高齢者雇用に向け、社会、労働は変わらないと

 人生100年ということでイギリスの学者さんの書いた「ライフシフト」なる本もよく読まれているようです。
 失業期間をスキルアップの充電期間と考えるのはフランスなどでは通用しても、日本ではまだまだ難しい状況です。終身雇用とまでは行かないにせよ、転職がなかなかうまく回らないのが日本です。投資や運用でゆとりを持てるのはやはり富裕層だけでしょう。
 ハローワークや就職情報会社の高齢者向け求人を見ても、なかなか50歳、60歳くらいまで働いたサラリーマンが転職できる職種そのものがありません。
 ましてや70歳、75歳で働き続ける仕事などなかなかありません。
 体力的にきつくなっているので、トラック運転手、介護、警備などそれまで何の経験もなければ正直選択肢になりません。
 役員で残れる一握りを除けば、給料が半分以下で屈辱的な仕事になっても会社に再雇用してもらうのが現実的に正解です。
 高齢者継続雇用、この仕組みがまた、中身は企業任せで、なかなか企業も法令指導のまま、渋々始めた所も多い感じです。
 楽な仕事で残れる企業もあれば、プライドを捨てないと残れないところもあります。楽な仕事を論功でさせるのも、若い非正規や株主からみればどうかとも思われます。
 どうせなら60歳よりもっと前に、経営幹部になれそうにない人は管理職よりも、営業や作業現場に下ろしそれなりの処遇で40代から70や75くらいまで働けるようにすればと思います。同期の一部が部長や役員になる中、一生ヒラかよと思われますが、そこまで残った方には愛社精神、自社ブランドへの思いは強いはずです。今の60からの急なダウンではなく、40でゆるやかに上昇を終え、継続が保証される体系を構築していくことです。
 労働が苦痛や忍耐ではいずれにせよいつまでも続きません。ある程度IT、システム化も進みコンプライアンスも進んだ時代で、そこそこやりがいがあり高齢者でも続けられる仕事があれば報酬はそれほど高くなくてもいいのではないでしょうか。
 もちろん高報酬を目指す人は、さらにスキルや資格を身に付けて挑戦するのにやぶさかではありません。
 社会全体が助け合い、失業や不安不満を減らしていくことは、今後の少子高齢化の中で大変重要になります。

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