年末最後の鉄たび

 最後までバタバタ、家族がインフルエンザに罹患したました。

 看病してても、確実に伝染りそうなので、こちらも予定を変えずに、出発しました。

 しかし、京都駅時点でやはり、体調が、思わしくなく熱っぽくなりました。

 備蓄、携行してたタミフルとカロナールを服用しました。

 廃線跡のウォーキングを少ししました。無理な行程を外しながらも、休んでいても気分が良くなるわけでもなく落ち着かないし、最悪です。グルメ、駅弁、朝食バイキングももったいないほど、食べられませんでした。

 聞けば全国でインフルエンザは蔓延しているとのこと。この年末年始、曜日ならびて9連休が多く休日診療も恐ろしいほど大変な混雑でしょう。大型連休の功罪かもしれません。ニュースは帰省をやりますが、もちろん交通機関、商業や消防、警備、インフラを支える人には長い休みはありません。

 今の帰省に使われる新幹線駅や空港もいつか代替され、朽ち果てる日も来るのでしょうか。

 数の減った年賀状をホテルで書きながら、何とか体調は持ちそうです。

新旧交わるのが京都 北陸新幹線問題

 北陸新幹線の延伸ルート問題で、小浜ルート以前に京都乗り入れに対し、反対の声が上がり府知事は駅ルートの絞り込みを年内決定は先送りし、来年の着工は難しくなりました。
 府北部の自然環境や、市内では地下水の問題などで酒造組合の反対も出ていましたが、ここへ来て京都仏教会も「千年の愚行」と反対の声を上げた影響も大きかったようです。

 私は京都在住の鉄道好きで、やみくもに新幹線やリニアができれば良いとは思っていません。冷静に今までの経験則で情報を分析しています。反対の立場の方の危惧もわかりますし、元々新しいインフラができる場合、立ち退きや環境被害などのデメリットを蒙る人と、便益を受ける立場の人がいて全体として将来を見据えてどうかという議論をしなければいけません。

 少し京都は景勝も優れた場所も多く、また由緒ある寺社仏閣を訪ねると、本当に歴史の重みのあり、その伝統を継承するのに計り知れない尽力をされているのもわかります。ともすれば、多くの都市や地方では後継もなく、朽ち果てるところが多い中で京都は長い都であったとは言え、恵まれた面がありますし、東京に政治の中心が移った明治期の先人が危機感を持ち知恵を絞り努力されたのが分かります。

 比叡山や愛宕山を借景とした素晴らしい庭園が今も維持される中で、京都駅周辺だと東寺や本願寺に、京都タワーや新幹線が交差する時代を超えた光景が目に入ります。寺町通や祇園界隈も古い町並みやお寺の横にモダンな建物もあります。全体としては高さが制限されてはいても、外国の街の統一感はなく、町家の横にマンションやホテルもあり、変な店舗もあってカオスなのが京都です。

 古い伝統を守る意識と、新しいものを拒まず受け入れる意識が交錯するのが京都です。全国に先駆けて、小学校を作り、琵琶湖疎水からの発電を利用した日本で最初の路面電車など、京都は革新と保守の時代を繰り返してきたのです。

 東海道新幹線も当初は京都乗り入れには反対の声もありました。この時も保守的な人は反対したのです。しかし、もし京都に新幹線が通らず、奈良や大阪を経由しないと東京方面や山陽方面に直接行けないとなると、随分不便ですし、こんなに京都は規模を維持できていないと言われています。奈良と立場が逆転してとまでは行かずとも、奈良や鎌倉のようなひっそりとした地方都市となっていた可能性はあります。風情はあっても、いくつかの企業は発展せず、大学も少なく、多くの寺社仏閣は朽ち果てているかもしれません。

 阪急(旧新京阪)の地下線、京阪の地下化と出町柳延伸も反対の声はありましたが、今はすっかり定着してなくてはならないものです。逆に反対やさまざまな事情で実現が遅れたのが、都市高速と市営地下鉄です。今のインバウンドの市バスの混みようや、バスの乗り入れの難しさを考えると、環状する地下鉄、都市高速、もしくは市電の保存含め、将来を見据えた革新的考えが負けた結果かとも思います。

 北陸新幹線は、確かに難しい問題が多いです。京都の政治家の多くもリニアは反対デモ、北陸新幹線には条件付きで賛成という方が多かったですが、ここへ来て負担に見合う便益があるのかという声が大きくなってきています。

 しかし、京都仏教会、相国寺派や清水寺など観光寺院の一大組織ですが、東西本願寺など檀家を多く抱える京都仏教連合会とは別組織です。
 かつて古都税にも反対しているのが当然この観光寺院の多い京都仏教会です。お寺や神社の市内に占める面積割合が多く京都の固定資産税収は少ないので、何とか観光客から税金を取ろうとしたのですが猛反発にあい、結局京都市は破綻寸前まで財政を悪化させています。
 それぞれのお寺を維持し、文化を守り宗派を守るのはいいのですが、京都の未来の交通網に対し意見するのは越境であり、僭越です。新幹線の恩恵でたくさん儲けてきたのですから、まず地元の財政に寄与していただきたい。そこからはじめて納税者として意見を述べる権利ができるはずです。
 何が言いたのかといいますと、仏教会の代表、日本の仏教界の重鎮中の重鎮とされ、世界遺産で知られる金閣寺(鹿苑寺)と銀閣寺(慈照寺)の住職を兼ねる有馬頼底・臨済宗相国寺派管長。大阪国税局が過去に着手した税務調査では、2009年~3年間で約2億円の申告漏れを認めてに修正申告し重加算税は免れたものの、過少申告加算税などを含む約1億円を追徴課税されています。
 今も年間5000万円以上の収入のある宗教団体は、財産目録や収支の登記が義務付けられていますが、仏教会の多くの寺院がこの最低減の公開をしていないのです。

 一般の市民が、物価高や増税に苦しむ中です。北陸新幹線が京都に恩恵なのか害なのかは別にしても、地元の庶民がこれ以上負担するのは不公平であり、「千年の愚行」なのです。

JR東日本、京阪電鉄値上げ宣言

 この10月から郵便料金も上がりましたが、交通関係では、来年度以降に京阪電車、続いてJR東日本が運賃値上げが報じられました。

 中小私鉄も一部は値上げを宣言しているところもあります、また平行して、JRも私鉄、三セクも赤字ローカル線の存廃を俎上に上げていますので、値上げしないと、やっていけないよという脅迫めいた印象すらあります。

 券売機やみどりの窓口削減、新幹からの特急乗り継ぎ割引きも廃止されました。青春18切符も簡便なルールで実質縮小されました。
 今後は来年度以降、前のブログでも書いた往復601キロ以上の往復割引や、連続乗車券などは廃止されます。新幹線や特急の自由席も減り続けており、これも実質の値上げともとれます。もちろん、紙の切符や人を介いしての窓口での発券、車掌の手を煩わす検札などはどんどん減少し、デジタル化、オンラインでの手配が増えています。
 今はそのデジタル化推進と、その系列での決済のため、ポイント還元の優遇や割引の企画商品で、比較的現金より安く購入できますが、そのうちまたこの値上げの波は来ます。

 JRも比較的、首都圏の通勤圏を担う黒字傾向の東日本が値上げなら、ドル箱の東海道新幹線を持つJR東海以外の、西日本や大赤字の三島会社はこれからどれだけ値上げをするのかちょっと想像するだけで怖いものがあります。

 青春18切符の改定で、鉄道ファンは大騒ぎでしたが、もうこれからJRごとの料金格差は大きくなりそうです。JR全車共通の企画切符は風前の灯です。駅の撮り鉄や、青春18期のローカル線の混雑など、鉄道会社はそんな些末な面にかまう以上に、厖大な路線の列車運行維持に頭を抱えての決断でしょう。
 鉄道の路線維持には、当たり前に多くの人が関わり、車両を整備し、駅や線路を点検していく、地味で厖大な安全点検をしていかないといけません。駅の窓口の人は減らせても、運転手や整備士、保線の要員は減らせません。新車や新しい設備も更新できればいいですが、古いものも使っていかないといけないのです。

 内情を垣間見ると、値上げも止む無しだなとは思います。ガソリンが高いとはいえ、中長距離の移動だと、高速バスが安くて早く快適ですし、何人か乗ればガソリン代と高速代がかかってもクルマ移動のが断然安く便利です。

 悪循環で、鉄道を取り巻く環境は特に地方では厳しくなります。都会でさえ、地域によっては鉄道にはめったに乗らない人が増えています。

 値上げはやむなしとして、鉄道は子供の夢、憧れであり、その町から日本中、世界にむずびつくのだということで、何とか鉄道会社には夢を与える存在であり続けて欲しいです。

往復割引「601キロの壁」廃止 連続乗車券も

 ちまたでは国会でも議論されだした「年収103万円の壁」問題が話題ですが、ここに鉄道ファンには「601キロの壁」というのがあり、どうやらその壁がなくなりそうです。
 青春18切符のルールが改訂され、すでにこの冬分が発売され、マニアの間には嘆き節も良く聞こえます。そんな中で、またJRグループが廃止を決めた制度があります。601キロの距離を往復すると、いずれか片道が実質2割引き、往復を1割引きで購入できる。「往復割引制度」が来年度末目処の廃止となります。

 同じく、連続した行程の2つの切符を一つにまとめる連続乗車券も来年度同時期に廃止になるようです。
 昨年新幹線と特急の乗り継ぎ割引が廃止されました。
 いずれも単なる値上げではなく、みどりの窓口削減で、ネット予約などオンライン推進や車掌の業務軽減化も大きな目的です。
 のぞみや在来線特急で自由席を削減しているのも個の流れです。

 デジタル化が複雑なJRの運賃体系に合わない部分が、削減されています。
 JR各社は、オンラインでの購入促進のため、デジタルだと同等かそれ以上の割引、お得な切符企画商品を販売しています。
 連続乗車券は条件がやや複雑で、値引きそのものはなく、切符の枚数が1枚になり有効日数を通算できるのと、払い戻し手数料が1枚になる程度のメリットなので、利用者も少なくとくに大きな影響もないでしょう。

 往復割引は、影響は大きいです。元々往復すれば、全く別に買う場合や長く滞在する場合以外はそれが定価と思っていた人もいるでしょう。
 実際には有効日数の確認など、計算上も煩雑になり、片道切符を持っていると、帰りの券を追加購入するのに応じる窓口対応など、いかにもアナログです。

 実際私は、大阪~福岡の会社手配の往復の割引なし切符を現地で気づき往復割引切符にして、仲間と利ザヤを貰いました。会社の粋な計らいではなく、気づかずに往路復路で会社担当と旅行代理店がそのまま発行し、社内にも細かい規定がなかったか、見落としたのでしょう。最近はそんな見落としもなく、EX-ICとかで社用のものは、最安値で出てくるのでしょう。
 それでも、601キロ未満の正規運賃と、わずかに超えたそれ以上の距離の運賃が逆転する問題は煩雑です。優秀なAIなら、安い方を自動発券しているかもしれませんが、本来のルールの「目的地までの切符」という趣旨から外れるのはおかしいことでした。しかも、ほぼこれが定価になるような設定ですので、デジタルの割引とはシステム上重複して適用されてしまう場合が多いようで、それを再度除外するのも難しいのが廃止の原因のようです。

 この変な壁という、煩雑さ、「年収の壁」と少しだけ似ています。あちらは、壁の金額を物価や賃金とスライドしてあげるようですが、スッキリするのは廃止です。それだと困るといわれそうですが、扶養とかでの税制優遇が全く別の支給などで考えないと、壁はどこまでいってもその前後の不公平の矛盾をはらみます。
 往復割引の恩恵は、ヘビーユーザーならポイント還元など、お試しユーザーにはバーゲン期間や企画商品の設定をするなどでいいのです。

 マニア的にはつまらない感じもわかります。

名古屋プチ旅

 名古屋にいたのは、30代の前半の3年ほどで平成2年から5年の間で、当時の記憶がそれほど鮮明ではありません。

 その後も何度か通過、経由はもちろん、文化施設やイベントも含め訪れてはいますが、それほどゆっくり街を見ていません。まして、昔の会社時代は、歴史や文化もそう興味もなく、仕事をして飲んで食べて寝るだけでした。
 当時、主力だったアマノ薬品グループ、名古屋駅地下入り口の一等地でまだ、同じ位置(たぶん)で頑張っておられます、もっと狭い感じで、奥の事務所に入って店長と商談していました。30年以上前になります。

 名古屋から転勤してからも、早朝の移動経由時に、一度元部下の美容部員に会いましたが、さすがにもうみんな顔を知る人も当たり前にいないです。辞める直前のイオンなどのカネボウ、ソフィーナでももうだいぶ入れ替わってる経年ですからね、店も当時から何回も改装され、大手の合従提携もあるのでしょう。

 地下鉄は、だいぶ迷いました。昔は桜通線の名駅から一つ目の国際センター前最寄に会社があり、一つ東の丸の内で鶴舞線に乗り換えて、住んでいた独身寮のある庄内通まで載っていました。仕事でこのアマノの店舗に行くとか、会社帰りに名古屋駅に行く時は徒歩でユニモールという地下街を雨でも濡れずに歩いて行きました。この辺のハードはあまり変わっていあM線が、駅前はJRのドデカイビルが建つなど、印象はだいぶ変わりました。
 そして地下鉄も、当時は桜通線が最新の深い構造のもので、市域全体の営業キロも短く、当時京都の地下鉄が烏丸線だけだったのよりはそれでも長いですが、平成の半ばぐらいにかけどんどん延伸していき、2号線、4号線と言われていた路線が環状線になり、名城線となっていて、全国でも珍しい右回り、左回りと呼ばれています。JRに山手線など環状路線はいくつかありますが、内回り外回りと表記され、どっちが外なんかわかりにくいから、これは親切とも言えます。ちなみに日本の鉄道は左側通行なので、基本右回り(時計回り)が外回り、反対が内回りです。

 市電の古い車両を集めた、レトロでんしゃ感(市電資料館)に行きましたが、各地と同じく、昭和30年代の後半をピークに、昭和50年までにはどんどん各地の公営路面電車が、クルマに押され、地下鉄に置き換えられています。
 しかし、京都や、神戸、横浜などは都市の面積や、地形などもあるのですが、地下鉄網が中途半端です、名古屋の公営交通が素晴らしいとも言い切れませんが、京都のしょぼい路線と、それを作るのに大赤字になったあたりは、地下鉄も経営はどこもしんどいでしょう。名鉄、近鉄、関西の京阪や阪急などの地下駅や路線に比べ、駅や施設、車両にはそんなにお金がかけられないのが公共交通の難しいところです。大阪の合理化、改革されたメトロをみていると、トイレもキレイで、民営化で切り詰めて良くなっている気がします。

 そして、今回のメインの歴史文化散歩は、名古屋市制資料館。法曹界テーマの朝ドラ「虎に翼」のロケ地にもなった、大正時代のバロック建築、旧の控訴院、地方裁判所です。
 赤レンガ外壁、大理石の壁、ステンドグラスの窓、広いエントランスと階段などよくこんな建物が戦災を逃れ、公共施設として未だに残っているなと思いました。

 もちろん、独身時代の30年前にもあったのでしょうが、行ったことありませんでした。

 新幹線だと40分、在来線やバスで2時間あまり、関西からまあ近くて遠い大都市名古屋のプチ感傷旅行でした。

鉄道地図好きで良かった

鉄道路線名はどのように名付けられているのかを分類しながら、紹介している本です。
長くなるので、目次の全路線は書かずにカットしようかと思ったのですが、どこも面白いのでだらっと書き流します。

 
◎目的地、それとも起点 ―起終点名をとった線名
 ○根室本線―延伸して釧路本線から改称
 ○函館本線―何度も峠を越えるが今や廃止の危機
 ○留萌本線―消えゆく「最短」の本線
 ○阪急宝塚線―私鉄の経営モデルの老舗
 ○福知山線―舞鶴鎮守府を目指す阪鶴線がルーツ
 ○鹿児島本線―かつては球磨川を遡っていた
 ○長崎本線―佐世保近くを迂回していた旧線
 ○つくばエクスプレス―「本名」は常磐新線
 ○奈良線―奈良県を走らない理由は

◎この町を通ります ―主な経由地をとった線名
 ○山田線―一部三陸鉄道移管で山田へは行かず
 ○赤穂線―山陽本線のバイパスを目指した
 ○飯田線―四社が手を繋いだ長い「国電」
 ○木次線―危機に瀕するスイッチバックの聖地
 ○香椎線―石炭運搬線の博多湾鉄道からJRの近郊線へ

◎この地方のために ―広域地名をとった線名
 ○東北本線―奥州を長駆する北の主役
 ○山手線―「田舎」に敷いた線路も今や都心線
 ○内房線・外房線―何度も線名を変えた路線
 ○富山地方鉄道―戦時体制が生んだ「地鉄」
 ○関西本線―私鉄の社名をそのままで国有化
 ○近鉄南大阪線―河陽→河南→大阪鉄道→関西急行→近鉄
 ○湖西線―江若鉄道の廃線跡をたどる高速線

◎信濃と越後で信越本線 ―国名またはその合成による線名
 ○石勝線夕張支線―平成最後に廃止された路線
 ○磐越西線―磐城国から越後国へ
 ○羽越本線―酒田線と信越線がルーツ
 ○両毛線―上野+下野でなぜ「両毛」なのか
 ○南武線―「多摩川砂利鉄道」は今、タワマンの街を走る
 ○紀勢本線―日本で最後に全通した「本線」
 ○予讃線―讃予線をひっくり返して
 ○伊予鉄道―最古の七六二ミリ狭軌を走った坊っちゃん列車
 ○日豊本線―ルートと線名が何度も変わった

◎東京と横浜で東横線 ―地名を合成した線名
 ○五能線―「途中駅」を合成した?
 ○八高線―起点と終点の頭文字をつなぐ
 ○京浜東北線―首都圏を南北に縦断する「系統名」
 ○東武東上線―たどり着けなかった上州
 ○北陸鉄道金名線―あまりに遠かった目的地
 ○阪和線―戦前に日本一速い「超特急」を運行
 ○福塩線の「塩」ってどこ?―福山から「無名の終点」を目指す
 ○高徳線―幻の「電気軌道」がルーツのJR

◎主要な街道に沿って ―五畿七道と街道に由来
 ○東海道本線―五十三次は今も国の主軸
 ○北陸本線―北陸道に沿う日本海縦貫線
 ○山陰本線―出自の異なる複数路線を併せて
 ○山陽本線―瀬戸内海の船便に対抗して
 ○南海電気鉄道―五畿七道から命名
 ○参宮線―「お宮参り」が線名になったJR

◎川、城、住宅地 ―その他いろいろな線名
 ○中央本線―本州のまん中を通る
 ○東武アーバンパークライン(野田線)―“都市公園”線?
 ○東急田園都市線―渋沢栄一が夢見た田園都市の系譜
 ○大井川鐵道―電源開発とともに生きる
 ○名古屋市営地下鉄名城線―初めて「右・左回り」を採用した環状鉄道
 ○西武鉄道の各線―戦後にことごとく改名
 ○東京の地下鉄路線―多くが都心地名を名乗る

 本線と支線も今や形骸化してますが、途中の駅を線名にしているかと思えば、起終点の合成などや、地域全体の名前など統一感がないのが面白いです。福塩線のように小駅でも起終点に拘ったケースもあるのに、仙山線などは山形でなくともOKなのも一貫性のない路線名です。

 東海道本線がかつては今の御殿場線経由だったように、北陸本線、山陰本線、鹿児島本線なども旧線や支線になった区間がありまます。さらに平行して新幹線ができ3セク化されている線もあり、栄枯盛衰が激しいものです。
 御殿場線も富士山が見事に見えますし、他でも3セクになった路線でも、普通から見える景色は良いです。
 子供の頃から鉄道地図を見るのが好きでした。実際の縮尺ではない、デフォルメした分かりやすい絵図で、地名をよく覚えました。高校野球などで、各県の地名が出ると。どこにあるのか鉄道地図を探したものです。その地図から、その地方をイメージし、その駅や路線を想像したのです。

 地図が読めないのは女性に多いとは言いますが、地図自体に慣れないのか、嫌いなのかその感覚はわかりません。方向音痴というのと、地図嫌いなのもどう結びつくのかよくわかりませんが、知り合いにはいろいろ迷う人がいます。最近は女子の鉄道ファンも増えて、平気に地図や時刻表片手に旅されています。
 幸いか、鉄道地図が大好きだった子供は、それを応用して地理や歴史、文化を学び、全国どこでもあまり迷わないで、どんどん旅する大人になりました。

鉄道好きの行くところ

  毎月買うわけでもなく、dマガジン、本屋さんと図書館で見ている鉄道ジャーナル、鉄道ファンの11月号で、たまたまこの夏に行ったところと同じ場所3カ所が、駅や車両が特集されていました。まあどこも赤字で存廃のやり玉にあがる、ローカル鉄道やマニア向け車両となると、ファンの行くところは似てくるのは仕方ないのでしょうが、何か気恥ずかしいような気持ちです。
 11月号ですから夏、9月ごろまでの取材で、そういうものかと季節の移り変わりも懐かしいです。

 芸備線、木次線が出会う備後落合駅、新見方面への1日実質1本の列車は、雑誌の担当カメラマンの先乗りは撮れたけれど、その後の記者の取材時には不通になっていたそうで、あの山奥ではあるあるだと思いました。中国山地の陰陽連絡線は青春18時期は本数が少なく、接続も悪く、かつ大雨などで運休が多いのでなかなか私も完乗まで苦戦しました。
 備後落合は、大きな構内のジャンクション駅ですが、その機能が発揮されるのは1日一回のみ、確かに飲食店も売店すらなく、周辺の人にとって鉄道はもう忘れられた存在で、よそ者が1日1度訪れるだけの異空間的な施設なのでしょう。
 青春18キッパーはこんなに混んでいるのにと考えますが、地域に根付いていない、学校休みの時期の酔狂ものだけが客ではとても公共交通とはいえないのです。

 近江鉄道も特集されていましたが、存廃や上下分離が噂され、滋賀県はよく知っていますが、完全に沿線はクルマ社会ですし、距離は少し隔てますが平行して新快速もあるJRが走っており絶対的な必然はない電車です。
 そして、三岐鉄道にJR東海211系が譲渡されたものも同じく取材されていました。

 かつて、日本の動脈として、経済や社会、教育を支えた鉄道、その過去に輝いた駅や路線、車両が今は伝説になり、栄光は昔話となっています。
私は廃鉄ウォークは好きですが、基本葬式鉄ではなく、昔の車両よりは最新の車両の方が好きです。廃鉄ウォークは鉄道の遺構を文化、歴史として確かめるもので、今の赤字不採算路線の廃止はそれはそれでしかたないと思いいます。
 細々と一部の愛好家にだけ、見届けながら余生を過ごしている姿は、近代日本の急成長とその時に流れの速さに詫びさを感じます、

くちびるに歌を 映画&読書レビュー

 アンジェラ・アキのヒット曲「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにした小説と、その映画化です。

 元々、この歌いつまでもみずみずしい青春を呼び戻せる神曲だと思いますが、2008年なのでもう16年前にもなります。
 そして、この本と映画が少し経った2015年で10年ほど前です。コードブルーでブレイクした新垣結衣が主演という、まさにこの物語の男子生徒と同じ鑑賞の仕方で入った人も、ガッキーを忘れる感動で映画館を涙しながら出てきたそうです。逃げ恥で大ブレイクする直前の新垣結衣と、15歳の中学3年の生徒役で、その後朝ドラや映画でも活躍中の葵わかな、恒松祐里、佐野勇斗らが若い姿で出ています。【以下ネタバレ 今さらの古い作品ですが】

 彼らの成長した姿を見るだけで、もうタイムスリップした感じです。モチーフへの15歳へ手紙、30ぐらいの大人になった新垣結衣演じるピアニストの産休代替教師の思いもあるのですが、彼女自身最後みんなに見送られながら五島を旅立つ、これからの人生まだまだどう生きるのかと気になります。

 小説は生徒の人間模様がもう少しいろいろ描かれていますが、映画はガッキーの悩みを深く掘り下げています。

 自閉症の兄のために、生徒たちが大会後に歌う姿は共通の感動を呼びます。涙ぐみ必至の場面です。

 映画はあと、長崎、五島の自然が素晴らしくキレイです。

 いつか旅したくなると思います。大きなクリアな画面で再生したくなる映画です。

 そして、やはり原点となった アンジェラ・アキの歌詞。
そういつの時代も悲しみは避けて通れない。苦くて甘い今を生きている。
 15歳の倍の30歳の、未来の自分に、逆に昔の自分に手紙を送った、そのさらに倍以上の時を経ても、人生に全ての意味があり、苦くて甘い今があるのです。

 また若い頃の悩んでいた自分に手紙を書きましょう。今さらやり取りできないと思わず、きっと何かいい返事が来るような、気づきがあります。

混んでいないところを探す行楽の秋

 京都は昔から行楽の季節の観光地はダダ込みで、京都人は有名観光地の嵐山や、金閣寺など久しく行かない人の方が多いものです。

 インバウンドが始まる前から太秦に住んでいますが、その頃でも紅葉シーズン嵐山の混雑、渋滞は酷かったものです。
 外国人は別にしても、なぜ日本人までこんなに人が多いところにさらに行こうとするのが、その心理には付き合えないです。

 確かに、有名な社寺、観光地は本物の魅力があるのでしょうが、有名イコール価値ではありません。芸術などで本物を見たいという考えは間違いではないでしょうが、美術館なども私は超混雑で時間まで制限されチラ見するのに時間とお金をかける気にはなりません。

 ゆったりとした時間、落ち着いたロケーションがあって、初めて楽しめるものではないかと思うのです。

 大衆について行かないと、自分の審美眼に自信がなく、有名などこどこへ行った何々を見たというキャリアだけが目的になって、結局時間とお金を浪費する割に楽しめないことが多いのではと思います。

 嵐山に映えるスポットとして竹林の道があります。伏見稲荷の千本鳥居などと並んでインスタなどに上げる写真を撮る人で溢れかえっているようです。しかし似たような竹林はクルマで10分くらいの西京区洛西に竹林公園というところがあり、こちらは空いています。よく結婚式の前撮りをされているぐらい美しい場所で、人が少ないし、広い場所でゆったりできます。

 京都の町も広いですから、調べたら空いているところはあります。紅葉の時期でも結構穴場はあるものです。

 ガイドブックに頼ると、人の集まるところだけでダメです。逆張りではなく、細かい情報力と勘による行動でしょうか。
 有名な観光スポットでなくとも、それぞれの季節でいくらでも見所はあります。

来年の手帳買いました

 来年の手帳を買いました。どんな一年になるか、まだ不透明ですし、デジタル化の中、スマホをメモ帳替わりにすることも増えたのですが、やはりたまに紙の手帳使います。

 ついでに関係ないですが、「成瀬は天下を取りに行く」クリアファイルもゲット。
 そう、「島崎、来年は天下を取りに行くぞ」かな。

 11月の前半で、今年の祝日休むも最後で、3連休、秋の散歩にはいい季節でした。急に寒くなった感じが強く、体調もイマイチでしたがやっと回復気味でした。