わず、タイトルマッチとかにはそれなりの権威があると興奮していました。

 ワールドリーグという大会に出場する相手レスラーも、オリンピックのように各国の予選を勝ち抜いた代表か、チャンピオンだと信じていたものです。

 プロレスの場合は、大会のレギュレーションもチャンピオンベルトだとかタイトルも、今となって知ると、全てが作り物、商売で、全く嘘くさいものです。

 それでもウソも方便のとおり、スポーツを見て喜ぶ心理はプロレスもその後の総合格闘技も、オリンピック、野球やサッカーを見るのと何ら変わらないと思います。

 母国や地元、ひいきの選手やチームが、勝てば良い。少し目が肥えると、内容も良く勝てば良い。それでも負けるよりは勝つ方が良い。

 昔の力道山など、ルールもいい加減で、とにかく人気者が勝てば拍手喝采でした。それは今、大谷選手がホームランを打つ、日本人が金メダルを取るのと何ら大差はなきのです。

 もう少しファンの目が越えると、最強のメンバーが集い、試合としても、接戦で競り合い、逆転などスリリングな展開で最後は推しが勝てればいいと思うレベルになります。本来のスポーツのルールを知り、技術の深さや面白さも知って見ている人はどれくらいいるのでしょう。

 やはり自国人や地元の推しが負けるよりは、理由は相手のケガなどのコンディション不良などであれどうであれ、勝てた方が良いと思うのが心理なのでしょう。

 スポーツを全く見ない人から見れば、見るのにかける時間もましてやサブスクやチケットにかけるお金ももったいないと思う程度の娯楽です。

 

 

 

冬季五輪楽しめる国は幸せ?

 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが終了しました。

 リアタイではほぼ見ていないのですが、ニュース番組などで映像はおよそ見ました。

 種目も増えたのですが、日本の活躍する競技も増え、魅せ方?ストーリーやビジュアルコンテンツとしても優れたものになっています。

 オリンピックになれば思い出したように注目されるカーリングなどのマイナースポーツや新しい競技が特に冬季は多いのではと思います。1972年の札幌は黎明期の昭和ですし、ジャンプの日の丸飛行隊だけがメダルでした。

 その後の1998年の長野に比べても、ウインタースポーツがさまざまな面で進化し、関係者の努力もですし、演出や推しの手法も見せ方も上手くなったのだと思います。

 夏季でもそうですが、昔は競技も少ないうえ、全くテレビにも映らない競技がけっこうありました。

 会社にいた北海道の支店幹部に札幌オリンピックのボブスレー代表だった人がいましたが、自慢はされていましたが、現代と比べると自虐ネタでした。

 放映権料の高騰とかも、コンテンツの魅力と関係がありますが、タイムや距離、点数を極限まで競うアスリートの姿にはやはり素直に感心し、感動します。

 15歳からオリンピックに選ばれ通算10個ものメダルを胸にかけた高木美帆さんの挑戦し、力を出し切って、姉に労われる涙も素晴らしかったです。

 フィギュアやスノーボード、カーリング、ジャンプなど、女子も台頭し、見ても楽しくメダルの期待にワクワクする競技が増えました。

 しかし、元々冬季オリンピックは特にヨーロッパ、北半球の国が中心で、暑い国、イスラムの国の女性を見ることはありません。その意味では世界中が集い競い合うスポーツの祭典かと言うと疑問は残ります。

 日本では女性の社会進出が叫ばれ、欧米とともに男女機会均等が当たり前になりつつありますが、世界でも人口の多いイスラムの国はまだまだ女性のスポーツ参加、ましてや海外に試合で出ることは稀です。

 戦禍の国もある中、これだけ女性も活躍し、スポーツを楽しめる国はやはり平和なのだとは思い、ありがたいことだと思います。

 

没個性、大衆迎合、日本人はなぜ群れたがる

 昨年ミスタージャイアンツと言われた長嶋茂雄さんが亡くなりました。

 私が少年だった昭和40年から50年代という時代は、子供が憧れるスポーツと言えば野球。野球と言えば巨人の時代でした。

 関西にも阪神や南海などたくさん球団があったのですが、テレビのゴールデンタイムは巨人が独占していました。多くの野球少年がYGのジャイアンツの帽子を被っていました。昔はレプリカユニフォームなど無かったのですが、帽子だけはリーズナブルなのかよく被っていました。

 かつてマイナーだったスポーツがオリンピックなどでも注目され、野球というスポーツの相対的な地位は下がりました。その野球の中でも、地域に根ざしたチームが人気を博して、平成にもなると巨人の帽子を被っている子供を見かけることも少なくなりました。

 ところが、令和の時代、ファッションとしても、メジャーリーグの人気チームの帽子を被っている人が増えました。

 昔の巨人のシェアほどではないにせよ、繁華街で子供も大人もドジャースやヤンキースの帽子を被って街を歩くのを見かけます。

 オオタニさん効果なのでしょうが、このオフィシャルの帽子かなりのお値段のものです。

 ウエアはユニクロでも帽子はメジャーという人も見かけます。日本のプロ野球、Jリーグというのは、コアなファンはいるものの。ここまでストリートのファッションにはなりません。

 人権、個性化と言われながら、日本人は、流行、大衆に流されやすいのです。みんながやっていることが、正しくカッコいいと思い、巧みなスポーツビジネスに知らず知らずに搾取されているのがわからないのです。

 世界のどこか別の国に、TOKYOとかロゴのはいったユニフォームや帽子がバカ売れし、埼玉西武ライオンズとか、福岡ソフトバンクホークス、浦和レッズ、名古屋グランパスといった帽子やユニフォームを着て街を歩く若者たちがいるでしょうか。

 前にも書きましたが、グッズだけではなく、もっと大きな放映権料も莫大になり、日本人だけがたくさん支払っております。

 こちらはNHKの受信料に反映するものですし、タダで見れると思われる地上波民放にせよ、スポンサーが自社の商品やサービスに転嫁して、実質は庶民が負担しているのです。

 飲料だけ見ても莫大な金額をCMモデルのタレントやアスリートを使っています。そんなに宣伝費使わずに同じクオリティで価格を抑えた商品があれば買うべきだと思います。

 その価格の原価以上の部分が、日本の社会に上手く分配されずに、多くはフェアトレードでなく、海外の大企業、ブローカーのような広告会社に流れてしまうのが残念です。

日本はアメリカの30分の1のままでいいのか

 今年も、日本のプロ野球から三冠王経験の村上選手や、巨人の主砲岡本選手、パ・リーグを代表する好投手今井選手らがメジャーリーグに行きます。

 毎度驚き不思議なのがその年俸の高さです。大谷選手の数十億も別格ですが、日本のトップクラスで1億や2億の年俸だった選手が20億や30億の契約です。

 日本のプロ野球ってWBCでアメリカに勝って世界一、今度も勝つと騒いでいるのでは?もちろんメジャーに行った選手も含めての代表でしょうが、この待遇格差は何で?これじゃ、誰も日本のプロ野球にずっといたいと思うスポーツ選手はよほどの飛行機嫌いしかいなくなりそうじゃないですか。

 なぜこんなにアメリカと日本の野球選手の年俸に格差があるのか。日本プロ野球界は格差を埋める努力をしているのか。

 格差の原因は調べるといろいろ書いてあり、訳知り顔で解説されてるのですが、どうもしっくりきません。

 アメリカは国土が広く人口も多く、経済もデカい?

 でも、人口ってせいぜい3倍、メジャーのチーム数30チーム、日本の2倍強。面積が広いといっても移動に飛行機使うだけで球団のコストがかかるだけです。

 アメリカは本場だから凄く野球人気があるかと言っても人気はアメフト、バスケ、アイスホッケーに分散されてるし、時折見かけるスタンドってドジャースホーム以外はガラガラもよく見かけます。

 調べてみると、一昨年の世界のプロスポーツ最多動員はドジャースですが、2位に阪神タイガースが入り、5位が読売ジャイアンツです。最近はパリーグ含み消化試合も動員が多くどこも盛況です。

 確かに外資系の業績反映の給与体系の企業は日本企業より従業員の所得は多くヘッドハンティングもされ、優秀な学生やキャリアも集まります。しかし、業界としてそれほど個別企業の業績に差がないのにこの年俸の差には呆れ、手をこまねいて放置する方にも情けなくなります。

 何でこんな差が生まれるか、最終的にもこれだけというのはないのですが、大きな一因として、テレビの放映権やグッズの売上のロイヤリティなどをメジャーが一括管理して分配しているからだと書かれてます。

 ケーブルテレビでサブスクの下地があったアメリカだからと言われますが、それが主因ならもうちょっと頑張ったら日本もだいぶ落ち着くんじゃないかと思うのですが、情けないけれどやる気がないようです。

 地元テレビ局との関係にこだわる球団が一括に反対しているのもあるようですが、そういう人たちはこのままの日米格差で良いのでしゃうか。

 参加選手や代表資格で何かと物議を醸すWBCですが、これも120億だとか放映権料をぼったくられます。全てメジャーリーグの収入でメジャーリーグの宣伝をして、日本プロ野球には分配はありません。日本企業は協賛してチケットを広告の景品にする程度、どちらにせよバカ高いチケットと放映権料は最終的に日本人の負担でなりたちます。

 通常シーズンのメジャーリーグの放映権もオオタニさまさまで、どんどん跳ね上がってます。150億とも200億とも言われます。NHKの受信料収入が5900億ですから、割引してもらっても、かなりの比率です。

 日本ではサブスクの意識が高齢者を中心に低く、NHKの受信料を納税義務のように支払い、ただで放送を見るのが当たり前と思っています。

 WBCもメジャーリーグや、サッカーワールドカップも配信会社が独占と言うと大騒ぎで反対し、NHKが放送してくれるとホっとする人がいますが、野球やサッカーが好きでない人もいます。スクランブルをかけ有料契約にしても良いはずです。

 野球の実質の世界選手権とはとても言い難い参加選手の編成で、世界一のタイトルさえ取ればいいと騒ぐエキジビション大会に大金などかけることは要らないです。

 ナショナリズムをかき立てられますが、アメリカが本気になったら勝てないのも内心わかっている心理がまた不思議です。メンバーが揃わないとか連係プレーの練習もままならないぐらいの選抜チームだから勝てるという考えは、本当のフェアな意味での強さとか世界一なのか、良く分かりません。

 メンバーさえ本気で揃えれば、勝てるなんて囁かれる大会が面白いのかと言うと疑問です。

 メジャーリーグは商売上手で、放送権料や看板広告も日本からぼったくって儲けてる訳で、それが国益も国力も削いでいるのです。

 別に毎日メジャーリーグ見たい人は個別に契約してもらってけっこうです。ニュースや災害情報だけは無料、ドラマだけ、歌合戦だけならそれぞれ契約でいいと思うのです。

 少なくとも、この30倍という年俸の差を日本人は屈辱だと思い、思考停止から脱却して、差を縮める努力はしないと、軍事でも経済でもアメリカになめられっぱなしです。

 

 

 

下剋上ありの優勝戦だから面白い

  年末というと昭和の昔はレコード大賞、歌謡大賞とかの1年の歌謡曲のトップを決める番組が人気でした。

 音楽の多様化が原因なのか、そもそも楽曲に優劣をつけるのがおかしいのか、ヤラセなのが飽きられたのか、人気は無くなりました。年末の歌番組としては総括した歌謡祭的なものや、紅白歌合戦が何とか残っています。

 お笑い、漫才の頂点を決めるというM-1グランプリも波はありましたが、今年の年末も盛り上がっていて、なかなか面白かったです。若手人気漫才師たちが賞金1000万円と名誉を目指し、本気で勝負しているのが伝わります。

 たかがお笑い、漫才であり、それこそある程度の忖度や筋書きはあるとは思われます。しかし、スポーツでもなく、競技でもない芸能の1ジャンルが、なぜか人を引きつけます。ガチンコの真剣勝負が展開され、実際になかなか計算され練習したお笑いとしての面白さとともに、勝負としての面白さもあります。

 一度決勝までに破れた漫才師が敗者復活で勝ち残った下剋上の年もありますし、今回もファーストステージで断トツで最終3組に残ったのに、最終決戦では一票も取れずに優勝を逃す予測できない面白い展開でした。

 このレギュレーションが絶妙なのかもしれません。今人気者のサンドイッチマンも敗者復活で勝ち上がったパターンで吉本でもないどちらかというと弱小事務所所属ですから、出来レースではないガチンコな勝負でした。

 レコード大賞は衰退しましたが、プロスポーツ、他の芸術の映画だとか、文学、音楽、絵画などでも優勝や年度の賞が決められます。

 それぞれに評価のしかたや、決勝、優勝や1位の決め方、審査や発表も違います。スポーツ番組のようなイベントになるものとそうでないものがあります。やはり、ヤラセや忖度で決まったドラマ的なものよりも、実力者が真剣にぶつかりあい雌雄を決する真剣味に人気が集まり、その賞やチャンピオンシップに権威が保たれいると思います。

 プロレスや総合格闘技も大相撲も栄枯盛衰があり、一時は国民的人気があったり、大晦日に特番もやる人気コンテンツでしたが、やはり筋書きやレギュレーションにヤラセが見えてしまい人気が落ちました。

 そういう面では、野球なんかも今のオオタニ人気にあぐらをかいてるとダメです、クライマックスシリーズなんかの解かりにくいレギュレーションでは衰退の恐れがあります。

 クライマックスシリーズも日本シリーズも下剋上ありのその時点での最強がガチンコでやるところを見せないと、やがてスターがいなくなりレコード大賞のように凋落すると思われます。

 昭和の歌謡曲もプロレスも好きだったのですがね。

 

 

マラソン大迫がハンパない

 マラソンの大迫傑(34)選手が、この12月7日バレンシアマラソン日本記録を2時間4分55秒でまた更新したニュースには驚かされました。34歳でキャリアハイたけでも脱帽ですが、2時間5分をしれっと切るタイムには恐れ入ります。

 1964年の東京五輪や次のメキシコ五輪など、国民的注目のスポーツだったマラソンで、円谷幸吉や君原健二は誰もが応援していました。

 その後も瀬古利彦や宗兄弟が期待された時期もありますが、多様なスポーツが発展する中、マラソンは少しマイナーな地位に甘んじていました。私が勤めていた会社も駅伝やマラソンの活躍する選手がいる陸上部がありましたが、日本記録を出しても地味な扱いでした。

 令和になろうかという時、日本の男子マラソン復活に1億の賞金を協会が用意して、その条件の日本記録を更新し、2度もゲットしたハンターのような選手が大迫傑です。

 その大迫も東京五輪ではメダルを取れず2021年に引退し、解説者になっていました。

 ところが、翌年には現役復帰を表明し、所属などの環境を変えて、なんと3度目の記録を更新したのです。

 2時間10分を切れば好記録だった時代からは、ウエアやシューズももちろん、育ち方、鍛え方やトレーニング方法も変わってきているのでしょう。

 しかし、トップアスリートが引退する30代半ばで、復帰してのこの記録、人間はまだまだ早く走れるものかと感心しました。

アスリートを応援するファンなども、トップアスリートが少し衰え、期待に応えられなくなると、応援をやめてしまいがちです。チームスポーツなどでは、特に年俸の高いベテランが足を引っ張ると戦犯でリストラ候補です。

 期待と推しの反動で挑戦をあきらめる「もうトシ」という空気ができてしまいがちです。

 推しでもないので、大迫傑選手の詳しいことは知らないのですが、人間の筋肉や脳は強化され、経験を積むと進化し続けることを証明してくれたとは思います。

 

 

Jリーグも観客動員最高更新して終了

 1993年華々しくスタートしたJリーグ、バブルが弾け低迷期、コロナからも回復してJ1過去最高の800万人の観客動員で2025年シーズンが終わりました。

 NPB.日本のプロ野球も一足先に、ポストシーズンの日本シリーズも含めて終了し、こちらもセパとも過去最高の観客動員だったようです。

 チケット代金や飲食も値上がりしている中、グッズもよく売れてビジネスとしても成功しています。Jリーグの理念、地域の活性としても成功しています。パ・リーグなども昭和の時代はガラガラでやっていました。セ・リーグでさえ、巨人以外の球団は巨人戦と優勝でもかからないと、満員になることもなく、余裕で当日チケットを買えました。

 パ・リーグの最下位のチームや優勝の可能性の無くなったサッカーの、いわゆる消化試合のチケットが取りにくく、何万人ものファンが集まりユニフォームに身を包んで応援するなど、昭和、バブル期でも考えられないことでした。

 景気が悪い、物価が高いと言いながら、スポーツ観戦、推しの趣味にはお金を使う心理なのです。

 一つにはマーケティング手法、消費者心理まで研究した経営戦略が身を結んでいるのでしょう。

 景気が悪く、ストレスが多く、自分の身の回りがままならないほど、スポーツや娯楽で発散する行動なのでしょう。

 ロサンゼルスまで行っての大谷さんの応援ツアーが売れるのも、何ともうらやましいようなビジネスです。

 なけなしの大金はたいて生活の困窮してたら、合法的ですが、お金の減り方は悪質な詐欺商法と変わらないくらいです。

 オリンピック含めて、スポーツに熱くなりすぎない人は、その分は少なくともお金と時間が貯まる気がします。

記録なのか記憶なのか

 日本プロ野球界に長嶋賞創設と報道されました。長嶋茂雄さんの名前が打者版の沢村栄治(戦前の名投手)賞のような強打者に与えられる賞に設定されるようです。

 記録だけで言うと、三冠王を取り、タイトルを何度も取ってホームランの世界記録を塗り替えた王貞治の方が実績があります。

 しかし、ONと言われ王と長嶋が並んで戦後のプロ野球人気を引っ張った中で、人気は長嶋が上だったのでしょう。

 背番号3は私らの少し上の世代には神様、圧倒的な人気でした。

 ひたむきでかつ華麗なプレイの長嶋は人々の記憶に記録以上に残ったと言われています。

 記録も記憶も実は似たような言葉です。

 野球は個人記録が多く作られるスポーツです。盗塁や犠打など比較的地味なものや、連続の安打や奪三振、出場などもカウントされています。打率や出塁率、防御率、勝利やセーブの権利など計算したり、公式記録を待たないと分かりにくいものも多くあります。

 最近はメジャー流のサイバーメトリックとか、表彰はなくてもさらに実績や貢献度が細かく評価される数値が出ています。

 私たちが仕事をする上での個人の人事評価、企業の業績の評価も、時代とともにだんだん複雑、多面的になってきています。

 昔は売上目標だけだったのが、利益、キャッシュフローなど財務指標も複雑になり、目の前の〆切りや決算だけでなく長期的に見る貢献、サステナビリティの評価も入ってきました。

 プロ野球で記録のための小手先の争い、忖度や率を守るため試合に出ないなどというのは、決算のための粉飾を想起させます。

 プロスポーツや芸術、芸能は特に魅せることでお金を取っているのです。確かにホームラン王などのタイトルを取ると箔がつき、見に行きたいと思います。文学賞を取ったとか、音楽の賞も、それならいいものかと思います。

 しかし、少しその分野を眺めると、必ずしも賞を取ったから優れているとは限らないのです。

 プロ野球などのMVPや新人王もそうですし、多くの世間のタイトルや賞も、大人の世界、お金が動く政治的な裏のあるような決まり方があるのは、よく知られているでしょう。

 単に年度だけ取っても、豊作というか競合が多い年度と、そんな厳しい年なら獲得が難しいレベルの人が楽に受賞できる場合もあります。ホームラン王はや新人王は逃したけど、別の年なら楽に取れる記録だったという場合です。

 記録より記憶というのはそういう面でのフォロー的な言葉かもしれません。

 昔は権威があったけれど、今はそうでもないものに、歌謡界のレコード大賞や紅白歌合戦出場というものがあります。昔は年末大晦日の国民的行事でしたが、特にレコード大賞の権威失墜は顕著です。

 社会や音楽の変化もありますが、元々歌謡曲に一等賞を決めるとか、勝敗を決めるのがおかしいということにも、気付かれ始めたのでしょう。過去の大賞曲には名曲もありますが、時代を代表し、今もよく聞かれ、歌い継がれる曲が受賞していない場合も多いです。

 それを思うと、いろんな部門で今だに騒がれる◯◯賞なんて大した権威でもないのです。映画や音楽、絵画、文学など全てに今だにありがたがられる賞があり、それを目指す人々や支える層は厳然とあります。

 ノーベル文学賞なども、毎年日本の誰々が候補と騒がれますが、何が基準でどう選ばれるか、さっぱりわかりません。選ばれたら、日本人として嬉しいという気持ちは理解できても、文学としてそれが多額の賞金を貰って権威となるのは、貰えない人にとっては不思議を超えた理不尽なものです。

 賞や記録が全てではないのは、その世界でやっている人が実は一番よく知ってるはずです。記録でも記憶でもない何かが大切なのです。

プロ野球、CSは要らない?

 昨日パ・リーグのクライマックスシリーズ最終戦でソフトバンクが日本ハムを下し、阪神と日本シリーズで対戦が決まりました。一足先に阪神はクライマックスシリーズでDeNAに全勝して進出を決めています。

 リーグ優勝チームがともに日本一を決めるシリーズ出場でホッとしている方も多い半面、昨年のような下剋上がなく物足りなく、寂しいという人もいるでしょう。

 関西の阪神ファンは、あれだけのゲーム差をつけて優勝しているので、クライマックスシリーズは要らないとか、もっとアドバンテージをつけたらと思っていたでしょう。そんな阪神ファンにも昨年は、独走優勝した巨人をDeNAが倒しザマミロと感じ、日本シリーズも優勝した時は快哉した人もいるでしょう。

 昨年はリーグ優勝が巨人で日本一がDeNAという、じゃあどっちが強かったのというツッコミが入り、やはりクライマックスシリーズは要らないとか、おかしいという話が出ました。

 興行的には、消化試合が減りリーグ戦の終盤も優勝争いと、クライマックスシリーズ進出争いで2回盛り上がりがあり、今さらなくすことは難しそうです。

 メジャーは、リーグ優勝決定シリーズと銘打って、地区優勝決定シリーズとともにポストシーズンと言われています。

 アドバンテージや開催場所や試合数等のレギュレーションは別にして、私はクライマックスシリーズという名前ではなく、メジャー同様リーグ優勝決定シリーズでいいと思います。

 長い公式戦リーグの1位の価値が失われると反対の意見が多いようですが、日本シリーズはセ・リーグとパ・リーグの優勝チームが争うべきだと思っています。

 いずれにせよ、シーズン終盤の短期決戦に勝ちきれるチームが優勝となるのですから、公式戦1位はそれなりに賞金などで讃え評価はすべきですが、リーグ優勝は決定戦で勝ったチームとすべきです。

 それより、もう一つの日本プロ野球の大きな問題、こちらの方が将来的にもずっと大きいのですが、チーム数が少な過ぎるのです。

 6チームで半分が優勝決定シリーズに出れる数では、課題が多すぎます。長いリーグで優劣、相性も明らかで、試合としての新鮮味は全くありませんし、片八百長や忖度が生まれて当然の馴れ合い世帯と見られてしまいます。

 これだけ、野球がまだまだ盛んな日本ですから、もっと新規参入を簡単にして、フランチャイズで各地にチームがあるようにして、ファン層の底辺の拡大につなげればよいのにと思います。

記録達成と引退試合、プロ野球の秋

 プロ野球は優勝もCS進出もすべて決まった9月の最終日のいわゆる消化試合でしたが少し注目がありました。

 東北にいた時に産声を上げたので気になる楽天イーグルスの元選手2名。一人は昨年まで在籍の田中将大が、ようやく中日相手に今期3勝目を上げ、日米通算200勝を達成しました。

 先発完投の時代には300とか400とかの記録もありますが、現代野球では、かなり難しい記録になっており、しばらく現れないのではとも言われてもいます。

 東北のファンにとっては、震災の翌々年に無敗の24勝でイーグルスの初優勝、日本一にも貢献したマー君は、やはり忘れられない英雄です。

 優勝決定の最後の場面が印象に残りますが、そのイーグルス日本一のシリーズMVPは、2019年にはFAでロッテに移籍した美馬学投手で、奇しくも昨日のロッテ対楽天戦が引退試合でした。

 美馬投手は、輝かしいとまではいかない成績で二桁勝利が3回だけ、現役14年通算で80勝88敗、渋いけれどここ一番に頼れる印象的な投手でした。

 引退試合も、そのマー君はじめ両チームの元同僚、関係者からビデオメッセージがオーロラビジョンに映され、感動的なものでした。

 レギュラーシーズンなので試合は1回の表に打者一人を相手にするだけのお約束、その先頭バッターに楽天は戦友のベテラン今期2000本安打で名球会入りした浅村栄斗を起用し、完全なボール球をフルスイングで空振り三振でした。

 プロ野球って、やはりこういう演出ができるのです。消化試合といえども、同じチケット代金の公式戦です。美馬投手もオオタニさん好きな方には無名かもしれませんが、ファンには感謝、感動の試合でした。

 実はアマチュアとプロの境目、真剣勝負とショーの境目は極めて曖昧です。ファンにとってワクワクするような対戦を見せ、素晴らしいプレーを見せるのがプロスポーツです。

 衰えたといえども、ベテランのスター選手が登場して、勝つためだけなら、実力派で伸び盛りの若手がいる選択もあります。

 勝つためには、ホームランよりも、バントで手堅くという試合でも、ファンが◯◯選手のホームランとその後のパフォーマンスが見たいのなら、そうすべきなのがプロ野球です。

 勝敗とともに、魅せることも両立させるのが、プロのアスリートなのです。

 しかし、かつてヤンチャな無双を誇ったマー君も、もう36歳で現役崖っぷちという居場所で、その最盛期を知る人の割合も減っているとは、時代の流れです。