65歳の節目 高齢者に! 手続きいろいろ

 私たちの世代の子供の頃、1970年代は55歳というと本当に高齢者というのにふさわしい老人でした。マンガ『サザエさん』に出てくる波平さんが54歳ぐらいの設定で驚きますが、当時はその年代で名実ともお爺ちゃんで、高齢者そのものだったのです。
 この50年余りで、平均寿命もですが、成人してからの世代そのものが10年から15年ぐらい長くなり、若くなったような感じです。
 60代はまだまだ現役で、人生100年時代第二の人生の始まりに過ぎません。

 とは言え65歳は60代の半ばでの一つの節目で、いろいろ手続きがあります。
 大きく一つ目は65歳は公的年金の支給が始まる年齢で、厚生年金の特別支給を貰っている人は簡単な手続きですが、国民年金だけの人は初めての公的年金の手続きをします。
 60歳からも雇用延長で働いていた方も退職される年度です。
 特老厚生年金よりも受給金額は増え、公的年金でまかなう生活がスタートする大きな節目の年になる方もおられます。
 65歳から年金を貰うか、受給の繰り下げの選択をするかもこの時期に決断しないといけません。写真は私のところに来たハガキ、一度特別支給の老齢年金の手続きをしていると、記入は簡単で添付書類もなく楽です。しかし、4択は迷う人もいます。
 役員や自営で沢山儲けていて年金を貰わなくても十分暮らせる人は、どちらでも良いですが、よく『どうしたらいいい?どっちが得なの?』と相談される方がいます。私はあまり迷わずの選択で65歳から貰います。考えるとしても、扶養の配偶者がいますので加給年金を放棄することになる厚生年金の繰り下げのではなく、国民年金を繰り下げる2でしょう。加給年金も含め、貰えるものは貰い、あとは運用で増やします。
 貯金、所得、運用での収入と生活費をバランスよく考える必要はあります。年金機構やマスコミの繰り下げの煽りはあまり信用しないことです。年金も増えすぎると税金がかかる場合もあります。その時にお金があって投資に回せれば、繰り下げで増える分よりも儲かる可能性もあります。繰り下げで増える分ー運用利益や金利であって、そこまで計算すると繰り下げて元を取るまで長生きできるかの計算はさらに複雑ですが、繰り下げ損になる確率は増えます。

 介護保険の保険料は、65歳未満の場合、給与所得者であれば健康保険料と一緒に天引きされ、自営業であれば、国民健康保険料と一緒に納付していましたが、65歳以降は納付方法が変わります。65歳以降は第1号被保険者となり介護保険証が市町村から来ます。介護保険料の納付方法は、年金からの天引きが基本になります(特別徴収)。
 介護保険証を貰えるとなると高齢者感もありますが、かつて前期高齢者と言われた感覚はなく、むしろ社会は70歳からを高齢者と呼ぼうという風潮です。

 なお国が定める障害等級に該当しているなど、一定の障害が地域の広域連合によって認定されれば、65歳~74歳の方でも後期高齢者医療制度に加入することになります。

 年金の振込額、つまり手取りは保険料の天引きで少し下がります。介護保険料は地域や前年所得にもよりますが労使折半でなくなり軽くない金額です。
 また扶養している配偶者が60歳未満の場合は、国民年金3号被保険者ではなくなり1号保険者となり、60歳までは納付していく必要が生じます。扶養は健康保険では継続しますが、年金を貰っている人は自分の厚生年金は引き続き70歳までは増えますが、配偶者の扶養する資格は無くなります。この仕組みはよくわからず放置される場合がありますので注意が必要です。所得がある人は、支払った国民年金の保険料は年末調整で控除できます。

「失業手当」は65歳以降「高年齢求職者給付金」になります。雇用保険に加入していた被保険者が、定年や倒産などで失業した場合に生活に困ることなく仕事が探せるよう、支給されるのが失業手当でしたが。65歳以降雇用保険料は変わりませんが雇用保険に加入していた被保険者が失業したときは、失業手当の代わりに「高年齢求職者給付金」という一時金が支給されます。年金受給していると受け取ることができない失業手当と異なり、高年齢求職者給付金は年金を受給していても受け取れます。一時金というのはめんどくさくなくて良いですが、絶対額は少し減ります。
 ちなみに私は64歳でハローワークを利用しただけで、給付は受けていないものの受給期間満了まで特別支給の老齢厚生年金を停止されています。継続雇用だと貰い続けることができるのに、ちょっと理解に苦しむ制度でした。

 働き頭とか、これから子育てやローン返済でもない世代なので、高額の生命保険などは見直しも必要です。
 定年で無職になり、時間を持て余す方もいろいろやることや役割やかかる費用を考えておかないといろいろ不都合、誤算も発生します。
 退職金そのものは一時代前よりは随分減っています。年金以上に一回り上の人よりもこの年代でサラリーマンを辞めると苦労するところです。
 生き甲斐と、お金が潤沢にあれば超したことはないですが、ある程度『足るを知る』切り捨てることも大切です。

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