猛暑のあと一息

 今年は多くの地方で梅雨明けが異常に早い時期に宣言され、セミが鳴く前に猛暑の夏に突入しました。その後に梅雨前線が戻って雨が続いたり、それでも暑い日は猛烈に暑いという厄介な夏でした。それでも、今朝辺りは少し秋の気配を感じさせる涼しさで、セミは少数派になり秋の虫が鳴き始めました。

 終戦から77年、沖縄本土復帰から50年、毎年暑い夏は日本の戦争を思い起こす季節でもあります。私らの戦後世代は、子供の頃今ほど便利で選択肢は多くはなくても、水と食料と安全は確保されていました。

 小学校時代は給食があり、肝油のドロップが配られていましたが何のためのものか今一つ分からないまま食べていました。栄養状態の悪い子供のための政策の名残だったのです。

 子供の頃、読んだ軍隊の話、ガダルカナル島などの武器も食糧も断たれた惨劇、餓死も玉砕も直接見聞きはしていないまでも、忌まわしく怖い記憶として残っています。満州は北方領土などからシベリアに抑留された兵士たちの劣悪な環境も、とても痛々しい辛い話として記憶にあります。本当に戦争の終わった時代の日本に生まれ、ありがたいことだと思いました。

 ちょっと熱をだして苦しんでも、飲料や携行食糧などに特に困ることもなく何とかなります。その飲料などのチョイスに拘れるような時代です。

 確かにコロナ禍の医療機関の目詰まり、そこからの独居老人、独身者の孤独死などは痛々しいです。しかしまだまだよほど不運が重ならない限り、少し知恵を働かしアクションを起こし、頑張れば情報や救援の手は皆無ではない時代でしょう。
 そういう面では、本当にあんな戦禍の時代にはとても生きられないと自分自身思いますし、多くの人がそうではないかと思います。

 長い一生を地下で暮らし、2週間ばかりの成熟期を地上に出て暮らすセミたちの生きざまと比べ、人間の一生は長く貪欲に生きながらえ、享楽をむさぼることが可能な業の深いものとも思います。

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