タブー的ニュースのウラの不思議

 一度、少し書いた高市さん、ガーシー元議員の件まとめ

 高市早苗さん、ガーシー元議員、ちょっと前から三浦瑠偉さんとか、マスコミの攻撃は激しい。けれど、共通するのは、何となくもう少し裏があるんじゃないかということです。
 表に現れるのは氷山の一角ではと、まあいろいろ邪推されるサイトは多く、特に高市さんの場合、保守系のマスコミは擁護して、左よりから一般的には総務省との齟齬から今後かなり厳しい展開と論じられています。

 不思議に思うのは自民党総裁選で岸田首相や野田さん河野さんと争った時期より前の総務大臣時代の話で、「そんなこと、当のTBSはもちろん他のマスコミもある程度知っていた」ことだと思うのです。高市さんが保守、タカ派であり、左翼系のマスコミの主張をズバズバ切り捨てていたのは自明であり、また関西のテレビ各局とそれほど悪い関係でもありませんでした。

 夫のスキャンダルを抱えた野田聖子さんよりも、日本初の女性総理に最も近いと持ち上げていての、手のひら返しです。官僚とのやりとりの文書などの事実がこうも積み上がり、その弁解が見苦しいというのは些末な問題であり、そういったことがることは事前に分かっていたはずで、今さらという感じがするのです。岸田さんや、取り巻く内外の情勢、当然安倍さんの死去も含めて、当時と変わった裏の何かが、高市さんの政治生命を奪うことになるのは、別に彼女を支持している者ではないですが、何かしっくりこない面があります。

 三浦瑠偉さんも、美人でアタマが良く弁も立つことで、マスコミは重用してきた女性への手のひら返しです。連載をしたり関係の深かったマスコミはやや手が生ぬるいそうですが、それでも当面浮上はないような、夫とともに人格否定までされる「手のひら返し」です。元々、女性としては過酷な過去を持っていることは表に出しての活動だけに、人格否定がしっくり大衆にイメージづけられると、やっかみや非難のスケープゴートになります。
 「騙されたそら見たことか」と、批判をする人もいますが、今までは何だったのか、人間ってそういうものであり、別に変わったとかいうわけではないでしょう。

 ガーシー元議員に関しては、まさに本当の詳しい背景がわかりませんが、想像の範囲ですが、元々国会には出ないと宣言して当選した議員を、出席しないという理由で除名するのは変な理屈です。しかもまた人格破壊は行われています。実際にどこまで脅迫したのかは認定されていません。三木谷さん、綾野剛さんらが執拗に脅されたとされていますが、裁判で有罪が確定していなので、「国会に出てこない」という別件での懲罰動議が進んだのです。
 疑わしきは罰せずで、裁判で判決が確定するまで国会議員は除名できませんから、海外にいて裁判はおろか、逮捕もできないなら、国会議員を辞めさせる以外にステップが無かったのでしょう。

 しかし、前にも書きましたが、コロナ禍で民間がオンラインビジネス、テレワークが浸透しだし、ネットでの会議が当たり前の時代に、国会が出席しなからで除名には違和感が残ります。感染症の拡大や、災害や戦争、交通遮断で国会が集まれない時など、緊急でオンラインで開ける芽を摘んでしまったのも問題です。

 ガーシーの背後にはもっと深い闇があるようですが、表には出ないままでしょう。結果、国会の近代化、IT化のみが遅れ、何も変革されないままになるのが残念です。

文化庁移転 首都圏一極分散はまだまだ

 【文化庁、京都移転】全国的にもニュースになっていましたが、私の住む京都でもローカルニュースで地場の伝統文化に関わる人が朗報ととらえている報道も目立ちました。

 しかし、国会対応の人員や統一教会問題を抱える宗教課などは移転の目処が立たないそうです。

 東京に集まる省庁の一極集中を危機管理や地方創生をふまえ分散していくというのですが、まだまだそれ以前の問題です。
 国会のバックで大臣の答弁をフォローする仕事、もちろん答弁の原稿も含めてですが、それほど重要というのか、オンラインでできなくもないように思えるのですが。

 国会そのものが、例のガーシー元議員の除名で揉めましたが、在宅勤務、テレワーク当たり前の時代にリアル出席を求め、出席しないと除名とは何だか前時代的です。ガーシーの犯罪うんぬんは別の問題として、彼の処分が優先され、国会や閣議のオンライン化が遅れたのは残念です。京都に完全移転したとして、あるいは今後省ごと移転するところができても、国会があるたびに大臣も次官らも東京往復を強いられます。新幹線やリニアはそれで儲かりますが、最終的には税負担が国民にのしかかります。

 それと、知事や市長が駆け付け、京都の伝統文化や地場産業がこれを機会に注目されることが期待されるような報道も何だか我田引水のような感じです。自分の地方だけが良ければいいとうのでは省庁移転は意味がないはずです。省庁が移転して地元が優遇されるなら、財務省や経産省、国交省が来たらそこに財政や、経済、土木が優遇されます。そんなわけではありません。
 オフィスとしての機能が移転するため、職員の居住や宿泊、飲食などの経済効果はあるにせよ、地元の産業や文化が省庁が近いから優遇されるものではないのであって、そこは地元勘違いしてはいけない問題です。
 リニアが新大阪までできると、現在の首都圏、中京圏、関西圏がメガ都市圏となり、そこから新幹線や在来線で一時間程度の移動で行ける都市は格段と便利になります。移動での東京出張は最低限で、現在の中央省庁を地方都市に移せます。ここで我田引水のような、地方の我がまま、えこひいきをすると、本当の地方創生で効率のよい省庁移転ではなくなります。
 しっかりとその効果を検証して進めて欲しいところです。

戦争の終わらせ方、ロシア悪と戦争悪の混同

 戦争の始まりは、国家の死活にかかわる重要な対立克服のためであり、それぞれが正義の聖戦を掲げ、対抗しあうわけであり、生半可に停戦などできないのです。
 しかし、戦争が長引けば兵士にも市民にも犠牲者は出て、大規模なものは今回のウクライナ侵攻でもそうですが、世界のエネルギーや食糧、その他の生産、経済に大きな影響を与え被害は甚大です。
 大筋では一刻も早く停戦を決めないといけないので、水面下で当然その動きもあるはずですが、下手な条件で停戦することは敗北とされ、国家のトップを揺るがす問題になります。どちらかの完全敗北が見えない以上、それでも停戦を企図しないといけない難しい情勢です。

 岸田総理がウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領を後押しする姿勢を明確に打ち出しました。

 日本のトップが覚悟を決めていったのですから、熟慮あってのことと信じます。ロシア憎しの人も、双方痛み分け両成敗とする人もあり、賛否もありますが、いずれにせよ、外交は熟慮の後の結論は賭けの要素もあるでしょう。ロシアとも戦争をするわけではないので、漁業交渉や領土問題の最低限の外交筋は繋いでおきながらのピンポイントです。
 中国とロシアの会談も不気味であり、情勢は予断を許しません。

 ウクライナの市民の戦禍の映像を見たり、混迷するエネルギーや穀物の相場を見ると、やはり早い段階で日常が戻ることを祈りたいところです。

三方よし近江商人の訓が守られないから不況や、値上げに弱い

「商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」近江商人の十訓の一です。
 昔からの老舗も確かに厳しく閉店、倒産も聞かれますが、長く続いているところも多くあります。しっかりした社風や家訓を守り、ガバナンスや経営方針に組み込まれているところは残っています。
 金儲けだけできればいいという投資型の一過性の利益を獲る経営では、長く続く会社や店にはなり得ません。お客さん、世の中、従業員ら社員や経営側がバランスよくその商いによる満足を共有できることが長く続くことなのです。
 そのためには、価格にも十分の利益が含まれていないといけないということでもあります。そして、その値段でも十分お客様が満足し社会に役立つ、商品やサービスを提供しないといけないのです。
 安い素材や、安い労働力で製造や販売、配達を行って一時的に市場を席捲しても、やがて資材や労働力、経費が上がると利益が出なくなるなどして破綻が来ます。

 商売を長く続けるのは簡単ではないでしょう。この近江商人の十訓を噛みしめると、やはり今の外資系ホールディングスにしろ、どこかで原点を忘れ、値引きに落ちて結局は業種ごと落ちてしまっているのではとも思えます。
 十訓10:商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ

 不況や世相を言い訳にしてはならないのです。

三方よし 近江商人十訓を現代に活かす

異次元の少子化対策は現役&年金世代の理解あってこそ

 やはり、今物価高の問題が一番大きいのか、光熱費や食費も上がると税金や健康保険介護保険料などの社会保険料への風当たりが強いと感じます。年金に対して不安と不信は強く、年金保険料を払う世代は高いと訴え、年金を貰う世代は「給付が少ない、下がった」と漏らします。
 年金からは後期高齢者保険料や介護保険料が天引きされる方が多いので、年金の目減り感は強いです。国民年金だけの人や、厚生年金の加入期間が短い人は元々年金だけで生活するには厳しいのですから、マクロ経済スライドで少し下がろうがあまり関係はないのですが、やはり減額されると不満は大きくなります。
 年金に関しては、私も何度かこのブログで書いています。大きなポイントは年金を受給している世代で、特に潤沢な年金を貰っている人から、少し若い世代に回せる資金を回したいのですが、全体のレンジを変えないといけません。それは徐々にやらないといけないと考えられますから、総額の小さい人も含め年金は実質少し目減りするぐらいの感じで減額して、現役世代に回しているのです。

 ただ、事情はどうあれ、100年安心と言われた自分の年金の振り込み明細が減ったうえ、物価は上がる一方で、今さらという不安が不満となり爆発しそうです。頑張って、日本経済を発展させたわし等の老後資金を減額するとは何事か!です。でも政府も財源はどこかを削るしか大枠では少子化対策などできません。これから、子育て、少子化対策にお金が回るなら、高齢者への優先順位は下がります。要は「子供のために我慢してくれおじいちゃん」というのが国中なのです。これはよく説明しないと、選挙で総スカンです。外交や安全保障、他の経済対策で加点しても、一気に減額されます。
 一にも二にも説明です。本来孫のためなら、自分のことは我慢できるのが高齢者世代です。理解をいただくしかないのです。

花粉症に定年はない

 今年は花粉症デビューした人が多いと言われ,花粉に飛散が例年より多いそうです。
 私はもう花粉症デビューして30年以上で、そろそろ定年か引退したいのですが、ここ数年マシだったのが今年は久々に酷い症状です。
 そもそも花粉症は高齢になるとなくなると聞いていました。
 「年齢を重ねることで免疫系が衰え、ガンなどの自己免疫疾患が増えることは知られていますが、花粉症も同様に、年齢を重ねた体が花粉の抗原を“異物”と認識する能力が衰えることで、アレルギー感作が起きにくくなると考えられます」
 と言われる説です。

 60過ぎて花粉症というのは、免疫が元気な証拠でしょうか。でも喜んではいられません。アレルギー体質というのがそもそも健康で長生きにはほど遠い身体なのです。ストレスや食生活でしょうか、若い頃から今まで積み重なった悪弊のツケは、そうそう挽回できません。
 どうしても抗アレルギーの対症療法となる薬に頼らざるを得ないので、それはそれで免疫力を弱め他の疾患にかかりやすくなります。本来、鼻水、くしゃみなどで外に悪い物を出すという免疫機能を弱めるのですから、うまく使わないと危険なのは素人でもわかるところです。
 まず、できるだけ花粉を浴びない、マスクや帽子、眼鏡なども使います。なるべく顔を洗い。手や目、鼻も清潔にします。万が一にも目をこすったりしないことです。
 ひどくなると、薬も効きにくいですから、浴びる花粉の量は少ないに越したことはないのです。
 対象療法の域は出ませんが、目や鼻に効くツボ押しは副作用はなく、少し時間をかけると効果的です。目のかゆみは左右の眉毛の鼻筋よりの端っこの眉より少し下を優しく抑えます。鼻には親指と人差し指の付け根の間、ここは3分ずつぐらいやるとかなり効果があります。

 気休めというか、気を紛らわす程度ですが、メントールなどののど飴、甜茶などもいいと思います。気を落ち着け、薬に少しでも依存をしない時間を作り、リラックスするとマシになります。パン食やインスタント食品、ファストフードなどを少し我慢して、根菜や葉野菜など和食に目を向けるのです。後はねばねばの、納豆やキムチ、ヨーグルトも腸内環境を整えてくれます。私は本当にひどい時代よりは、乳酸菌飲料で、腸内環境を改善しずいぶんよくなりました。それでも、ストレスやら、朝のパン食や昼の勤務先でのかけこみのランチは避けられないので、今年の花粉パワーには勝ち切れませんでした。
 好事例というほどではないですが、多くの花粉症の方、頑張って乗り切ってください。

日本では女性総理の芽すらないのか

 元参議院議長の扇千景さんが亡くなっておられた。女性の三権の長、司法中枢の魁になると言われた方です。
 しかし、行政のトップ総理大臣にはあれから何十年でもまだまだ女性がという時代にはなっていません。
 ガーシー議員の懲罰問題も騒がれましたが、このところの国会を見てると高市早苗大臣が総務大臣時代の放送法に関する行政文書の捏造かどうとかの件で袋叩き状態です。総務官僚を巻き込んでのスキャンダルで、早くも次期総裁選の目は無くなったと言われています。
 保守層中心に日本初の女性総理とも言われかけていただけに、安倍元総理が亡くなって高市さんを支える人がいなくなってその凋落は無残なものです。元々選挙では二度落選するなどやや基盤も弱いところで、これだけ叩かれると浮上は難しいところです。
 かと言って、同じ総裁選に出た野田聖子元少子担当大臣も、夫のスキャンダルもあり派閥にも入っていない体たらくでは到底総理は無理です。
 女性に限らず日本の総理大臣になるのは、どうも大変なようです。総裁候補と言われている間の方が、言動も自由で元気に見えます。いろいろバランスを取り、影の大物に根回しをして気配りをしないとできない、どこが最高権力者かわからない始末です。
 スキャンダルに殺されているのかというと、最後にはマスコミや野党の追及ということになりますが、それらを焚きつけているのは、明らかに党内ですから面白いというかややこしいのです。
 ドラマや映画にはたまに女性総理も描かれるのですが、日本の政治には向かないのでしょうか。
 女性が総理になれないのは自民党だからでしょうか、しかし他の党からというとさらに可能性は低いですね。小池さんや蓮舫さんなどには間違っても無理ですし、他を見渡してもあと20年くらいは芽も見えない感じです。

 扇千景さんが、議長で裁定している時、男性議員からとんでもないセクハラ野次が飛んだことも記憶しています。飛ばしたのが与党や野党かはわかりませんが、今なら一発アウトの野次ですがそれだけ日本の国会議員のレベルが低いということでしょう。
 評論家とか経営には女性もだいぶ進出してはいますが、まだまだのようです。これまたスキャンダルにまみれた三浦瑠偉さんなどを見ていると、本人ももちろん、それを取り巻く男性のルッキズム含めて日本社会の女性幹部登用、上位職進出の底が浅いように見えます。

なんともささやかな年金生活者支援給付金

 年金生活者支援給付金は、月額5,000円が基準です。 国民年金を40年 (480カ月)納付した場合は、基準となる5,000円が給付されます。
 国民年金の保険料納付期間や免除期間などによって給付される金額は異なってくるため、それぞれの受給者の納付期間や免除期間などを基にして金額を計算します。
 異なってくると書かれていますが5000円が上限で、納付期間が短くなれば減額されるだけで、微々たるものになります。お年寄りが寄って話をされ、年金を月6万5千円貰えていた人は5000円プラス、期間が短く4万円しか貰えていなかった人は3000円ぐらいしかプラスにならない中途半端な給付です。
 以下厚労省、年金機構HPより 抜粋 要約
 対象となる方は、年金生活者支援給付金の種類ごとに、以下の支給要件をすべて満たしている方です。老齢年金生活者支援給付金対象者は、65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。同一世帯の全員が市町村民税非課税である。前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が881,200円以下です。781,200円を超え881,200円以下である方には、正式には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。障害年金生活者支援給付金 遺族年金生活者支援給付金はこの所得が4,721,000円以下となり、国内居住が必須です。

 要するに国民年金だけで生活している非課税世帯に対し、令和元年以降消費税率アップに対して給付している措置です。年金とは別建てで振り込まれています。しかし、煩雑な説明の割には厚生年金が少し入っているだけでもほぼ対象外となり、いったいどれだけの人を救っているのかというと大いに疑問です。年金の物価に比例してのマクロスライドは対応が遅く、率も減らされています。
 「隣の爺さんは5000円貰えたので、彼より年金の少ない私も5000円かと思うと3000円」ではがっくりです。さらに年金の少ない人はもっと少ない額が計算されやはり年金と別建てで入金されます。千円を切る人もいます。こんなものは何か意味が解らないし、感謝も何もない人ばかりでしょう。

 国民年金の満額受給者でも、年金だけで生活できず、家族の扶養や、自営や高齢者雇用で働いていたりでやはり条件で対象外になるケースも多いです。肝心のボリュームゾーンの厚生年金期間があり、期間や報酬が少なくカツカツの年金生活者に対しては何の支援もないのです。こんなつまらないいかにも国がやっている的なアリバイ施策、制度に煩雑な計算をして毎年所得と照らし審査して給付しています。受給者も確定申告でもややこしくなるだけです。それならシンプルに一律5000円の方が、お互いに楽でいいに決まっています。

 物価が急騰すれば、高額所得のある年金受給者をのぞいて、一律に年金給付を引き上げ翌年以降で微調整していけば良いのです。食費や光熱費、住居費が上がれば、その都度蓄えの少ない年金生活者は不安におびえます。高齢者施設なども支払いに困るようなことになり、施設の維持が難しくなります。国が自らを貶め、国民を不安にし窮地に落しているような施策は一刻も早く転換すべきです。

大手企業賃上げのニュースから

 コロナ関連のニュースが日によっては、全く取り上げられない日も出だし日常が戻りつつあるのかとも思います。
 3.11が近づくと毎年のように震災を忘れないという報道も増えます。災害も疫病もいつやってくるかはわかりませんが、怯えすぎ怖れすぎも景気を悪くするので難しい問題です。

 政府のぶち上げた賃上げに呼応し、サントリーや自動車会社など大手企業が春闘満額回答でベースアップするというニュースも話題になっています。大きなところはすでに物価手当てなどもフォローしていました。これからどこまでの業界、企業規模に及ぶのかは注目されます。いずれにせよ、厳しい業界や中小企業までは難しいですし、ますます大手や公務員と、中小や自営との格差、あるいは非正規雇用との格差が大きくなるのも否めません。

 元々、大手企業は住宅補助、健康保険など福利厚生面でも給与以上に恵まれた待遇を用意しています。働き甲斐と正比例するかはわかりませんが、一度その差を知ると、同じ職種とかだとやってられない差別感、格差を痛感するはずです。丸ごと大手グループに吸収され、スケールメリットを活かす方策の方がベターなのかとも思います、よく、大阪の中小企業町工場などが注目されますが、技術はどうのこうのというよりも、待遇面で変わらないと人材はいずれにせよ集まらず、未来は見えません。

 日本に中小企業がなくなるとどうなるかというか、いろいろ考えられますが、淘汰されるべきところと、雇用や技術の継承含め、大きな問題が胎動してくるわけです。賃上げは大手からという報道に、日本の新たな変革を予感します。

「そうじのおばちゃん」は差別用語?

 今は「おそうじおばさん」などというと職業差別になるのでしょう。
 ビルやオフィスの床やトイレを掃除する人もメンテナンススタッフとか言われます。
 職場でも、このスタッフの方が掃除をしに来てくれています。「キツイ仕事なんやろな。入れ替わり激しいなあ」と同僚と言っていました。隔日交替ですが、男女で女性の方はわりと長いこといますが、男性はよく替わっています。たまに若い方もいますが、概ね年配の方です。女性の方も若くはないですが、別にまだ事務などでも働けるのではと思うぐらいの感じです。男性のトイレもそれほど躊躇いなく清掃されています。
 職業に貴賤はないとは言われますが、最近でも「キツイ、汚い、危険」とか言われる現場の汚れ仕事は低賃金のまま現存します。

 私が小学生の頃、故3代目笑福亭仁鶴さんが唄っていた哀愁ある曲に「おばちゃんのブルース」というのがありました。B面、カップリングの曲ですが、A面よりリクエストが多く良く歌われていました。語りも入った哀愁のあるブルースです。
  
 歌詞は仁鶴さんの作詞です
わたしゃビルのお掃除おばちゃん モップかついで生きてゆく

ひとり息子を自慢のたねに毎日 床を みがくのさ

 おばちゃん おばちゃんがんばってやおばちゃん

(セリフ)「おばちゃん 腰にぶらさげてんのん トランジスタラジオ?ようやる」

 やがて息子は 立派に育ち 

 今じゃ一流    サラリーマン  

 だけど 嫁さんもろうてからは 

 息子は はなれていったのさ  

 おばちゃん おばちゃん 

 がんばってや おばちゃん 

(セリフ)「そら息子が悪い 悪いチャンチャコや ソンナ息子ドツキチャンチャコしたりぃな!」

 息子にゃ 息子の道がある (セリフ)(ナンジャイナ) 

 わたしゃ ひとりであきらめた  

 しぼり足りない 雑巾のように 

 初めて わたしは 泣いたのさ  

 おばちゃん おばちゃん 

 がんばってや おばちゃん 

(セリフ)「おばちゃん、若い時 だんさんと一緒に行水入ってんてな」

 わたしゃビルの お掃除おばちゃん 

 モップかついで 生きてゆく  

 ピカピカ光る 床の様に 

 汚れちゃいない 人生さ 

 おばちゃん おばちゃん 

 がんばってや おばちゃん 

(セリフ)「夕焼け空に おばちゃんの顔 きれいななアー」

  以上 歌詞引用
 

 最後のセリフこそ、少し救われますが、2番以降の展開もなかなか悲しい歌詞です。憂歌団がアレンジした曲は放送禁止になりました。
 こういう差別を封じ込めるような、問題に蓋をするのも何だかと思います。

 今のオフィスやショッピングセンターで見かけるトイレのメンテナンススタッフの方にも、それぞれこういう人生のバックボーンがあるのだろうかと思います。
 潤沢にお金をもって、高等教育を受けられる環境に恵まれれば、就かないのではと思ってしまうのですが、何らかの難しい事情があるのでしょう。そんな目線すら恥ずかしい差別意識かとも思います。
 安易に水商売などに走らず、お金だけではないとも見えてきます。「汚れちゃいない、人生さ」と言い切れる気概を持って仕事をしている人はホワイトカラーの職業の人にどのくらいあるのでしょうか。