イートインコーナーの悲喜こもごも

コーヒー豆も値上がりして、100円だったコンビニの珈琲もハンパな金額になっています。まあ喫茶店やカフェなどよりは安くて、クルマで立ち寄って駐車場で飲んでいる人も多いです。
 ファミリーマートが多くの店舗でイートインコーナーを無くして、商品の売り場を拡大していますが、ああいうコーナーの維持管理もいろいろ大変なのでしょう。

 ちょっと、簡単にお茶したり、軽食をいただく時は便利なので残念ですが、確かにスーパーのフードコートや、カフェコーナーでも長時間無料で過ごせるので客層はさまざまです。
 中にはかなり汗のような悪臭のする人もいます。高齢の方のリーズナブルな女子会のような、にぎやかなおしゃべりもちょっと行き過ぎくらいうるさい集団も見かけます。

 まあ、それはそれで、そこが居場所なのかなと思います。

 私も営業や外周りの時、準備や終了後の息抜きで利用したことも多いですから、オフの時に、逆に仕事をしている人を見ると「緊張してる」「サボっているな」というのがわかり微笑ましく感慨もあります。

 本当に孤独で、年金暮らしで寂しそうな高齢の方も、珈琲をかみしめるように飲んでおられます。

 スタバや本格的なカフェだと、値段は数倍になり、店の雰囲気や見る風景は変ってしまいます。

 今は贅沢はしていないけれど。かつてはもっと羽振りよくホテルや高級店で時間を使っていた人もいるかもしれません。

 そんなところで、珈琲を飲んだこともないと言う人も富裕層の中にはおられるでしょう。

 何かと想像してしまうと、面白いような、カフェコーナーのお客さんたちの人間模様です。人生はいろいろなのがわかります。

 

鈍行停車のようなゆったりした時間

 各駅停車の旅は楽しいものです。
 新幹線や特急列車では、速すぎて車窓を楽しむことができません。

 移動手段としては、到達時間のため速度は重要なポイントです。しかし、速さは揺れや車窓を楽しむとは相反する要素です。移動の目的や、車内の環境にもよります。速達を求められる時と、移動そのものを楽しむ時によっても違います。楽しむといっても、通勤時間帯の満員電車でギューギュー詰めでは早く目的地に着きたいでしょうし、疲れた帰宅時なども早く家や宿に帰りたいものです。日が暮れて外が真っ暗ではもう車窓も関係ありません。

 何をもって旅を楽しむかにもよりますが、移動時の車窓という面では、トンネルや防音壁の多い、新幹線や高速道路は良くありません。富士山や浜名湖の見える東名高速や東海道新幹線の一部を除き、新しい路線ほどトンネルが多く景色は楽しめません。まして100キロ以上で飛ばせば景色などあっという間です。

 車窓、駅名標も見えないと、その時間は退屈な移動の苦行時間です。

 通勤だと、都市部だと快速で多くの駅を飛ばし20や30の駅を通過もしくは停車しながら目的地を目指します。いちいち駅を眼に留めてもいないでしょう。新幹線通勤だと、市や町はもちろん山か川を超え、県境を越えて高速移動します。快速が飛ばした一つ一つの駅にも、連なる街があり、住宅が沢山あり、家庭があり、病院や役場、施設があり、通勤通学する人、通院や買い物をする人がいます。春には桜が咲き、秋は紅葉し、夏にはセミが鳴き、冬には氷が張ります。そこここに飲食店もあり、名産品もあり、農家も工場もあります。
 降り立って歩けば次の駅まで行くのも結構な距離があります。駅を2つ3つとなると相当なウォーキングですし、10も20もとなると昔は宿場に宿をとったほどの距離です。

 そんな場所をゆっくり噛みしめるように観る時間もあれば、通り過ぎて何も感じない時期もあります。

 人間には、それぞれ旬の時期があったり、速く走る時期とゆっくり動く時期があるのかと思います。10代20代の若い時が概ね速いようでも、40代、50代で加速する人もいます。同じ年齢でも、同時期でも速い遅いを使い分けるような時もあります。

 ビジネスや受験のうような競争で速いこと、多いことだけが良いと考える癖がついた人もいると思いますが、癒されるのはゆっくりした時間です。かつて殺伐とした時間が多かった人は各駅停車でゆっくり車窓を眺め、駅を見たり車内の様子を見て、癒される時間を持つことです。
 電車に乗らなくても、これから自分は新幹線や快速ではなく、各駅停車のような時間を過ごすのだと思うと、人を妬まず、競争に煽られるような力が抜けて、まったりと過ごせます。

四国の鉄道、新幹線すら夢のまた夢か?

 地域の格差が広がる時代で、整備新幹線の採算性やコストや環境などの問題で、ルートの決まった着工路線でさえいつできるかという感じです。

 ましてや、過疎の進む羽越、山陰、四国などへ新幹線ができるのは夢のまた夢という感じです。新幹線が全く走っていない四国、その中でも風光明媚な四万十川沿いの予土線に0系新幹線を模したホビートレインが走っているのは、もはや自虐的な哀れさを誘います。

 ビジネスで少し訪れた以外は、学生時代以来あまり四国を鉄道で旅していませんでした。今般、いろいろな鉄道知識を得たあとの年代に四国のローカル線も乗りました。最初はその車両数の少なさ、電化も進んでいない、ダイヤの不便で、もはや廃止を待つだけのローカル線という見方をしていました。

 しかし、どこのローカル線でもそうですが、町が期待して作られた歴史があり、今なおそれを利用する地域の人びとの暮らしと笑顔がそこにあります。そして車窓からは、日本の原風景あり、海や山、渓谷、清流を臨む絶景がありの、失くしてはならない設備であり、遺産です。

 新緑の季節だと、窓に触れる枝や葉っぱがあり、窓を開けると虫が入ってくるワイルドなところもあります。路線を維持、管理していくのも大変で、ちょっとした雨でも運休になるのもわかります。

 観光で乗って評論している立場とは、経営は違うのは重々承知です。JRも自治体も潤沢なお金があるわけではないのです。
 今の設備を利用しつつ、新幹線とまでは行かずとも、ある程度高速運転する中速化の準新幹線のような構想も、石破総理の口から出ています。昔なら師の田中角栄ばりに、地元の鳥取には山陰新幹線を意地でも通していたかもしれませんが、さすがに鉄道マニアでもそこまでは行きません。

 各県、四国なども4県でそれぞれ特徴が異なり、さらに県庁のある都市と、県の中でも他の市町村ではさらに大きな差があります。それでもその辺の市も歴史があり、それなりの人がいて、そこも救わないと県全体が沈みます。
 高速道路網ができ、公共交通との格差も大きく、田舎というのか地方へ行けば行くほど、クルマ社会でクルマがないと生きていけないとよく言われます。高齢者の免許返納など都会だけで決められても困るとも嘆かれます。
 1970年代、日本列島改造論で企図され、大阪万博で描かれた未来と、今の21世紀の現状はエライ違いではないですか。しかも21世紀はまだ初頭なのだと言われますが、あと30年たってもリニアがやっとでき、今の整備新幹線が少し延長する程度で、半分過ぎても解決できる問題は少なそうです。都市と地方の格差は進み、インフラ整備はおぼつかなく、少子高齢化は進み限界集落は放棄され自治体はどんどん破綻しだすでしょう。

 大阪・関西万博は楽しく面白い内容も多いですが、ことこう言う社会的な問題の未来に関してはネタ切れという袋小路感があります。空飛ぶクルマで過疎地はいったいどう利用でき可能性があるかとか、人間洗濯機など一体どれだけの人が日常化できるものなのか、富裕層はいいですが、どうもリアルな現実感のある提案は少ないです。


 宇宙開発やAIが発展しても、現実には地方はこのまま、取り残されて残るのでしょう。それもまたいいことかもしれません。もう少し、頑張ってこの風景を残して欲しいものです。

京阪電車にテレビカーがあった時代

 京阪電車はシックな統一感のある阪急電車に比べ、関西の京阪間輸送ではアイデアにあふれた車両が魅力でした。二階建て車両もあり、その昔はテレビカーというものも走っていました。

 沿線の門真に松下電器(現パナソニック)が合った関係で1954年私の生まれる前から白黒のテレビを置いた車両が導入されていました。そしてまさに、先の大阪万博の1970年の翌年には早くもカラーテレビが見られる車両が走りだしました。しかも関西の競合事情もあり、その豪華設備の特急が別料金なしの運賃のみ無料で乗れたのです。今は特別車両で関西も各社に有料座席が設定される時代ですが、当時は破格の無料サービスでした。電波状況で画像や音声は乱れる時もありましたが、人気のサービスで、大相撲や高校野球などが移動時でも見られる画期的なことでした。

 阪急沿線の私ですが、テレビ好きなので、このテレビカーは乗りたかったものでした。スマホであらゆる動画が見れ、ニュースやスポーツの情報もリアルタイムで入る今とは違う時代でした。

 大阪万博で、月の石だとか、360度スクリーンやらさまざまな近未来が提案された中、日本の未来への期待が溢れた高度経済成長期でした。

 1970年大阪万博の紹介の子供向けの雑誌か何かで読んだ話があります。アラブかアフリカのある国の政府関係者が、準備で訪れた日本の電車の優秀さと勤勉に規律正しく乗車して、新聞や雑誌を読む日本人に感心し、必ず母国もこうなりたいと思ったということです。
 アジアアフリカの中には、アジアで初めて大々的に開かれた国際博覧会に初参加して、大いに刺激を受け持ち帰って自国の発展につなげた国が多かったそうです。

 さて京阪電車も、今万博ラッピングもして、プレミアムカーも走っていますが、賛否ある今度の万博、車両にはもはや新聞を読む人はいなくて、スマホでSNSやゲーム、動画に夢中な人ばかりです。

 万博を招待ですでに見てきた人のお話では、「確かに面白い、すごい展示もある」けれど「未来や、新しい技術に関してはネタ枯れ感がある」「想像していた通りでモーレツに新しいものはない」とのことでした。

 体験できるゲームとかでもバーチャルでスゴイものがありそうですが、子供の頃のテレビカーや未来館に期待したワクワクはさすがにもうないのかなとも思います。

春の青春の旅2

 65歳での年度を終え、つかの間の春休み、青春18切符5日間用を使い鉄旅に出ました。ローカル鉄道、廃線ウォーク好きの乗り鉄です。

【乗った路線】今回の目的は「天竜浜名湖鉄道」(天竜二股近辺の廃線跡)「宇都宮ライトレール」「両毛線」「信越線」(碓氷峠バス、しなの鉄道経由)「小海線」といったところでした。
 自宅にある京都の最寄二条駅から嵯峨野線で京都駅、琵琶湖線と呼ばれるゾーンからひたすら東海道本線を東に、J西とJ東海の快速、普通と乗り継ぎ新所原、東日本の熱海から東京上野ライン」で宇都宮まで乗りとおし、小山まで戻って、高崎、横川でバス、軽井沢、小諸、佐久平、小淵沢、塩尻、中津川と帰りは中央線をひたすら戻りです。
 桜は北関東、信州では早かったですが、海、雪山、清流と車窓も見どころ満載です。

【青春18切符】多人数使用が不可となり、3日もしくは5日の連続使用に限るようになり、自動改札は使えるようになり気ままな旅がしたい人からは改悪とディスられる青春18切符改定後の初使用でした。夜行の普通列車がなくなり、青春18切符も確かに難しい局面が続いていたのですが、しっかり計画すればなかなか楽しめました。
 乗り鉄でないと苦行と感じる行程かもしれませんが、適度に身体を動かし、意識して階段移動など運動を心がけていきました。春休みとは言え平日なので、座れなかったのは帰りの名古屋~尾張一宮の区間のみで、行きの東海道はほぼクロスシートでトイレに近い車両を抑えました。このあたりのリサーチ、準備も奏功しました。天候が悪く寒いのもあり、長い行程を考えると天浜線二股駅で、光明鉄道跡を少し散策したものの、未成線の佐久間線は行けず、碓氷峠の廃線区間も時間の都合でほんの少しだけしか歩けませんでした。

 連続使用となると、やはり泊まりとなり、①宿泊代が嵩むのと、②休みがとれないというのが改悪を嘆く方の主なポイントではと思います。あと、③多人数使用や④金券ショップでバラの売り買いができないとかも聞きます。

 もちろん、①ですが日帰りばかりで連続使用はできます。私もそうでしたが、土日に何週かに分けてというのができないのです。②はまあ泊まればしかたのないところです。比較的リーズナブルなところを探しましょう。休みも宿泊代も、海外旅行する人は確実にクリアしないといけない問題です。
 多人数使用に関しては以前も、同一駅から同一行動でしたし5枚券オンリーの発売で使い勝手はそう良くなかったと思います。
 今回も高齢者のキッパーのグループ見かけました。3日分を人数分買えば集合解散はわりと自由で日帰りや1泊できるのではとも思います。私はやはり、マニアックな行程の一人旅が好きなのでとくに一人使用限定に何の問題も感じません。
 金券ショップに関しては以前にもブログで書いていますが、純粋な青春18キッパーが金券ショップを使うこと自体個人的には反対でした。

 この下車印でもわかるように切符そのものを自分でJRから買い、愛着を込めて残すのもこの切符の楽しみそのものだという考えです。

【車両】JR3社を乗りとおすと車両の違いに会社の個性が出ています。私鉄競合で一世を風靡した西日本ですが今の223系とかは座席のカバーもくすみやすく、東海の313系の明るいオレンジと青に比べると暗い感じです。編成の車両数は少ないですが、東海は新幹線で儲かっているのをかつてはロングシートオンリーの苦行エリアだった静岡県にもクロスシート車も入り快適でした。東日本はグリーン車2両含めた堂々の15両編成E231系ですが、普通車のシートは長く座るには堅いです。15両で大混雑する首都圏ですからしょうがないのでしょう。東日本ローカルの211系はいかにも古い感じでした。このあたりは東海が儲かっているので、ローカルにお金やメンテの余裕はあるのがわかります。

 その他の新型。宇都宮のライトラインは急坂も登るパワーがありますが、靜かです。小海線の蓄電池を使ったハイブリット車、E200系も静かでした。その翌日キハ110系のうるさいことです。

【トラブル】大きなトラブル、乗り間違いはなかったのですが、2つのミスをしてます。そのキハ110系で小淵沢に着いて10分ほどの乗り換え待ちでした。トイレと下車印などをしてホームの待合室にいると、折り返し待機のそのディーゼル音がうるさく、3両編成の電車は待合室からは遠い位置に停まるのに気づかず、乗り遅れてしまい、次の電車まで1時間待ちました。首都圏では15両とかの感覚なので、まさかそんな端っこに3両と思わず、「ありゃ」と気付くと時すでに遅しでした。
 もう一つ、財布や切符、メガネ、スマホ、帽子などの忘れ物はよくやるので注意してたのですが、高崎の駅の券売機前でカバンを整理していた時、薬を入れていたポーチを忘れてしまいました。常備薬や花粉症の薬などがぎっしり入っていたもので少しショックですが、横川駅で気づいたときには戻っても時間もないのと、返る保証もないので諦めました、幸い花粉症の症状はマシで、結局大垣まで駅前での調達はできずでしたが、何とかなりました。

【ホテル・食事】宿泊代は、それぞれ個人の懐と目的にもよるでしょうが、予約サイトで安めのものを探しました。いろんなサイトがあり、最安といっても条件、クーポンやポイントもあるのでよく比べることです。基本ビジネスでしたが、佐久平のホテルはシングルですが、健康ランドが併設で大浴場、サウナも入り放題で良かったです。
 宿泊代自体は、あとはトイレやバスが共用でもいいと言う人はゲストハウスやカプセルです。私は落ち着かないので、むしろ夕食で節約してました。朝はバイキングなどでがっつり行き、昼に名物的なグルメや駅弁を遅めに食べ、夜は簡素に行きました。浜松でウナギ、宇都宮の餃子、信州そばなどは最低抑えましたが、コンビニですます節約もありです。

 私自身、夜行も無くなった昨今、1泊程度と日帰り中心でバラバラに使っていました。今回5日連続用で計画して旅立ち、むしろ楽しめました。最近の青春18はいつの間にかマンネリになっていて、毎回通る近場の線区が時間的に比率が多く、初めて行く線区に割合が時間の関係で短く、混雑もあり、マンネリにもなっていて、苦行に近くなっていたのです。遠くに行く旅本来の目的や楽しみを今回の改定で思い出させてくれて良かったと感じています。

 普通電車で、一駅一駅に停まるとそれぞれの駅に乗降客がいて、そこに集落があり、文化、歴史があるのです。普通といえども一駅間歩くとなると大変な難行、それこそ苦行です。それでも昔は一生にうちにお伊勢参りの旅ができれば庶民の最高の娯楽だったことを思うと、鈍行でも座れてトイレ付なのですから贅沢なものです。
 やはり、旅は普段のモヤモヤした気持ちを晴らしてくれます。いいものです。

大志を抱け 青春18きっぷ改定に寄せ | 天使の星座

旅行中 青春18の旅1 | 天使の星座

磁気のカードや切符・定期券卒業

 3月改編ということで、テレビの番組も昨日までで最終回を迎えたり、キャスターやアナウンサーが卒業、異動などで挨拶されたりと、淋しいような季節でもあります。

 JRや大手私鉄も春のダイヤ改正もありましたが、一部には企画切符や磁気カードの定期券類が発売終了という案内も見かけました。

 4月は定期購入で窓口が大混雑するのですが、定期券もICOCA使えるんだっと感心してたのがついこないだのようなのに、あっという間に阪急は磁気定期券廃止になるようです。京阪は多くの駅で磁気の券売機すら廃止ですから、紙やカードはどんどんなくなっていきます。

 京都に住む私が神戸方面、神鉄や北条鉄道に乗る時によく利用している阪急阪神の1DAYパスも3月31日で磁気カードは廃止で、デジタルに移行するそうです。

 駅まで買いに行かないといけない磁気券はそれなりに不便でデジタルは便利な気もしますが、やや味気ない気もします。
 ローカル鉄道などはまだ現金で1日券を売るところも多いですが、徐々にQRコードや24時間デジタルなどの企画切符が増えています。駅員がいちいちスタンプを押したり、乗務員が日付を目視で確認するのは今の時代にはそぐわないのでしょう。
外国人向けには、今はイッキにクレカのタッチ決済改札対応も増えています。
 こうなると、日本のオムロン+阪急発の自動改札で切符や磁気カードが瞬時に出てくるガラパゴス系発明も、世界に広がることなく、衰退していきそうです。
 切符が詰まることもなく、メンテナンスも初期費用も少なそうですから、早晩淘汰されそうです。

 区間外の乗車券で入って、手持ちの磁気の定期券や回数券の2枚入れ3枚入れにも瞬時に対応する、とんでもないスペックのカ自動改札機もありましたが、もう磁気券をいれるところのないIC専用機に押されて消え入るのでしょう。

 地方の駅や、世界のほとんどの駅はアナログな乗務員改札か無人改札から、ICカードかクレカのタッチ決済、QRコード決済に進むのです。

 何だか、日本の尖った文化や技術が世界の標準からは、取り残されていくようで残念です。

 

ひとり旅ができる人できない人

 ひとり旅が好きな人はやや少数派ながら一定数います。大して、ツアーや友人の仕切りや家族連れでないと旅に出ない人もいますし、旅が好きでない人もおられるでしょう。

 一人で、旅を計画し、実行していくにはそれなりに考察力がいりますが、ひとり旅の好きな人はそれがまた楽しいのです。

 一人で旅することを楽しめるかどうかは、人生の分岐点かもしれません。一人でいると孤独を孤立だと考え不安や寂しさを覚える人もいます。気の知れた人がそばにいないと何かと不安でやっていけない人は、結構真っ当な仕事をしてきた人でもいますがそれだと、要はツルまないと何もできないような下っ端の不良に近い感じです。

 家族も友人もいつまでもそばにいて、同じ態度で接してくれるものでもありません。心地良いようで、いつの間にか惰性になって自分を活かせない関係になっていることもあります。

 旅の目的はさまざまです、グルメや温泉など、最初は仲間がいた方がいい場合もあります。旅などというものは、非日常を自分の感性で味わうことこそ楽しみのはずです。ちょっと勇気をもって、一人でも踏み込んで歩き出すことです。

 人間は最後には一人になります。孤独になることを恐れるものではありません。孤独に慣れ、楽しむことができれば心強い味方ができたようなものです。自分の中に自然と、考えて感じる力が湧きあがるのです。 歴史が好きな方嫌いな人もいるでしょうが、旅をしてそこで先人の功績、偉業に出会うとそこで感じることは自分の力になるようなものです。

新幹線連結が外れた事件に関して

 3月6日に、東北新幹線、「はやぶさ」+「こまち」の連結が走行中に外れて緊急停止するという案件が昨年9月に続き発生して、現在重大インシデントとして調査中で連結運転が休止しています。

 山形新幹線、秋田新幹線という在来線直通のミニ新幹線がJR東日本で1990年代終わり頃にでき、この連結運転はそれまで一度もこんなことはありませんでした。私も1998年から2000年にかけ、秋田に赴任し、初代の白のボディにブラックマスクのE3系「こまち」には良く乗りました。その後も仙台にいましたので、併結された、「やまびこ」「はやて」には帰省や出張などで良く乗りました。今は最速達列車が写真の緑のE5系「はやぶさ」になり赤いE6系「こまち」に代替わりしていました。
 東北新幹線は今、北海道まで行きましたが、昔から停車駅の少ない速達列車は、盛岡で「こまち」を切り離します。停車駅の少し多い準速達列車は、つばさを併結して福島駅で切り離します。上りは逆にそれぞれの駅で連結するわけで、初めて見る人にはちょっとしたイベント的光景ですが、良く乗る人には毎回の慣れたものです。

 この30年近くで最近の2回だけでのアクシデントで、乗客にケガもなく、車両にも故障はないようですが、何か騒がれると不気味ではあります。

 日本の鉄道の自動連結器をとりまく技術やスタッフは世界一優秀だと聞きます。在来線でも特急や新快速などが乗客の波動に合わせ、駅で何両目からとか連接、分轄しています。また貨物列車も機関車と貨車、貨車同士を切り離したり繋いだりしており、素早く連結してロックされ、走行中には離れないようになっています。

 今回の新幹線の事故原因については現在国の運輸安全委員会が調査に入っていますので滅多なことは申し上げられませんが、調査結果が出るまでには相当な時間がかかります。 

 これから先は鉄道ファンレベルの情報での考察です。
 つなぐ連結器の列車や貨車が、近づいてきて連結した瞬間に「カチャン!」とピンが落ちてロックがかかりますから基本的に不完全連結での走行はありません。

 まして、不完全連結であれば列車が連結されていない状態ですから、列車が駅を発車して動き出した瞬間に非動力の貨車なら分離してしまい置いてけぼりになります。新幹線は電動車であり、切られた相手も先頭車で当たり前に同程度の速度で自力走行していましたから、今回上野あたりで分離したのは、不完全な連結のまま走行していたのかとも思えます。
 新幹線では運転中でも、手動で切り離しが行えるとは思いますので、そういった機能の誤作動、E6系の方に何か原因があるとも言われています。

 現在、北陸新幹線、西九州新幹線の延伸問題も話題になりますが、ミニ新幹線でなくても今後、整備新幹線と従来の新幹線の併合直通運転は検討されているはずで、この問題は早急に原因究明して解決をはからないといけないでしょう。

 直通運転を取りやめた「こまち」や「やまびこ」は今、混雑と乗り換えの不便を強いられています。延伸が予定される北陸や西九州の路線も課題の一つに乗り入れや乗り換えがあります。山陰新幹線、四国、羽越や東九州まで検討が進んでいますが、北陸でも要望されるのも新大阪などへの直通です。いくら早くても今の敦賀乗り換えが嫌われているのは、面倒臭いのです。
 新大阪について、そこからリニアに乗り換えるなどを考えても、合計で何度も乗り換えたくはないのが乗客の心理です。
 しかし、とくに線路容量の逼迫した従来の路線に簡単にはダイヤを組み入れられないのと、これらの整備新幹線は4両やせいぜい8両程度で良い乗客予想なので、フル規格新幹線で線路は繋がっても併結される可能性が今後は出てきます。

 いずれにせよ、今回の事故原因が明確になり、尾を引くような案件でないことを願います。

海が見たくて和歌山へ 地方創生とは?

 寒いと言われた日ですが、太平洋側の和歌山県は風が強いものの、日が射すと暖かい一日でした。
 さんざん、鉄道廃線跡を歩き回りました。交通政策の話などで鉄道の専門家のお話でも和歌山県は人口減少も激しく、鉄道も相当厳しいということでした。今日は有田鉄道と野上鉄道の廃線跡を行きました。以前、御坊の紀州鉄道末端区間の廃線跡は歩いているので和歌山の盲腸線、廃線跡はほぼ完走しました。
 1993年上梓の川島令三「全国鉄道事情大研究 大阪南部和歌山編」には有田鉄道も野上鉄道も廃線を危ぶまれながらも打開策を書かれていました。今や、紀勢本線でさえ、進むほどに厳しい状況です。
 特急は白浜まで観光客向けの特急もあり、健在かと思われますが、何せ紀伊半島は海も迫り、景色は良かったのですが時間とお金はかかります。昔のスペックの線路、線形、カーブの多さで電化されてはいても速度にも限界があり、後からできた高速道路にスピード面で勝てないのですし、クルマはドアツードアの上、4人のっても料金は一緒です。これでは鉄道の利用が少ないのも分かります。
 とはいえ、新幹線の恩恵のない地域の過疎、衰退ははっきりしています。物産や施設やら企画などいろいろ努力もされて、気候の良い時、人も少なくのんびりと見れば田舎もいいような気がしますが、かつて栄えた工場や鉱山、一次産業も衰えが目立つので、働くところがなければ、暮らしていけないですし、商業も難しくなり、インフラにかけるお金も無くなる悪循環です。こういう地方は、日本のいたるところにあり、県庁に出るのさえ時間もかかり、その県庁、中心都市でさえ、首都圏などに及ばない地方都市です。
 明治期には、和歌山にしろ日本海側の新潟、金沢も今より格上の大都市でした。日本列島の改造、地方創生を今一度ぶち上げる石破首相ですが、言葉だけでなく、地に足をつけ、何とかしないといけないですね。

 交通政策、インフラ整備、流通に関しても、自治体、NEXCO、JRや民鉄、各企業と関連省庁、学者に任していてもバラバラです。それが今の地方のいびつな惨状です。
 かつて東海地震、今南海トラフが発生するかもなどといった無責任な地震学者や学会などもいい例です。それが正しくともインフラと防災、交通政策、街づくり、産業があって全てをバランス良くして街の維持、発展があるのです。

 朽ち果てた地方の廃線と、爛熟して混雑する都会の喧騒を見ると、この国の直すべき問題の解は見えるはずです。

6月で休刊だそうです

 鉄道ジャーナルという私が本格的に30代で鉄道好きとなるキッカケの一つだった雑誌が今年6月号で休刊となります。1月21日発売のもので3月号ですから、4月20日過ぎに出る号でお休みに入り、そのまま廃刊の可能性も高いでしょう。
 同嗜好の「鉄道ファン」に比べ交通政策などにも言及した考察型の記事も多く、美しい写真やかつてはレイルウエイライターの種村直樹の記事も楽しめました。
 鉄道は何となく好きでも、地元の阪急電車と、転勤先の鉄道くらいしか知らなった私は、独身の気晴らしに手にしたのが、この雑誌との出会いです。
 現代はもはやどのジャンルも出版不況の嵐にさらされています、図書館の雑誌コーナーでも毎月のように老舗の雑誌の廃刊が見られます。その嵐に勝てなかったのでしょう。
 鉄道のオタク、女性も増え、テレビ番組などは増えていると言われますし、私の好きな廃線鉄、乗り鉄、音鉄。写真や動画の撮り鉄、葬式鉄と細分化されたコアなファンはそれぞれにいます。逆に言えば、総花的な雑誌から情報を得る時代ではなくなってきているのでしょう。
 昔は鉄道会社の新車などの発表も、雑誌で知ることもありましたが、今は経済新聞ばかりか、ネットの情報で先に知ります。新路線や新車体験など、ユーチューバ-がすぐに動画を上げます。ジャーナルの紙媒体の雑誌は美しい写真や詳しいレビューもいいのですが、早くても1カ月半以上遅れます。そして、まあビジュアル系の宿命ですが、写真もカラーで何枚もいれると紙質も上げねばならず価格も高くなります。
 私も随分前から、購入にいたらず図書館や立ち読みでいいわとなってしまいがちです。
 経済紙や旅行誌などの雑誌どころか、無料動画はじめあらゆるところに競合が多い中、1200円を毎月というのは難しいのでしょう。
 新車も新線や廃線もあるもののネタとしても独自なものには限界があり、パターンも枯渇しがちなところはありました。
 他の鉄道雑誌も苦しいところは同様です。それでも子供、大人年齢に関わらず新しい鉄道のファンが生まれるきっかけの紙媒体は続いて欲しいとは願います。