【五公五民】 江戸時代の年貢 率を表現したことばで、収穫米の5割を年貢(本途物成 (ほんとものなり))として上納し、残り5割を農民の作徳米 (さくとくまい)とすること。
この言葉がニュースから少し話題になっています。
財務省が2022年度の「国民負担率」が47.5%になる見込みだと発表したからです。国民や企業が所得の中からどれだけ税金や社会保険料を払っているかを示すという率で、さらに今後防衛増税や異次元の少子化対策も取りざたされる中、江戸時代に領民が領主に納める年貢割合を引き合いにして「令和の時代に”五公五民” 江戸時代とどっちがマシなのか」と評論家などが「江戸時代,五公五民以上になると一揆が始まった」と不満が爆発するのではないかと呟いています。
白土三平のライフワークで江戸時代の階級闘争を描いた「カムイ伝」という長編劇画があります。この作品は紹介しだすと大変長いですので詳細はまたの機会にしますが、そこに出てくるのは支配する武士階級の暗愚な領主と、そこに連なる悪徳商人の姿です。
現代の政治家と財界を連想してしまいます。いわゆる大きなイベントや公共事業を事実上独占し中抜きをする電通のようなイメージの悪徳商人も登場します。当初は既存の悪徳職人を颯爽と追いやって、善玉かに見えました。新興で商才ありながらも悪辣な野心家夢屋というキャラクターは現在の国家予算に深く巣食うシロアリのような業者の印象となりました。
税や社会保険料が5割でも7割でも社会が成熟し高齢化すると仕方のない面もあります。しかし、その分配が本来配られるべき人に届かないで、私服を肥やす一部の人に回っていてはまさに「一揆」が起こってもしかたのない不平不満がたまるでしょう。
税金の無駄遣いや、談合で一部癒着業者への回っていく構図を見ると、働いて真面目に税を納めるのが馬鹿馬鹿しくなる気持ちも分かります。来年度予算が今年度内の成立が与党多数で国会で決まっていくようですが、一部審議中にも監査などへ使い切れていないとか、別目的流用、全然使えない基金など、無駄の指摘も多くありました。
官僚には『一揆手前』だとは自覚していただき、各部署が身を切る思い出来を引き締め、トップが今の庶民の苦しみを分かり、政治家がしっかり見張らないことには、反体制側でなくとも予算の承認、執行を看過できないのです。