命があって帰国できただけで幸せ。いつの時代でも帰国された方にご苦労様と

 第二次世界大戦、アジア太平洋戦争の敗戦後、各地の戦場から敗残兵として帰国した人達、多くの人が戦死し、日本で迎える家族も本土が空襲され街も家も焼かれていました。
 生きて戻れて家族に会えたことだけでも僥倖であり、幸運でした。それからも食べていくだけで大変な時代が続くわけです。
 そんな時代とは比べることもできないほど恵まれた時代です。しかしこんなに気軽に海外に行けて安く遊んで帰ってくることは、今の時代の先進国だけです。その前提も感染症やテロ、政変のリスクという薄氷の上を滑っていたことを今回のコロナで思い知らされたはずです。
 私は旅行が好きですし、鉄道も飛行機も乗るのは大好きです。それでも通勤や出張、旅行でいつも思うのは昔はこんなに快適じゃなったのにありがたいという気持ちです。飛行機の中でビデオや音楽を楽しみ、機内食とお酒に舌鼓しながら移動する時も、戦後まもなくの復員の厳しさがよぎると、物見遊山で旅することに罪悪感のような妙な感慨がわきます。国内旅行ひとつとっても、東京まで京都から2時間弱、昔の東海道五十三次を1カ月もかかり、いろんな国境を越え山川を越えていた距離を日帰りですっ飛ばします。
 時代や貧富の違いと言ってしまえばそれまでですが、災害や事故何かあった時、急にその移動できるのが当たり前の距離は時代を超えて自分の前に立ちはだかります。帰宅困難など、まさにその典型です。
 遠い異国に旅することは日本でも戦後のまだ半世紀近くは決死の覚悟であり、物見遊山など本当に高等市民、特権階級だけでした。
 戦争からの復員を祝い喜ぶのと同じように、この非常事態に帰国された方はリスペクトされるべきだと思います。
 

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