北陸新幹線開業で先々代トンネルになる明治の遺構

明治時代の遺構、北陸本線敦賀周辺の旧線レンガで作られたトンネルです。昭和38年長大な新線の北陸トンネルができたため、いままでのルートは廃線となりました。廃線の跡の公道を散策しました。
 いくつかのモニュメント、水の滴る天井、ところどころ欠落したレンガの壁に歴史を感じます。1キロを超すトンネルでは機関士は煤煙で窒息死に至った場合もあり、トンネル工事での死者とともに多くの犠牲者がいたことも分かります。
 鉄道ができる以前は、人間が歩くか、馬か船ぐらいだったでしょう。
 そして敦賀までいくと現在は3年後の開業を控えた北陸新幹線の工事現場が見えます。さらに新しいトンネルと軌道ができると、現在の路線は旧線になります。明治にできたこの廃線は先々代ということになるのでしょうか。
 現在の技術ではトンネルで死者も出さないでしょう。時速300キロの高速鉄道が駆け抜けて明治はどんどん彼方の過去に追いやられます。
 しかし犠牲を伴いながら一歩一歩近代に進んだ日本の歩みは、いつまでも心に刻んでおきたいものです。

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