続編も騙される それでも感動の連作短編 「看守の信念」城山真一

 刑務所内の謎を解明する連作短編集ミステリ第二弾。

 第一作も巧みなミステリと、珠玉のような人間模様を描いて、短編集の最後でもドンデン返しを食らわされました。この第二弾でも見事に感動と謎解きと、連作の最後でドンデン返しをやってくれます。

 第一作があったから、続編では無理と思って油断してた人はレビュー見ててもたいていひっかかっておられます。

 見事につきますし、やはり中でも「がて」は涙出ます。何度も窃盗で刑務所に入った男とジヤズシンガーと文通のやり取りなのですが、謎解きイコール感涙となる仕掛けがすごいです。

 出所後の就職を仲立ちする部署が登場し、受刑者が働きにつく苦労も描かれます。なかなか社会では一度歯車が狂うと、元に戻るのは難しいのが感じられます。

 職階やら権限、制度など細かく取材されているでしょうし、多くのエピソードも創作とはいえ検証もされているのでしょう。

 取材力と創造力のたくましさに関心するしかない。この事自体がネタバレになりそうですが、連作最後の小気味よいドンデン返しは絶対映像化が不可能なので、本を読むしかないのも好感です。

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