北海道の漁業、ニシン、サケ・マス、水産交渉は絶望?墓参もできず日ロの領土交渉、北方領土問題は国益ではないのか

 北海道出身のある方のブログで
 ウクライナ問題で「北方領土交渉どうなるのでしょうか」「サケ・マス、貝殻島昆布漁、安全操業等、水産交渉はどうなってしまうのでしょうか」「コロナで2年間止まっているビザなし交流、墓参は今年も出来ないのでしょうか」「北方領土問題、平和条約交渉は国益ではないんでしょうか」
 と言った話を見つけました。
 日本がロシアと国境を接しており、実際にその近くで操業している方にとっては難しい問題です。日本がアメリカやG7、NATOに横並び、経済制裁や個人制裁を行ったため、それならとロシアから非友好国のレッドカードを出され死活問題となり何ら補償のないことを嘆いておられます。
 ネトウヨ系の方も含め、多くの方がロシア憎し、ウクライナ可哀そうという感じになっていますが、喧嘩も戦争も先に手を出した方が悪いという考えもありますが、両成敗という判断もあります。何より、アメリカやNATO加盟国に追随すればロシアが根を上げて早くに崩壊するという楽観があります。


 これは資源のない日本の誤った見方です。一部のブランド品やマックやスタバが撤退してもロシアは食糧にもエネルギーにも困りません。太平洋戦争中の日本とは違います。資源の乏しい日本が中国と交戦中に、米英と包囲網をかけられたあの頃でさえ4年も持ったのです。
 まして世界一の人口を誇る中国、それに次ぐインドが味方につけば輸出入先が少し変わる程度、元々自給自足が可能なロシアがそれほど困ることはありません。困るのはエネルギーや穀物、漁業などで関係のあった国です。経済制裁はもろ刃の刀です。すぐに結果が出ないと疲弊するのは相手とは限りません。
 いろんな西側のプロバガンタでロシアも攻められているようでも、日本人が想像するほど相手はやわではないのです。
 ウクライナ、NATO側が妥協しないとこの戦いは長引きます。この状況の中、日本で最も苦しむの国境を接している北海道の漁業の関係者でしょう。ただでさえ燃料費が高騰して苦しみ、操業すらできなくなるのです。
 もちろん本来の北方領土の住民の一時帰還など夢のまた夢です。
 ウクライナの国旗を掲げ、ロシア糾弾に加わる世論が多いですが、このことで何か日本は得をすることが多いのでしょうか。北海道の人達は確実にその犠牲というか大きなデメリットを蒙ります。
 この覇権主義を許すと、次は中国が台湾に侵攻して、尖閣、沖縄が危ない。だから日本はアメリカと緊密にロシア非難と制裁を毅然と強化すべき、核共有や憲法改正に言及する保守の方の論理もよく耳にします。
 しかし、ロシアから中国というロジックも強引ですし、それが正しいとして分断を深めても安全が得られるのでしょうか。
 台湾侵攻があるとして、日本がアメリカとかともに非難を強めていけば、次の対立で今度は北海道とは比べられないほどの危機が沖縄にも日本全体にも及びます。
 資源に乏しく、輸出入を中国経済に頼る日本の海外依存はアメリカ以上です、アメリカやオーストラリアに焚きつけられて咬ませ犬になって、国境を接する日本にいいことはありません。
 中国が本当に台湾や尖閣に攻め入って、アメリカがおっとり刀で駆けつけるのか、米議会も中国との全面対決だと及び腰になる可能性があります。そうなると日本は台湾国境、沖縄周辺でも戦場のような大変厳しい状況となり、日本経済全体も今のロシア以上に苦しむ戦中の悪夢の状態になります。
 理想的な善悪や思想は違っても、中国との関係は経済も含めてうまく賢くつなぐしかないのです。ロシアともしかりです。日本はG7であっても唯一NATO加盟国ではありません。ある程度の連携は付き合い上しょうがないとして、道義的な非難はしながらもNATO加盟国には一線を引き相手国をリスペクトを忘れないことです、
 独自外交を行い近隣国とは険悪な関係にしないことが大切です。
 右翼の方は日本がGDP大国でいつまでも強く、中国だけならいつでも勝てると日清戦争時代の幻想に取りつかれているように思います。しかし人口はおろか経済力、GDPで大きく引き離され軍事費も毎年どんどんつぎ込める国です。軍事力でまともにやり合えるわけがありません。これから少子高齢でますます細る日本が必要以上に近隣諸国すべてと角突きあい、軍事費に税金をかけ若者を犠牲にするなどとんでもない無駄です。
 外交は小さな友好関係の積み重ねとも、外務省関係の人はおっしゃります。
 今回のことでいうとウクライナ側がNATOを東側へ拡大しないという約束を破っています。
 2014年ミンスク合意、2015年ミンスク合意にどこの国が参加し署名しているか。ゼレンスキーが大統領になってからこの合意を履行しなくなり、今日こんにちの事態を招いたことを良く事実として知るべきではないでしょうか。ゼレンスキーが東部ドンバス地方で蛮行を繰りかえしていたことは、日本のほとんどの人に伝わっていません。
 プーチンがやっていることも褒められませんが、ゼレンスキーが一方的な被害者ではないはずです。アメリカからの報道だけを鵜呑みにして、正義と信じてアメリカ側につくのはいかがなものかと思います。
 先日も書きましたが正義、正論やルールではなく、勝ち馬に乗りたいだけでウクライナやアメリカに味方するとしても、ロシアや中国がすぐ負けるとは限りません。
 アメリカは戦争を焚きつけたい国です。同盟国が平和では儲からないのです。
 平和を望む日本人なら、かつて何度も戦争をしたイギリス、ドイツ、フランスの今の国境近隣関係を見習うべきです。それぞれ対立もしあいリスペクトしあいながらもう戦争をすることはあり得ません。
 そのような隣国との状況になってこそ、日本も少子高齢で落ちついた老大国になれるはずです。

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