役所、公共機関はもっと効率を上げられる

 バックオフィスDXの必要性 についてです。主にはこれから大企業から、中小企業や公的機関に移っていきます。
 企業でDXに取り組むにあたって、バックオフィスDXの必要性は時代を経るにつれ高くなったと言えます。 経営に深く関わる部門であり、ミスが許されない業務が多いので、欠員や繁忙にも対応しやすいシステムを構築することは待ったなしでした。

 結局は基幹業務の合理化、人員やコストの削減につながることでした。バブル崩壊後、各企業が課題を抱え、さまざま試行錯誤ながら取り組んでいきました。
 税金や公的なお金で成り立つ公的機関は、意外なほどITやDXで遅れます。
 税収が無いと言っても抑えるところは、人件費を非正規で賄うなど真正面からDXへは取り組まないチグハグさがあります。

 ここでやや個人的に私が働いていた日本年金機構の課題についてです。
 やはりここは年金問題を抱え残念な成り立ちで、中途半端な組織になっています。役所でも国家公務員でもない公的機関で、待遇も国家公務員なみではないので良い人材が集まらない残念な面もあります。
 少なくとも年金事務所のかなりを占める非正規職員は地方公務員の下限に近い待遇です。
 そして異動の少ない、どうしても淀みやすい組織になり、いろいろ努力されても空回りの感じがします。
 とても大事な仕事なので、完全にいろんな待遇面を公務員と揃え、民間的良さをプラスすれば良い人材の集まる組織になるのに、変にセキュリテイや専門性を重視して、柔軟性がなく、本テーマのDXには程遠い環境になっています。
 セキュリテイ上逆に危ないぐらい、個々の職員がセキュリティなどITリテラシーに無知になり、あのままではサイバーセキュリティを恐れて、かえって変革に対応できない。私の知る範囲で多くの硬直した役所、公共機関の中でも最悪の立ち遅れ度です。
 セキュリティを重視だと思い込み、検索エンジンなどの外部サイトに許可がないとアクセスできないのは、いまどき最悪です。ネットにつながらないパソコンにお金を払い、パソコンがあるのにアナログな手作業に追われ人数も時間も手間もかかっているなど、DX以前の最悪の手です。

 マイナンバーカードの導入で、セキュリティの知識が半端でこういあたふたとした効率の悪い行政事務は随所で見られます。
 公的機関も完全にマイナンバーを使いデジタル化してペーパーレス化を目指して、3段階のフェイズを企図していますが、ネットにつながれない環境に甘んじている職員がそもそも対応するには相当難しいと思われます。法律も条令、規則もデジタルに的確に変える専門性も必要です。
 コンビニでの住民票などの証明発行がそれなりに訴求されて進んでいますが、コンビニのバイトでさえが機械操作の案内を覚える時節に、長々待たしてる役所もどうなのかと思います。コンビニと同じレベルのセルフサービスのプリンター複合機を用意して、市民が慣れれば窓口職員ゾロゾロは減らし、福祉や介護、生活保護などにシフトできます。
 役所の課題は、既得権を持った職員が動きたがらず、組合も職種や勤務条件の変化に抵抗する勢力になります。革新系と言いながら組合が支援する左翼政党などは改革の邪魔でしかないのです。そこを市民の信任を受けた市長が強力に推進しないと変えていくことは不可能です。
 
 今年10月には郵便料金が大幅に値上がりします。
 すでに民間企業からのダイレクトメールなどは激減し、カード会社の請求明細も電子化され、郵便で来るのは税金や年金通知や送達などの公的機関中心です。持ちつ持たれつの関係かもしれませんが、郵送の2割以上の負担増は真面目に考えれば大きいはずです。オンライン化を真剣に取り組まないと、いつまでも親方日の丸で経費垂れ流しではいけないのです。
 DX以前の効率化できるポイントも多いのですが、まずは幹部も現場職員もデジタル化でできることが何か、その残された当時者が自分で、自らの組織が変わらないと国民が大変な無駄を強いられていることを知るべきです。
 表題通り、役所や公的機関はもっと効率を上げられる。リストラで税負担を上手く分配し、それが長い目では税や公共料金の軽減、雇用にも経済にも日本全体の活性にもつながるはずです。

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