シリーズの3回目
最も一般の方に誤解は多いルートの問題です。
シリーズは
1.新幹線の意義や目的。
2.30年、5兆かかる公共工事の意味。
【3】ルート選定、米原や湖西線はそもそも無理、サンダーバードで金沢までというのもまったく無理な話ということ
4、京都市内水問題のファクトと誤解、
5.4に関連して。京都仏教会は京都市民の代表でもなく、お寺の代表ですらないこと
6、小浜と関西、とくに京都の結びつきは大事。
(今までのシリーズは↓です。)
では迷走したルートの問題を書きます。
【決定版】北陸新幹線延伸の誤解2 工期と予算 – 天使の星座
【決定版】北陸新幹線延伸の誤解1 新幹線の意義 – 天使の星座
【米原ルート】米原ルートは一見すると、距離は短く、建設費は抑えられます。地図を見ると、敦賀まで来た新幹線を最も東海道新幹線側につなげるのは米原だと考えた方はおられるでしょう。
実際に、自公政権のPTで小浜京都ルートで決まった後に、京都市などで財政問題などで参議院選で当時野党の維新候補が米原ルート再考を求めて、PTで推進派の自民党の西田氏を抑えてトップ当選した影響で、ルート再検討を呑まざるを得なくなりました。
ところが、この京都を通すなら反対で米原でいじゃないかというのは、滋賀県に対して甚だ失礼な言い回しでした。滋賀県や米原市が新幹線を誘致して落選したならいざ知らず、むしろ京都以上並行在来線問題も絡み、全く欲していないのが滋賀県なのを京都の議員も、お寺のお坊さんたちも知らなかったか、、知っていて押し付けるのか、本当に失礼な話です。
米原ルートは北陸新幹線の運営にあたるJR西日本も反対、乗り入れの希望もかかる東海道新幹線のJR東海も無理、滋賀県側も反対ではどうしようもないのです。京都側の自治体だけが、水と財政問題などで反対している小浜京都ルートとは実現までのハードルが大きすぎます。
京都側のイメージでも、新大阪や京都から米原経由の乗り換えなしで直通の『らいてう』などが走る幻想を抱かれていますが、東海道新幹線からの直通乗り入れはダイヤ的にも、車両や保安のシステム、駅の改造含めて、東海側も無理という通りであり、
鉄道ファンクラスの知識があれば、難しいにもわかります。
維新に回った前原誠司もさすがに米原が無理なのはわかっていたとは思います。
直通が無理となると、米原で乗り換え、出来れば同一ホームでというのですが、これも相当な建設費や技術的ハードルが高い割には、米原に停まる新幹線もそう簡単には増やせないとなると、現行の1時間1-2本のこだまとひかりで乗り継ぐというイメージを抱かれますが、ここで地図をもう一度よく見て欲しいのですが、これだと敦賀に乗り換えていくのにはその数分もネックになり、現行でサンダーバードでほぼ最短で敦賀に行くのと、実は10分程度しか短縮されないのです。大阪起点の乗り換えを含めたりすると、多くの利用者のいる大阪駅からだと、新大阪乗り換え時間まで足すと、ほぼ現状のサンダーバードと変わらない時間となりかねません。
これは敦賀から、少し南の近江塩津で湖西線がまっすぐ南西方向、京都山科に向かうのに対し、米原に行くのは南東よりに曲がり、米原でまた直角に交差して東海道本線につながるのです。直角三角形の2辺を経由ですので、距離的にも長くなり、新幹線新線区間が短いのが、逆に災いして、時間短縮が顕著にはならないのです。
大阪、京都からは時短できず、滋賀県、福井県にとっても、北陸線を並行在来線を押し付けられるし、米原から北陸に行く人さえ、それほど便利にはならず、人口が米原より多い、湖北最大の市のなる長浜はむしろ不便になるでしょう。
長浜に新駅という案もありますが、ここでも米原とそれも近すぎてメリットが少ない距離としか言いようがないです。
中京圏から便利かというと、駅の構造上も難易度は上がります。
すでに名古屋からの在来線特急さえスイッチバックしているので、乗り換え回数は現行の在来線特急と同じで、対面乗り換えはかなり難しい配置でまず無理です。
ここは北陸中京新幹線の計画線であり、新線で作るべきなのです。もちろん、優先順位は四国や東九州よりも後です。
たとえ建設費が少なくても、これでは誰も喜ばず、投資した恩恵があまりない。地元やJRが負担するのは無理筋なのが米原ルートだったのです。
【湖西線ルート】その距離は短絡する湖西線を活用して、何とかならないのかというのがこの案ですが、この路盤や施設活用も、線路幅改軌調整、このあたりに平行してとか、ミニ新幹線とかいうのもやはりよく検討すると、極めて厳しい条件でした。
湖西線は確かに全線高架の高規格路線で、在来線で160㎞の最速運転が可能ではあります。しかし、1970年の建設で、さすがに老朽化はしており、関西の方は良くご存じですが、強風で頻繁に停まる路線でもあります。
実際に、少々工事をしたところで、新幹線を走らせるには構造物を根本からやり直しになり、土地買収の手間がないだけです。在来線はもろに三セクになると思われるますが、そもそも湖西は土地はなく、並行しての新線は無理ですし、現在の在来線の上に新線を作る3階建ての構造物も無理です。
改軌も簡単ではなく、東北のミニ新幹線のように閑散路線ではないため。通勤需要の多い大津市で、1年以上工事休止など無理です。並行在来線となって、新幹線ができても湖西に停車駅に値する街が少なく、三セクになるだけで、料金も上がり衰退と過疎に拍車をかけます。
湖西線の路盤を新線に作っていくとして、京都側の山科で終わりになり、その後はまた小浜京都ルートと同じ問題を抱えます。
在来線としての湖西線に対してのJR側の処置にもよりますが、そもそも工事が難しい山科から堅田あたりの通勤路線部分に対して、スッキリした命題はありません。改軌であれ、ミニ新幹線であれ、3層構造であれ、工事は難しいのです。
【サンダーバードがあるから京都は通らなくてもいい】
これを、よく、京都で言う小浜京都ルート反対派の方がいますが、大阪とか他のルートになった場合は、サンダーバードという特急は容赦なく廃止、無くなります。
大阪発で7-8割はそちらからのお客さんであり、京都からの特急を残す道理もありません。せっかく新幹線を作って、新快速で京都からのサンダーバードに乗られても困りますし、京都の人にも新大阪に回るように案内しないと、意味がありません。経済的行動を分からずに、サンダーバードがあるからというのは、特に京都にいる人の大きな誤解です。
在来線で昔のように、サンダーバードを復活させて、金沢や富山までという話も無理筋です。既にJRから切り離して、3県の第三セクター鉄道になっていますし、JRがせっかく作った新幹線と競合する在来線特急を無理して作る経済活動もないのです。さらに、やがて交流区間として残るこの区間には、交流と直流を直通できる車両を残さねばならずサンダーバードの車両更新により、それは残らないので、技術的にも無理になります。
先日、能登まで旅をして、京都からサンダーバードで敦賀、そこからハピラインふくい、IRいしかわ鉄道、七尾線、のと鉄道と乗り継ぎ、帰りはサンダーバードと同形式の「能登かがり火」という特急を使いました。並行在来線の三セクというのは都市間の重要な高規格幹線で、かつての国鉄赤字で切り離した特定地方交通のと鉄道と違い、奇妙な印象です。
素人目には地図上机上の考えで、サンダバの車両が直通できそうに思うのでしょうが、実際のそれぞれの会社を冠して、運営されている実態を見ると、そんなものがもう夢物語の過去なのが分かりますし、あいの風とやま鉄道やえちごトキめき鉄道も含め、今まで苦労してきた鉄道会社、自治体に対してあまりにも不勉強で失礼な話です。
三セクは経営上、貨物比率を一定に保たないと国の補助がもらえないなど、もはや元には戻せない仕組みができています。
この辺り、経済や技術的なことは、一般には難しいかもしれません。それでも私も素人に近いですが、少し学ぶと納得しました。関西への直通がなくなり、不便になったから新幹線を早く延伸して欲しいというのに、何を不可能な時代への逆行を言って邪魔するのか、不勉強な人には腹立たしい限りですです。
敦賀での乗り換え、やはり不便ではあります。北陸新幹線という以上は乗ってそのまま、京都、大阪方面が正しく、東海道新幹線乗り換えもスムーズでないとやや違うのです。東京の人が東北新幹線や上越新幹線、長野からの北陸新幹線が大宮で全て乗り換えと言われれば、やはり何だ不便なとなるでしょう。