年金生活者に1回限り5000円の給付など要らない

 今日、4月6日は24節気清明です。なかなか国内外は清らかに清々しくはなりません。
 そんな中、選挙対策で不評をかってさすがに没になったのが年金生活者に5000円の給付です。官僚か政府与党の誰が考え、誰がストップさせたのは分からないです。
 明かに選挙目当てのニンジン作戦の給付で、しかも毎月5000円ならまだしも1回ぽっきるの5000円とは、バカにしているとしかいいようがない。
 小学生のお年玉でさえ、1万円くらいになりそうな時代にである。金額が少ないという反対意見と、そもそも年金生活者だけに給付するのがおかしいという反対意見もあったはずでしょう。
 たしかにもう働いて頑張って賃金を増やせる人と違い年金生活に入って、物価や固定費的な家賃や公共料金、ガソリンなどが上がるのは痛いし不安です。しかし年金世代以外にも失業や病気で生活の苦しい人はいるはずです。
 しかも5000円配るのにまた自治体は大混乱に陥り、配ることに手間や時間、お金が税金としてロスしていきます。
 現役世代はどうでもいいのかというのが、いかにも選挙目当でもありました。
 コストなどを考えるとインフレになった時の年金の受給額を迅速に上げられるか、デフレの時に下げられるかです。年金財政の問題のようでもありますが、税金からのトータルのコストを考えるととにかく別枠の現金給付は無駄が多く煩雑です。
 消費税増税時の年金受給者支援給付金も全くの愚策です。増税なのですから、その分給付で調整でいいはずです。この給付は今も続いていますが、所得に上限がありながらも上限以下は給付額に応じた割合の金額が別建てで支払われ、元々支給が少ない人は5000円から減額されるのでいったい何の端数かわからない程度の金額になります。
 私の実務から見た立場からの主張としては、年金制度は煩雑すぎます。一定の条件を満たせばもう少しシンプルに一人いくらにして、生活保護との合算でいいと思います。いわゆるベーシックインカムですが、そこにいたるには課題も多いですが、シンプルにした方がコストは下がります。介護保険料や後期高齢者医療費はじめ税金や諸物価がこうとした場合、少なくとも特別徴収され天引きされている保険料の値上がりにびくつかなくてもいい、天引き後の手取りをまずある程度固定して受給者などに安心を与えておくべきだと思います。
 毎年、介護保険、後期高齢者医療保険が上げられ天引き後の年金振り込み額が下がり、問合せが殺到します。年金の微妙なスライド改訂とともに、下がることにお年寄りは敏感です。
 微調整の説明や、追加の申請など煩雑な手間ばかりかけているわりには。本当の意味で年金財政も国家財政も改善は遅々たるものです。それならばベーシックインカムの前段階でシンプルな給付額、申請の簡略化を考えるべきでしょう。役人、官僚は頭はいいのでしょうが、問題が多岐にわたりいくつもの障害があるため、目の前だけキレイにしょうとするため却って全体像が複雑怪奇になります。頭のいい役人には理解できても、庶民には複雑すぎるところが多いのです。

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