公務員共済はなぜ別物なのか

 私も 社会保険の仕事をする前は良く分からなかったことが多いのですが、一般の方も誤解されている方がたまにいるのが国民健康保険、国民年金と公務員共済のことです。
 国民年金と厚生年金、国民健康保険か協会健保・組合健保と書かれていると、「国民とつくから国がやっているのだろうから、私の夫は国民〇〇の方だろう」や「会社で入るのは厚生年金だから私の父は国民年金かな」という誤解です。
 まずはざっくり、国民年金や国民健康保険は、自営業、農家、フリーターなどサラリーマンや公務員ではない人が入る国が運営する制度です。会社に勤めているサラリーマンは年金制度は厚生年金で、健康保険は大企業は組合健保、その他の企業は協会けんぽです。公務員が入っているのは、公務員共済という制度です。言葉としては共済イコール保険ですが、この公務員共済には「年金(長期共済)」「健康保険(短期共済)」「雇用保険(退職等年金)」が含まれています。
 社会保険の知識やら質問の選択肢が足りないのと共済組合という言葉がやや難しいからの誤解も多いです。
 さらに、年金は最終的には一元化されたと言われ厚生年金と同じよう受給期間を計算されるので、国民年金と対比して言えば大まかには厚生年金のグループですからややこしいです。1階の基礎年金の上にある2階建ての部分です。また年金と雇用保険の共済は、パートでは入れない制約もあり公務員でも契約社員は「雇用保険あり、厚生年金」という場合があります。健康保険は共済の場合と協会けんぽの場合があるようです。
 公務員共済に加入できるのは原則、完全フルタイム勤務の公務員
厚生年金に比べ、公務員共済の加入要件は独特のものになっています。
厚生年金では、
①1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。
②1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること。
という2つの要件に該当する場合、事業主は従業員を厚生年金に加入させる義務があります。
もっと具体的に言うと、週40時間労働の会社であれば、概ね週30時間以上、週35時間労働の会社であれば、26時間15分以上であれば、厚生年金の加入を考えないといけません。
これは労働契約であって、パートタイマーやアルバイトなど、どんな雇用形態でも、その契約内容の如何にかかわらず、労働時間が上記の基準を超える場合は加入しなければなりません。
しかし、公務員にはこの基準は適用されません。
 先ほど述べた通り、市役所勤務でも厚生年金に加入されている知り合いがいたり、市役所退職後に市役所再就職で「厚生年金扱い」で働いている近所の方がいたりと、公務員共済については私も基準がよくわからない状態でした。
 この12月から私もひょんな経緯で事務補助員待遇から事務官となったため、厚生年金から国家公務員共済となり、年金は共済、雇用保険は外れて退職等年金掛金と呼び名も変わります。

 しかし、この立場でやはり思ったのが、公務員共済と、年金機構のつながりの悪さ、マイナンバーカード制度でデジタル化とも言われているのに連携や記録反映の遅さ、不明さです。
年金機構の人でも、共済に詳しい人は限られるのです。ほとんどの期間が公務員の方は未だに共済組合から請求の手続きをされますし、一時的に共済期間があった方は見かけ上「消えた年金記録」!になりやすいのですが、1年に1度誕生日の前々月には両者の記録の情報を一元化して整合をするのです。しかし、これも60歳まででねんきん定期便に反映させるためで、受給見込みをわかりやすくするためです。
 逆に言うと、公務員に就職した直近はなかなかデータが反映しないのです。公務員はそれだけ秘匿性の高いものなのか、新卒でさえ半年かかるのです。健康保険の方のマイナンバーカード連携も、他の健保や国保に比べ遅いです。国がやっている事業なのですが、このあたりはブラックボックスです。
 感じるのは国家公務員の上から目線です。
 

年金制度ムズカシ過ぎ、停止者には敬意を – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

頭の良い人は人生何周目か?天命か

 大手化粧品メーカーを定年まで勤め、その後は年金事務所を中心に社会保障、厚生労働の公務を4年、その後現在は裁判所で司法系と方向の違う仕事をしています。こうやっていろいろSNSでノマドもやっていると「器用ですね」「私は今の仕事以外、他のことはできない」と言われる人もいます。
 今、ドラマなどで流行りのタイムリープものだと、「人生何周目?」みたいに言われますが、自分では不器用というかとてもそんな偉いものではありません。
 医者や学者になったとか、大会社の社長になったとか、司法試験やら難関資格を突破した人を見ると、その記憶の良さとか理解力こそ「前世の記憶」「天命」でもあるのかと思います。あるいは企業勤めから、自営に転じて家業を拡張とか、議員やアーティストに転じている人もおり異能に関心するばかりです。
 私の場合、集中力が長続きせず、記憶容量も小さく、意識が散乱・発散するのでケアレスミスは多いでし、飽きっぽいので2級ぐらいまでの資格が精いっぱいでした。今身近におられる裁判官の方など、日本でも最難関の司法試験に受かり、その中でも難易度の高い裁判官に就かれていることにはただ感心するのみです。もちろん見かけも含めてある意味では普通の人なんですが、やはり「天命」を背負ってなのでしょう。

 私に関しては60歳過ぎての働き方に関しては、特に志が強かったものではありません。ただ、興味があった新しいことに機会があればチャレンジしたかっただけです。その世界に何十年もいる人にとっは新参者でわきまえも常識もないアウトサイダーです。
 それでも新卒からの勤めと違い、ある意味「絶対辞められない」というプレッシャーのようなものは減って、慣れない仕事そのものは大変ですけれども、肩の力は少し抜けた感じの気楽さにはなってきています。
「社畜」とか「仕事中毒」というのは、本当に立場変われば抜け出せないのも良く分かります。私も若い頃、長いこと、クソみたいにブラックな会社で、さらにそんな中でも汚い上司にこきつかわれました。
 時間が限られているのだから、若いうちにもっとうまくやれたこと、主張したり、要領よく立ち回れたのではと思うことはあります。
 お酒の付き合い、ゴルフやギャンブなどの遊びの付き合いも本当に下手で不器用でした。50歳過ぎてから、ようやく美味しい店を見つけることは上手くなりました。
 60歳を過ぎ、転職して全く知らない人の中で、知らない仕事をするのに関しては「面白い」とだけ無邪気に妙にポジティブに進みました。最初は特に失敗ばかりでしたが、それもまた新入社員、雑巾がけを味わう、マゾではないけど、真新しい自分の能力を発見できる楽しみのようなものがあります。
 学生とか、まあ社会人になってもですが、英語とか簿記とかパソコンとか勉強したものを職場で役立てる機会とかシチュエーションは限られます。あっても競争が激しく他の人がやっているとそれ以下のスキルだとか、その組織では永遠にその勉強は無駄になりかねません。簡単に異動なんて無理な場合もあります。
 2周目の人生とか器用と言われるのは私の場合、何となく好きで勉強したり、いつかは役立つと信じ資格をとったり一見「無駄」をしてました。経験して引き出しを多くしていたものが、ここへ来て回収されるように役立っているような気がします。
 取れなった資格の中に「図書館司書」というのがあります。本が好きなので図書館への転職も考えてチャレンジしました。ところが、この資格は簿記や宅建などに比べ合格率は高いのですが、学生時代には取っておかないと、再入学して講義を受けないと取れずお金と時間が必要です。私は本は好きですが、図書館の中の仕事をずっとするのは合ってなかったとは思います。
 これはまあ、運命というのかやはり私にとって図書館は、趣味と勉強、癒しの空間で仕事場ではないという「天命」なのではと思います。

 勉強とか経験、失敗っていいよなあと今になって思えるのです。2周目なのか1周目かそれとも3周目以降かは知りませんが、一度の人生でガチャガチャいろいろできることを辛さも含めて楽しんでいます。
 
 

年金制度ムズカシ過ぎ、停止者には敬意を

 2024年度4月から、少しだけ支給金額や、厚生年金の加入要件が変わり、在職老齢年金の停止額も変わりますが、マイナーチェンジであり来年の答申で2026年度からは大きく変更が予定されているようです。
 ネットを見ていても、年金に関しては「わからない」「難しい」のさまざな問合せや説明があります。それにしても、私も3年ほど年金機構の直轄年金事務所にいましたが、制度の煩雑さで問合せが多く説明の難しいことが多い職場でした。
 国家公務員であった組織を公務員みなしに替え、年金問題を解消して制度への信頼を取り戻すための組織変更でできた機構ですが、官民どっちつかずの宙ぶらりんな組織になっています。
 年金機構から送られてくる、資格や給付に関する案内、正直言って情けなくなるほど、「悪文で、言葉も難しく、難解」なのです。機械的に文言を当てはめた難解な文章で、未だに昭和61年に厚生年金に統合された「船員年金」などの文言がくっついている割に、常人には理解しがたいものです。
 過日、私のSNSでも少し厳しい言葉を投げましたが、在職老齢年金を支給停止する際に、あまりにもリスペクトがない、失礼で機械的な文言と対応なのにもあきれました。一定以上稼いで働いたから反則、犯罪でも犯したような印象です。
 「わからなかったら、事務所に来るか年金ダイヤルに電話して来い」これではまるで国民をバカにした横柄な姿勢です。
 お客様に合わせて、窓口の接客や電話の対応など、当然分からないから問い合わせも増えます。「わかりやすい文言で」と組織内の対応マニュアルには書いていますが、そもそも社会保険の言葉が難しいい上に、制度も良く変わるので適用も計算も煩雑です。
 
 その上で、巷にも「繰り上げ繰り下げ」「年金支給停止、税金や保険料負担の【〇〇万円の壁】対策」いろんな玉石混淆の情報が流れます。
 そもそも何歳から貰った得だ損だというものはありません。法律に触れないからと言って、それほどお得な裏技も存在しません。
 そんな情報が錯綜するだけ、年金制度自体も迷走しているのと、何だか年金を貰う人が肩身が狭くなって申し訳なくなるようなスタンスはどうしたものかと思います。
 
 厚生年金を長く収めた人が、今の時代高齢でも働いています。働くことを片方では勧奨しておきながら、一定以上に稼げば支給を止める。働かずに貯金で食いつなぎ、繰り下げをした方は年金が増えるなら、高齢者の就労意欲など、奇特な人以外無くなります。財政が厳しいから適当に働いて食い繋げという感じです。
 いくら年金財政が厳しくても、目先の給付を惜しみ、働く人が減れば結局保険料は入ってこないのです。
 ある方も言っておられましたが、在職老齢年金の支給停止は直ちにやめるか、せめて停止した人には財政協力の意味で感謝状のようなものでも贈ればと思います。そういうスタンスがないことで、古い権威主義にふんぞり返っているので、年金制度の理解も協力も得られにくいのです。

明日から新年度となります

 近所の公園や川沿い、学校などのソメイヨシノがまだ咲いていない珍しく遅い桜の開花時期というこの春です。それでも明日から否応なしに4月、新年度です。
 年度が変わっても、あまり影響の無い人もいらっしゃいますが、季節と同じで社会も確実に変化を迎えます。
 学年の同窓たちは、また一つ誕生日毎に年齢を重ねていきます。
 明日の新聞では教員や公務員などの人事異動だけでかなりの掲載があります。民間の企業の入社、異動を含めるとかなりの数の人が新天地、新たな学校、学年、組織に変わるのです。
 私の所属している裁判所で仕事をされている人びとも、裁判官、事務官など全国で入れ替わります。


 社会全般で、公示されている法律の改正、制度や基準も年度で変わるものがあり、ほぼ全ての人に大小影響があります。
 話題になっているところでは労働法で、残業労働時間の業種、職種での暫定猶予が終わり、運転手や建築作業の業界が、人手不足や配達・納期、工期の遅れが懸念される2024年4月問題があります。お医者さんも対象です。すでに対象なのに現実は上限超えでブラックのままという業種、職場もさらに厳しく処分されそうです。
 働く側からはサービス残業、サービス休日出勤が当たり前で、有給も産休も育休も取れなった昭和から見ると隔世の感ですが、それはそれで経営や管理側からは難しい面が多そうです。
 
 年金世代の私などの興味は社会保険ですが、年金も、給付金額が変わるのと、10月に向け厚生年金の小規模事業所でも短期労働者に社会保険加入が義務付けられます。
 これも経営者は負担でしょうし、最終的にはパートの人の年金は負担が減り貰える金額が増えるのでしょうが、大きく増えるものではなさそうです。
 年金を貰いながら働く人のいわゆる在職厚生年金も、支給停止額基準(標準報酬額+年金支給月額)が48万円から50万円に上がります。
 それでも、なかなか就労意欲の境目とは言い難く、高齢者に働いてもらうなら早急に撤廃すべきと思う案件です。

 遅い桜を今年はゆっくり愛でながらも、世知辛い慌ただしい4月になりそうです。

生活保護の誤解  物価高で誤った煽り報道

 厚生年金加入期間が40年近くあっても、退職金を65歳までに住宅ローンなどで減らすと年金だけで生活するのは確かにシンドイ時代になりました。
 光熱費や社会保険料がジワジワ上がるのも確かで年金は微増しても実質目減りです。年金は100年安心という話は、賃金が上がりインフレしてもスライドする年金支給は少し抑えて年金財政は破綻しないという意味であって、年金だけの生活はジワジワやはり厳しくなります。
 しかし、報道の中に失業などで厚生年金の期間が短く、国民年金中心の月5~6万の年金で生活している人が物価高の波に苦しんでいるという取材がよく出てきます。
 元々国民年金だけで生活するのは厳しいのは納得ずく当たり前の話のはずです。6万から健康保険を天引き。家賃を2万引かれ、光熱費を引いたら食費に回すお金がほとんどないと窮状を涙ながらに訴え、政府や行政の無策を今さら煽るのです。キャスターや経済評論家、弁護士などのコメンテーターまで、こういう映像の後、政治家や行政の無策を非難します。
 それはちょっと待ってください。国のセーフティネットはしっかり生活保護という制度があります。きめ細かく国民年金のみの生活の方は物価が上がる分は、支援金も給付しています。そしていざとなれば生活保護があるのです。

 持ち家があっても一定基準以下で贅沢をしなければ年金をもらっていても、生活保護の13万程度との差額は貰えます。
 そこらはしっかり周知することは報道の責任です。働けなくて本当に食費もないほど、苦しいなら生活保護の申請です。見栄などはらず、その前に身体でも壊してしまえば元も子もありません。
 憲法でも保証された健康で最低限の文化的生活は、残念ながら国民年金だけでは得られません。
 もちろん、生活保護は最終手段であり、それまでに働ける可能性がある、資産が売却でき支える家族がいたりすると認定はされえません。それでも仕事に就けてちゃんと高齢でも食べて入れるならいいはずです。
 また若い人が甘い考えで、年金なんて払わなくても、生活保護受ければいいとか、どうせそのうちベーシックインカムでみんな同条件になると思っている人もいますが、間違っています。生活保護は前述のとおり基準は甘くはないですから、楽に遊んでは無理です。またたとえベーシックインカムが実現しても、今までの制度改革を見ていると年金保険料を払った人には、しっかり差をつけた恩恵は設けられます。








30代、40代、50代。60代、65歳。さまざまな人生の扉

  サムネ写真は中村雅俊主演の「俺たちの旅」,昭和40年代日本テレビ制作の当時大人気だった青春ドラマのです。
 戻らない青春、若い日。子供時代のヒーロー、ヒロインが老い、亡くなりその度に悲しい気持ちになる世代です。それはしかたないことです。
 私と同年代、同窓の多くが今年から来年にかけ65歳という、また新たな人生の扉を開け、一つのマイルストーンを超えます。
 50代ぐらいになる方、30代や40代でも、また1年が始まり、4月が来て新入社員が来ると、10代や20代、子供の頃の若さは戻らないことを切なく感じるときがくるかもしれません。
 仕事を辞めるリタイアの時期や心身衰えた老後、これからの扉を開いた人生のページを真剣にやや重く考える時がくるのではないでしょうか。

 春がまた来るたびひとつ年を重ね
 目にうつる景色も少しずつ変わるよ
 陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く
 竹内まりあさんの2007年のリリース局「人生の扉」の出だしはこんな感じです。著作権の関係もあり、全部はコピペできないですので、この後は動画サイトなどで調べてみてください。大ヒットとまではいかないものの味わいのある歌詞で曲もいい、名曲で是非聴き直してください。
 この歌詞は気が付けば五十路になった女性視点で、サビは英語で10代~40代のそれぞれ、50代~90代の世代が良かったとか良いとか楽しめるとかいうエールを送る内容です。
 若い頃、輝いて楽しかったとその時代が一番と言う人も、いや年齢を重ねても捨てたもんじゃないという世代の意見もあるということです。
 高齢化社会を迎え、働き方もここ数年でも大きく変わっています。今年か来年で65歳を迎える人と今50代の人が迎える65歳でも大きく違うでしょうし、同じ世代、同窓でも個人によって大きく違います。
 今年65歳になる人でも、60歳で定年を迎えその後は年金などが主で働いていない人もいれば、この65歳で定年延長のゴールを迎える人も比較的多くおられます。あるいは自営や役員、定年のない仕事で65歳で年金資格はできてもそう働き方に変わりのない方が、主夫主婦も含めておられ、概ね3つのパターンからさらに細かく分岐します。
 それぞれ、入ってくるお金も、貯めているお金も違いますし、出ていくお金も違います。家族構成も全て違うでしょうし、毎月消費する項目も千差万別でしょう。そしてお金をまだ貯めて残したい人、死ぬまでに使い切りたい人、本当に十人十色、百人いても百通りで、それを一概に対症したお話はできません。
 思い出も、これからの未来も全て違います。
 ただ、今までの人生を否定することなく、これからの人生も怖れ臆することも嘆くこともなく、年齢を重ねたらよいです。それぞれの人生の扉が今年もまた開きます。
 社会を支えるような有名人になり、お金を沢山稼いだたんまり貯めた人間もおり、未だに社長や役員で稼いでる人もいます。
 かつては同じ学び舎で自分の後塵を拝していたのにとやっかみ嘆くとこも、そんな気持ちを今さら抱くことに意味はありません。同じようなのは学校の机とイスの大きさだけだったのです。
 格差はどこにもどうしようもなく表れ、それでもやがて死が平等に訪れます。
 死ぬことなんて、かっこよくもなく、コワイのは誰でもですし、お金も持っていけません。老いて、死んでいくのは誰にも公平に避けられない。今までの人生良かったと思う方が、幸せな顔で行けます。
 それぞれ人生の扉、丁寧に開き、開かれた人生のページ、大事な時間を過ごしましょう。
 
 

年金額上がります 保険料なども上がります

 4月からの年金支給額が厚生労働省から発表されました。物価や賃金の支給を鑑み微増しました。計算根拠も厚生労働省資料下記で分かります。

 まだまだ物価が上がり続けていいる感じはあり、野党やマスコミが「年金も下がり続けている」と内閣や行政を批判しますが、年金は少し遅れながらもこうして増えています。
 年金財政のため、若干は目減りしますが、働いていない人が現役の賃金よりも先に増えたり多く増えすぎてもそれはそれで問題です。
 その他、細かい計算をして、障害年金や年金生活者支援給付金などさまざまな年金額や福祉の給付金、手当も上がっていきます。詳しくは厚生労働省のHPを参照ください。

 もちろん現役世代の負担する年金保険料も上がっています。
 それと、これは私とその世代にも気になる在職老齢年金の停止となる支給停調整額も上がっています。

  65歳といってもまだまだ働いている方、特に継続雇用で仕事をしている方は賃金が下がっても、48万の壁にひっかかり年金が減額されていました。
 就労意欲を下げる点などからも問題だと思うのですが、この壁が48万円から50万円に上がります。対象者はそれほど多くはないでしょう。

 いずれにせよ、率や額を月額にすると小さいようで大きいものです。逆にいうと物価や賃金の情勢の変化に対して、何とかその影響を最低限にとどめるものです。

 少子高齢化で年金を支える構造も厳しくなる中、何とか仕組みを維持しているというところです。

 しかし、年金の所得代替率は微減していっています。絶対額もそうですが、年金だけでは暮らしにくい社会にもなっています。病気でもそうですし、家電や家屋の修繕買い替えなども急な多額の出費が心配です。食費や光熱費も、住居費、通信や交通費などあらゆるものが漸増しているのは周知のとおりですし、年金から天引きされる介護保険料や健康保険料も今年か来年に微増します。実質の年金の増額は個人や家庭にもよりますが微減と言う人も多いでしょう。収支を見直すことが必要です。

 

2024年に期す

 年が明けました。一つの節目としては、会計年度、学年やらの3月よりも1年の始まりを1月、元日とする思いの人も多いでしょう。大晦日から間断なく働く人、前後の休暇を楽しむ人さまざまに年は越しておられると思います。
 月並みではありますが、年が越せたことに感謝し、健やかに過ごせることを祈念します。
 齢、今年は誕生日の5月で65歳というまた一里塚を迎えます。同級の人達も60歳以降で働いた人も役員や定年がない勤めの方は期間満了、定年を迎える方もおられると思います。
 新成人が100万人、新生児が年80万とかの中、65歳を死なずに迎える世代は毎年180万人ぐらいいる計算になり、とんでもないことことです(統計局2022年から、少し統計値が違うかもしれません)
 若い世代に、世代間相互扶助やらの少子高齢化を理解いただくとともに、高齢者が経済的にも生き甲斐的にもしっかりと暮らした上で、社会で老害にならずにまだまだ貢献していかないと成り立たない国家なのだと、数字上も良く分かります。
 経済、ファイナンスのことや、IT、年金や社会保険、読書や調べもののリテラシーなど、ちょっとした知識でも少しでも役立てばとポストしていきたいと思います。
 

「税」語られない富裕層優遇

 清水寺の今年の一文字漢字は「税」でした。流行語大賞では増税メガネは外れましたが、増税への不満、減税への期待等、政治や社会への国民の思いがわだかまっているのでしょう。
 血税という言葉は、反政府政党が良く使うので好きではないですが、国民には憲法で納税の義務があり、汗水たらし働いて納める貴重なお金で「税」を納めます。

 国民が国家、社会への参画、貢献、明日への期待を持って、また、社会人の責任だと思わせる環境を作るのが政治ではないかと思います。今の状況はやはり多くの人が苦々しく感じているのではと思います。
 私は富裕層の社会保険料を、限度額を設けないで率で支払えば、社会保険の財源が随分安定すると以前のブログで述べました。

何なのかと思うこの格差 いらない壁 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

 この際、富裕層の負担を増やせば、海外に逃げられ日本の経済は停滞するだけだという意見もいくつかいただきましたが、少し誤解です。それは税率を上げるとかの問題で、社会保険料の提案をしているのは月130万でも1億でも同じ最高の標準報酬月額にせず同じ10%にしたらということです。
 所得税は40%で額ではなく率で上限ないわけです。社会保険料の10%などしれています。それを今は1%負担の大金持ちがいるということです。


 本題の税「所得税」の率も、実は富裕層を優遇しだしてから、日本の経済は低迷しだしたともいえます。他の国より税率が高いから日本の優秀な人材、多様な外国人がよりつかないとかが言わ日本にはお金だけで買えない文化、歴史、秩序、良い治安があります。むしろ税率以外の規制や、報酬を高くして、しがらみを撤廃して働きやすくする面ではなでしょうか。優秀な人材が流出しているのは税率ではありません。1987年~1988年の所得税率は8000万以上の収入で75%、その後のバブル期でも最高税率は5000万以上で60%でした。
 ところが最近はこの最高税率の額が下がり、2000万、1800万円の時代になり率は50%を切りました。2007年までは1800万円で37%、随分富裕層優遇で、低所得層はべつにしてある程度の所得で広く浅く税を取る感じです。その後、現在は4000万以上で45%。4000万円というと、プロ野球やJリーグではレギュラークラス、中小企業の社長さんでもザラにありますが、そこが最高でIT長者、前澤やホリエモン、アスリートのメッシや大谷翔平クラスやお笑いの大御所が10億稼ごうと45%です。
 確かに憧れはあるでしょうが、使い切れる額ではないので、名誉の評価と受け止めて、税でほとんど納めてもいいのではと思います。イチローが寄付したり、大谷が小学校にグラブを寄贈したりと美談もありますが、個人に委ねず税をしっかり納めるだけでもエライはずです。

消える年金 失業給付1円も貰ってないのに停止とは

 年金事務所に勤めて、その後労働局にも世話になりそこそこ知識はありながらも、この罠には怒りのあまり呆れるしかありません。
 64歳の年金受給者ですが、振込通知書を見ると、いきなり、特別支給の老齢年金が1カ月分無くなり、つまりは半額になっているのです。
 今は別の勤めについていて、所得はあるのでいきなりは困りませんが、失業手当を1円も貰わず、貰う手続きすらしていないで、求職の手続きをしただけで年金を止めるのはいかがなものかと思います。
 昔は退職金も貰い、年金も貰う人が、仕事をしなくても探すふりだけで失業給付も併給できた時代があり、それは貰いすぎという声が上がりました。それは分かります。それでも、失業手当を貰うとか、待機する手続きをした段階で年金が止まるなら分かりますが、同じハローワークで雇用保険被保険者証を使うとは言え、求職しただけで、年金が止まるのは迷惑至極です。

 私が怒ったのは、二つあります。
 一つは、この重要なことをハローワークの窓口できちんと説明されなかったことです。
 年金の説明資料には、上記のように記されてはいました。
 ハローワークの失業手当の説明会の資料の後半にも記されていますが、対象者も少なく詳しく説明されることはありません。あくまで失業手当が調整、停止されるのではなく、年金が停止するということです。
 65歳以上では、失業手当が元々給付されないので、この併給による停止はありません。高年齢求職者給付金は失業給付よりも総じて金額は下がりますので、併給が可能で年金は止まりません。高額の所得がある人は、65歳になる前に退職した方が、失業手当がたくさん貰えると裏技的に言われるのはこのせいです。こういう年齢の壁や収入の壁で、大きな差ができるのも知識がないと損をするという制度の問題です。
 法律を知らなかったから損をしたというのは、訴えても認められることはありません。役所などの窓口担当の説明不足の場合は責められても、根本は法律を変えてもらうように動かないといけないので、対象者受益者が少なく影響が少ない場合とても大変で厄介です。
 多くの政治家も役人も対象にはならずおそらく知らないでしょ。もっと難しい、貧しい人とかが騒がれるので、小さな改善はできないものです。