読みやすい 書評:中山七里「こちら空港警察」

 昨年上梓ながら、ペットの貨物輸送の問題、そして今クールのドラマでもあったテロの空港占拠などトレンドを先取りしています。
 社会派問題は深くはなく、中山千里ワールドの新キャラのミステリ連作短編集で、とにかくサクサク読めるリーダビリティだけは好評価できます。もちろん軽い。
 成田空港でGS(グランドスタッフ=空港業務スタッフ)として働く咲良視点のお仕事物語とミステリ&サスペンス。
 そういえば姪っ子が、関西ですがこういう仕事していました。
 空港警察に先月から着任したばかりの仁志村賢作が行動型探偵役のキャラミス。著者の作る暗い過去を持ったエキセントリックな人物だが憎めない。その能力はお決まり事のように常人を超えて、期待通りに事件を爽快に解決していきます。
 暇つぶし?にもならないぐらいすぐ読めてしまう。

津波が10年で流したもの 書評:津波を乗り越えた町々

 2021年の上梓なので被災直後から10年、津波の被災地を追った写真集です。復興は徐々に進んでいるとも見えるし、まだまだ全然とも言う人もいるでしょう。
 ある図書館の内容紹介では『一人の写真家がファインダー越しに見つめ続けた、東日本大震災の被災地の十年-。撮影総枚数15万4937枚の写真の中から、津波被害が甚大だった岩手、宮城、福島の写真を選び抜き、紡ぎ上げたルポルタージュ』とされています。カメラマンとして技術も含め、使命と情熱を持った良い仕事をされた本だと思います。

 東北という人口減少、少子高齢化の日本の中でも過疎の地域が多い中で、一部は復興を終えたところと、これから先が見えない厳しい状況の地区は多いのではと言われています。
 担い手やら子供が居なくて、産業や文化、インフラ、住宅地が放棄されていくところも当然あり、そこに全国からの復興税はじめ国費をこれ以上投入しても仕方ない判断が下されるのでしょう。
 仕方がないこととはいえ、津波がその時に流したものと、10年以上かかって人のあきらめで流していくものがるのです。

3月16日からの時刻表を見て 未来の日本

 駅の時刻表掲示板や紙で配られるポケット時刻表がどんどんなくなる時代ですが、マニアにとっては分厚い時刻表は必須の愛読誌です。私もさすがに毎月ではないですが、大きな改正がある春には買います。
 3月16日改正は北陸新幹線延伸が路線図に反映され、敦賀~福井は北陸本線ではなく新たにできた「ハピラインふくい」と石川県の部分は「IRいしかわ鉄道」となります。北陸本線とは「北陸」とは言え、米原から敦賀の45キロmあまりの短い区間になり、大部分が滋賀県で長浜以南米原までは愛称「琵琶湖線」ですのでもう改称してもよさそうなぐらいです。
 写真の時刻表もかろうじて三セクでJRのページのくくりには入り、普通電車の本数はそれなりですが、福井県内を乗り通す電車は少なく、サンダーバードやしらさぎ、かつては寝台特急まで縦横に走った優等列車は皆無となり寂しいものです。
 京阪神からはそれなりで東京から遠い北陸、福井県のこの交通体系の変革はどうでるでしょう。金沢延伸が成功のビジネスモデルでしたが、福井、敦賀というのは関西圏、中京圏に近かっただけに、東京一極加速の仲間入りを果たすのか、少なくとも福井と京都、大阪、名古屋は特急乗り換えで確実に運賃は上がり不便となります。
 富山、石川も新幹線ができ、関西からの乗り換え需要は減りました。その分東京からが増えてペイはできているのですが、今後も大丈夫なのかというのかという面と、関西が相対的な地盤沈下につながるのでは思います。
 そして、今回の能登半島地震とその後のインフラ復興の遅れで見られる、新幹線はあっても一部の恩恵はあっても偏りがあり、地域全体のインフラ整備など住民の環境、産業の活性につながっていないのではという疑問が沸きます・
 リニアも含めて、地方への新幹線は未来の日本にとって重要で必要だとは思いますが、環境も含めてその地方の経済を回しどう再生、活性化していくかを見極めて進めないとと思います。一時的に大手ゼネコンや外資はじめ東京の資本が潤い、地元に住む人の教育や、買い物、医療、住環境などが配慮され、この地域に住んだらいいなと思えるようにしないと、未来の日本はないのです。

日本の鉄道は150年やはりスゴイ

 昨年が日本に新橋~横浜に鉄道が走って150年ということで、いくつかの書籍が上梓されていました。
 写真も多く豪華な本も多いので、今年になって借りて何冊か読ませてもらいました。
 鉄道好きで、鉄道の番組もよく見ます。新型車両の紹介が話題になりますが、綿々と続いた過去からの車両やシステムの技術と先人の血のにじむ努力で築いた路線があってこその成果です。
私は理系ではないですが、蒸気機関車をはじめ、ブレーキのシステム、新幹線の進化などは趣味から学びました。素人が考えても日本の鉄道関係者のあくなき努力と英知にはすごいものがあります。鉄道会社の開発者、技術者は本当に時代を読み、経営者や市民のため使命感をもって仕事をされてきたのが、いくつの書籍や報道でもよくわかります。

 日本は明治維新当時世界の先進国から離れた島国で、機関車など最初はイギリスなど欧米から輸入していました。当然、コスト的にも割高で線路の敷設、駅や施設の工事にも巨額の資金がかかりました。初期の頃は近距離でも庶民の乗れるようなものではなく、とんでもない贅沢な乗り物でした。それが逆に転じ、狭軌で始まった日本に合った機関車を作成しはじめ、技術陣が形成されていくのです。
 そして、国産に頼らないといけない状況から、その技術陣は厳しい条件に中で様々な本家を上回るモノを産みだします。
 狭軌の限られた空間で効率的に作業できる蒸気機関車、カーブの多い山岳路線で乗り心地良く高速で走れる振り子電車などは、いかにも日本的に進化しました。
 戦中戦後の疲弊期を経て、高度経済成長の大量の物流と通勤輸送にも、求められる変化に対応して、迅速に新型の車両や施設を作り出したのが鉄道会社であり、その技術陣でした。大量輸送を、正確な時間と安全を確保しつつ、高頻度で実現したのは日本人の几帳面さと真面目さ、勤勉さが成し遂げた、世界に誇れる電車とその運行システムのスゴ技です。


 モータリゼーションの時代で、特に地方では相対的な鉄道の輸送機関としての地位は下がった昨今です。
 かつては機関区や貨物駅のある大きなヤードを持った鉄道施設が地方にもたくさんあり、転車台や、石炭や水の補給などの要員もたくさんいる鉄道の街とも呼ばれました。
 下手をすると令和の世では、そんな駅でさえ合理化で駅員がいるかいないかに成り下がり、ICカード対応機のみが寂しく立っているかもしれません。この省力化も日本の技術ならではです。
 駅員や乗務員が苦労して、手計算で発券しハサミでパンチしていた切符はもはや紙ごとなくなり自動発券の販売機さえなくなりつつあり、ICカードに淘汰されています。
 150年というと、本当にいろいろと栄枯盛衰があったはずです。
 近代史というにふさわしいボリュームです。

書評&映画レビュー 瀬尾まい子「夜明けのすべて」

 小説と映画イッキ見です。朝ドラファンにはこのお二人萌音と松村君、どこかで見かけたと思います。「カムカムエブリイバデイ」では二人は戦中に結婚して、すぐに死別する運命でしたが、こちらはさてどうでしょう。
 小さな工場のような会社が舞台で、月に1回のペースで訪れるPMS(月経前症候群)の影響で怒りやすくなってしまう女性藤沢さんと、如何にもやる気がなさそうで彼女に八つ当たりされる転職社員山添くん。彼もパニック障害を患い生きる希望すらも見失っていました。互いに恋愛感情や友情すらも感じていないのに、いつしか2人は互いの心の病を治せるのでは、それぞれに助けられるのではと思い始めるというハートウォーミングなストーリー。
 映画と原作は例によって、いくつか設定を変えてあり、想像できる事情で出てこないエピソードもあります。(以下ネタバレ注意)
 ただ、原作ではタイトルの割に気象に関しての描写がそれほどなかったのが、会社自体をプラネタリウムを作っていることにしたのは秀逸です。小説だと漠然と会社や工場で事務とかの描写で許されても映像だとそうはいかない部分でもあります。
 小説からはカットされたエピソードもそうですが、二人の人気俳優に過剰に配慮しすぎ、ここは減点大です。とくに松村君はイケメンでヘアスタイルもおしゃれなままで、前の会社への復帰意欲も満々に描いているのが少し引っ掛かります。病気の苦しみがあまり伝わらないところです。
 上白石萌音さんは好演だし、ハマり度は高い役ではあります。萌音さんは元々歌がうまいはずなので、歌唱のエピードを外したのは原作ファンには大いに不満でしょう。別に彼女が音痴を演じてもそこで評価が下がる訳ではないのに残念です。
 結末というか、エンド部分もだいぶ違うのは、ううん、さすがにネタバレ過ぎてこれはですが、そこも小説のエンドでいいように思えますがそこは個人の好みでしょう。

 人生は思っていた以上に厳しいものがあるけれど、きっと誰かの心を癒せる救いの道は残されている。本作はそんな持病を抱えたり、トラウマや負の心を抱いてきた人たちに送る、生きるのがほんの少しだけ楽になる、心が温かくなる物語です。
 
 それだけにもうちょっと、あんなに可愛い子やイケメンなら人生なんとかなるよと観て嘆きを感じる人がいれば元も子もないのです。俳優さんは宣伝やら美しい絵を撮るところはあっても、導入部などもう少し地味で汚しても良かったような気がします。
 有名な俳優さんを使うことで少しでも病気のことなどが社会に認知され、原作を読む人も増えればと思います。

死刑とは 書評:中山七里「殺戮の狂詩曲(ラプソディ)」

 以前は本格ファンにも人気で「このミス」上位の常連だった中山七里も、どんでん返しや叙述トリックのパターンは尽きた感じです。社会派テーマとキャラミス的なシリーズ探偵人気にシフト、ややパワーダウンはいえ安定した読み応えです。
 悪徳弁護士の御子柴が主人公の司法がらみということで相変わらずテンポも良く、サクサク読了しました。 今回の依頼人は老人ホームで大量殺人を行った男、相模原の例の事件を想起させますし、御子柴自身が神戸の連続幼児殺害犯が更生、成人した設定の弁護士で、この二人が被告と弁護人で組むという話になります。
 ネタバレであらすじはここまでにしますが、大量殺人で死刑求刑かということでは京アニ事件もダブります。
 些細な面では、傍聴券の抽選の制度は、ほんの少しのタイムラグですがこれが書かれ2021年からは当日右腕にタグを巻き絶対に代理が不可で転売ができない仕組みになっています。
 作者は、音楽や法廷のミステリを書いていますがどちらも専門ではなく、表現がやや極端でバタ臭い印象を私は感じますが、最近の社会派的テーマがそこを薄める印象を与えるのでしょう。
 死刑制度、いわゆる永山基準も文中に登場し、問題を投げかけます。
 ここからは書評とは離れた情報と一般論です。相模原の実際の事件の判決はすでに控訴棄却で死刑が確定しています。京アニの方は控訴のようですが、ここまで来ると結局極悪の犯人が死にたいなら死刑は極刑、あるいは被害者遺族の恨みが深いから極刑と言えるかです。
 死刑と無期だと刑の重さがえらい違いやと、いまだに思い、無期懲役だと十年ぐらい我慢したら模範囚で身元引受があれば、シャーシャーと臆面もなくシャバに出てくると、結構誤解の向きもあります。今は10年では釈放されません。言葉どおり無期で、殺人罪なら何十年と出てくる可能性はありません。死ねば終わりの死刑よりも、永遠に罪の償いをさせられる無期懲役の方が、遺族の憎しみの対象があるからいいという話も聞きます。
 このあたりは、何か裁く方が粛々と罪に照らし行わねばと思うところです。

クイズとしても最高の難易度とボリューム

 けっこう平積みで売れているようですが、3,000円もする分厚い本です。ていねいな文章を書く機会は減っている世代の方も多いはずに思うが、だからこそ必要なのでしょう。またクイズ感覚の表紙、帯がいいです。
 チャットなど画像に添える短い言葉だけでは、世の中さすがに渡っていけないのでしょう。動画を上げるにせよ、どこかで文章は使うわけですから、いざとなるとこういうハウツー本のようなものが必要なのかもしれません。
 前にも「新しい文章力の教室」(唐木元)という本も、ブログを立ち上げた頃随分勉強になりました。
 それでも、私自身の書いた文章随分長いわかりにくい表現が多く、後で読み返し今書いていながらも恥ずかしいものです。明確な誤字以外は遡って訂正しだすとキリがないものです。
 この本は分厚い内容ですが、クイズ形式でうんちくや読解力も試されます。
 人にもよるかもしれませんが、私はとても面白かった。半分店頭で見てもやはり「買い」だなと思った。ビジネスマンやインフルエンサー、ネット社会で文章を書く人も是非参考にして欲しいような気づきも多いです。
 画像の表紙の帯に出ている内容も、すぐわかるものもあれば、「これ何で間違っている?なんで不適切なのか?」と感じるものが誰でもいくつかはあるはずです。

27年前、2月10日 全国を震撼させた事件が始まった

 神戸の裁判所がある大事件の保存期間が過ぎたため規定によりすでに2011年全ての記録を廃棄していることが発覚して、昨年末少し話題になりました。
 その事件は27年前になる当時の社会を震撼させた連続殺傷事件でした。
 神戸連続児童殺傷事件は、震災の復興半ば、阪神大震災のほぼ2年後1997年2月から5月にかけて兵庫県神戸市須磨区で発生した連続殺傷事件である。 神戸の閑静な住宅街を震撼させる相次ぐ謎の犯人が小学生5人を殺傷し2人が死亡、2人が重軽傷を負いました。酒鬼薔薇聖斗と名乗り犯行声明を出してたことから、酒鬼薔薇事件、酒鬼薔薇聖斗事件とも呼ばれていましたが、何とその犯人は中学三年生でした。
 エラリークイーンの有名なミステリ並みの、その犯人の衝撃とともに、世間は騒然となり、その犯人や背景に着目したものです。

 犯人のその後は意外と知られてはいませんが、少年院への長期収容が決まり、関東の更生保護委員会に入り「約6年半の矯正教育により、事件の要因となった性的加虐嗜好などは改善され、再犯のおそれはなくなった」と判断されたため、逮捕から約6年9か月後2004年3月10日に仮退院を認められ、社会復帰しています。すでにそれからも20年経ち、少年Aも、結婚もしてすっかり一般の中年になっているはずです。
 週刊文春に東京に住んでいる記事を写真入りで掲載されやむなく転居したり、平成27年には遺族に無断で「手記」を出版して物議を醸しましたが、どのような生涯なのかは私たちからは想像しにくいものがあります。

 詳細の裁判記録は消えてしまい、今後重大事件の記録の保存期間をどうするか議論にはなっていますが、少年犯罪でもあり、掘り起こしで人権を侵害する問題さえあり、そもそもどこで重大を線引きするのかも難しいとされています。
 当時、プロ野球オリックス球団はまだ近鉄球団と合併する前のオリックスブルーウエーブという名前で大阪ドームではなく、犯行現場に近い、グリーンスタジアム神戸(当時の名称)が本拠地でした。犯行が続く時期にナイターで活躍しヒーローインタビューを受けたイチロー選手は「夜も遅く物騒なので、くれぐれも気を付けておかえりください」と最後に付け加えたそうです。
 LINEのコミニケーションツール開発は2011年の東日本大震災以降なので、メールや掲示板やらでのつぶやきはあっても、今ほどの情報は浸透しにくい時代だったでしょう。あるいは、今の時代のアプリなどのツール、情報があれば少年Aの闇を救い、被害者を自衛し救う手立て、きっかけがあったかもしれません。

そう昔ではない体罰当たり前の時代

 大谷翔平が、MLBで移籍して超ど級の契約を交わした上で、「野球しようぜ」とメッセージを添えて、かっこよよく日本中の小学校に野球ぐらぶを送りました。
 そんな大谷のイメージで野球には今の時代、シゴキや体罰、イジメなど想像もつきません。しかし、イチローやマー君、ダルビッシュなどメジャーに行った日本人は結構人種差別的イジメに耐えて活躍していました。そしてまだまだ日本の体育会現場には体罰やら、暴力的、犯罪的なものは残っています。性暴力や、パワハラの選手が摘発もされ、大学スポーツでも組織ぐるみの不祥事が発覚したのも昨今です。
 体罰とかイジメ、そんなの昔あったなあと、私も思ってしまいますが、身体が強いお山の大将がさらに成長して我の強いままみたいなのが集まっている閉鎖的で年功序列集団で、今でもありがちなことです。
 そんな体罰を、最も歴史もあり、今もまだ注目される野球の世界で統計をとって、さまざまな時代のエピソートと、その背景をえぐっている本です。
 細かい部分はネタバレは避けますが、難しい問題も多いです。一人一人の当事者では変えられなかったものがあるでしょう。
 私は、先輩服従の運動部の気質がやはりイヤで運動部はすぐ辞めたクチです。
 昭和の当時からでも、もっとのびのびとやらせたら伸びた人材も多かったでしょうし、先輩や環境で目が出なかったスーパースターになれた逸材はいたでしょう。
 少子化の今、ましてや野球だけではなく、他のスポーツも沢山あり、Eスポーツなども出てきてそれぞれの現場で部員、メンバーを集めるのも大変な時代です。大谷を見て野球が好きだと部活の門を叩いた人材を、イジメや体罰の空気があって逃げられるのは絶対避けるべきでしょう。
 私がこの本を見て思ったのは、昭和の「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」長嶋、王や、張本、野村の現役時代ではなく。平成も後半そんなに前ではない時代にちょっと前に引退した今の監督や解説が現役の頃まで、激しい体罰が平然と行われていいたことです。
 名将、知将、ID野球とか闘将とか未だに語り継がれる指導者が体罰当たり前の中にいたのは少し驚きます。子供時代は特に、応援していた名門、ひいきチームはそんなの当たり前だったということです。
 まともなコーチングを真剣に指導者も、組織の重鎮も学び、新しい時代にしていかないといけないです。

書評:東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」今さらの定番?クローズドサークルミステリ

 映画化されたので再読だと思う?ほとんど忘れるほど古い作品、もう30年前書かれてるのかと、東野圭吾がそんなにベテランかと、同年代ですがやや遅咲き作家と言える彼の若い頃の作品です。しかしほぼ忘れてるトコが多かったけど読み進めるうちに思い出し早い目に結末はわかりました。典型的なミステリの体で謎解きなので、ネタバレはしません。30年経ってそれほど劇団という基本設定は色褪せないが、携帯電話の普及、進化はどうかなあ。

 で、映画も若手バリバリの俳優が舞台俳優を演じる映画、映画という外枠を合わすと4重のメタ構造になっています。

 原作通りでないキャラ設定もありますし、少しクランクアップからはラグがあるのかな、この先、旧ジャニーズ俳優はどうなるのか少し心配な点もあります。西野七瀬は、サイコパスでもなくちょっと普通過ぎる役で(ネタバレか)残念かな。