昨日も北陸新幹線の延伸が迷走し、難しいということを書きました。
これは鉄道だけの話ではなく、鉄道から見える日本の未来の話です。今よく言われる少子高齢化、人口減少、GDPなど国際的地位の低下の問題もつながります。
先日も消滅可能性自治体が報道されていました。20年とか50年見据えて、学術団体や諮問機関、マスコミの仮説だけでなく、日本をどういう方向にもって行こうという強いリーダーシップが国に無いので迷走してしまうのです。
たとえば北陸新幹線の次の延伸のルートにあたる小浜市なども、ほっておくと過疎が進むのは見えています。そこに巨額の投資をし、金沢や敦賀のように東京とつながり活性されるならどこだって新幹線が欲しいわけです。
では、その基準はあるのか、公平な負担のあり方はどうなるというのは、地元や民間会社のJR、利権のからむ地元国会議員だけの決め事ではダメです。公共事業が巨額の税金を使うとともに、景気や雇用対策として大きな効果もあり、必要なことではあります。しかし、そこにムダや、今でいうSDGsの考え、未来への見通しがないと意味のないバラマキです。
そういう面では、リニアにしろ、新幹線にしろ新しい駅や路線が、既存の交通機関とどうつながり、街や人にどう影響していくか、分断や過疎を止め、日本全体をどう再生するかの大きなカギなのです。
そういう面では、JRの民営化後も最も苦しむ3島会社、消滅自治体の数の面でもその中でも経営内容の悪い北海道と四国に大きな力を注ぎ、新幹線を延ばしていくのは重要だと考えられます。
北陸新幹線敦賀延伸の後、次に延伸実現しそうな整備新幹線が(かなり長考しますが)やはり2031年ともいわれる北海道新幹線新函館~札幌でしょうか。
北海道の場合、人口密度が低く採算性が低く赤字構造がより厳しく寒冷地で管理コストも高いため、平行在来線の3セク分離どころが、いきなり旅客路線を廃止する検討さえされています。新函館北斗から函館延伸、在来線を3セク化でとどまらず廃止する問題、採算も難しく2030年からさらに延期とも言われています。
メインは札幌と東京の輸送だとしたら、そのために地域交通が犠牲になるのは本末転倒となりそうです。ただ北海道としては札幌中心でも活性しないと道全体が厳しいものです。在来線の切り捨てという過酷な選択は採算ベースでは仕方のない選択でもあります。そして赤字自治体の多くが、3セクとして赤字覚悟の鉄道を引き受けるなら新幹線ができるなら廃止で結構というから驚きです。冬が過酷ではあるものの、鉄道だけでも暮らしていけずすでに装備十分のクルマ社会なのでしょうか。もともと炭鉱などのためにつくられた鉄道は衰退しており、面積に対して鉄道でカバーできるところが少なく、バスやクルマの頼るしかない北海道の特性が本州以上に鉄道を淘汰しているようです。
新幹線というと東海道新幹線の米原あたりの雪で良く止まり、雪に弱いイメージを抱かれがちですがそれは誤解です。耐寒仕様の東北新幹線などは、高速道路や空港が閉鎖する雪でも基本走れます。トンネルが多く、融雪装置も施され、床下機器なども東海道仕様と違い、氷や雪が付着しないようになっています。
風での飛行機、フェリー欠航で新幹線代替というのは良くありますが、逆はあまりありません。その点では北海道新幹線は、必要な交通機関ではあります。採算から言えば、あくまでも札幌までが限界のようで、札幌までの道内からの移動は他の交通機関に頼りますが、大きな動脈ができることは道全体の活性につながります。早期の開業を望みたいところです。
北陸新幹線 敦賀~大阪 日本の未来へ2 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)
リニア、整備新幹線 日本の未来へ1 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)