やはり今の政治家が小物すぎるのか         #森喜朗#日本政治のウラのウラ#遺書東京五輪への覚悟 【読書レビュー】

文句なく面白い本です。
森喜朗さんを今称賛すると炎上しそうな感じですし、「老害」とかいくら実績があろうと女性蔑視はいかんと非難されそうな空気です。しかし、少し昭和後期~平成の政治史に興味があったり、国会をたまに見るような人には絶対おすすめです。
森さんは総理大臣としては「五人組密室での誕生」「神の国発言」「えひめ丸ゴルフ事件」と非難轟々で短命に終わりました。この頃の総理大臣としては、故小渕恵三や小泉純一郎が人気やあり実力も人望もある大物政治家のように錯覚されがちです。
確かに小泉の人気は高かったのですが。この本でポロリと語られる「田中真紀子応援密約」や「郵政民営化全く意味なし」を読んでると、小泉ブームを起こしただけの小物であることがわかり、森の今に至る外交力コネクションの強さには驚かされます。
小泉以降の劇場政治、ワイドショー政治の問題、小選挙区で選挙ばかり意識して外交のできない政治家が増えた問題。正解は見えないけど、今の政治家に足りないもの引き継いで欲しいものが多く語られます。
田中角栄、福田康夫の両大物に教えられ、安倍といえば晋三は小僧っこで父親晋太郎に官房副長官に任ぜられた。当時の外務族、大蔵族に比べて大臣の専門性がなくなりただポストの順列たらいまわしになっているのも嘆かわしいところを感じます。橋本龍太郎時代の行革、省庁再編、公務員人員削減せずってのが今の役所の末期的な体たらくを暗示していたのもよく分かりました。
書く内容が多すぎて、うんオリンピックも確かにこの人の力と思いは分かった。
もちろん政治家本ってそれぞれ自分はいいように書いてるから、同時期のライバルのもよく読まないといけないのです。そして沢山読むと、本人以外のところで本音がボロボロ出てくるのが面白い。今の政治家のダメダメぶりもまあ情けないほど面白く読めます。

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